『む・しの音通信』No.31
(2003.10.10発行)
2004.11.15
「市民派議員アクションフォーラム」のご案内
市民派議員アクションフォーム
《呼びかけ人》寺町 みどり
わたしたちは11月15日(土)、ウイルあいち(名古屋市)にて、《市民派議員アクションフォーラム》「政治を変えるのは私たち」を企画しています。
主催者(呼びかけ人)は、女性の政治参加をすすめる活動をしながら、オールタナティブな「市民の政治=市民自治」を実現するための問題意識を共有する個人(議員および市民)が、この企画のために集まったものです。
この《市民派議員アクションフォーラム》は、上野千鶴子さんを招いて、「議会改革を実現するために、市民派議員はいかにたたかうのか?」と「自治体政治をどのように変えるのか?」のふたつをテーマとして設定しています。いずれのテーマも、呼びかけ人「KJ法」により現場の課題を整理しているところです。
「市民派議員はいかにたたかうのか?」は、市民派議員の意見交換を通して、市民派議員が共通に抱える課題を解決するための道筋をさぐります。このフォーラムの場で、少数派の市民派議員が、多数派の数と力に対抗するための手法、議会改革の具体的・実践的な方法論を導き出せればと思います。
「自治体政治をどのように変えるのか?」では、パネラー兼コーディネーターの上野千鶴子さんをまじえてのパネルディスカッションにより、自治体政治の現場から、いつ、どこで、だれが、なにをどのように変えるのかの方法論をさぐり、議論を深めながら、自治体政治のビジョン(展望)を見えるかたちにできればと思います。続く分科会では、自治体のシステム(しくみ)を変え市民自治を実現するために、私たちに何ができるかを参加者とともに話しあいます。
この企画は、市民派議員・市民および職員がともにつどい、それぞれが抱える課題を出しあい、問題解決のための議論の場とする、参加型のフォーラムディスカッションとしてセッティングしました。
このフォーラムに関心がおありでしたら、ぜひお誘いあわせてご参加いただき、さらに議論を深めていただければ、うれしいです。
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「どじょう」でなく「うなぎ」がつれました
福井県武生市・安立里美
8月の「む・しネット」の勉強会で講師の知正さんに預けた13年度の決算書が、たくさんのフセンを貼られて戻ってきた。まさしく「目が点」。こんなにたくさんの問題点があったとは。早速フセンの貼られた箇所を、14年度の決算書と並べ共にチェックする。なかでも年間8千万円も支払われている「福祉健康センター」の賃貸料に目が止まる。このセンター内で介護保険事業を行っている「社会福祉協議会(社協)」が無償で事業所を構え、そのうえ水道光熱費も共益費も払っていない。さらにデイサービスで使っている入浴施設も無償貸与であることが判明。社協に決算書をもらいにいき介護保険参入事業への疑問を投げかけるが、社協の事務局の説明は何とも歯切れが悪い。市と社協の双方の決算書を持参し市の職員に疑問を投げかける。公益性・公共性を盾に無償貸与を当然のごとく説明、納得できる回答は誰からももらえなかった。
電話でみどりさんに問題を投げかけると、「そのことでしたら知正さんのほうが詳しいから代わるわね」
なんという連携プレイ!電話の向こうの知正さんは緻密に明快に説明をしてくれるが、勉強不足のこの頭はついていけない。それを察してくれたのか、知正さんからのメールが届く。
「地方自治法第238条・225条・96条」から始まり「たたみかける場合の論理」まで、一年生議員が理解できるように説明された資料には頭が下がる。
急きょ準備していた一般質問を止め、「介護保険事業者として多額の利益を上げている事業型社会福祉協議会への疑問」2点に的をしぼった。一点はもちろん施設使用料の見直し。今回の一般質問の獲得目標は決まった。
「行政財産の目的外使用」として担当者の話を聞くべく役所をまわるが、一般企業と賃貸契約を結んでいる施設であるため「行政財産には該当しない」とのこと。知正さんからは「賃貸契約書に転貸禁止が記載されていないか確認することと、自治法第96条1項6号・10号に該当」「どじょうでなく、うなぎがかかるかもしれないので、逃さないように」とメールが入る。
議員として5回目の一般質問にしては少々目標が大きすぎるようである。しかし私には「む・しネット」という強い味方がついているとの思いが、しっかり後押ししてくれ、一般質問に漕ぎ着けることができた。
質問当日、「社会福祉協議会への無償貸与が条例違反であることと、経費が一般会計から出ていることについて、市民の納得できる明確な説明を求める」から始めた1年生議員に、まるで判で押したような答弁が繰り返される。いかに公益性・公共性が疑問であるかを提示したうえで自治法第96条をだして質問、理事者側の席が波打ったようにざわめく。あまりのあわてぶりに驚いているところに「暫時休憩」と議長の声。話がまとまったのか再会と同時に福祉部長が挙手。「当施設は賃貸ではありますが、当市といたしましては行政財産としてみなしておりますので、96条には該当いたしません」???行政財産?
使わないはずだった「行政財産の使用外目的」が思わぬ展開で使えるようになった。「行政財産として扱えばよろしいんですね」から質問に入ったとたん再度、暫時休憩。
今度の再開は助役の挙手から始まり、市長答弁に。二人ともが「事業型社会福祉協議会に関しては見直さなければいけないことが多数あること、施設の無償貸与は考え直すこと」を発言。どうやら獲得目標を達成したようである。それも釣れたのは「どじょう」ではなく、大きな「うなぎ」だった。
事前に質問原稿を担当の課に渡してあったのになぜ? やはり1年生議員の質問として軽く見られたのかな?と疑問は残るが「一般質問の組み立て方」として「む・しネット」の勉強会で学んできたことが自分の物として実践できた喜びは格別である。
ちなみに翌朝、地元新聞の見出しに「社会福祉協議会の使用料が見直しに」と載った。
ますます次回の勉強会が楽しみになった。
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「初議会」にびっくり
埼玉県越生町・田島公子
7月13日に町議会議員選挙がありました。
告示日の2日前にきゅうきょ立候補を決意し、届け出をしたのは告示日午後。「合併したくない」「あなたの1票が町を変える」と訴え、実質4日半の選挙運動だけで当選しました。
それからが大変でした。8月1日が議長等の人事を決める「初議会」。議会構成は、自民系11人と公明党2人、共産党2人と無党派の私の16人です。
自民の二人の議長候補に何回も家に来られて投票を頼まれましたが、まだ何もわからないから会派に入って縛られたくないと留保しました。「無党派市民派」として立候補したのだから、私を支持してくれた人は私の動きを見ているはずだと。しつように勧誘があり、ついに切れてどちらにも組しないと宣言しました。勇気が要りましたが、初議会では私だけ白票を入れました。結果は自民と公明が組んだ多数派が議長・副議長をとりました。
人物・見識とは関係なく、1票でも多い方が議長をとるということです。1票の重さがこれほど大きい選挙も少ないでしょう。しかし素人には異常とも思えるあのエネルギーは何なのでしょうか。議長はそんなに魅力のある地位なのでしょうか。みんなもっと議会そのものに力を入れて取り組んだほうが良いように思います。
本会議ではベテラン議員はあまり発言しません。「異議なし」がお得意です。ただし野次はありませんでした。議員の仕事は本会議以外の部分が大きいのでしょうか。
続く「監査委員の選任同意」については、反対派もかなりがんばりましたが、危ういところで何とか同意されました。
ご近所の1辺50メートルに議員が3人。3人がみな異なる会派というのも結構しんどいものではあります。現職2人のところに最後に立候補して波風立てたのは私ですが。
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めざせ! ごみゼロ
三重県桑名市・小川まみ
去る8月19日、桑名市の一般ゴミを処理している三重県多度町のごみ固形化燃料(RDF)施設において爆発事故があった。
この事故のあと、昨年12月1日の操業後、実は異常発熱などのトラブルだけでなくさまざまな問題点があったことが、報道によって明らかになった。まず、試験運転が十分できないまま本格稼動。12月23日にRDFの一部が発熱し、引渡しもなく操業が続いた。次に、県は市町村からは廃棄物として1tあたり3,790円を徴収しながら、富士電機には、有価物として、1tあたり200円で売っていた。しかしその焼却灰は県が処理費用を負担していた。
RDF自体が「廃棄物」と「燃料」という二面性を持ち、施設も「処分場」なのか「発電所」なのかもはっきりせず、責任の所在も不明確である。県は、RDF計画が始まった95年当時「市町村からRDFは燃料として買い取る」と説明。それが「ただでの引き取り」に変わり、最後は「廃棄物」になった。このことは、県は市町村の面倒など見ないこと、市町村は自立しないといけないことを象徴していると思う。
RDFは、運転コストがかかるため、売電によるコスト削減が必要で、安定して発電するには、一定量のRDFがいるので、ゴミ減量にはならない。RDFがストップした今、桑名市では、他市にゴミ処理をお願いするため、きゅうきょプラスティックを分別することになった。実際分けてみるとプラゴミの多さに驚き、あらためて分別の徹底とゴミの減量、さらにライフスタイルも見直す必要を思い知らされた。
大量のゴミを安全に処理することを考えるのではなく、ゴミを出さないようにするにはどうするのか発想の転換をしなければいけない時だと思う。知事は安全が確認されれば発電施設の再開を示唆したが、安易な再開はゴミ減量にはならない。ここはちょっと辛抱して、確実にゴミが減るような環境政策を市民の側からも提言していきたい。
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鹿児島市議会がいま、正常化?しつつあり。
鹿児島市・小川みさ子
ことの始まりは、6月定例議会中でした。私は市長に原発や新エネルギーの質問をした後に「原発現地への児童生徒の遠足と市交通局のあり方」について質問しました。ところが、5日後の議会運営委員会(以下議運)において、質問の前に意見を言うのは会議規則54条−3「議員は、質疑に当たっては、自己の意見を述べることができない」に抵触すると問題にして、委員たちから私への尋問のような不当な攻撃が始まりました。
そこで私は、市民の傍聴を呼びかけ、知人にメールを送り、「原発反対であるはずの共産党議員までもが電力会社の議員のカタを持ち、攻撃している」と書き加えたのです。
大ベテランとおっしゃるのなら、質疑と質問を混同しての攻撃が始まったら、その勘違いを質すなり、不適切であることをアドバイスして、平行線のやり取りになる前に止めてほしかった。それが言わせ放題!なので、原発推進ならまだしも!という思いが私の中で怒りに変わり、今までも矛先が保守でなく市民派に向けられることも多く、堪忍袋
の緒が切れて、巧みな攻撃と感じてのメール発言でした。議会の中で何が起きているのか!ガラス張りにするために知らせたわけです。
ところが、そのメールを何らかの形で入手した当該議員が、「メールの内容に事実関係の調査を議運の責任においてやっていただきたい〜市民の前に議会として明らかにしていただく方策を提案する」と発言して、いよいよ議運は大混乱に!
さて、鹿児島市議会の議運は誰かが提案すると、半ば自動的に協議事項になり、それを議論してきた歴史があります。「その他」の項目が設けられていて、いつ自分に矛先が向かうか予測も立たず、攻撃する側のサジ加減ひとつ。まったく日常の中のテロそのもの。
私自身、対処療法のようにその攻撃をクリア、また同僚議員が不当な圧力を掛けられている時には、私の思いつくすべての手立てで救ってきたつもりでした。しかし、根本的な解決にはなっていなかった。
そこで私は、寺町ともまささんとみどりさん、日進市議の後藤尚子さんに、夜討ち朝駆け、おっかけ電話までして徹底アドバイスを受けました。そして、私が自立して闘うことまでの愛のムチ。私は今回の問題点を整理し、議運の正常化のために、議長と議運委員長へ以下の申し入れを行いました。
内容は、「議会運営委員会は地方自治法に規定されているので、これを遵守しなくてはならない。『会期中議決に至らなかった事件は、後会に継続しない』と明文化されている。この会期不継続の原則からも『議会の活動能力』は、会期中にしかないことが導かれる。議会の内部機関である常任委員会や議運の活動能力は、議会会期中しかない。ただし例外として、『閉会中審査の付議のある特定の事件』は閉会中も審査できる。つまり『議会活動能力』のない期間(閉会中)に活動するのだから、議会の付議(議決して委員会に付託する)が必要である。鹿児島市議会では6月議会で閉会中審査の付議をしていない。法的根拠のない議運の開催を、適法に戻すこと。」「議員のeメール発信内容に関する件については憲法21条『検閲はこれをしてはならない、通信の秘密これを侵してはならない』の条文に抵触する行為なので、これを協議事項から削除すること。」「質疑と質問を混同した上に、会議中での発言が他の議員の意に沿わないからと言って議運で提起する問題ではないので、協議事項から削除すること」等です。法的に根拠のない協議事項を議論して日当(費用弁償)8000円が発生していることも指摘しました。
結局、会議規則54条の規定は市長が提案する『質疑』に関するもので、私のおこなった『質問』では、通告の内容に沿って自説を述べ質問することは、むしろ当然のこと。その後、勘違いのあったことを認めた電力会社の議員は発言をすべて取り消して、陳謝!して一件落着eメールに関する発言のみ今も議事録に残っています。
今回の一連の出来事から、正規ルールで理論武装して闘う!ことの大切さを身をもって学びました。
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初の電子投票に「異議あり!」
岐阜県可児市・加藤まさ子
今年7月20日に実施された可児市議会議員選挙は電子投票で行われました。
今回のシステムによる電子投票は東海地方初であり、十万人規模の都市としても初めての試みとしてマスコミにも注目されました。全国の自治体関係者の視察は百以上もあったそうです。開票時間の早さと正確さがセールスポイントでしたから、私も夜9時からの開票速報を可児ケーブルテレビで見ていました。 当初30分ほどで開票結果が出る予定でしたが、昼の投票所での投票機停止のトラブルに続き、開票結果の発表も混乱続きで最終発表は11時を過ぎていました。「なんだ!ちっとも早くもないし正確でもないじゃん」というのが実感でした。何かおかしいなぁ、どうしてこんなミスが起きたのかなぁ?と素朴な疑問が残りました。
翌朝の新聞各紙の報道はなんともおそまつな現状(投票機がオーバーヒートして停止してしまった)で、扇風機でサーバーを冷やしている写真までありました。投票所で長時間待たされてしびれを切らせて帰る人が続出した、との怒りの声もありました。本当に準備は万全だったのか? トラブルが生じた時にもっと他に対処の方法はなかったのか? この選挙はホントに有効と言えるのだろうか?と次々に疑問はふくらむばかりでした。
翌日から友人や仲間が集まってこの話題になり、とりあえず7月23日、市の選管に質問を出しました。選挙当日の選管発表では、「故障は6カ所で10分程度」だったのですが、回答書ではなんと「全29カ所の投票所でサーバーは停止していた」「時間も最大で1時間15分だった」と判明しました。故障原因は究明中である、として説明されませんでした。選挙の異議申し立ては2週間以内なので、この間、再質問をしたり十数点の公文書の情報公開請求をしましたが、まったく応じなかったので、期日ギリギリの8月4日に異議申し立てをしました。
私のいちばん大きな疑問、「機械の故障で停止した時になぜ手書き式に切り替えなかったのか? そうすればせっかく投票に来て、待たされたあげく帰る人はいなかっただろうに」は、多くの人が同じように抱いているものでした。「電子投票特例法で認められていないから」というのが選管の説明でしたが、それでは今回のような非常事態の場合の対応策が不備ではないのか? 法律そのものの不備なのか解釈・運用がおかしいのかどちらかだと思います。
つぎに大きい疑問は、なぜ故障してしまったのか? この点は様々な専門的な技術論が出てきて−私には理解できないことばかりで混乱してくるのですが−素朴なところで「なんでそんな故障ばかりするリースに高い金まで出して契約したの? しかも入札でなく随意契約で」。走らない高級車を買わされたようなものです。市長と面談した時に尋ねると、なんと損害賠償の内容は、「一時停止した時に使った扇風機の代金を請求するつもり」との言葉にはあきれかえってしまいました。
8月28日に異議申し立ては棄却されましたが、その棄却理由書のまったくごうまんな反省のない選管の姿勢には憤りを感じます。そして私たちが事実を知るべく請求した数々の公文書公開請求にもすべて非公開と通知してきたのです。知れば知るほど疑問はふくらんで、調べれば調べるほどおかしな点が出てくるのです。なんで?どうして?はまったく解明されないままフタをされ、それなのに「有効」は確定されました。やっぱり納得できず、9月18日に県選管に審査申し立ての請求手続きをしたところです。
選挙というものにおいて、早さと正確さの両立を得られないのだとしたら、正確さを取るべきではないのか、そして後にキチンと検証のできる投票方法でなければいけないのではないかと思います。
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第10回全国市民オンブズマン大会in仙台
敦賀市・今大地はるみ
笹かまぼこ、牛タン、秋刀魚の刺身、シャコめし、ずんだもち・・・。全国各地の銘酒に室内楽の夕べ。あ〜あ、仙台の雨の夜は更けてゆく。来年は函館・・・ムフフ。うにめし、いくら、じゃがバター、とうもろこし・・・。富良野ワインにビール、ウイスキー。さっそくスケジュールにインプット。懇親会めあての参加者今大地はもうおなかがいっぱい!報告おわり! エッ、やっぱりダメ? それでは気を取り直して本番GO!
8月30日13時より、増田隆男大会実行委員長あいさつ。続いて、永井敬三代表幹事による「新たなる10年にむけて」の基調報告。13:17、新海聡事務局長のスライドを使っての報告。これがとっても分かりやすく、眠気(実は昨夜も徹夜)も吹っ飛び、画面にくぎづけ! パワーポイントでパソコン画面上でデータを表示し、市民オンブズマンのこれまでの取り組みや、これからの課題を簡潔明瞭・懇切丁寧に解説! 「眠る議会zzz」をどうするか、なぁんてオンブズ語録も盛りだくさんに、問題は山積してるけど、たのしく!元気に!と締めくくられた。
さて14時からは、おまちかね佐高信さんの「いま、日本を読むー政官財の複合国家を撃つ視点」(なんちゅうむずかしい題名!)の講演が始まった。かつて市民オンブズマン活動を「平成の民権運動」とゲキをとばした佐高さんならではの小泉&竹中&オヤジ議員プラス大蔵・財務省こきおろし論に会場からもゲキがとぶ。生粋タカ派にクリーンなタカ派、ダーティなハト派にいまやレッド・データブックのクリーンなハト派のたとえにフンフン。だけどホントに「ダーティでもハトを選ぶ方がマシ」なんだろうか。と思いつつ、佐高さんの熱い語り口に引き込まれ、いつの間にやら今大地は夢の中・・・気がつけば講演もすでに佳境・・・「いのちをどう大切にするかの思想」を持った政治家が必要だと訴えているではないか!! マクロに立って、今の日本の悪い政治家や国家を撃つ視点が大切だという佐高さんの考え方もさることながら、まずわたしたちが賢い市民を目指し、自治体政治を変えることから始まる。その担い手が「市民オンブズマン」であり「市民派議員」であり、その町に暮らす市民ではないだろうか。
続いて、5つの分科会に分かれての討議。今大地は「議会改革」に参加。まず庫山事務局長から「議会透明度ランキング調査と政務調査費についての住民監査請求について」の総括がレクチャーされた後、政務調査費・海外視察・委員会の公開について、ひとり5分(タイマーが必要!)で各地の取り組みの報告。ここでも「眠る議会zzz」に非難が集中。議員の仕事は行政のチェックなんだから、オンブズマンが議員を目指すのが議会改革の最短距離なんだけどなぁ・・・。
いよいよ2日目。9時から各分科会の報告。
@議会改革 A談合・入札制度改革〜95年からの取り組み(落札率の情報公開)で地方公共団体自らに、追求させる方向が出てきた B包括外部監査〜関心の薄い苦手分野?監査委員は死んでるけど、包括外部監査は目覚めさせる! どのように活用していくかが最大の課題 C公共事業〜ムダな公共事業をどのようにストップさせるか、焦点を絞っての討議が必要。終末土建国家の終末―崩壊は必至 D情報公開〜中央省庁ランキング、外務―失格、財務―ワースト1、防衛―ワースト2。清水弁護士の住基ネットチェックポイント(今大地の意見陳述にゲット!)
各地からの報告は、徳島・横浜・仙台・名古屋・広島・大阪・香川。なかでも香川県議の渡辺さとこさんの「つたえる→つながる→つづける」活動が大切とのことばが心に残る。 続いて飛び入り・特別出演の三井大阪元検事の「検察庁幹部裏金づくりの実態」報告。
最後に5項目の決議と大会宣言を読み上げ次回開催の函館での再会を誓って全行程を終
了。仙台のみなさん、ごくろうさまでした。
厚いもてなしに、こころからごちそうさまでした!?
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SARS禍渦過?の北京で
名古屋市・坂東弘美
4月28日。中国政府は記者会見でSARSの患者・死亡者の正しい数字を発表しました。それまでの数字はうそで、為に国家の厚生大臣と北京市長を更迭したというのです。こともあろうに、私は仕事でその日に北京に到着し、中央テレビのニュースでそれを知ったのでした。1週間の滞在期間中、あのエネルギー溢れる北京が、みるみるゴーストタウンになっていきました。
帰国後、医療衛生支援活動を決心しました。7月29日、東京渋谷のウィメンズプラザで開いたチャリティ「とどけ北京へ」は、中国国際放送局勤務時代の同僚や友たちが独自に被害者の取材をして、ビデオ映像を作成して送ってくれ、中国旅行専門家の講演や、中国マスコミ北京支局の記者の話も交え、65人の参加者と北京への想いを共にしたのでした。なんとか252,000円の純支援金を作り、大勢の方の協力を得て、9月2〜7日、今度は北京の被害者のお宅にそれを直接届ける旅を実現させることが出来ました。
有名歌手・谷村真司のような千万円単位の赤十字を通す寄付とは火星と梅干ほど違う額でしたが、無名自称アナウンサーの私にとって、支援する被害者を選定する過程で、幾許かの新しい中国の発見がありました。
@ 選定の相談に真剣に乗ってくれたのは放送局の日本人同僚たちは勿論だが、20代の中国人職員たち、それも女性たちであった。
A 英語部の女性職員の夫(医師)やその父親にも相談、全員が最終的に賛成した寄付先が、一家11人のうち8人が感染入院、3人が死亡という悲劇の家族だった。
B その家族を、中国の主要紙である「中国青年報」に6月18日付けで、一面トップで報道したのは、賀延光というカメラ部長で、彼は3月の時点で、病院内の取材許可申請を出していたが、国の許可がなかなか下りず、直接病院と交渉して承諾を得、身の危険も顧みず病院に長期泊りこんで撮影を続けた。
C 友人の夫の父は蒋彦永氏で、元軍医。4月3日の政府記者会見時の死亡・患者数に異を唱え、世界的に知られるようになった人である。
D 渋谷のチャリティの日、中国青年報東京支局の蘇海河氏は、他日本メディアの取材行事を中座退席して駆けつけ、SARSの過程をありのままに語ってくれた。国際放送局の友人特派員も、本局日本語部長のメッセージをみずから要請、持参して読み上げてくれた。ともに30代である。
E 9月6日、義捐金贈呈式に最初から最後まで付き合ってくれた元軍医の息子の妻は「生活周刊」という週刊誌を土産にくれた。表紙いっぱいの顔写真に「蒋彦永:人民利益高于一切」の見出しが大書されていた。
私たちの被害者宅訪問を取材した中国マスコミは5〜6社です。中国青年報は9月7日写真入りトップで報道しました。2社はSARSはもう収まったから避けるようにと上部の指示があったようです。
ODAをどれだけ積んでも、言葉の表現を何字かいじくっても、中国の大多数の民の心に容易には届きません。かの地でやった過ちはかの地へ行って、ひとりひとりの顔を見て謝り、誠意を尽くし、新しい芽生えを共に創ることが大切ではないでしょうか。
9月19日の「北京の日本大使館に旧日本軍が残したマスタードガスで死傷した人たちへの補償を要求した100万人の署名が届けられた」というニュースを哀しく聞かない人はいないでしょう。署名を届けたのは、これまた若者たちでした。
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「市民派議員アクションフォーラム」
《パネルディスカッション》
「自治体政治をどのように変えるのか?」のテーマ
呼びかけ人・寺町みどり
パネラーの4人は、市民、議員、研究者と立場は違うが、「自治体政治を変えたい」という問題意識を共有しているという前提での基調報告。 持ち時間は、それぞれ15分。
−基本的に論じたい課題−
・なぜ「政治を変えたい」と思ったのか?
・現在の自治体政治にどのような問題を感じているのか?
・政治を(いま・近未来・何年後に)どのように変えたいのか?
・市民と議会の関係の問題提起と、それをどのように変えたらよいと思うか?
・行政機構と市民(NPOを含む)との関係の問題提起と改革案
・行政と議会の関係の現状の問題提起と、それをどのように変えたらよいと思うか?
・先進地の報告と、先進地ゆえの新たな現状の問題提起。
−なぜこのように考えたのか?−
事前のKJ法「自治体政治はどうして変わらないのか?」で自治体政治の抱える問題点を整理した。ここで出てきた課題は予想通り多岐にわたった。大きくは「市民」「議会」「行政」とわかれた。
個別の問題として、議会は「議会改革をどう進めるのか」「意思決定機関としての議会の問題」「構成員である議員の問題」などがある。行政は「制度」「組織」「人事」「政策」など。市民は「NPO・NGO」「市民参加の問題点」「現状の地域組織の封建性」などの問題が出た。
これらには密接な関係がある。たとえば、「意思決定」における市民参加。政策の立案・実行・評価に、市民が直接参加する方法はあるのか? あるなら、実現するには具体的にどこをどのように変えればよいのか?
閉鎖的な議会に市民が直接かかわることは可能か? 市民のままで直接、議会への「市民参加」は可能か? それはどのような方法で? 「政策評価」への市民参加は?
行政と市民との関係も変わり始めている。「NPOとの協働」で市民参加を推進することで、また、行財政改革という名の元に「パート職員」を増やすということで。
このように、それぞれの課題は、個別の問題であるように見えるが、じっさいには市民と行政と議会の関係性のなかで複雑に入り組んでいるので、解決するには関係性を組み替えることが必要である。
だから、これをそのままテーマごとに分けて解決の方法論を論じるより、「議会」「行政」「市民」間の関係性を解いていくほうが、解決の道筋を立てやすいのではと考えた。これらは、いままでの自治体制度では、閉じられた関係のなかで住みわけされてきた。
「議会を変える」ひとつの答えは、市民が「市民派議員」として自治体の議会制度のなかに入っていくこと。「行政を変える」には、市民が「市民派職員」として行政制度のなかにはいっていくこと、NPOが行政の仕事を担うこと。そのために制度やしくみを変えること。これらはすでに一部始まっているが、先進的な現場では新たな問題も発生している。
わたしは、「市民と議会(議員)」「市民と行政」「議会と行政」の関係を問い直し、開かれた関係に組み替え、「議会」や「行政」の風通しをよくなるように、制度やしくみを変えることで、自治体政治を変えることができるのではないか、と考えている。
課題の分担は、それぞれのパネラーの現場に近い課題と得意分野を選んだ。
大きな課題を立てたので、簡単に結論が出るとは思っていないが、上野千鶴子さんをまじえてのディスカッションで少しでも先が見えるようにしたい、できれば共有する問いを解きたいと思っている。
会場には、自治の現場をかかえる多くの市民派議員が参加する予定である。市民派議員が議会で孤立しながらもたたかうためには、なぜ自治体政治を変えるのか、たたかう先にどのような未来があるのか、ある程度先が見えていることが必要であろう。
市民も議員も職員もパネルのテーマを共有し、ここで見えてきたことを、それぞれの自治体政治の現場に反映させてほしい。さらにパネルが終わった後も、多くの人にこのテーマを考え、積み残した課題を議論してほしい。
これがわたしがこのパネルを企画した、もうひとつの目的である。
《編集後記》
◆「11.15フォーラム」参加申し込みは現在、全国から市民派議員31名。市民多数。定員100名にはまだ余裕があります。 ◆通信の印刷・発送日におもいがけなく急な発熱と発疹。国会中継を見てたのがよくなかったのかなぁ。「オニの撹乱」という声もあり(笑)。通信がお手元に届くのが予定より大幅に遅れました。
(みどり)