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2006年第二回定例会・6月議会(6月12日から6月29日まで)

質問番号 1番  答弁者  総務部長
質問事項  市の公金横領事件について

《質問要旨》
 このほど明らかになった山県市職員による公金の横領事件は、自治体合併後、間もない市民にとって大きなショックであり、多くの人が心を痛めている。
 今回の事案、事件の調査結果について公にされているのは、市長のお詫び文書だけであり、文中で内容にふれているのは、「今回の有線テレビ局職員(2人)による公金等横領事件」「有線テレビ局において加入金等900万円余りの横領が発生した」だけである。
 部長に聞いても、新聞報道より少ない説明しかされない。
 率直に言って、何も明らかにしない姿勢には驚く。よって厳しい姿勢で質問せざるを得ない。

第1 市の説明責任について
 6月議会開会日の12日に市長と助役の減給議案が提案説明は事案に踏み込むことはないまま、即決された。この際、議会に調査結果や職員処分の資料を求めたら検討するとされた。しかし、検討の結果として、「何も出さない」という。
 
 (1) 出さない理由は何か。
 
 (2) 各種広報手段がある中で、市民に内容を伝えない理由は何か。


第2 市民の誰もが新聞を読んでいるわけではないが、説明がなされないから新聞報道から抜き出し、整理してみる。

◎4月に市の会計担当者が帳簿などを精査した際、数字があわなかった。任意加入だが市内約1万世帯の大部分が加入している。2人とも金庫の番号を知っていた。市は改善策として、加入金の現金払いをやめて振り込みのみとした(5月23日24日・中日)
 
◎昨年度の申し込み人数と収入金額が一致しないことら発覚。加入料(5万2千円)と、利用料の一部を、何度も金庫から持ち出した。2人は、一時保管金庫から430万円持ち出した、1人は、テープなど資材470万円相当を持ち出した(5月23日24日・岐阜)

◎数十回にわたり利用者が支払う加入料などが保管されていた金庫(5月23日・毎日)

◎管理課主任は、03年7月から06年3月に加入金約818万円を有線テレビ局主任は、05年10月から06年4月に加入金約92万円を(5月23日・朝日)

◎1人が約817万円、もう1人が92万円を着服。2人は別々に犯行(5月24日・読売)


第3 どういう作為で発生し、継続し、誰も発見できなかったのか
 単年度内であれば、発見できなかったこともありうる。
しかし、それが複数年にわたるのに発見されなかったとは信じられない。
 
 (1) 現金と帳簿は、毎年度末に突合せ、精算していなかったのか。
 
 (2) 一帯どういうトリックがあったのか。それとも、たんに上司あるいは他の職員の帳簿上の数字と現金との確認の怠り行為なのか。
 
 (3) 架空の滞納者、滞納額は計上されていないのか。無いとする根拠は何か。
 
 (4) 新規加入契約世帯の一部あるいは、転居などの事情で解約した世帯の一部が計上・集計されていないことで帳尻あわせはなかったのか。そして、現在もないのか。無いとする根拠は何か。

 (5) 結局、市は、本件がどうして継続し、発見できなかったと認識しているのか。


第4 チェック機関との関係
 今回の行為は、
   論理的及び実務上、議員が決算書や予算書および議案質疑で確認できることか。
   論理的及び実務上、監査委員なら確認できることか。
   論理的及び実務上、本庁会計課なら確認できることか。


第5 会計制度についての市の認識
 (1) 当事者から返還された金は、何月何日付けで山県市の会計のどこに、どのように収入調定されたのか。
 
 (2) そのお金は、山県市の今年度予算にどういう区分および態様で位置づけられ、納められているのか。
 
 (3) 2人の当事者はその額及び事実関係の認定に、何らの不服も表してはいないのか。
 不服があるなら、どのようなものであるのか。
 
 (4) 遅延損害金は民法では年5パーセントとされている。補助金適正化法では、加算金・延滞金は年10.95パーセントされている。
 この種の加算金は課したか否か。その理由は何か。課すとするなら幾らになるのか。


第6 議会との関係
 (1) その返還金としての歳入は、なぜ、6月12日開会の6月議会の一般会計補正予算として計上されていないのか。

 (2) 責任としての市長と助役の減給の議案は、6月20日の議会中間日の議案質疑の日の採決でも6月の給与の認定起算日(毎月21日)に間に合うにもかかわらず、6月12日開会の議会の提案の後、直ちに採決された。提案説明もほとんどなく、資料の配布もなく中身の審査すらさせてもらえなかった。なぜ、こんなに急いだのか。


第7 制度は最低限必要
 市長は、「お詫び」の文中で、「綱紀粛正と倫理観の醸成に努め、市民の信頼回復に不退転の決意で臨んで参る」としている。
 
 (1) 山県市の条例や規則に、不祥事、非違行為などに関して、公表によって抑止力が作用しかつ市の説明責任の果たせる実効を期待できるところの、「事案及び氏名等の公表基準」を定めるべきではないか。
 
 (2) こういう市民迷惑をかけ、市民に疑われるときこそ、情報公開条例など、市の開示制度では普段以上に積極的に情報を公開すべきではないか。その覚悟はあるのか。
 
 (3) 旧高富町では、不祥事が顕著であったことなどから、倫理規程や倫理条例が制定されていた。しかし、合併後、この制度は山県市に引き継がれていない。
こんな事態になった以上、最低限の制度として、
 一般職員、非常勤職員の倫理条例及び市長・助役の倫理条例を制定すべきではないか。
                                  以 上