山県市議会議長 様
山県市議会議員
 寺町知正     印
一般質問通告書
質問番号  3  番  答弁者  助役 
質問事項 建築廃材(木くず)の処理に係るチップの大量堆積問題について 
《質問要旨》
 岐阜市の椿洞の山林に善商が大量の産業廃棄物を不法投棄していたことは、知らない人はいない。この主たる投棄物が「建築廃材」であることも分かってきている。
 ところで、産業廃棄物の中で「木くず」に分類されるところの建築廃材等を細かく砕いてチップにし、それを堆肥として再生するという事業がある。
 この「堆肥づくり」ということで、伊自良地区の大森地内3カ所約2万uに大量に堆積されている。新しい住宅地に隣接していることから、私には、不安や苦情も寄せられた。この元の破砕場では、善商事件後の5月頃から入荷物が急増しているのが外部からも目視できる。
 今年9月ころからは、藤倉の農地にも大量に運び込まれている。その様子は、どうみても、廃材のチップで農地を埋め立てている、というしかない。しかも、最近では、チップにしたら即そのままダンプで運んできて水田にあける、というやり方だ。加えて、どうせ下で腐るから大きめでいい、ということで明らかに柱の切れ端とか、板状のものなども現認できる。水田の面から80pから1m位の高さで重機で圧し固めている。その予定面積は8000uで、現在すでに予定の7割以上が埋められている。
 この経過をみると、今後、伊自良や梅原のいたるところがこの建築廃材のチップ堆積場になる可能性を秘めている。
 チップが適正に堆肥にされ、順調に再利用される限りは、現行の法令上は問題がないことは私でも理解できる。
 建築廃材のその柱や板の形のままで投棄したら、善商の「不法投棄事件」「野積み産廃」と同じになる。では、建築廃材を分別して「木部分」だけをチップにして農地に大量に敷き詰めたら、一体どう評価されるのか? そういう素朴な疑問がわく。
 そこで、早めに問題を整理する必要がある。複数部署にわたるので助役に質問する。
 論点を整理し状況を理解しやすくするために、搬入したチップを、地上部にある「堆肥用」部分と地平部を形成する「造成用」に分ける。
 その搬入量について、私は極めて控えめに計算したが、大森地区の堆肥用は約60の山があり合計約12000立方m、大森地区の造成用は合計約7000立方m(土中に沈下した分は除く)、藤倉地区の造成用は、約3000立方mと推定する(同)。

1, 以下について、事業者に聞き取り(必要なら現地調査)しての回答を求める。
(1)全体について
  @許可の破砕場での日入荷量に関して、今年3月までの平均量と5月以降の平均量。 (2)上の「堆肥用」について(大森地区)
  A運び込んだ量(年度別)と現在積んである総量。
  B再生した、つまり再利用に供したといえる堆肥の搬出量(年度別)と総搬出量。
  C今年度を含めて今後の年次別の出荷計画(見込み)。
  D搬入チップは、自社分だけか、それとも他社分もあるのか。
(3)下の「造成用」について
 ◇大森地区
  E3エリアのそれぞれの面積とそれぞれ運び込んだ量(年度別)。
  F堆積しているおおよその深さ。
 ◇藤倉地区
  G予定地の面積と運び込んだ総量。
  H堆積しているおおよその深さ。
  I破砕したてのものを搬入していることを適正と認識しているのか。
  J破砕程度をあまくしていることは適正と認識しているのか。

2, 岐阜市の善商問題でも産業廃棄物問題は岐阜市規模では対処しきれない旨を市長が述べている。 善商事件直後には「岐阜市はもっと早い時期から国に相談すべきだった」「事前に国と相談してほしかった」(3月29日朝刊各紙)と環境省幹部が述べている。 そこで、以下について、廃掃法を所管する環境省に照会しての回答を求める。

 (1)上の「堆肥用」について
  @「木くず破砕処理施設」の許可というのは、「破砕をすればよく、あとのチップはどのように扱ってもよい」ということか、それとも、「チップを最終的にどのように扱っているか」までを包含する許可か。
  A事業者は160トン/日・8時間の許可である。許可場所でのチップの保管上限はどれだけか。本件のような移動先でのチップの保管上限はどれだけか。
  Bでは、破砕後のチップの管理に関して、「許可場所」及び「本件移動先」それぞれについて、不適正保管と認識される「量」及び「期間」はそれぞれどの程度か。   Cシートもかけずチップの山の状態で野積みにしておくことは許容されるのか。
  D本件では、被許可者は、山県市内に搬入したチップをどのように扱うべきなのか。

 (2)下の「造成用」について
  E農地等に造成用に大量に運び込んで実質的に土地を造成している現況は、チップの移動及び使途として許容されるのか。
  F「木」以外のプラスチックや金属が混入していることは許容されるのか。
  G破砕したてのものを搬入し、踏み固めていくことは適正か。
  H破砕程度をあまくしていることは適正か。
  I「木」であるから、長年造成用として存在すれば、おのずから朽ちていく。これが適正なら、建築廃材の木くずは「分別して、破砕して広げて踏み固めておけばよい」ことになる。こういう疑問と不安にどう回答するのか。
  J本件に関して、「不法投棄」との認定も有り得るのか。事業者ら関係者の意図と搬入の方法及び現地の態様からして、撤去・除去すべき事案と段階ではないのか。

3, 山県市としての見解を問う。
  @浸出物、浸透水、周辺の大気などや堆積場の拡大に関する住民の不安や懸念に対して、市はどう応えるのか。
  A藤倉の農地の現場について、「市農業委員会との調整」及び「市土地開発指導要綱との整合」に問題は無いのか。大森地区分はどうか。
                                   以上