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2011年第1回定例会・3月議会(2月28日から3月18日まで) 

  一般質問 3月16日(水) 午後2時半ごろか 
   ◎ 1.「指定管理費用を債務負担行為設定しないことは違法」(答弁者/市長)/ 印刷用PDF1ページ 120KB
   ◎ 2.「市役所の機構改革と骨格予算の真意について」(答弁者/副市長)/ 印刷用PDF1ページ 124KB
   ◎ 3.「子ども・丸ごとサポートセンター」の設置を(答弁者/保健福祉部長、教育長)/ 印刷用PDF2ページ 111KB


1.「指定管理費用を債務負担行為設定しないことは違法」(答弁者/市長)  答弁者 副市長
●質問−1 
  1.「指定管理費用を債務負担行為設定しないことは違法」(答弁者/市長)/ 印刷用PDF1ページ 120KB
 現在、全国で自治体の施設の運営を指定管理で外部に委ねることが流行している。
しかし、問題も多々指摘されている。
私は指定管理のすべてを否定するつもりはないが、他方で、自治体は慎重でなければならないとも主張してきた。
山県市は前回の12月議会で管理期間を本年4月から向こう3年ないし5年とする4件の指定管理案件を提案し、
多数決で可決された。 ところで、私は、昨日2月28日に正式に提案された新年度予算の議案の内容をみて、
指定管理に関して「違法である」と認識するので、質問する。

1.昨年12月の4件を含めて現在の市の指定管理案件はどのようか。
 それぞれについて、各施設の名称、議決した指定期間、協定・契約した指定期間、
新年度予算に計上されている支出予定額、次年度以降の年度ごとの支出見込み額、
指定期間の総合計額はどのようか。

2.期間や金額、業務内容等を説明して議会の議決を経たのだから、
この金額は「自治体が債務を負担することを約束している場合」に該当するのは明らかだ。
市の見解はどのようか。

3.自治体は、複数年にわたる債務が明確になっている場合、
地方自治法第214条が適用される。
この例外は、同法第234条の3の場合だけである。
しかし、新年度予算案において、議決事項そのものである
予算書2ページから7ページ「第1表 歳入歳出予算」の「款と項、予算額」の次、
8ページの「第2表 債務負担行為」に指定管理関係の計上はなく、
当然ながら、附帯する予算書179ページから182ページの
「債務負担行為・・当該年度以降の支出予定額等に関する調書」には、
指定管理関係が明記されていない。
つまり、市は指定管理関係についての債務負担行為の議決を議会に求めていない。
結局、この予算案は、地方自治法第214条違反、
行政(職員)に許された裁量を著しく逸脱した違法なものであると私は判断するが、
山県市はどう釈明するのか。

4.債務負担行為は款項に続く議決事項であるから、この違法を是正するためには、
提案した議案・予算書をいったん撤回し、修正して再提出すべきではないか。   以上

・・・・・・・・・・・・・・・・
◆地方自治法第214条 
 「歳出予算の金額、継続費の総額又は繰越明許費の金額の範囲内におけるものを除くほか、
 普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには、予算で債務負担行為として定めておかなければならない。」
◆同法第234条の3 
  「普通地方公共団体は、第214条の規定にかかわらず、翌年度以降にわたり、
電気、ガス若しくは水の供給若しくは電気通信役務の提供を受ける契約
又は不動産を借りる契約その他政令で定める契約を締結することができる。」
◆同法第2条16項「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。」

2.「市役所の機構改革と骨格予算の真意について」(答弁者/副市長) 
●質問−2
 ◎ 2.「市役所の機構改革と骨格予算の真意について」(答弁者/副市長)/ 印刷用PDF1ページ 124K
全文は以下。

1.市役所の機構改革について問う。
当面は「部」制度は残すとしても、「行財政改革の一環」「速やかな意思決定」「職員を育てる」等の目的を持って、
「部長」は置かないという市役所体制にシステム変更してはどうか。
そももそ、人口3万人のまちに部長が大勢いるのは不釣合い、不合理で不経済だ。
この春、2010年度(H22年度)に部長2人が退職、来年H23年度は3人、
24年度は2人と部長級が大勢定年退職する。課長級の退職も多い。
だから、「部長」を置かない体制に移行するには、ちょうど良いタイミングだ。

2. とはいえ、市長一本では不都合も置き得る。
そこで、副市長を2人、「社会も男女同数」だから、男女1人ずつを置くのが合理的な市役所体制だ。
その際は、市長、副市長給与を下げるべきだ。
 「給与削減」と「副市長2人制」についてどう考えるか。

3.来る4月17日告示24日投票で全国の多くの自治体で(市)長の選挙が行われる。
こういうときは、「骨格予算」という、どうしても必要な部分だけの予算を組むのが通例だ。
そのときの市長が継続して選挙に出るならともかく、
引退して新人になる場合は、「道理上も、そして、選挙民の立場からみてきわめて不適切」だからだ。
実際、インターネットでみると、今年選挙がある多くの自治体が「骨格予算」にしていると受け取れる。
 山県市長は昨年12月に引退表明をした。
にもかかわらず、この3月議会に提出された予算は通常の予算で、
しかも、昨年を上回る額だ。他の多くの自治体と異なって、
山県市が「あえて、骨格予算にしなかった」理由はどのようか。

4.山県市長の引退表明の数日後、総務部長が辞職し、翌日の新聞に市長選挙出馬の意を表わした。
議決予算は、おいそれと撤回や修正する性質のものではないのは明白。
だから、今回の骨格予算は、平野市長が選挙に出る場合と同様に、
元総務部長が現在の山県市政の方向をそのまま引き継ぐということの暗黙の合意があった
ことを意味していると受け取るのが、常識的かつ当然の解釈だ。
そのような受け止めでよいか。
それとも、「引き継ぐか不明」というなら、
そもそも、「骨格予算」にすべきであったことに帰結するのではないか。

5.具体的に、新市長の方針次第で6月に大幅な予算の組み換えがあり得るということは、
その場合は、市政の混乱は避けられないが、そのデメリットをどう乗り越えられると考えたのか。

6.1の質問とも深く関連するが、この年度末の段階では、
新年度にいない市長らが人事権を行使して多数の職員を異動させるのでなく、異動は必要最小限にすること、
結果的に、それが山県市としての無駄を最小限にするという(消極的)行財政改革につながると
私は考えるが、どうか。 以上

・・・・・・・・・・・・・・・・
 ※ (『議員必携』/学陽書房)「『骨格予算』は、年度当初の4月か5月に、
長の仕期満了による選挙が行われるような場合、
任期が終わる長が自己の判断による政策的予算を当初予算計上することは、
道理上も、そして、選挙民の立場からみても好ましくない。
そこで、当初予算には、年間の義務的経費や継続事業費程度を計上した予算を編成する場合がある。
そして、本格的、政策的肉付けは、選挙後の6月の定例議会における補正予算にゆずり、
一応の荒組み予算で出発することから、この予算を『骨格予算』という。」

3.「子ども・丸ごとサポートセンター」の設置を(答弁者/保健福祉部長、教育長)
  
●質問−3の趣旨
   3.「子ども・丸ごとサポートセンター」の設置を(答弁者/保健福祉部長、教育長)/ 印刷用PDF2ページ 111KB
 全文は以下。

 人は、生まれてから、多くの子が保育園や幼稚園を経、義務教育の小中学校へ進む。
日本の自治体の場合、システム上、乳幼児期は役所の首長部局の機構のなかでフォローされ、
学校教育は教育委員会が担っている。
言葉を換えれば、就学前の子どものことは「厚生労働省」、小中学生のことは「文部科学省」という
国や法令、予算や仕組みの住み分けが、生まれてから成人していく一人の「子」を担当している。
しかし、これは役所の事務分掌上の都合によるもの。
ひとりずつ育つ『子ども』を中心に見たとき、現状はきわめて断片的で、
こどもをサポートするには不十分な体制というしかない。

法令や予算は上手に使うとしても、0才から18才(ないし20才)までを一貫してフォローする体制が
住民と直結した仕事を責務とする「基礎自治体である『市町村』」が取り組むべきことだ。
この要請は、少子高齢化の社会、多様化する価値観や生き方を認める社会になったがゆえになお重要だ。
しかも、いろいろな学問分野や研究、実地、実証の進展で明らかになってきたことは、
個々の困難さの予測される子について、より早期に発見して、適切に対処することが、その後に大きな違いをもたらす。
そんな実例も多々報告されている。

つまり、『人が生きる』ことの周辺について、より適切なサポートが可能になってきている。
私は、0才から20才まで、ひとりずつ個性を持ってそれぞれの『その子』を中心に見て対応することができる体制、
つまり「子ども総合支援センター」が必要で、それを仮に「子ども・丸ごとサポートセンター」と呼ぶとして、
そのシステム作りが急務だと考える。
そのためには、役所内の組織横断的な「屋台骨」を1本立てることが不可欠。そこで質問する。

(保健福祉部長)
1.乳幼児の心身の検診やチェックなど確認体制及び個別案件に対応できる体制について山県市の現状は、
先進的にできているといえるか、平均的か、後進的か、部長はどのように受け止めているか。

  2.子育てに関しては、現在、山県市は、子育て支援センターを軸に、
ファミリー・サポート・センター、NPOと連携した支援拠点事業なども行っている。
これらは「屋台骨」を構成する大事な要素として重要だが、これで十分という性質の事業ではない。
 「家庭にある乳幼児の時期」「保育園や幼稚園の時期」「学校の時期」、
この機関を通じて、ひとりずつの子どもが自らの個性や特性を前提に、
保護者や行政、社会からしっかりサポートを受けるには、現状で何が欠けているか。
足らないところは、どんなところだと考えるか。

(教育長)
3.0才から義務教育終了あるいは18才とか20才まで、
子どもを丸ごとサポートするための組織横断的な「屋台骨」を1本通したシステムを持つ自治体は県内にあるかないか。
全国ではどうか。もし、あるならその特徴はどのようか。
私はほとんど例がないと受け止めているが、なぜこの種のものが難しいのか。

4.教育委員会という組織は、制約上、「子ども総合支援センター」を立ち上げることは難しい。
一方で、組織上の問題が解決すれば、もっとも中心的な役割を担うのは教育関係者であることもまた間違いない。
つまり、「自治体の長」が教育委員会と連携し、
組織をあげてこのようなシステムをスタートすれば可能であると考えるがいかがか。

5.そのようなシステムを構築する場合に、部屋など物理的なことは二の次で良く、
まず乳幼児期から学校教育過程までのスタッフ体制がなければスタートしない。
その際の予算は、山県市程度であれば、当初はおよそ3000万円あれば十分スタートできると
私は考えるがどのように想像するか。

6.山県市の現状を離れて、岐阜県内や県庁などで教育にかかわってきた
教育のトッププロとしての森田教育長個人としては「子ども総合支援センター」の意義や設置についてどう考えるか。