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岐阜県山県市議会の2004年9月定例会の
一般質問の質問と答弁
質問番号2番 答弁者 総務部長
質問事項 汚職職員の退職金の未返還請求は違法かつ損害であること
過去の汚職を反省し、厳しい再発防止策をとるべきである。
02年の高富町の町長の汚職事件は、事件発覚から2年以上が過ぎた。公職者の汚職防止には各種の制度改革が不可欠だが、山県市は、反省に基づく有効かつ厳しい制度改革を実行しているようには見えない。この刑事事件の法廷でも、証人席に立った当時助役に対して検事が「行政として再発防止しようとするなら、職員が裁判の傍聴に来るはず。なぜ、来ないのか。反省がないのではないか」と言う旨をきつく問うていた。
有効な改革の一つは、不正をした場合は厳格に対応するという市の方針の徹底と実行にあるのは明らかだ。しかし、山県市はこれを怠っている。例えば、市長は旧高富町で制度化されていた「倫理条例」すら制定していない。
そこで、私は、公務員が不正に関与した場合はもろもろの厳しい措置があるということを明らかにするために、以下質問する。
(1)この事件は、町長の1期目の任期(2001年、H13年7月)の終了前になされた行為を原因とし逮捕され、有罪が確定した。この経過は、起訴状や判決文の報道記事に明らかだ。つまり、2001年3月から業者と接触、5月の入札の指名業者にするよう関与、その直後に現金を受け取った、というものである。
ところで、岐阜県市町村退職手当組合退職手当条例では、禁固以上の有罪が確定した場合、組合長が退職金を当事者に返還請求する規定になっている(同条例第15条の3)。この条例規定が適用されるにもかかわらず、未だに、1期目分として支給した退職金1540万円は返還されていないと推測される。
組合が条例に基づく返還の請求をしていないとしたら、客観的に明らかに違法であり、かつ、損害が生じている。既に、返還請求権の発生から8ケ月が徒過してしまった。よって、同組合長は直ちに当事者に返還請求する義務がある。もし請求しない場合は、公共団体側の損害について組合長は自ら補填する義務が生ずることになる。
そもそも、山県市は退職手当組合の構成員であり、しかも退職金1540万円のうち、1108万8千円は、条例に基づいて、旧高富町の会計から町長分の負担金としてストレートに支出されたものである。よって、負担者の責任として、以下に回答されたい。
@条例から導いた上記の金額に間違いはないか。
A組合長が返還請求していないことは事実か。
B組合長は直ちに返還請求しなければならない状況であるが、どうするのか組合の
方針を確認して答えられたい。
(2)当該退職金の70%以上を4年間毎月拠出していたのだから、組合の判断や動きに関係なく、山県市は、有罪確定後は、少なくても、この1108万8千円の損害を受けていることになる。市は、直ちに、組合(長)もしくは当事者本人に損害賠償請求しなければならない。請求を怠っている山県市は、今後どうするのか。
※《返納規定》 「退職した者に対し一般の退職手当等の支給をした後において、その者が在職期間中の行為に係る刑事事件に関して禁固以上の刑に処せられたときは、組合長はその支給した一般の退職手当等の額のうち次に掲げる額を返納させることができる」(岐阜県市町村職員退職手当組合退職手当条例第15条の3の1項本文柱書)
「(2) 前号に掲げる場合以外の場合一般の退職手当等の額の全額」
なお、「返納させることができる」とは、自由裁量ではなく、羈則裁量である。
つまり、特別な事情のない限り返還させねばならない、との意味である。
※《退職金の額》 長の退職金の算出は第6条1項本文で「退職の日におけるその者の給料月額に勤続期間を乗じて得た額」、同1号において「在職期間1年間につき100分の500」だから、4年間で100分の2000。即ち、当時の高富町の条例月額77万円であるから、支給額は1540万円であった。
※《山県市(高富町)の負担金》 市が組合に負担した金額は、同条例第17条本文において職員の給料月額に応じての負担するとされ、2号で「特別職は1000分の300」とされる。即ち、77万円×(1000分の300)×12月×4年即ち、町長のための1期分の負担総額は1108万8千円である。
※自治体合併の場合、合併前自治体の債権債務は合併後の自治体に継承する。
◆◆《答弁・総務部長》
1番目の条例から導いた上記の金額に間違いはないかということは、退職金1540万円は間違いございません。
負担金については、就職または退職の月において日割り計算で給料を支給された場合の負担金の算定の基礎となる給料は前月分の給与月額とするが条例施行規則で定められている。48カ月分で算出された1108万8千円は、49カ月分で算出した1131万9千円になるのが正当です。
2番目の組合長が返還請求していないことは事実かについて、返還請求していないのは事実です。
3番目の組合長は直ちに返還請求しなければならない状況であるが、どうするのか組合の方針を確認して答えられたいについて、組合は判決文をよく検討し、今月の中旬ごろまでに方針を決定したい、との回答でした。
第2項目目の請求を怠っている山県市は、今後どうするのかについて、市は退職手当組合の方針の決定を待って、考えたいとおもっている。
◎◎◎◎◎《再質問》総務部長
今の答弁で1540万円というのは条例のとおりだと言うこと、市の負担した分というのは私の計算よりは一カ月分多い、という真実も出で来ました。組合が返還請求していないという状況の中で、今月ですから、10月中旬に組合が方針を決定するということは、初めて示された、ということであります。
つまり、現在この8ケ月間請求しなかったことは条例違反であることは明である、この違法な状態について、市民、納税者というのは、住民監査請求ができると言うふうにななっているのですが、その権利というのは、1年で消滅するというふうになっていまして、判決の確定から1年というこで、あまり先がない。私にとっても、この9月議会が最後の機会です。
そこで、市にすぐに動いて欲しいと思っている。そこで質問だが、起訴のとき、判決の時の報道記事は行政機関はもっている。さらに、今回、検察庁から判決文なども取り寄せた、ということで実際に総務部長が、新聞記事を読んでそれは起訴状や判決文と同じである、新聞報道は実際の判決と間違っている、ととらえているのか、そのとおりであると認識していのか、いかがですか。
◆◆《答弁・総務部長》
誠に申し訳無いが、そこまでの精査をした形での読み比べはしていない。新聞報道だから判決文と大きなちがいはないというか大きな差はないと理解しているが、全く判決文と同じであるかは精査はしていないし、まだ9月30日の夕方その判決文を手に入れた状況です。ご理解下さい。
◎◎《再々質問》市長
もっといろんな議論を詰めたいが、私の時間30分しかない。残り10数分だ。 総務部長が答えられた、判決文を見られていると思うが、判決文と新聞報道に相違があると認識しているか新聞報道のとおりだと認識しているのかその点、いかがか。
私がこの質問を通告してから既に20日過ぎている。ですから、そういった報道の記事から、組合と関係なく決めることができる。
まず、組合に対して、組合の方針を早く決めてくれと、あなた自身が直接電話で頼む、あるいは、直接出むいて、早くしてくれとお願いしましたか。
3つ目に、退職金問題は組合が最終決定をすることだだと百歩譲ったとして、市長として市長の決断だけですぐにできることがありす。それは、例えば、市長、あるいは執行部の3役の倫理条例を制定するということは独自にできる。
そのへのお考えは?
◆◆《答弁・市長》
新聞報道とどうか、ということだが、新聞はいろいろ各種ございますので全部読んでいる訳ではございません。おおむね、新聞報道というのはそういった状態かと思いますので、私がこの場で軽薄に答えるものではないと考えています。
また、組合長には先般別の用事もございまして、組合長にはお会いしました。先程、総務部長が答弁しましたとおりに、組合も現在いろいろ検討していると言うことでございますので、いろいろよろしくお願いします、といった程度の会話はいたしました。
3点目の倫理条例につきましては、確かに旧高富町時代にありました。それにつきましては、それ以後、議論はしておりますが、要するに倫理というのは、その当事者がきちっとそういった面ををもっておれば問題は全然ない、わたしはそう思っています。この辺につきましても、議員各位ともいろいろと協議する必要があろうかと思いますが、現時点では、そのように考えています。倫理条例がなくてもしっかりと対応していくのが、本旨に基づくと感じているが、そういった面についても今後いろいろ検討したい。
公務員の倫理の徹底の範とするために、速やかに、自ら市長ら3役の倫理条例を制定・施行すべきではないか。