受付番号 第     号
               2004年9月16日
                      時  分
山県市議会議長 様
                山県市議会議員
                    寺町知正     印
一般質問通告書
下記のとおり質問したいので、通告します。

質問番号2番  答弁者 総務部長
質問事項 汚職職員の退職金の未返還請求は違法かつ損害であること

《質問要旨》 過去の汚職を反省し、厳しい再発防止策をとるべきである。
 02年の高富町の町長の汚職事件は、事件発覚から2年以上が過ぎた。公職者の汚職防止には各種の制度改革が不可欠だが、山県市は、反省に基づく有効かつ厳しい制度改革を実行しているようには見えない。この刑事事件の法廷でも、証人席に立った当時助役に対して検事が「行政として再発防止しようとするなら、職員が裁判の傍聴に来るはず。なぜ、来ないのか。反省がないのではないか」と言う旨をきつく問うていた。
 有効な改革の一つは、不正をした場合は厳格に対応するという市の方針の徹底と実行にあるのは明らかだ。しかし、山県市はこれを怠っている。例えば、市長は旧高富町で制度化されていた「長の倫理条例」すら制定・施行していない。
 私は、現在の市の怠慢な姿勢の現状の中では、一議員として、一納税者として、公務員が不正に関与した場合はもろもろの厳しい措置があるということを明らかにしていくしかない立場である。よって、以下を質問する。

 (1)標記事件は、町長の1期目の任期(02年7月)の終了前になされた行為を原因とし逮捕され、有罪が確定した。この経過は、起訴状や判決文の報道記事に明らかなように、02年3月から業者と接触、5月の入札の指名業者にするよう関与、その直後に現金を受け取った、というものである。
 ところで、岐阜県市町村退職手当組合退職手当条例では、禁固以上の有罪が確定した場合、組合長が退職金を当事者に返還請求する規定になっている(同条例第15条の3)。この条例規定が適用されるにもかかわらず、未だに、1期目分として支給した退職金1540万円は返還されていないと推測される。
 組合が退職手当組合条例に基づく返還の請求をしていないとしたら、客観的に明らかに違法であり、かつ、損害が生じている。既に、返還請求権の発生から8ケ月が徒過してしまった。よって、同組合長は直ちに当事者に返還請求する義務がある。もし請求しない場合は、公共団体側の損害について組合長は自ら補填する義務が生ずることになる。 そもそも、山県市は退職手当組合の構成員であり、しかも退職金1540万円のうち、1108万8千円は、条例に基づいて、旧高富町の会計から町長分の負担金としてストレートに支出されたものである。よって、負担者の責任として、以下に回答されたい。

 @条例から導いた上記の金額に間違いはないか。
 A組合長が返還請求していないことは事実か。 
 B組合長は直ちに返還請求しなければならない状況であるが、どうするのか組合の
  方針を確認して答えられたい。

(2)当該退職金の70%以上を拠出しているのだから、組合の判断や動きに関係なく、山県市は、有罪確定後は、少なくても、この1108万8千円の損害を受けていることになる。市は、直ちに、組合(長)もしくは当事者本人に損害賠償請求しなければならない。請求を怠っている山県市は、今後どうするのか。

※《返納規定》 「退職した者に対し一般の退職手当等の支給をした後において、その 者が在職期間中の行為に係る刑事事件に関して禁固以上の刑に処せられたときは、組 合長はその支給した一般の退職手当等の額のうち次に掲げる額を返納させることがで きる」(岐阜県市町村職員退職手当組合退職手当条例第15条の3の1項本文柱書)
   「(2) 前号に掲げる場合以外の場合 一般の退職手当等の額の全額」
 なお、「返納させることができる」とは、自由裁量ではなく、羈束裁量である。
 つまり、特別な事情のない限り返還させねばならない、との意味である。

※《退職金の額》 長の退職金の算出は第6条1項本文で「退職の日におけるその者の 給料月額に勤続期間を乗じて得た額」、同1号において「在職期間1年間につき10 0分の500」だから、4年間で100分の2000。即ち、当時の高富町の条例月 額77万円であるから、支給額は1540万円であった。

※《山県市(高富町)の負担金》 市が組合に負担した金額は、同条例第17条本文に おいて職員の給料月額に応じての負担するとされ、2号で「特別職は1000分の3 00」とされる。即ち、77万円×(1000分の300)×12月×4年即ち、町 長のための1期分の負担総額は1108万8千円である。

※自治体合併の場合、合併前自治体の債権債務は合併後の自治体に継承する。