『む・しの音通信』NO.40
2004年8月30日発行


特集「わたしが勉強会で獲得したもの」
2004.7.31〜8.1  ウィルあいち


夏の「議員と市民の勉強会」報告


今年度2回目の「議員と市民の勉強会」を、7月31日午後から8月1日午後まで、5セッションで開催しました。講師は寺町ともまささんとみどりさん。参加者12人、今回は全員議員でした。
 《セッション1》は「6月議会一般質問で獲得したもの」。
 5月の勉強会では一般質問のシミュレーションを行い、それをもとに6月議会にのぞみました。今回はその質問/答弁を自己評価(1〜5点)し、「どこが評価できるか、反省点は何か、今後の課題」などを分析。事前に講師のアドバイスを受けてまとめたレジメを、順番に報告しました。講師コメントや参加者からの意見も含めて一人10分と短い持ち時間の中で、今後の一般質問に生かそうとみな真剣に耳を傾けていました。
 《セッション2》は「問題解決のすじみちを立てる」。
 これまで数多く住民訴訟をすすめてこられた寺町ともまささんに、情報公開や住民監査請求について、手続きやその対象についての話を聞きました。そして情報公開の世界を実感するため、事前に課題として参加者が自分のまちで行った情報公開請求の結果を比較。自治体によって公開度が違うことなどわかりました。さらに非公開に対する異議申し立ての方法、書き方について、事例をみながら学びました。
 《セッション3》は「課題を整理し、解く手法」。
 自分のまちで不当・不適正支出と思うことについて、住民監査請求を実際につくり報告しました。これも事前に宿題として各自課題を決め、「状況、支出の事実、不当性・違法性の説明、獲得したいこと」をまとめました。それを基にともまささんが修正を加えて作られた監査請求案をみなで検討し、今後の行動にむけて後押しされた感じでした。
 2日目の《セッション4》と《セッション5》は、「決算審査にそなえて」と「私の決算審査を報告する」。
 はじめに「決算とは何か」。政策を事後評価するという観点から決算を見ること、決算審査の着眼点などについて話を聞き、決算審査の重要性を再確認。その後、参加者が前年の決算審査で行ったことから2つのテーマについて報告し、講師からコメントをもらいました。他市町の問題との共通点や違った視点から、あらためて自分のまちの決算を見直すきっかけにもなりました。9月議会の決算にぜひ活かしたいものです。
 最後の1時間は、この勉強会のまとめとして、今回の感想、勉強会で獲得したもの、課題と今後の展望などについて、1分間ルール(1回1分以内で話す)でディスカッションしました。
 また次回の勉強会について話し合い、「一般質問の組み立てはできても、再質問が苦手。本番で相手を説得するための論理的な議論ができる力を身につけたい」という意見が出されました。
 次回11月の勉強会は、「KJ法」のワークショップ、「議論の手法」などをテーマに取り入れるという方向づけをして、2日間の勉強会を終了しました。(報告・小池みつ子)

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一般質問を学ぶ
岐阜県瑞穂市・熊谷祐子



 
4月に議員になったばかりで思いがけず勉強会に参加のチャンスに恵まれたのですが、事前の宿題の内容を見ただけでめげました。
 それでも6月の一般質問は体験したのでまとめてみました。しかし講師から、「要点、獲得目標、事後評価、評価できる点・その理由、反省点・その理由、今後に向けての課題」それぞれについて、「リクエストの趣旨が理解されていない」と指摘を受けました。「一般論でなく、自分がした一般質問に即して具体的な評価・分析をして下さい」と。まず要点は、自分が言いたいことではなく、質問の要旨を書くべきでした。
 この時点で、「今後に向けての課題」があるのだから、継続的に取り組んでいきたいテーマに変えました。
 一般論でない評価・分析? 書けなくてごく短くまとめたら、「それぞれの理由を自分で分析して、字数いっぱいに書き込んでください」と。一生懸命直したものの、私にはもうそれ以上よく分かりませんでした。
 勉強会で自分のレジメが批判され、他の人のレジメも示されて初めて、自分が宿題をこなせなかった理由が分かり始めました。
 自分が「主張したいことを述べる」のが一般質問ではなく、「質すこと」なのだから、質問したいことがよく分かっていなければならなかった。つまり、講師の言われた通り、「市民派議員は答弁者とは対立していることが多いので、聞きたいことをもっと簡潔に整理しなければ、よい答弁はこない。」「初めての一般質問かつ一括質問で混乱状態に陥ったが、落ち着いて『ちょっとお待ち下さい』と、そこで整理したってかまわない。」「再質問、再々質問では、まず、相手の答弁を集中して聴くこと。次に自分が話す内容のことばかり考えていては、議論がかみ合わないのは当然。」なのでした。
 このことを9月の一般質問で本当に生かすことができたなら、「今回の勉強会で獲得した」と初めて言えることになると思います。

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「本気で一般質問してますか?」
  福井県武生市・安立さとみ


 いつものように緊張して席に着く。
 セッション@は「6月議会の一般質問で獲得したもの」であった。なぜか今回は今までとは違う一般質問の勉強ができたと感じる。
 自分の一般質問の結果を議事録をもとに自己評価・分析し、それを全員の前で発表してから講師のコメントを受けた。5月の勉強会の模擬議会でシミュレーションし、アドバイスを受けて、自信いっぱいで挑んだはずの一般質問である。しかし自己評価は5段階の3点、他の参加者も3点どまりだ。そのような結果を一人ひとり評価・分析していった。
 「前回のシュミレーションが生かされていない」「質問と答弁がかみ合っていない」「現状の分析が甘いので、目標がはっきりしない」等々的確に指摘される。しかし指摘される内容は、なぜか毎回一般質問の勉強で学んできたこと。現にみどりさんが「見たことあるでしょ?」と配布したレジュメは前回のものであった。それなのに今回は新鮮であり、ズシンと響いてきたのはなぜだろう。
 セッション@の宿題は「6月議会・一般質問を評価・分析する」で、事後評価の理由を「評価できる点・反省点・今後の課題」に分けて各400字で書き出すものであった。各自が事前にレジュメを提出、そのレジュメをみどりさんと何度もすり合わせをして、書き直したうえで当日を迎えたのである。また評価だけでなく、分析の手法も事前に伝授してもらった。400字の文が生きかえったのが分かった。まさしく、事前の積み重ねがあったから、今回の勉強が違う形で自分の中に入ってきたのだと確信する。
 今回、評価・分析することで、理事者の答弁の質と自分の質問の質が比例していることに気づかされた。もらった答弁があいまいなのは、自分の質問が中途半端だったからであり、質問がよければ理事者もそれなりの答弁をせざるを得ない状況になると分かったのだ。一般質問そのものを評価分析することがいかに大切であるかを教えてもらった。
 勉強会でのみどりさんの言葉が心に残る。
「みなさん本気で一般質問していますか?」

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はじめての経験・情報公開請求
   兵庫県中町・高澤栄子


 
《セッション2》は、参加者がそれぞれ同じテーマのもとに、事前に公開請求し、入手した公文書を見比べることから始まりました。
 講師の知正さんからは、「どの自治体も情報公開条例自体の内容は似通っていて大差はない。しかしその運用いかんによって、公開度は高くも低くもなる」との説明がありました。持ち寄ったそれぞれの文書を見比べることによって、運用が自治体によってバラバラだ、ということがよくわかりました。
 同じような文書を公開請求していても、自治体によリ、その通知書は、「公開決定」「一部公開決定」「非公開決定」とさまざまです。また、同じ「一部公開」という通知書であっても、非公開部分がすこしずつ違っていたり、解釈の仕方や運用方法に大きな差異があることにも気付かされました。
 条例に対する行政の理解度によっても違いがでてくるのでしょうが、非公開部分の黒塗りはまだいいとして、白のマスキングをして、公開決定の通知書をだしてきている自治体もあったりしてびっくり。
通知書の内容や求めた文書が出てこない場合には、行政不服審査法による異議・不服の申し立てができるので、それらが次の活動へつながっていく、と知正さん。それには、まず、出てきた通知書や内容を詳しく読み取る、読む解く力をつけなければ、と思いました。
 打ち明けますと、私は今回の宿題ではじめて、情報公開制度を使ったのです。ちなみにわが町も、平成13年に情報公開条例が施行されてから、2件目の請求ということでしたから、目的の文書を手にするまでのプロセスが大変でした。しかし、情報公開を実感した今は、これまで使わなかったことがもったいなかったなあ・・・ちょっとソンした気分です。
 みどりさんの『市民派議員になるための本』にも、「思いたったら役所に行き、たのしみながら情報公開制度を利用しましょう」とあります。これからは、思いたったら即情報公開、といきたいと思います。

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請求の理由は「知りたいから」
   長野県穂高町・小林純子


 夏の勉強会では、情報公開請求の宿題が出ました。穂高町では、2000年に公文書公開条例が施行され、毎年20件程度の請求が当り前の状況になっているので、未経験の私などちょっと肩身が狭い感じ。窓口の職員に書類の書き方から教わりながら、請求の目的を記入する段で首を傾げていたら、「『知りたいから』でいいですよ。」と助け舟。いろいろ難しく考えていた私は、目からウロコでした。
 ということで、今回の情報公開の宿題では、その手続きの実体験を重視し、講座では情報公開事務の流れや非公開項目の妥当性、公務員の守秘義務との関連性等について学びました。まずは参加者の12自治体の情報公開の実情を知り、比較することで問題点も見えてきました。条例自体は、どこもそれほど変わらない内容なのに、自治体により運用はマチマチで、住民サイドに立ったものになっていないのです。全員が同じ内容の公開請求をしてみたのですが、自治体によって非公開の基準の解釈が違い、職員の懲戒処分に関するものなど出さない町もありました。そんな場合、ただ引き下がるのではなく、異議申し立ての手段があることも学びました。
 また、参加者の自治体の中には「自分の請求が今年初めてだった」というまちもあり、行政の担当者からして情報公開に不慣れで、理解していない実態も浮かび上がりました。書類の不備や、非公開部分が白塗り(コピーしたとき非公開部分が分かりにくい)など、事務的なズサンさに関して、改善を要求するのも議員の仕事と気付かされました。
 さて、請求の目的は「『知りたいから』でいいですよ」、という穂高町に感心していた私でしたが、これも考えてみれば、請求の目的など書く必要はないはず。公開されて当然のことなのですから。
 せっかく手にした市民の道具「情報公開」を、みんなで使い倒しましょう!

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「課題を住民監査請求に仕立てる手法を学ぶ」
   京都府亀岡市・しのはら咲子


 議会で2回質問しているにもかかわらず、成果が得られていない課題を私はかかえている。この問題を住民監査請求することができたら、現状の打開につながるかも知れない。今まで請求の仕方について学ぶ機会がなかったので、絶好のチャンスだと思って参加した。
 講師の寺町ともまささんから宿題が出され、参加者は自分の課題について文書を事前に提出していた。コピーが配られ、一人ひとりの課題を共有できたのがよかった。私は宿題を消化する段階で住民監査請求がよく分かっていなかった。勉強会に臨んで初めて、請求書の書き方までよく理解できた。
 宿題には設問が5つあり、各問いに従って自分の課題を分析して指定字数内で解答を書いた。実は5つの設問がぴったりと住民監査
請求書のタイトルと趣旨説明の項目に合致していて、そうとは気がつかずに自分で請求書を作成していたのだ。いくつかの訂正や追加
の文言が加えられもした。実に分かりやすくありがたいアドバイスをいただいたと感じている。住民監査請求が身近になり、自分でもできる自信がついた。
 正直に言うと、住民監査請求の効果を疑問視していた。亀岡市の監査委員は元市職員と現職の与党議員で、どちらかというと行政の
側に立った見解を示す人たちだから、公正な判断をするか疑問だ。しかし、私は何もせず、ただ敬遠していたのだ。訴えの主張が正当性を持つものであれば何も憶することはない。また、行政は請求を受けると対応を考えるので、例え望み通りの結果は得られなくても、事態は動き、状況に改善が見られるとのこと。「やってみなくては分からない。やらなければ何も変わらない」と反省した。
 私はまだ住民監査請求に着手していないが、今後、実行すると心に決めている。議員として一般質問をするだけにとどまらず、手法を広げて事態の改善を勝ち取るべきだということがよく分かった。 この文を読まれた皆さんに対して、住民監査請求した結果報告をしなくてはならないと感じている。

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住民監査請求はコワクナイ
   埼玉県越生町・田島公子


 今回の勉強会も、約1ヶ月前にセッションごとに宿題が出た。セミナーは1ヶ月前から始まっているといえる。
 セッションBの宿題は、各自が自分の問題を監査請求の形にまとめて提出することだった。それぞれが抱えている問題を、「@請求の趣旨、A状況説明、B支出の事実、Cなぜその支出がいけないと思うか、D獲得したいこと」と指示に従い、考えながら順にまとめていくと、それが監査請求の形になる仕組みだ。
 当日は、全員のレジメを集め、1人分ずつすすめる。3分で必要なことを説明するのも訓練だが、すごく難しい。他の人の分はしっかり理解するまでには至らない。
 次に講師の寺町ともまささんにより、事前提出済みのレジメをもとに原文を生かしてより良い形に補ったモノを用意してあって、その1人分が全員にさっと配られる。「支出の違法性、損害、請求人が監査委員に求める措置」と、要件が整ったものになっている。これは講師のほうにも相当準備の時間がかかっていると思われる。要点を説明される。監査請求とはどういうものか、どこが問題なのか、を明確に説明される。監査請求がどんなものかが少しずつわかってくる。日常「ん?」と思うところは、調べれば「違法若しくは不当」があちこちにありそうだ。自分もあれも出したい、これも出したい状態になり、終るころには頭がパンパンになる。
 そして家に帰ってきた。忘れないうちに早く復習し整理し直さなくてはならない。
 最後にペーパーワークが残っていた。初めから終わりまで、怠け者には結構つらい作業だが、こんなふうに勉強できるところは他にないと思う。叱咤激励も含めて、非常にぜいたくなセミナーである。
 今回の勉強会で獲得したもの。
@住民監査請求はコワクナイ。勇気を出そう。
A市民の有力な武器だ。1人でも出せるのだから、「地方自治法第242条」を勉強して使いこなせるようになろう。

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私の決算審査を報告する
   三重県桑名市・小川まみ


 今回の勉強会では、昨年の決算審査において何に着目したのか、2つテーマを選ぶという宿題があった。私は、市税の徴税率と公営住宅使用料の収入未済額についてと一般会計から特別会計への繰出しを選んだ。歳出の項目から何か選びたかったが、特にこれというものが無かった。「きっと、表面的にしか見ることができなかったため、何か問題点を見逃したに違いない!」 そう思いながら宿題に取り組んだ。
 そして、「決算審査の着眼点」をテーマに2日目の勉強会は始まった。今回は、分厚い決算書のどこに注目すればよいのか、目の付け所を学んだ。例えば、歳入では、分担金の「受益の範囲」が明確に条例で規定されているか、寄付金は、地方財政法で禁止されている「割り当て寄付」がないかを見る。歳出では、議会費をチェックする議員はほとんどいないので、これぞ市民派議員の仕事。また、「これは許さないぞ!」という違法・不当な支出に対しては、議会における質疑・討論に加えて、前日に勉強した住民監査請求を駆使することも学んだ。
 実は、昨年の決算の時に、補助金・負担金の支出をチェックしたが、支出先を聞くので精一杯だった。しかし、実体があるのか、出す理由があるのかという視点で見ないと不当な支出かどうかを見抜けないことが分かった。
 次は、宿題の発表。私は公営住宅使用料について、悪質な家賃の滞納を見逃していないか、ちゃんと滞納整理をしているのか。そんな滞納を減らすことにばかり注目していたが、講師からは、「収入基準額を超えて入居していないか」「最近はDV被害者支援として公営住宅を位置づけているので減免も必要」、と全く違う視点があることを教えられた。
 今回は宿題で苦労した。テーマを自分で選んで発表するので、何故、その項目に注目したのかを説明するためには、自分で問題整理しなければならなかった。その分、勉強会の前に反省し、自分自身で問題点の把握ができたので、講座を聞いていてもよく分かった。

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準備が肝心〜決算審査を前に
   三重県久居市・中村ふみ子



 決算審査とは、大まかにはその年市が行ってきた政策の事後評価である。それを監視する役割が市民派議員にはある。現実は「終わ
ったことだから今さら言っても・・・・」「予算の方が重要だ」という議員もいる。でも「自分が実施したことの反省をしないで進歩はない」と市民なら思う。9月からの決算審査を控え、その準備と不当性、違法性を見抜く力をつけたく、今回の勉強会に参加した。
 今までの決算審査では、「なんだかおかしい」と思ったことは、詳しく市に聞いていたが、聞くことにとどまったり言い放しになっていたことが多かったと気付かされた。「おかしい」と思った根拠を十分論理的に話すことができていなかったのだと思う。その理由は、予算書とのつき合わせ、前年度決算書と今年度の決算書のつき合わせが十分でなかったり、関連の法律を読み込んでいなかったり、であったといえる。それを実行していれば、質の高い審査ができたと反省しきりだ。
 違法性という点でひとつの例をとるならば、久居市は開発をする際に、それに対する負担金を徴収し、寄付金として歳入に入れている。以前から「負担金であるのになぜ負担金の項目に入れていないか」疑問に思っていたが、違法性を根拠付ける、地方財政法の「割り当て的寄付の禁止」を知らなかったために、現在まで止めることができていない。この行為が禁止行為であることを知り、この勉強会の後、担当の課へ確認をしにいったら、次年度より廃止すると決めたところだという説明であった。議員になって6年目であるが、違法性を見抜く力が乏しかったために、結果的に放置し必要でない負担を一部の住民に強いてきたことになる。
 まだまだ、準備不足であったことを反省し、次年度から変えさせていけるように、論理的に説明できるように準備したい。適法性だけを審査するための決算ではないので、財政的なその他の観点、さらに政策的な観点からの評価まで踏み込んで追及したい。

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不祥事が続く町の議員として
右往左往しつつ、前を見て!
    京都府木津町・呉羽真弓


 7月の「む・しネット」勉強会の準備も大詰めの22日、議員控え室を出て帰宅しようとした矢先、議会事務局に動揺が走った。職員が見せた夕刊記事には、「参院選で地位利用か! 京都府警が木津町長事情聴取」とあった。1週間ほど前、「今は捜査段階なのでなんとも言えない。しかるべき時がきたら、議長から話がされるでしょう。」「職員が事情聴取されているらしいがその真偽は?」と聞いた私に、事務局長はそう答えていた。そして、22日深夜。公選法違反の疑いで町長逮捕とのニュースが流れたのである。
 明けて23日は騒然。新聞によると、3月から6月中旬にかけ、自民党公認候補の後援会入会申込書を、部長や課長ら幹部職員十数人に配布。決裁で町長室に来た職員に「頼むぞ。申込書に名前を書いてもらったら持ってきてくれ」と、票の取りまとめを依頼した疑い(読売新聞)と報じられた。早速、会派の代表幹事会が開かれ今後の対応について協議。結果、現段階では情報が錯綜しており、接見禁止状態の中で、特に全員協議会開催なしというものであった。
 職務中に依頼! しかも3月から! 6月議会中に講演会! 7期も町議をしていて公職選挙法を知らないとはいえないはず。
 怒りと失望に駆られ、週明け議長に会い、町民の信用を失墜した行為に対して、全協開催を要請するも「わかっている。しかし、今は、接見禁止であり、経過も状況もわからない。弁護士と家族のみ接見できる状況だからまあ様子を見て。」という。議員もいろいろ。「取調べ中なんだから、無実の罪ってことだってある、ほら先の長官狙撃事件の容疑で逮捕されたオウム関連の容疑者だって、結局証拠不十分で不起訴になったでしょ。ああいうこともあるし。僕は気の毒だと思うなあ。」という人。「議会として辞職勧告すべきだ。」という人。私は「狙撃事件のことと今回のことは全く比較にならない。公務員が住民を裏切り、信用を失墜させた責任は重い。進退は本人が決めるべきだが、辞職すべきだ。」と。
 こんな状況下、寺町ともまささんにメールで相談。「先の収賄事件といい、町長の逮捕といい、高富町の後をいってるみたいだね。不祥事が続く町の議員なんてそうないよ。市民にはできないけれど、議員としてできることはあるから」。参考資料と一緒にアドバイスを。そして臨んだ勉強会。大切なノウハウを取得しなくてはと思いつつも、頭の中は帰ってからの対策で一杯。
 町長不信任に対する請願書を提出しようか? 次の選挙のことに頭を切り替えている人もいる中で、今後に向けて住民は黙っていないということを示すべきかなど迷いつつ、8月2日、「辞職願い」が出されていないか確認に助役室へ。なんとその朝「辞職願い」が出され、議長に受理されたとのこと。臨時議会にて同意へと進むことに。
 急きょ「不祥事根絶と町長の給与支払停止を求める請願」に切り替え仲間と共に奔走。紹介議員として、議員定数の4分の1を確保し付議事件として臨時議会に提出しようと共産党に連絡するもあえなく断られ、議運での取り扱い審議の結果、9月定例会での審議とされる。(請願は通常、定例会で審議される。急施事件の場合はこの限りではない)
 さて、臨時議会当日。町長辞任の同意が得られ、議運の委員により、「公務員の資質と倫理の確立を求める意見書」が提案された。9月に行われることになった選挙費用は、専決処分するらしい。その後、元町長は、公選法違反の罪で罰金30万、公民権の停止3年の処分を受け、罰金を仮納付して、釈放。
 巷では、立候補予定者の誰が誰と密約、とかなんとかなどの噂がまことしやかに飛び交う中、法律にのっとり職務を遂行すべき公務員の、法を守らない、知らないことから発生する行為に、私の議員としての力量を試される日々が続いている。

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《「む・しネット」企画》


11月「議員と市民の勉強会」ごあんない

 次回勉強会は、「KJ法」や「相手を説得する論理的な議論の手法」など、これまでと違うテーマも入れた勉強会です。「KJ法」は、抱えている課題について、問題解決の道筋を見つけ出すための有効な手法。上野千鶴子さん直伝の「KJ法」で、実践的なワークショップをします。議員の方も市民の方も、ぜひご参加ください。

<日時>
11月13日(土)午後1時
      〜14日(日)午後3時
<会場>
「あいち健康プラザ」宿泊館・会議室
     (愛知県知多郡東浦町)
<講師>
寺町ともまさ&みどり
<講座内容>
セッション1:「KJ法を体験する」
セッション2:「取り組んでみたい一般質問」
セッション3:「議論の手法を身につける」
セッション4:論理の組み立て
       「主張と反論の実践」
セッション5:あなたのまちの議会改革
<参加者>
 原則として会員。会員外のお試し参加あり。
(参加を希望される人は下記へ)
<参加費>
 会員―1万円、会員外:2万円
     (その他宿泊費、食事実費が必要)
<参加条件>
1、全セッション参加が基本です。
2、事前のレジメ提出をリクエストします。
  オブザーバー参加はできません。
<申し込み締切> 
9月15日(水)必着
<参加申し込み&お問合せ>
担当:小池みつ子 TEL/FAX 0561-62-0890
mail/mkoike@hm6.aitai.ne.jp

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議会ウォッチング in 武生
〜第2弾は北陸で〜

今回は、議員会員の安立里美さんが活躍する福井県武生市議会が舞台です。「質問回数制限なし・一問一答方式」の、全国でも珍しい一般質問を、あなたも傍聴してみませんか? 
 採点シートもさらにバージョンアップ!
 傍聴後は、安立さんを交えて、採点結果の意見交換会も開催します。ぜひご参加ください。

<内容>

 1.武生市議会を傍聴し、採点。
 2.採点表をもとに意見交換。
<日時>
9月10日(金)14:00〜
 (13:30に武生市役所ロビー集合)
<開催場所> 
武生市役所・別館議場
<参加費> 
500円(資料代)
<申込み・問合せ先> 
今大地はるみ TEL:090-2032-4070
E-mail:h-chanto@rm.rcn.ne.jp

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『む・しの音通信』にときどき寄稿してくださる坂東弘美さんが、8月15日に本を刊行されました。

『私は「戦争」から生きて帰った−日中戦争従軍兵士 阿部要の手記』坂東弘美編:1470円(税込み)

 《解説》

「戦争は普通の人間を簡単に“鬼”にしてしまう。・・・私はかわいい孫たちを鬼にしたくない」。貴重な戦争経験を風化させないために、ぜひ語り継ぎたい記録。阿部要さんは、編者の坂東弘美さんの父君で、日中戦争の初期から、満州、上海、南京と、飛び交う銃弾の下をかいくぐってきた従軍戦士です。いままでずっと口を閉ざしてきた阿部さんは、20年前、孫からの「どうして戦争は起きるの?」という質問に答えて、343枚の便せんに自らの戦争体験をしたためました。その記録を坂東さんはどうにかしてほんの形にし、後世に残したいと思いたちました。それが今回の出版の運びとなりました。本書には、名古屋歩兵第6連隊に21歳で入隊してから、敗戦に至るまだの13年間が、くまなく記録されています。

ご注文・お問い合わせは、坂東さん(052−834−9457)、または合同出版(03−3294−3506)へ。

《編集後記》

 ハードな勉強会を終えてホッとしている参加者に「鉄は熱いうちに打て」とばか りに追いうちの原稿依頼。次から参加者が減るのではと心配です。とはいえ、届いた原稿は力作ぞろい。バージョンアップした勉強会の様子が読者に伝わればうれしい。 
 8月上旬にホームページを立ちあげました。『む・しの音通信』もアップして、活動の情報を満載。興味のある人は、のぞいてみてね。相互リンクも歓迎します。(みどり)