『む・しの音通信』No.54(2006.4.10)

P1〜4 2006年度・事業の特集
「シンポジウム」、「M&T企画/選挙講座」関係記事

私がシンポジウムで獲得したいもの
〜立候補するか、否か〜
   7/8シンポプロジェクトチーフ・高瀬かおる


 この文章を書いたのは、シンポジウムのプジェクトチーフスタッフになった動機づけを、はっきりさせたかったからだ。
 その必要性に気づかせてくれたのは、「む・しネット」スタッフ会での事務局のみどりさんの2回の指摘である。1回目は、私の作ったシンポ企画のレジュメの、シンポの目的にも獲得目標にも「無党派・市民派議員を増やすこと」が入っていなかったこと。2回目は「高瀬さんのシンポに対するモチベーション(動機づけ)はなあに?」と問われたこと。私はシンポの目的に、「無党派・市民派議員を増やすこと」をあわてて加える一方で、自分自身に対しては、「あなたは議員に立候補すべきでない」と忠告していた。その矛盾が煮え切らない言動に出て、見透かされたのだろう。
 2月のスタッフ会で、みどりさんから「Nさんが責任者になって、あなたが候補者になれば?」と冗談めかして言われたあと、「本当にやってみようか」と思った。そのころの私は、1月29日の岐阜市長選で、あの無責任な市長が再選されたことがとにかく悔しく、あきらめムードのまわりの人たちを歯がゆく感じていた。また、路面電車の再生運動で市全域に広報を行う必要があったのだが、どうせそれだけ大がかりな広報を自分が担うなら、電車の話だけでなく他の課題についても訴えたほうが有意義だとも思っていた。
 自宅に帰ってから、立候補したいと考える理由とやめるべきだと考える理由の両方を、片っぱしからパソコンに打ち込んでみた。すると、立候補すべきという理由のほうが、4倍以上あ
った。
 「よし、やるぞ!」と決意してはみたものの仲間のあてがなかった。「M&T企画」の宿題では、「自分を当選させたいと思う人が、2人はいる」と書いたが、それもあやしい。そうこうしているうちに、2週間が過ぎた。そして、ふと思った。まず選挙に協力してくれそうな仲間がいないということは、今の私にそれだけの人望がないからだ。路面電車や産廃の運動でも、煮え切らないかかわり方をしてきて、いい結果も出せていない。有権者としての私は、そんな人に投票したくない。立候補すべきと考えた理由をあらためて眺めてみると、単なる打算が多いようだ。いくら理屈で考えても、本当はその行動を起こすべきでない時期であれば、絶対にできないようになる。逆にやりたくないと思っていても、やるべき時ならいやおうなく、やるハメになる。そういう経験を私は過去に何度もしている。今回はやめようと思いなおした。
 他にも立候補に否定的な考えが、私を納得させるかのように浮かんできた。

@ 「議員の仕事がやりたい」と熱烈に思っているわけではない。「議員の仕事はできる」とも思うけど、単に他に私の満足するような仕事をしてくれそうな議員(または候補者)がいないから、自分が「やらなければならない」と考えただけである。そんな風だから、何かつらいことがあったとき、疲れたときなども、モチベーションを高く保って走りつづけることがむずかしいと思う。
A 非営利の事業を起業すること、特に市民メディアや市民シンクタンクをやってみたいという気持ちが強い。
B そもそも、私自身が議員にいちばん求めたい資質である、高い志を持っていない。他人のための時間が、自分の時間より多くなったら、やっていられない。
C 子どもが小さい間は、もっとそばにいてあげたい。2人目もほしい。
D 子育てに専念しながらも、次の行動のために備えることはできる。いや、そうしたほうがいい。
E 議員にならなくても、市民としてできることはたくさんあり、それをやり尽くしてからでいい。
F あまり器用でもないし、ストレスをためやすいから、無理したくない。

 それでも、やっぱり立候補すべきかもしれない。今でもそう思うのは、以下のような理由からだ。
@ 私がやりたいと思っている市民メディア、市民シンクタンクを合わせたような仕事が議員の仕事なのではないか。あるいは、それらの仕事をもっとも効率的、かつ効果的にできるのが議員ではないか。
A 私が自分を「議員にふさわしくない」と断じてしまうことで、他の多くの人の可能性も否定することになるのではないか。
B より早く始めたほうが、より多くを成し遂げられるはずである。人は現場に育てられるものだから。
C 100%準備万端ということは、永遠にあり得ないだろう。完璧な準備を目指すより、拙速で走りながら体制をつくっていくことに挑戦したほうがいい。
D 「市民派議員を増やそう」という運動の中心にいる人間が「自分は立候補すべきでない」というのは矛盾しているし、自己否定ではないか。
E より大きい目標を目指してこそ目の前の課題を乗り越えられるという自分の信念に反する。

 これらの私の立候補に対する肯定と否定の理由に対して、ヒントをもらえるようなシンポにしたい。今では、それがシンポにかかわる私の動機づけである。そして、私自身が立候補しようと決意するか、市民のままでじゅうぶん市民自治をすすめられるという自信か、そのどちらかを得ることが私の獲得目標になるだろう。


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新年度スタッフ会(3/27)報告
(文責)事務局・寺町みどり


 3月27日に、ハートフルスクエアGで、新旧スタッフ会を開きました。毎度のことですが10時半から6時までの長丁場。
 今年度は、統一選の前年にあたり、「市民派議員をふやしたい」と7月の浅野さんを招いての「政治を市民の手に」シンポをはじめ、協議事項も盛りだくさんでヘトヘト。スタッフ一同、公開講座とシンポの準備に追われています。今後はチラシを、できるだけ多くの人に情報発信し、参加者をつのっていきます。
 以下に、スタッフ会(と今日まで)の合意事項をお知らせします。

●2006年度、運営体制
・事務局/寺町みどり
・会計/小川まみ
・運営スタッフ/甘利てる代、小川まみ、
 今大地はるみ、高瀬かおる、寺町みどり
・『む・しの音通信』編集スタッフ
 編集・発行責任者/寺町みどり
 校正スタッフ/新田幸子、甘利てる代

(事業別プロジェクトスタッフ)
5月公開講座/◎小川まみ・○高瀬かおる
7月シンポジウム・プロジェクトスタッフ
◎高瀬かおる、甘利てる代、呉羽まゆみ、
 新田幸子、寺町ともまさ(自治ネット)
7月シンポジウム・当日スタッフ
青木利子、甘利てる代、小川まみ、倉地幸子、呉羽まゆみ、小池みつ子、小林純子、高瀬かおる、新田幸子、
「M&T企画/選挙講座」スキルアップ編
○第1回 5/13−担当(小川まみ )
○第2回 7/ 8−担当(高瀬かおる)
○第3回 8/12−担当(小川まみ )
○第4回 9/ 9−担当(高瀬かおる)
○第5回10/ 7−担当(呉羽まゆみ)

●2005年度会計報告
 5月に会計の小川まみさんからお送りする予定。なお、会員名簿は公開していません。
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シンポジウム「政治を市民の手に!」
3/27企画会議報告・高瀬かおる


●シンポジウムの目的
(ア)統一地方選を1年後にひかえ、地方自治の現場がかかえる課題を提示し、解決策を現場の議員と市民が一緒に考えることにより、立候補予定者は自分の政策づくりに、市民は候補者の支援や評価、自分の活動に役立てる。
(イ)「む・しネット」の理念と活動を広報し、より広い地域へネットワークを広げる。
(ウ)政党に所属しなくても政治を変えることができることを伝え、市民派議員を増やして、いまの政治を変える。
(エ)「わたしも地方自治の現場にいるんだ」ということに気づいてもらう。
●シンポジウムの獲得目標
(ア)シンポジウム参加をきっかけとして、勉強会に参加したい人、立候補したい人を獲得し、その気にさせる。
(イ)立候補予定者は市民自治に関する自分の政策をブラッシュアップできる。
(ウ)市民は支援する候補者の政策づくりにアドバイスしたり、候補者の政策を比べる際の指針を持てる。また、自分の活動に先進的な考え方・方法を取り入れられる。
(エ)「市民自治」を考える機会とし、議員として、市民としてエンパワメントする。

●シンポの内容と構成(チラシ参照のこと)◇基調講演は、市民自治の実践者であり、全国的に知名度がある浅野史郎さん(4/1より慶大教授・前宮城県知事)の講演「脱政党の時代に」。「できたこと、できなかったこと」「脱政党をどう考えるか」「これからの地域社会のあり方」市民自治とは」などを話していただく。
◇パネルディスカッション「私たちに何ができるか」は、浅野さんを交えて、市民派議員および市民によるディスカッション。
◇受付を迅速にするため「事前申込み必要」とし、参加費の授受は当日受付でおこなう。当日スタッフ(参加費を免除)を広く募集。

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2006・スタッフ大集合
 現在、乳がん治療中のため休職状態のスタ
 ッフです。一日もはやく現場復帰をして、
 「む・しネット」のなかまたちとの活動を
 再開したいと願っています。休職している
 ほうが、つらく思えるほどわたしにとって
 「む・しネット」はかけがえのない存在で
 す。         (今大地はるみ)
有権者の約3分の1の1,191人の署名、
その思いを真摯に受け止めるとの町長の言
葉はいったい何だったのか。意見書は、住
民投票条例必要なし、議会は否決。寒い冬
の熱い思いを今後どうしていくか、それが
今の私の最大の関心。   (呉羽まゆみ)

 体力に自信がないので、名乗りを上げても
 あてにならないのでは、まわりに迷惑をか
 けてしまう。ぐっと我慢しながらスタッフ
 会を傍聴していると皆さんの熱気につい、
 「それ、わたしやります」。ひさびさの大
 きなプロジェクトを7月に控えて、今から
 わくわくドキドキです。  (新田幸子)

ひさしぶりに、会社員時代の友人から電話
があった。5月と7月につっこみ役やパネ
リストをやると言ったら、「ぜったい行く
!チラシも配る」だって。さらに「市民派
議員を増やそう」という趣旨を伝えたら、
「もし高瀬さんが出るなら、応援するよ」
と言ってくれた。仲間が一人あらわれたよ
うだ。          (高瀬かおる)

私が浅野史郎さんにはじめて出合ったのは 
1998年2月。松島で開催された、ある 
フォーラムだった。「宅老所は大型施設へ 
のアンチテーゼだ」と言いきった浅野さん。
新しいケアを生み出そうとする参加者の背 
中を押したのは言うまでもない。7月のシ 
ンポもきっと「何か」が起こる。
            (甘利てる代)

 講師の浅野史郎さんとの交渉担当を任され
 た。紹介者もなし、ツテもなし、もちろん
 面識もなし。気持ちをこめた手紙と資料で
 「快諾」を得た。うれしかったし勉強にな
 った。浅野さん、ありがとう。(ともまさ)

今年は、5月公開講座、7月シンポジウム、
11月には自分の選挙。とても忙しい1年
になりそう。でも、スタッフ会でシンポを
企画しているうちに、「これ、ゼッタイ面
白い!」と思った。この1年フルスロット
ルでがんばります。    (小川まみ)

 この通信も、8頁のつもりが、ついついリ 
キがはいって12頁だてになってしまうほ 
ど、魅力の企画が満載。神谷さんのおかげ 
で、よいチラシもできた(ありがとう)。 
念願の浅野さんの話をちょくせつ聞けるの 
が、とてもたのしみ。来年4月は統一自治 
体選挙。バックラッシュをはねかえして、 
議会で発言し行動する、「無党派・市民派 
議員」をふやしたい。    (みどり)