96年3月18日 一般質問 通告 1996年3月7日 (寺町)

◆子どもを大切にした学校教育について
 いじめ、体罰などが教育現場で問題になって久しく、その犠牲となって命を絶つ子が後を絶ちません。その反省の意味も含めて、個性を重視し、子どもたちが毎日楽しく学校へ通えるような教育の現場づくりが全国的に進められてます。岐阜県教育委員会の本田指導部長は「さまつな規則は見直してもらうよう各校にお願いして、かなり徹底してきたはずだ。細かなスカート丈を問題にしたり、鉛筆の数を決めるなどは論外。制服の自由化についても、学校の判断でやってもらえばいい」と述べています。また、子どもの中に「異質なものを認める態度が根底にあれば、いじめはなくなる」とも述べています。非常に明快な方針であると思います。この観点から次のことをお尋ねいたします。

@ 高富中学校の生徒手帳には、約束事が細かく書かれています。先の県教育委員会の方針に照らすと、“さまつな規則”ではないでしょうか。生徒や保護者からは「ここに書かれているから」という理由で、生徒同士の規制や指導があるとも聞きます。生徒手帳に記された約束事について、今後どのようにして行くのか、お尋ねいたします。

A 徒歩通学する地域の子どもたちや保護者からは、今の肩掛けカバンとサブバックが片方の肩に荷がかかりとても苦痛で、中には背骨が曲がりぎみになる子もいると、ずっと以前より指摘されています。子どもの健全な心身の発達のために、もっと融通を効かせた登下校の方法に転換すべきではないでしょうか。


◆ ゴミの最終処分場の安全性について
 山県郡内の三町村のゴミは、美山町にある焼却場で燃やされ、敷地内で埋め立て処分されています。これは20年以上前に認可されたもので、当時は安全確保の規制がほとんど全くなく「ただ埋め立てることが最終処分」として長年、事業が続けられてきました。これもほぼ満杯になり、およそ7億円の経費で、2年以内に新たな処分場所を敷地内に造成する計画が進められています。 現在の規制では、処分場の底にゴムシートを敷くことが義務づけられています。
 しかし、このゴムシートが本当に丈夫で、有害物質や汚染された水を流さないのか住民の不安がつきません。東京・日の出町の公共事業の最終処分場では実際に高濃度の有害物質が排水から検出されて、大きな問題となり、これらに関しては、現在、裁判で争われています。
 ファミリーパークそばには岐阜市の最終処分場ができ、ここも処分場の底をゴムシートで張りに、伊自良村では、民間業者の連合体による産業廃棄物の最終処分場計画があり、やはりゴムシートを張る計画です。これは、住民や村長らの強い拒否反応で計画の手続きが中断しています。高富町長は、町民の健康と安全を守るために、高富町の上流に位置する伊自良村の処分場計画や岐阜市の最終処分場にも、強い関心を持つべき責任があります。
 そこで、町長にお伺いします。東京・日の出町の例もありますが、最終処分場の遮水ゴムシートで本当に安全が確保できると考えますか。


◆四次総の基本構想の人口予測について
 高富町四次総は、今後10年間の町の目指す姿を表すものです。この基本構想は、将来の人口予測から始まっています。人口予測は今後の福祉計画や産業振興、防災、文化ほか、税収、歳出など全ての計画や事業の試算の一番の基になるものです。この予測が違っていたら、四次総の他の基本構想、基本計画、次にまとめる具体的な「実施計画」全てが変わってきます。将来の人口予測の不整合について、どのように考えますか。


◆巡回バスについて
 高富町では、今年から巡回バスを実施するための予算を組みました。社会的に弱い立場にある人への配慮として、素晴らしいことです。この巡回バスは、15人乗りのマイクロバスを2台購入し、役場の新庁舎を起点として町内を無料で巡回する予定と聞きます。住民として最も関心があることは、毎日、どのコースで何回位まわるのか、乗降方法はどのようか、というような「バスの運行計画」です。実際にこのバスを利用するであろう人達、つまりお年寄りなど社会的な弱者の人達の生の声が直接反映された運行計画を作ることが、最も重要です。

@ 利用者の声を反映させたバスの運行計画をつくるために、どのような方法をお考えですか。

A 親しまれるバスにすることが大事です。そのために名称を付けるに当たって、住民から案を募集することは、いかかですか。


◆鳥羽川改修とまちづくりについて
@ 水害防止などのために、鳥羽川改修が進められ、現在、佐賀地区で工事が行われいます。今後の鳥羽川・新川の改修計画について、鳥羽川扇橋付近までの計画の概略を明らかにしてください。

A 鳥羽川は、福祉センターの下流約300mで、東が新川、西が鳥羽川に分かれます。ここから下流の新川部分の水量は、現在、通常で毎秒約30トン流れており、鳥羽川改修完了後は、洪水時の最大流量として毎秒70トン分の川の能力を残すことが求められています。この事から下新川は、若干の水路を残して埋め立てられる構想があります。町としては再来年度に計画を立案してみたい意向のようです。従来、行政の仕事というのは、計画をつくり上げてから地域住民に公表して説明する、というパターンをとってきました。しかし最近は、まちづくりの観点から、これでは住民参加とは言えない、計画の理解も得にくい、という指摘がまちづくりの専門家などから出されています。下新川、つまり共和町と佐賀北、佐賀南に挟まれた部分、ここは幅約20m、長さ約500mですが、町中におおよそ10000uの広大な公共用地が出現する訳ですから、この土地の利用方法について、地域の住民の皆さんと行政が一緒になって計画を作り上げて行く、高富のまちづくりの試金石とされ、新しいまちづくりパターンの見本とされることを願っています。
 最低限の規制事項や周辺からの排水の処理などの問題もありますが、公園、防災道路、公共施設設置、ゲートボール場そのいろいろな計画が考えられます。住民参加の実現した、夢と希望のあるまちづくりとして、地域の皆さんが主人公となり、行政が側面から援助するような話し合いを早急にスタートさせる必要があると考えますが、いかかですか。