99年3月議会
議会の品位に関する決議(案) (継続の申し出)
《議長》議会運営委員長、見澤昭一君
《見澤》議会から付託された、議会の品位に関する決議(案)について報告する
3月15日に会議を開き、現在、各議会で話題となっているので、慎重に審議をしていかなければならない。他団体の状況などをもって調査審議し、結論を出す必要があるとの意見があり、結論がでなかった。継続審査を希望する
《議長》質疑をどうぞ
《寺町》私は会議を傍聴していた。委員長が「閉会する」と宣告をされたので、退室したが、その後再開したということか。会議規則で、議員は当然のこととして傍聴できると、されている。そんなことで正規の委員会、議会の会議といえるのか
《見澤議会運営委員長》
一応閉会をし、ほかの議事があったので、その後再開した
《寺町》手続論を、これ以上やっても切りがない。再開するなら、呼びにくるべきである。報告の内容についてだが、三沢市などの例があったから慎重にというだけで、なぜ継続という結論になるのか。そういった議論がされたのなら、当然、この議会で否決すべきではないか
《見澤議会運営委員長》
早急に結論を出すべき軽はずみな問題じゃない。その筋へもいろいろ問い合わせ勉強をすべき、委員全体がその勉強をすべきことと結論が出たので、継続を求める
《議長》反対討論をどうぞ
《寺町》この決議案は何をジーパンというのか、あるいはネクタイ、何をネクタイというのか、明らかにこれが読み取れない。そういったことについて決議することは成り立つわけがない。例えば帽子はどうなのか?まさに日本の伝統といわれている羽織はかまは?こういった正装できた人がどうなるのか。真っ赤な上下のスーツを着て、白い靴をはいて、緑色のネクタイをしてきた人はどうなるのか。女性にネクタイをしなさい、ジーパンを禁止というのか、その議論もなされていない。憲法では、男女の性による差別を禁止している。そこを無視している。また、全員協議会室、あるいは委員会室においても正規の議会の会議ではない会議も行うがこのような、通常の私的な協議会の場、話し合いの場にまで適用しようとすることは、明らかに逸脱した規制である。この決議にはまったく合理性がなく普遍性もない。本来、議会というのは多様な価値観、思想や身上を持った住民から選出された議員が議論をする場である。一人一人の町民や、その代表である議員には、それぞれの生活や文化、思考様式などがあり、宗教観も異なるなど多様である。服装についても全く同様で、スーツやネクタイが自分にあっていると考える人も、あっていないと考える人もいる。それらが一番活動しやすいと思う人もいるが、そうではないと考える人もいる。儀礼的すぎると考える人、本当の自分らしさを発揮できないと考える人もいる。それぞれの尊重されるべき個人の思想、表現の自由にかかわる問題である。、多数の力で一つの考え方、服装のありかた、文化というものを一律に強制しようとする今回の決議は全く憲法にも接触している。また、議会というのは、ごく普通の市民、住民が、自分たちの暮らしや税金の使い道についてその意見や思いを反映させるものである。議会は決して特権的な偉い人や特別の人が意見を述べる場ではない。町民の生活感覚を尊重する場だ。それぞれの町民の意見や思いを行政に反映させて、もっと政治を開かれたものにするためにも議会の役割は非常に重要である。しかし、本質的なこういった議論をせずに、議会には特別の権威がある、特別の品位がある、それをたもたなければならないというような議論が先行することは、議会を住民よりも特別なところに置いて、議会の特権的な地位を守りたいと言っているに過ぎない。議論の中身よりも服装の問題の方が優先されるような、この論理はますます議会を密室化させると言わざるを得ない。それはますます住民と議会との距離を大きくし、政治不信を高めるものだ。もう議論の余地はない、そのような決議案というのは即否決されるべきと、議会運営委員会においてもそのような結論に至るべき問題だ。それが継続というようなあやふやな形になるのは、住民の方に受け入れがたく、高富町の恥である、高富町の議会の恥であるということは間違いない。
《田中優一》慎重に審議をして、これをどうしたらいいんだ、きちっとした結論を得ようじゃないかというのが委員長の報告。私は大いに議論をすべきと思い、継続に賛成する。