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2005年12月議会(12月5日から12月22日まで) 質問関係
※ 2005年12月議会 12月21日 一般質問
全録を質問と答弁を事項別に分かりやすく並べ換えたもの(番号や見出し後など共通語は略した)(語尾は簡略にした)
質問番号 2番 答弁者 市民部長
質問事項 市の一般ゴミの処理計画はあまりにも経費が高すぎる
《質問・寺町》 私は、市の一般ゴミの処理計画の検証と今後の進め方について検証するために、先の9月議会で一般質問をした。その後、私のところには、「なぜそんなに高いほうを選択するのか」とか「市長の答弁はおかしい」などの声が寄せられている。
この間、私は、「岐阜県ごみ処理広域化計画」を基本方針として掲げている岐阜県に対して、県内各地の同種の計画について情報公開請求した。そのデータも含めて、前回の質問・答弁で整理されたこと、市の委託業務なども参考にして質問する。
1. 確認事項
◆《問・寺町》 @現時点で、おおむね次にまとめる認識でよいかどうか。
山県市の美山・既設施設内に建設の場合の建設経費27億円 (A)
岐阜市と広域処理・掛洞プラントの場合の建設経費20億円 (B)
同広域・山県市内新敷地の場合の経費20億円(含用地費) (C)
ゴミの運搬費の試算は、広域・掛洞プラント(B)と市の既設施設内での単独(A)との比較では単独(A)が年間139万円高く、広域・山県市内新敷地(C)と単独(A)との比較では 単独が(A)が年間975万円高い、ということでよいか。
《答・部長》 (A)の場合と(C)の場合の建設経費については、委託業務において概略試算を行っている。額については、議員の認識のとおり。しかし、(B)の場合の岐阜市と広域処理・掛洞プラントの場合の建設経費については、比較試算は行なっていない。
ごみの運搬費は、議員の認識のとおり。
2. ゴミ処理施設の維持費は当然に必要である
◆《問・寺町》 施設の維持費は、広域の(B)(C)は同程度に想定できる。
A 施設の性質から、10年単位が適当として、燃料関係、施設維持関係、それ以外に必要と考えられる経費にいて、それぞれ合計の見込み額について、両者を比較した額と率はどのようか。
《答・部長》 報告書の数値を参考にしながら試算すれば(A)の場合は、26億5千万円、(C)の場合は、14億5千万円となり、単独処理を100%とすれば広域処理の場合は55%になる。
それ以外に必要と考えられる経費として、試算の中に人件費も含まれている。
3. 財源構成について
現在、市の進めている(A)の計画に関して、県のデータでは、山県市は施設建設費27億6200万円とされており、国の総交付金額は9億2060万円となっている。
◆《問・寺町》B 現状で市推進の(A)の場合の最終の交付金総額の率は約30%であり、
広域(B)(C)の場合も同率と考えるがどうか。
《答・部長》 3点目の交付金の交付率は、広域、単独にかかわらず、交付金対象事業に採択されれば、交付金対象事業費の1/3の交付金が交付される。
◆《問・寺町》C 単独(A)の場合、合併特例債を使ったとしたら最終の交付金総額はいくらか。
《答・部長》 交付金が交付対象事業費の1/3となり、残りの2/3については合併特例債を活用する。充当率は95%で、借入額は17億1千万円で交付税算入率が70%となっているので、地方交付税算入額は、11億9700万円となる。
◆《問・寺町》D 単独(A)の場合で特例債を使わない理由はなにか。
《答・部長》 特例債の活用は、可能であると思われ.が、総務省の1件審査であり、審査基準が厳しいため活用できない場合があるかと思われるので、ご承知おきをお願いする。
◆《問・寺町》E 広域(B)(C)の場合、山県市分には特例債が可能と考えられるがどうか。
《答・部長》 合併特例債の活用は可能。
◆《問・寺町》F 市が特例債を使えるようにするための行政手続きはどのようか。
《答・部長》 公共施設の改修、整備の項目で申請していこうと考えている。
4. 温泉施設などに対する住民要望は非常強い。
山県市とこの周辺には、いわゆる温泉や温水を使う施設は少ない。
◆《問・寺町》G 単独(A)の規模の場合、施設の廃熱などで可能なのは何か。
《答・部長》 施設内での利用が中心で、場内給湯、燃焼用空気の予熱及び煙突からの白煙防止のための利用方法がある。
◆《問・寺町》H では、広域(B)(C) の規模の場合、温水を使った施設は可能か。
《答・部長》 温水施設の規模にもよりますが、一般的には1日のゴミ処理能力が100トン以上であれば可能と考えられる。
5. 岐阜市の動向がこわい。
前回の市の答弁で「処理場の用地というのを山県市に求める・・岐阜市のような40万都市と3万都市の山県市で、また大きなゴミを山県市に運んで来るのではないか・・・用地問題は大変紛糾していくだろう」とあった。今回は、市民の生活ゴミの処理問題であって、産業廃棄物処理の問題ではないから市民の受け止め方が違うのは明らかだ。
◆《問・寺町》I「大きなゴミを山県市に運んで来るのではないか」とはどのような懸念なのか。岐阜市がどのようなとてつもない要求をしてくると心配しているのか。
《答・部長》 広域処理の場合、搬入されるごみについては、約4/5が岐阜市からのごみと想定される。岐阜市から多大なごみを山県市内に搬入し処理することについて、山県市民の理解を得ること及び地元の協力について同意を得ることが極めて困難であると思われる。
また、41万人を有する岐阜市と3万人の山県市とでは、岐阜市の意向が強く反映されることも予想されると同時に、仮に一部事務組合の設立についても、長期間を要することが考えられる。
したがって、山県市の状況に応じた施設運営及びごみ処理事業ができないことが懸念される。
◆《問・寺町》J 他に、具体的にどのような懸念があるのか。
《答・部長》 10点目の答弁のようなことが懸念される。
6. 将来を見通しての観点で
最終判断は、トータル比較して決めること。この判断に著しい裁量の逸脱があれば、その意思決定による支出は違法と判断される状況になる。
単独(A) と広域(B)(C)の比較で、ゴミ運搬費をみても、将来の維持費をみても後者が優れるのは明らか。しかも、その額は、山県市分で見て、10年で一桁の億円というより2桁の億円になる可能性がある。
◆《問・寺町》K 単なる施設建設段階での経費でも7億円の違いがある。仮に1/2を地元対策に使ったとしても、なお余りあるが、それでも市は地元対策・用地問題が解決困難とする理由はなにか。
《答・部長》 用地が決まっていない中で、特に、ごみ処理施設の建設については、地元住民にすれば迷惑施設というイメージが強い施設であること。
また、新しい用地での建設については、なぜ、私たちの地域に作らなければならないのかというような問題などが生じ、地元の理解と協力を得るには長期間を要することが予想される。
◆《問・寺町》L 現在の市の単独(A)の推進は、明らかに、山県市そして山県市民に大きな損害をもたらす選択ではないか。
《答・部長》 経済的なことも選択肢の一つの要素になるが、先程詳細に答弁したように、地元の理解と協力の同意を得ることが困難であると思われることから市単独を選択した。
7. 9月議会での答弁について
9月に部長は、「ごみ処理施設の建設経費については、・・報告書以来、具体的な数字は算出していない。」と答弁した。しかし、国の要綱に基づいて、県を通じて国に出す書類として、きっちり計算して県に提出していたではないか。
明白かつ意図的な悪意にみちた虚偽答弁である。
これは、そもそも想定し得ないことだし、地方自治法、会議規則や一般質問の通告制度に照らしても、議会および私を愚弄しかつ著しく侮辱することだ。
◆《問・寺町》M なぜそのような答弁をしたかの釈明を求めるとともに、責任を明らかにすべし。
《答・部長》 質問の要旨を一般廃棄物処理施設整備計画策定報告書の策定後において、報告書の見直しを行なったかという質問と理解した。策定後において見直しは行なっていないので、「具体的な数字は算出していません」と答弁した。
しかし、策定後において、県へ、策定報告書に基づき、循環型社会形成推進交付金の予算要求等の参考概略事業費を提出している。
私の認識不足から、大変ご迷惑をおかけした。お詫び申し上げる。
《再質問・寺町》
GH点目については、温水の利用について、単独(A)の場合は、ごみ処理施設の内部で使う程度しかないこと、逆に広域(B)と(C)の場合は市民が利用できる温水プールや風呂もできる可能性のある規模であることは分かった。
IからL点目については、岐阜市の多大なゴミを山県市内持ち込むことについて、地元同意を得る事が極めて困難かつ時間を要する、という市の見解だということも整理できた。
◆《再質問・寺町》@について、施設整備費の基本的想定でいけば、単独(A)の場合と広域(B)(C)の場合は同じになるという認識でよいか。
《答・部長》 用地費を除いた設備は同じと想定される。
◆《再質問・寺町》A答弁からすれば、10年間の維持費を加えて考えると、単独処理の場合(A)54.1億円の建設費と維持費、広域処理(C)の場合は34億円とまとめるがよいか。答弁の諸経費の額で、漏れてはいないか。
《答・部長》 漏れはないと認識している。
◆《再質問・寺町》単独(A)の場合、施設の耐用年数は何年とみることになるのか。
《答・部長》 概ね20年程度と思われる。
◆《再質問・寺町》 調査をお願いしていたことだが、最終的に炉を壊す費用、いわゆる「廃炉」つまり「炉の解体と処分」の費用は、どれくらいと市はみているのか。
《答・部長》 廃炉については、廃炉の対象物件が現在存在していないこと及び炉の使用状況、運転状況が分からない現状では今から廃炉費用等は想定することは不可能と思われる。
◆《再質問・寺町》 市が特例債を使いたい基本的な意思をもち、それを前提に今の計画を進めている、しかし、特例債に関して国が認めないことも有りうる、そこまで市が認識していることも分かった。
実際に、単独(A) の場合に特例債がみとめられる可能性、あるいは認められない可能性はどれくらいのレベルと山県市は認識しているのか。
《答・部長》 特例債が認められる可能性は現時点では把握出来ないが活用するように努力してまいる。
◆《再質問・寺町》 合併の際の地域計画にゴミ処理施設がはいっていない。特例債を使うには、新市建設計画の変更のための @県や国との話あい、A市の意思決定、B議会議決が必要ではないか。
《答・部長》 Fのとおり、公共施設の改修、整備の目的で申請するので必要ないと考えている。
◆《再質問・寺町》 私は9月議会で、岐阜市が山県市との広域を希望していることを述べた。市長も自分には直接話は来ていないが担当者レベルではあったことは認めた。山県市は、先の9月議会以降今日まで、岐阜市と話し合いもしくは意向確認、可能性の確認をしてきたか。
同じく、今後についてはどうか。
《答・部長》 9月議会以降、岐阜市との話し合いは行っていない。また、今後も必要ないと考えている。
◆《再質問・寺町》 広域処理の場合、地元同意を得る事が極めて困難かつ時間を要する、という見解だが、実際に地元に打診したことはあるのか。どういう感触なのか。
《答・部長》 地元の確認についてだが、広域は考えていないので打診はあり得ない。
《再々質問・寺町》
◆《再々質問・寺町》施設使用が20年の想定であるということになると先程の維持費は、広域の場合に29億円、単独処理の場合には53億円ということになる。
そうすると、広域処理の建設費と維持費の合計は49億円、単独の場合は80.6億円、非常に大きな違いがでてくる。
1年当たりの経費にすれば、単独の場合は毎年4億円、広域の場合は毎年2.4億円、これだけの違いが出て来る、という答弁だ。
経費について、単独の場合は非常に高い、合計で60%高い。
市長は、建設費、維持費、この程度の額の違いがあるということを承知して進めているのか。額を知っていたのか。
《答・市長》 15年12月2日の(議会)全員協議会でも、皆さんのご承諾を得たと思っている。岐阜市とやったらということだが、私は物理的にも難しい問題だとして既に意思決定したことについて今更それを変更する気持ちは毛頭ない。
確かに、広域と単独の経費の違いは確かにある。岐阜市と組んでやれば、経費的にはそういう面が非常に安く付くだろうということは十分想定される。が、できんという仕事を検討するのも大変かと思う。
◆《再々質問・寺町》 広域処理について、岐阜県は6年前から、「岐阜県ごみ処理広域化計画」という基本方針を出している。すべての市町村に配ってこれを進めている。
こういった中には、岐阜市との広域処理、温水施設を造るとか明確に出てきている。市長はこういう県の広域処理計画があるということを承知していたのか。
《答・市長》 広域処理計画ということで国・県がそういったものを求めていたということは、十分知っていた。
◆《再々質問・寺町》 あまりにも大きな経費の違いがある以上、再度、市長は岐阜市に行って一緒に出来る可能性がないのか、確認してくるべきではないのか。
《答・市長》 岐阜市と組めば経費が安く付くという利点が十分あるが、できん問題がある。それは岐阜市は、広域で処理するということで山県市で廃棄物の処分の位置というか処分場を提供するようにという話もある。そうすると、山県市のゴミは山県市で処理するという基本原則からいっても、大規模な岐阜市のゴミを山県市に持って来る、そういった用地を選定する場合において非常に問題があろうかと思っている。そういう大変難しい問題がある。岐阜市も22年以降掛洞の処理場も改築という話も聞いている。掛洞の地元では何で山県市というか、岐阜市以外のゴミを持って来るのか、すぐに撤回してくれと市に申している。当時から岐阜市は、消防等も地元で対応すべきと申している。そういうところへ今更、掛け合うのも大変かと思う。
現在のところ、22年の3月という期限がある。その時点でゴミが処理できんという問題になったら、山県市民が非常に迷惑を被る。そう言う面を勘案しながら、経費は出来るだけ安くするべきではあるが、十分そのへんも検討を重ねて、安くするよう考え行く。
◆《再々質問・寺町》 これほど経費の違いが歴然としている、市民の税金の使い方として問題がある、そして市民から監査請求などされた場合、市の正当性が通ると考えるのか。
《答・市長》 確かに税金の使い方ということで、常に市民の税金を預かって仕事をするので、十分に注意を払ってすすめていく必要がある。そういうことであれば、市民のご了解も得られると思っている。特に強調しておく。
いずれにしても、現在の時点で新しく用地を求めることはとても困難である。産廃と一般ゴミと違うとのことだが、過去に産業廃棄物もごみもいろんな問題があって、なかなか一年とか二年という短時間で処理が出来るということは、過去の例をみても、そういうことはできないとおもっている。だから、山県市のゴミは山県市で処分する基本原則で進んでまいる。