第1 監査請求の趣旨
1 高山市長および支出に関与した市職員並びに受領した元高山市職員らは、ある種の談合ともいうべき不法行為によって、違法・不当な金員の受け渡しを行ってきた(以下「本件金銭授受」という)。よって、請求人は、監査委員に次の措置を求める。
2 高山市長が、前記1の不法行為を原因として高山市に生じた損害の回復をするための措置を怠る行為は違法であることを認定すること。
3 市長に対して、前記2の違法に怠る行為によって高山市に生じた損害金の全額を賠償せよ(含む利息)と勧告すること。
4 前記1の本件金銭授受に高山市職員としての権限および職責をもって関与した市職員らを確定した上で、当該職員に対して、前記1の当該不法行為に基づいて高山市に生じた損害金の全額を賠償せよ(含む利息)と勧告すること。
5 前記1の本件金銭授受に高山市職員でありながら関与した職員らを確定した上で、当該職員に対して、前記1の当該不法行為に基づいて高山市に生じた損害金の全額を賠償せよ(含む利息)と勧告すること。
6 前記1にかかる金員を受領した元職員らは、受領する法律上の根拠がなく、かつ、元市職員でありながら自分だけが市の公金から不法に利得をしたいとの悪意に基づく意図を持っているのだから、不当利得(含む利息)として返還義務がある。よって、前記1にかかる金員を受領した元職員らを確定した上で、当該元市職員らに対して、当該不当利得金(含む利息)の全額を直ちに高山市に返還せよと勧告すること。
7 以上、2ないし6の点の措置について、地方自治法第242条第1項の規定に基づき、住民監査を請求する。

第2 監査請求を求める理由
1 このたび、高山市長土野守は、過去数年にわたって、既に退職した旧職員ら(すべてではなく退職時に課長、部長だったもの)に、文字どおり「ヤミ給与」ともいうべき金員を支給していた事実があきらかになった。
2 前項1の1に関して、総務庁より委嘱を受けた高山市行政相談員・・氏(旧、高山市収入役職)に事情を尋ねたところ、・・氏は高山市に出向いて事情をきいた、説明によると「高山市長が、退職職員に(名目不明の)金員を支給しているのは事実である」ことが確かめられた。
3 その説明によると、高山市は条例で60歳定年制度を採用しているが、実体は、「58歳を迎えたら勇退する」不文律が一般的となっている。
4 これまで高山市のために働き、まだ働ける有能な職員が高山市を去ることについて、高山市が何もしないというのは不義理である。
5 現在の年金制度には問題があり、58歳で退職した職員らが年金の給付を得られるまでには一時的に無給の空白期間が生じる。
6 給付の態様は一様ではなく、退職職員に支給しても「そのようなお金はいただけない」、「不足する月々の生活費として一部を受領する」、「全額を受け取る」というようにまちまちな支給がなされているという。
7 高山市長としては困窮する旧職員の生活状態を見かねて、手をさしのべたものであるというようなことであった。
8 ただし、58歳で肩たたきにあい退職した、退職時の身分(職階)が係長以下だった者には一切支給されていない。このことについて某職員は、「公平に支給すべきではないか」との意見を述べたという。
9 下級職で退職した職員の生活は上級職にあったものより当然給与は少なく、困窮度は高い。しかし、これらの旧職員にヤミ給与が支払われないのは高山市長土野守に言わせると、「課長にもなれなかったような者どもは、平素の働きが悪かった不良職員である。そのようなものまで論功報償の対象とすることはない」と言って切り捨てたのだそうである。
10 ヤミ給与支給のウラは、事情通の高山市関係者によると、「市政事務に関わったいわゆる幹部が、退職後の身分解放に伴って、高山市政の不法行為を口外するのを未然に封じた口止め料だ」とのうがった見方まである。
11 高山市にいかに貢献し、いかに同情すべき余地があったとしても、雇用関係が終結した旧職員に公金を支給するのは違法行為であり、恒常的かつ確信的に行ってきたことは、著しい不法行為であって、社会通念としても到底許されない。
12 監査請求人は、当該公金支出の不正についてそのような「高山市例規」が制定され
ているのか、市議会議員数名に糺したところ、高山市条例(規則)によって施行されており、規則は地方自治法第15条により市長の職権で制定されるから、市議会は無関係であるし、予算化する必要もない。といって請求人の疑問を一蹴した。困った市議会議員らではある。
                                      以上