1996年6月議会  6月6日 通告本文

(1)町内の公園整備と利用について
  @《四国山公園・香り会館 周辺整備を》
 これから夏に向かって、山や海に行く機会が増えます。しかし、高富町にはキャンプ場が一つもなく、伊自良や美山、岐阜市の野外施設を利用するか、遠くに行くしかありません。手軽に使えるキャンプ場や野外施設を、身近なところに造ってほしい、という希望はかなり強くあります。
 ところで、岐阜市を中心にコア100万都市、つまり岐阜市とその周辺市町村の人口100万人の範囲の人達を対象にして、将来像を考え行こうという構想が進められています。この中の一つアウトドアも位置づけられていますが、関係者の中では、高富町の四国山公園周辺も非常にいい所だと評価を得ているようです。
 また、香り会館やドームを親しみあるものにして行くには、町内外を問わず、まずお客さんが来てくれることが前提です。
 このような現状を考えると、高富町がまず動き出すことが、どうしても必要だと思います。具体的には四国山公園の中に、とりあえず簡単なキャンプ施設を整備することが近道と考えます。例えば、公園の南の芝生の中間にある駐車場を、風景にマッチした造りに配慮しながら、屋根のある簡単な炊事設備を造り、近くにテントサイトを指定すれば済みます。バーベキューハウスを造っても利用者は多いでしょう。トイレは現在できています。いかがでしょうか。

  A《樹木に名前を》
 四国山公園の山を散策する遊歩道に関して、ここにある木には名前が書いてありません。自然に親しむには、野鳥や動物、植物の名前を分かることも大事な要素の一つです。ファミリーパークの岐阜市少年自然の家の玄関には、遊歩道にある10数種の樹木の見本をおいて名前が記してあります。四国山公園でも、例えば、「ある種類で最初に出てくる木」には名称を書いた札を付け、二番目以降は「?」にして、クイズ形式にするとかの工夫をすると、楽しく木や草の名前が覚わります。公園内の木や草に、工夫をこらして名前を掲げることについて、どう考えますか?

   B《公園としての“みんなげんき広場”の利用を》
 この新しい庁舎の南側の芝生もさわやかな緑を帯びて来ました。この広場の管理が6月からは、正式に町の管理になることもあって、6月議会で、町内の全ての公園の管理を統一した条例が決まりました。ただでさえ公園や広場の少ない高富町ですから、町民の皆さんが利用しやすいような、融通を効かせた条例の運用が求められています。
 げんき広場は、飾りとしての庭園や“お庭”ではなく、公園ですから、他人に迷惑をかけず、施設を痛めない範囲での利用を前提に、個人は誰でも使えるのは、当然です。それはともかく、高富町では現在、京ケ洞に体育館を建設中のため、グランドの利用が制限され、町内外の他のグランドでも利用が重なったりして、グループや団体の活動にかなりの支障が出ています。そこで、団体にも、芝生を痛めたり、他の利用者に危険の無いよう最大限の注意をすることを前提として、集団での利用や組立式のものを持ち込むことを許容することが望まれますが、いかがですか?

(2)資源回収補助金
 資源の有限性や地球環境の保護が強く指摘され、各国、各自治体や企業が知恵をこらし始めています。高富町でも、リサイクル精神やリサイクルの習慣を普及するために、団体で行う資源回収に対して、古新聞や雑誌、アルミ缶などについて1Kg当たり5円の奨励金が出されています。県内の他の市町村をみてみますと、1Kg10円の奨励金を出しているところが、墨俣町など4町村、笠松町が8円、多治見市は6円などです。各務原市では、牛乳パックには12円出しています。
 古新聞や雑誌などの古紙類の処理コストは、たいていの処理場で1Kg当たり約30円前後とされています。これに対して、昨年の町内のPTAなどの団体での資源回収の総重量は約624トンです。その分ゴミの減量化につながり、焼却場の設備への負担を軽くし、耐用年数を長くし、燃えかすを捨てる場所の寿命を長くすることにもつながった、という評価ができます。624000kg×30円とすると、約1800万円相当の貢献ということになります。これに対する助成金(お礼)は約312万円でした。
 単純に計算すれば、約1500万円のコストを引き下げ、同時に焼却炉や処分場の長持ちに貢献した事になります。このように考えると、ゴミ処理量の増加に悩む自治体としては、資源回収助成金を1Kg当たり10円にしても、仮に20円にしてしも十分メリットがあります。奨励金を増額すれば、資源回収量も増えることは確実で、さらに効率的です。
 8割以上が小中学校のPTAの分で、各学校ではこれらを利用して学校の備品などを買っている現状です。資源回収は、リサイクル教育とともに、地域への還元という点でも、大いに意味があります。
 助成金の大幅増額をすべきと考えますが、いかがですか?


(3)町内の空き農地の雑草対策について
 町内の各地の未使用の農地や空き地には、夏から秋にかけて、黄色い花の咲くセイタカアワダチソウがうっそうと茂っているところや、ススキの茂った広場が点在しています。これらは毎年、たいてい決まったところです。役場は、住民からの苦情を受けると、地主に連絡をとり、雑草の除去を要請し、その人ができない場合は、代行して業者に除去を委託しています。産業課の管轄、つまり田や畑では、年間30数件あるようです。これについて、苦情を受けてからその都度、現場を確認してから対応している現状では、職員の仕事のロスも大きいものです。大体が、毎年、決まった地番の土地のことですから、住民から苦情が出るまで放っとくのではなく、ちょうど今の夏の前の時期に、現場を一斉に調査して、地主にていねいに確認すれば、職員の仕事のロスも減るし、付近住民も助かります。先手を打って雑草除去対策をとることについて、どのように考えますか?


(4)条例・要綱・規則などの在り方について  条例・要綱・規則などは、総論的にはその自治体の憲法や法律とも言うべきもので「基本的や約束事」です。
 高富町では、このほど「土地開発指導要綱」の改正案がほぼ決まり、原案が議会側に示され、今年の10月から施行の予定です。
 これについて、二点から大いに評価できます。一つは、条例の対象面積を900uと狭いところまでに網をかけることです。もう一点は、直ちに、パンフレットなどをつくり配布し、周知をしていくということです。
 高富町には、この他にも条例・要綱・規則がたくさんあります。しかし、公にされているのは、この一部です。行政の約束事というのは、公開されて初めて、客観性と公平性を保てます。役場の全体を掌握しているはずの総務課長にこの約束事のリスト、一覧表を請求した所「そんなものは作っていない、把握していない。各課にある」との事でした。役場が決めている約束事の全体を、誰も把握していないとは、一体何どういうことでしょう。無責任と言われても仕方ありません。私は、このことを6月4日に指摘しまた。それから10日経った今日は、十分把握されていることを期待しています。

 @もし、把握されているとしたら、俗に“内規”というものも含めて、条例・要綱・規則のそれぞれの合計数と、そううち町の例規集に記載されていないものの数はどのようですか。

 A高富町の約束事の一覧表を整理し、納税者、主権者である住民から、条例や要項を求められたら、写しを無料で提供し、町の仕事の根拠を示すのは、当然のことではないでしょうか?
 また、例規集にも全て記載すべきと考えますが、いかがですか?


(5)決算認定と事業計画立案について
 岐阜県は毎年、県内の全市町村について、財政状況の調査用紙調査用紙を配布し、前年度の決算についてのヒアリングを行っています。ここに、調査用紙があります。58ページもあり、ここには決算書の骨格のほとんど全て、一部は極めて詳細なものまで記入を求められています。実質的に決算書ができあがっていなければ、とても記入できるものではありません。
 高富町はこの数年役場事務や財務処理のためにコンピューター化をすすめ、5400万円をかけて来ました。法律上の会計閉鎖は5月末日です。もしこの日に、コンピューターから呼び出せば、その場ですぐに全部の決算データが出て来ます。それがコンピューターというものです。
 これらから、会計監査のことを考慮しても、9月議会に決算を提案することは、何の支障もありません。
 ところで、役場の翌年度の事業は、10月には、原案が決まっています。事業の原案が決まってから、前年の決算の反省、評価をしても非常に効率の悪いものです。決算での反省をより効果的に次の事業に反映させるためには、9月議会での決算審議がどうしても必要です。ここにいる議員の皆さんも、同様に感じられているはずです。
 より効率的な役場行政の実現、住民のための事業の充実のために、9月議会での決算審議の実現について、どのように考えますか