三重県議会議員の皆様へ
県民の福祉の向上、また全国に先駆ける地方分権改革に向けた皆様の日ごろのご努力に対し心から敬意を表します。
平成15年9月に、三重県がリサイクル推奨品として認定した、微量の放射性物質を含む埋め戻し材『フェロシルト』(製造:石原産業四日市工場)に関して、愛知県・岐阜県各地域で様々な混乱と住民の不安が生じております。現状は、日々住民と接する機会の多い私ども市町村議員といたしまして、見過ごすことのできない事態となっております。
私たちが現地視察や住民への聞き取り、また市民団体から資料の提供を受け調査したところ、地権者に知らされないままにフェロシルトが使用されているケースが数件ありました。瀬戸市では県への申請をはるかに超える12万トンが、覆土されず野積み状態で放置され、行政から防災工事等の改善を指導されています。また、フェロシルトを覆いなしで積んだダンプが大量に通過したり、早朝から通学路付近に縦列状態で駐車するなど住民からの苦情が地元自治体に寄せられています。
愛知県から指導を受けて防災工事をしている会社代表者が、瀬戸市から可児市にフェロシルトを搬入、埋め立てを行った際、瀬戸市、可児市、商品袋それぞれに3つの会社名を使い分けている事なども判明いたしました。また、過去のフェロシルト発注者には暴力団と関わりがある会社が含まれているとの指摘もいただいております。
前述のようにフェロシルトは放射性物質を含み、自然界の2〜3倍の放射線が検出されています。これが人体に入った時の内部被爆の問題が指摘されています。フェロシルトの搬入地の中には、すぐ側に住宅団地があるところや、下流に小学校や幼稚園などがある地域、その水を飲用や水田に利用している地域も含まれております。
各地域のフェロシルトの現状については愛知県、岐阜県、各地元自治体も調査しておりますが、三重県がリサイクル推奨品として認定している事、有価物である事から産廃として扱えないなど、たいへん苦慮しています。本年2月には、市民団体を通じて環境省・経産省・文科省・農水省とも懇談を持ちましたが、各省庁とも酸化チタン廃棄物がリサイクルされている事実は知らず、そのような使い方をすることは想定外との認識を示しております。
私たちは5月23日、三重県に対しリサイクル製品利用推進条例に照らして、フェロシルトの認定について、再検証、見直しをされるよう申し入れを行いました。(全60名:別紙参照)
どうか、県議会議員の皆様におかれましては、私たちの申し入れにご理解とご協力をいただけますよう心からお願いを申し上げます。
「フェロシルト」の件について、5月23日の県への申し入れ参加者一同( 12 名)
連絡先 土岐市議会議員 金津 保 0572−55−2349
可児市議会議員 山根 一男 0574−69−1030
多治見市議会議員 井上あけみ 0572−29−1096