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     2005年11月14日
三重県知事 野呂 昭彦様

      放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜
                代表 兼松秀代

 

      くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク
                代表 寺町知正

 フェロシルトのリサイクル認定に関する申し入れ書

 石原産業は過去に四日市公害を起こし、さらに1億トンもの硫酸廃液で死の海にした公害原因企業です。廃硫酸を海に棄てることができなくなって、三重県内の埋立地の嵩上げなどに、金を払って廃棄した時期がありました。その後フェロシルトと言う名前で商品を装って3県1府30ヶ所以上に不法投棄しました。

 しかし石原産業の酸化チタン廃棄物は特別管理産業廃棄物として処理することが定められています。
 三重県は石原産業の廃棄物、とりわけ大量に発生する酸化チタン廃棄物が適切に処理されているかどうか、監視すべき立場です。  

 2002年度から「産業廃棄物抑制に係る産官共同研究事業」として石原産業のフェロシルトなどを使い植物育成効果に関する研究を行いました(※-1)。しかし三重県は1年目にして既に、フェロシルトの使用でパンジーには「育成が抑制される」(※-2)、ハクサイやモロヘイヤについても「草丈の伸長が抑制された」と評価しています(※-3)。植物の生育「抑制」はフェロシルトが「毒」であることを意味します。この報告書により三重県は効果が無いどころか生育抑制、つまり植物にとって「毒」であることを承知していました。
 
 それにも関わらず三重県は2003年9月、植物が育つ土壌にフェロシルトを「埋め戻し材」として入れるリサイクル製品として認定し、販売促進に荷担しました。その結果、フェロシルトは、今年になっても、埋め戻し現地では、住民らに「植物の生育促進」「ケナフを栽培する」などとして安全性をPRされてきました。
 
 しかも共同研究の結果判明とリサイクル認定申請は密接に関わっています。三重県、石原産業が植物育成効果の商品化が困難との結果を先取りし、「数ヶ月間協議」(2005年11月6日 三重県フェロシルト問題検討委員会で三重県が説明)した後、石原産業は2003年3月25日リサイクル認定申請書を提出しました。
 
 また、共同研究の結果は公開されるべきものですが、三重県はフェロシルトに関する植物育成効果の有無に関しては公開していません。植物にとって害があるとの結果が公表されていれば、フェロシルトの中間販売業者は植物育成効果を宣伝材料として、フェロシルトを販売することはできませんでした。三重県は共同研究結果を公表しないことでも、フェロシルトの販売を後押ししました。
 共同研究の契約(第20条)に乙(石原産業)の「利害に関係ある事項について、その結果を、期間を限って」公開しないことができると明記されていても、害があると知りながら公開しないことは、契約如何の次元を超えた問題です。
 
岐阜県や愛知県内では三重県のリサイクル認定が大きな要因となって、産業廃棄物との判断が遅れました。
以上から、次のことを申し入れます。
                   
                   記

1.三重県は特別管理産業廃棄物を除くこと、安全基準を定めることなどリサイクル認定基準の抜本的見直しをはかってください。
2.搬入地域の住民の不安を一刻も早く取り除くため、三重県内の処分場の提供と石原産業に対し民間処分場の斡旋を積極的かつ速やかに行ってください。
3.今回の反省として知事から国に、リサイクル認定の際の法令上の基準設定を要望してください。
4.1991年の「チタン鉱石問題に関する対応方針」(通称 4省庁通達:放射能を含んだものは産廃廃棄物処分場に入れることはできない。しかしチタン廃棄物由来の放射線0.14μGy/h以下に限り管理型産業廃棄物処分場に搬入することを認めた通達)を守るよう関係各省に強く要請してください。
                                       以上

                     連絡および問い合わせ先

放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜 
                                     代表  兼松秀代
                                  
                                  

 
参考 ※-1 ・契約書の表題
「含鉄資材(フェロシルト・MT酸化鉄)の茶園等農用土壌改良辞意への活用技術の開発」
「含鉄資材(フェロシルト・MT酸化鉄)の花壇苗、野菜苗、水稲育苗用土への活用技術の開発」
      ・契約時期2002年6月13日 
      ・契約者 北川 正恭 三重県知事と石原産業(株)社長 溝井 雅彦
        
※ -2「共同研究報告書」 平成15年5月 三重県知事から石原産業にあてた報告書 
        「試験研究成績 野菜苗生産におけるフェロシルト施用技術の確立」
        三重県科学技術振興センター農業研究部 園芸グループ

※ -3「共同研究報告書」平成15年5月 三重県知事から石原産業あてた報告書 
        「試験研究成績 野菜苗生産におけるフェロシルト施用技術の確立」
        三重県科学技術振興センター農業研究部 園芸グループ