99年9月議会  9月9日(木)

◆第1問「広報などの配布業務の委託」
◆第2問 情報公開の制度
◆第3問 高富町の下水道計画の現状と将来方向
◆第4問 介護保険
◆5問 福祉健康村と地球環境村

○議長(鬼頭鉄雄君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
 一般質問、通告順位4番、寺町知正君。

○1番(寺町知正君) それでは第1問として、総務課長にお尋ねいたします。
 内容は、自治会長の職務軽減のために、広報などの配布業務を委託するその先を変えてはどうかということを質問いたします。
 自治会長の役割には、地域活動のいろいろな取りまとめのほかに、地域の、例えば道路の整備とか暮らしの改善に関しての町の行政への橋渡しなどの仕事があり、非常に多忙です。最近では、会社などの勤めをしながら、その傍らで自治会長を担う人も少なくないのでなお大変だと言われています。一方高富町は、これら自治会長に対して町の広報やいろいろな案内などの資料の配布をお願いしています。これが実は大きな負担であって、本来の自治会長の仕事をするための時間がそのために割けない、そういった状況をつくり出していると、そういうふうにも言われております。
 そこで、幾つか具体的にお尋ねしますが、まず第1に、現在高富町が自治会長に日常的に依頼している仕事の中にはどういったものがあるのでしょうか。それから、具体的に、1年間で何時間程度の作業量となっているのか。高富町はその試算の時間をお答えください。 それは、一応平均的な自治体です。世帯数から平均が出てきますが、そういった自治会を想定してお答えいただきたいと思います。
 次に、自治会及び自治会長に対する1年間の中の補助金、これらは3種類あるというふうに理解していますが、それぞれの目的と、高富町全体でのその交付額は一体どのようでしょうか。さらに、交付額は平均的な自治会及び自治会長で幾らとなるのか、その点お答えください。
 次に、広報などの配布方法に関して、住民の皆さんは税金を一律に納めているわけですが、高富町では約1割強の方が自治会に入っていません。これら自治会未加入の皆さんに町の広報が届いていないとしたら、これは明らかに不平等であり、不公平であると考えます。その点について町の見解をお尋ねいたします。
 また、こういった未加入の方に、どのように届けるように町としては努力しているのか、この点についてもお答えください。
 次に、あちこちの自治体の例を調べて見ますと、住民の方の中から公募したり、あるいはお願いしたりして、広報の配布作業、こういった業務を委託しているという自治体が幾つかあります。例えば、愛知県では長久手町とか日進市、瀬戸市、尾張旭市などがそうです。高富町には、高富シルバーという高齢者能力活用協会というのが以前から活動していますが、たまたま今年はこの活動を活発化しようということで、いろいろな再編が行われ、パンフレットも新しくつくられたりしております。私は、このシルバーの活動、これがお年寄りの能力の発掘や発揮、それから社会参加や生きがいの創出、こういったこととして期待されており、こういったことの団体に町の広報などの配布物を委託すれば、自治会長の仕事を軽減することにもなり、さらにシルバーの仕事確保にもなるというふうに考えます。
 それから、先ほどお尋ねしました点の自治会の未加入者への配布漏れという不平等、不公平の解消にもなるということも考えます。そこで自治会長に地域の活動に専念してもらうということのためにも、この配布作業を高富シルバーという団体に委託してはどうかという点をお尋ねいたします。

○議長(鬼頭鉄雄君) 鷲見総務課長。

○総務課長(鷲見奉子君) 寺町議員の御質問にお答えします。
 第1点目の、現在町が自治会長にお願いしている業務につきましては、町、県などの広報紙の配布、カーブミラーやガードレールなどの交通安全施設や街頭の設置要望の取りまとめ、消防ホースや消火栓、そして土木事業の要望の取りまとめ、ごみ分別収集への協力などがございます。その中でもとりわけ広報紙などの配布業務は毎月1回携わっていただく定期的なものであり、自治会の大きな協力により成り立っているものであると認識いたしております。
 配布のシステムを簡単に説明いたしますと、役場職員が事前に梱包の作業を行ってから、自治会長のお宅へ配達し、その後自治会の組織を通して個々の家の手元に届きます。個人宅に届けられる方法につきましては、会長が全会員宅へ直接届けるケース、会長から班長に、そして会員へ届けられるケース、当番制で対応しているケースなどさまざまの形態がございます。
 第2点目の、具体的に年間で何時間程度の作業量となっているかにつきましては、今述べましたように、配布の実態は自治会により異なります。作業量を時間で計算し平均を定めて他の方法と比較することは、実態とかけ離れてしまう側面もございます。仮に、70世帯の自治会を平均と考え試算するならば、個人宅まで行き渡るのに近隣の距離のこともございますが、1世帯当たり5分ぐらいとして、1回に延べ6時間ほどかかることになります。年間では72時間となります。
 第3点目の、自治会及び自治会長に対する年間の補助金につきましては、自治会長活動費補助金が405万4,000円、自治会長研修事業費補助金195万円、自治振興助成金405万4,000円で、合計1,005万8,000円でございます。70世帯前後の自治会では、自治会長活動と自治振興費がそれぞれ5万円程度となっております。これは、自治会長活動費補助金と自治振興助成金であります。補助金の目的につきましては、自治会長活動費補助金は、自治会長の1年間に対する活動費の補助金でございます。自治振興助成金につきましては、コミュニティ活動を活性化するための助成金でございます。自治会長研修事業補助金につきましては、研修を通して各自治会内だけでなく、広域にわたって情報交換をしていただくことや、交流を深めていただくなどを目的とした補助金でございます。
 第4点目の、自治会未加入者に対してのサービスについてですが、未加入者、どちらも大切な町民の方々であるとの認識に基づき、役場総務課の窓口だけでなく、中央公民館、各地区公民館に広報紙や各種チラシを常に置いているほか、休館日や祝祭日、夜間についても、役場の宿直室にて常時配布サービスを行っており、より多くの人々に行き渡るよう努めております。この方法は、自治会への加入、未加入にかかわらず、多数の人々が気軽に、比較的時間の制約を受けずに利用できることから、その利点も大きく、未加入の方にも配慮いたしております。
 第5点目の、高富シルバーへの広報配布業務の委託につきましては、近隣市町村においても高齢者の雇用確保や生きがい創出のため、既にシルバー人材センターに委託を行っている市がございます。これらの市も、以前は高富町の例と同じく、職員が梱包、運搬業務を担い、自治会長宅へ配達していましたが、委託後は職員の業務量の軽減に大きな役割を果たしたそうです。しかし、各戸へは依然として自治会組織に委ねる形態を残し、旧来を踏襲しているとのことでございます。この方法は自治会あるいはその地域での連帯意識の構築に大変貢献しており、意義深いものがあると認識しておりますので、今後も御理解、御協力をよろしくお願いいたします。

○1番(寺町知正君) 自治会長に関する業務の量を試算していただきましたが、年間でおよそ72時間程度かなという数字が初めて出てきました。
 それから、補助の金額ですね、自治会長の活動補助ということで、年間405万4,000円ですか、それから研修に関して190万円ほどというような形で出ているということのようです。
 そういったことから再質問に入りますけれども、まず、地方自治体の住民というのは、地方自治法の中で明確にされておりますけれども、住民というのは「法律の定めるところにより、その属する地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し」というふうに基本的に定めてあります。こういった点から、先ほど自治会未加入の方に同じ税金を払い、同じ税金でつくった広報が届く、届かないということがあっていいのかという点をお尋ねしたのですが、町としては一応努力しているということでした。しかし、実際に届いていないという実態はかなりな数あるわけですね。そういった意味から、自治法の住民の定義の中にやはりそぐわない部分があるということがあります。この点をまず年頭に置いて考えますけれども、例えば高富町は岐阜県から「くらしと県政」「ふれあい」という名前がついています。こういったものを1年間に毎月1冊ずつ配布するということで、県から来ます。この配布委託料は、実は1部7円、県から町に下りてきています。しかし県は、これは高富町に配布料として7円渡すのではなく、末端で渡してくださる方に1部7円ですということで、手数料として窓口、市町村に下ろしているものなんです。それで、先ほどの総務課長の説明では、自治会長の活動補助、あるいは研修という金額は挙がっていましたが、その目的の中に例えば「くらしと県政」ということの配布作業が入っていないんですね。そうすると、県は高富町に年間で40数万円手数料を末端に渡してほしいという指示で渡していますが、高富町はこれをどうも今の目的からすると、高富町の一般会計の中で処理しているということになってしまいます。もし、そういう見解をとられるんなら、「くらしと県政」は自治会長さんたちが無償で配っているという意味で、おかしなことになります。その点について、自治会長は「くらしと県政」を一部7円で委託を受けているはずですので、改めて見解を求めます。
 それから、この点に関してですね、まず「くらしと県政」は県民、高富町民と同じですね、 世帯に1部ということになっているわけですが、高富町は今年度4月当初、5,250部割り当ててほしいということを県に請求を出しています。しかし、高富町がこれを配布するのは、5月当初の自治会の加入者数というのは5,034世帯というふうに町報に出ていますが、すなわち二百何十部余分に取っているわけですね。それに掛ける7円、掛ける12カ月という金額が県から下りてきているわけです。そうしますと、この200部余り毎月出ている分はどこに行っているのか。本来、県としては、自治会に入っていない人にも配ってほしいという趣旨で広報を市町村に下ろしているわけですが、そういったことができず、さらに余分に請求を受けている、あるいは高富町が取っているということになるんですが、その点はいかがでしょうか。
 それから、次に、最後のところでお尋ねしましたが、他の自治体の例ですね、民間の方に委託しているところもあるということでした。それで、課長のお答えでは、他のところで高齢者関係の団体に出しているけれども、それは自治会長までの配布を委託していて、それで随分職員の労働は軽減されたというようなことの例がありましたけれども、先ほど言いました愛知県では、実際に、例えば1部30円とか35円という配達手数料を設定して配っていただいているところがあります。こういったことによってどういうことが起きるかといいますと、例えば先ほど言いましたが、自治会長の負担が当然減ります。それから、配布は例えば担当の方が3日以内に配るとか、そういったようなルールができていますので、速やかに配達されます。それから、実際に委託料として出る金額というのは1部幾らで設定した方がかなり安くなる。これも金額的にはっきり出てきます。それからまた、先ほど問題を指摘しましたが、自治会の未加入者、高富町では1割強、多いところになりますと2割、3割になりますが、こういった方たちにも等しく届くようになるということがあります。それから、例えばシルバーなどの団体にお願いすれば、そういった団体の仕事の確保にもなります。そういった点いろいろとあります。一石二鳥ではない一石何鳥にもなるんです。そういったことがあるにもかかわらず、先ほど最終的に総務課長が閉められたのは、例えば地域の連帯に役立つのではないかということをおっしゃられましたが、それは広報を自治会長あるいは班長さんたちとか役員さんが配布するということで、連帯を高める、確保するということではなくて、地域の連帯というのは地域の活動の中で確保されるものなんですね。ですから、そこに一石二鳥、一石三鳥になることをあえてとらえずに、連帯ということで閉めるのは非常に認識がおかしいのではないかということを思います。そういった点で、一石何鳥にもなるにもかかわらず実施しようとする意思が先ほどのお答えでは見られませんでしたが、改めて、メリットが幾つもあるのにこだわられる理由をお聞きしたいと思います。

○議長(鬼頭鉄雄君) 鷲見総務課長。

○総務課長(鷲見奉子君) 寺町議員の再質問にお答えします。
 「くらしと県政」の1部7円という補助金につきましては、自治振興費の中に入っておると思っております。
 それから、先ほど、愛知県の長久手町などのお話をされましたが、高富町といたしましては、先ほども補助金の目的について申し上げましたけれども、自治会に出している補助金というのは、広報また県政などの交付などの配布のみに支出している補助金ではありません。シルバーに委託するならば、また別に費用が必要になってまいります。本町といたしましては、自治会の会長あるいは班長など、各世帯に配布していただくことによりまして、地域のつながりや連絡体制などが円滑に行われるものと考えております。それで、先ほども言いましたが、委託とかそのようなことは考えておりません。そして、愛知県などのいろいろの、今何年か経ちましての結果報告を聞いておりますと、自治会の崩壊につながるというようなお話も聞いております。それで、高富町といたしましては、今後少子高齢化が進む中で、希薄になった地域内のつながりを強めていくことや、近所のお年寄りや子供たちを地域で守っていける、住んでよかったと言えるようなまちづくりに取り組んでまいりたいと思っておりますので、御了解いただきたいと思います。

○議長(鬼頭鉄雄君) 寺町知正君。

○1番(寺町知正君) 総務課長に再々質問をいたしますけれども、愛知県の例など聞いてみたところ、自治会の崩壊につながるというようなことを聞くというようなことでしたが、私は現地の状況をある程度は知っていますけれど、それは自治会、例えば広報を自治会組織を通じて配らなくなったから自治会が崩壊したのではなく、例えば日進市などは日本で一番人口増加率が多い町なんですね。その隣にある長久手もそうなんです。そういった都市化の状況が自治会組織、自治会の加入率を低くしているのであって、広報配布を委託するかどうかの問題ではないんですね。そういう意味で考えなければいけない。例えば、今年の岐阜県の一つの広報課の課題として、県の広報紙が末端まで届いていない。それはやっぱり自治会の加入率が都市部ほど低くなっている。この問題を解決しようと今年1年間で取り組むというようなことが3月の新聞記事にも大きく出ています。私も担当者に聞いてみましたけれども、やはり税金でつくる以上、何とか末端まできちっと届けたい、そういう意欲を持って問題解決を探ろうとされているんです。そのためには、例えば水道の検針員にお願いするとか、専門の配達員を設置するとか、いろいろな方法を現在検討中だそうです。そこにはやはり、今の連帯云々ではない、少なくとも住民等しく権利を受けられるという意味で、その方法を考えていくという発想、原点があるわけですね。そういった意味で、先ほど質問あるいは再質問のお答えというのは非常に時代錯誤ではないかと私は考えます。そういった点で、改めて総務課長の、県の姿勢も考えながら検討していただきたいという点について回答をお願いいたします。

○議長(鬼頭鉄雄君) 鷲見総務課長。

○総務課長(鷲見奉子君) 寺町議員の再々質問にお答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、今後は高富町も少子高齢化の時代となってまいりまして、特に近隣、隣近所とのコミュニケーションなどが特に少なくなって、隣は何をする人ぞというような形になってまいる時代が参ります。そういうことも考えますと、本当に希薄になった地域内のつながりを強めていくことは大変重要なことかと思います。やはり自治会長が、また班長、班員などが各家庭を毎月回っていただきます。そのようなことは近隣のコミュニケーションをとるということも一番大切で、そのできる場所でもあるというふうに考えておりますので、高富町としては現在のところ考えておりません。今までのような実態で進めてやっていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○議長(鬼頭鉄雄君) 寺町知正君。

○1番(寺町知正君) 課長から、考えていないという明確なお答えでしたが、私は今の答弁の中でやはりおかしいと思う。それは地域のつながりは非常に大事なんですね。ですが、それを広報紙を毎月配る作業で確保できると考えているところが地域のコミュニケーションの大切さを認識していないと思うんです。そういうことではなくて、地域活動する中で深まっていくことであって、事務的に配達するということとは別のことだという点を十分考えていただきたいと思います。



 第2問に入りますが、助役にお尋ねいたしますけれども、情報公開の制度に関してであります。
 高富町では、2年前の町長汚職の事件の後に、当時の助役、町長の職務代行者という立場でしたけれども、そのときに97年の10月をめどに情報公開条例を制定したいというような表明がありました。それから、その後、綱紀粛正特別委員会という場では、98年度中に制定したいというふうに徐々に先延ばしになりました。さらに、昨年の12月議会の当時の助役の答弁では、99年度中に制定したいというような答弁ということで、非常におくれてきております。そういったことを考えますと、高富町行政の方には、公開条例を制定する意思はある、しかし具体的実施は非常におくれてきているというふうに考えざるを得ません。そこでお尋ねいたしますが、今後の情報公開条例の制定時期について、行政として具体的にどのようなめどを持っておられるのかという点。
 もう1点ですが、当時から、職員の中に情報公開に関するプロジェクトチームをつくり検討しているという話、あるいはその報告も私たちは時々聞いておりました。そういった中で、現在行政として検討している情報公開制度の要点、あるいは特徴というのはどういったものでしょうか、お答えください。

○議長(鬼頭鉄雄君) 宇野助役。

○助役(宇野敏勝君) 寺町議員の御質問にお答えいたします。
 情報公開条例の制定は、行政に対する住民参加の促進と、公正で民主的な開かれた行政の確立を目指し、住民の知る権利並びに行政に関し住民に説明する責務を具体的に保証するため、全国に制定の動きが活発化しております。
 岐阜県下の制定状況を見ますと、平成11年4月現在では、7市9町が情報公開条例またはその要綱を制定しております。それぞれの市町村においても、条例制定に向けて調査研究をなされているとお聞きしております。
 まず初めに、御質問の第1点目の情報公開条例の制定時期についてでございますが、平成9年9月に開催されました綱紀粛正に関する特別委員会での御質問に対しまして、職員によるプロジェクトチームを編成し、調査研究を行うとの考え方を示させていただきました。その後、プロジェクトチームにより他市町村の情報公開条例を参考とし、条例案の作成に取りかかってまいりましたが、ただいま議員より御指摘がありましたように、作業につきましてはおくれているところでございます。
 現状といたしましては、条文等に関しましては大筋ででき上がっており、現在はその解釈についてプロジェクト委員が再度確認している報告を受けております。さらに、プライバシーの保護と個人情報の取り扱いについてなどの検討をしており、今後におきましてはできるだけ早い時期に条例案を取りまとめ、懇話会に諮問し御意見を賜りたいと考えております。また、議会の皆様方にも御指導を賜りたいと考えております。
 情報公開条例の制定時期につきましては、昨年の12月定例会の一般質問でもお答えいたしましたように、年度内の制定に向け努力してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
 また、情報の公開に伴い、求められた関係書類、的確かつ迅速に提示するために、適切な文書管理を行う必要があり、職員で文書管理に関するプロジェクトも編成し、従来より行ってきましたボックスファイリングの徹底、システムの見直しを行っているところでございます。
 2点目の現在行政が検討している制度の要点及び特徴についてでございますが、情報を公開する範囲について、できる限り公開することを原則とし、内容の検討を行っておりますが、先ほど申しましたように、プロジェクトの方々には、プライバシーの保護や広域行政が積極的に展開されております現在では、他市町村との公開範囲などについても配慮する必要があると考えておりますので、あらゆる観点から協議、検討を重ね、今日的な考え方の中で双方がより理解できる条例にしてまいりたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。

○議長(鬼頭鉄雄君) 寺町知正君。

○1番(寺町知正君) 今、助役に答弁をいただきましたけれども、最初にお尋ねした制定時期の具体的なめどということですが、年度内の制定をというようなお答えでした。しかしもう既に9月ですが、通常、今からですと12月議会に提案されて、そこで条例が成立すれば、辛うじて来年の4月1日に施行が可能であろうと。逆に3月議会に初めて出てきてそれが通るようであれば、4月は無理ということですので、もう少し具体的なスケジュールを明らかにしていただきたいと思います。
 それから、再度の質問の中で新たにお尋ねいたしますけれども、現在岐阜県も各地で条例制定が進んでおります。一番新しいのは今月7日の土岐市議会で可決されました土岐市の情報公開条例であります。現在岐阜県ではこれが一番進んでいるのかなとというふうに私は思っておりますが、この特徴は知る権利を目的に、明確に位置付け、説明責任という言葉は特に出てきておりませんけれども、その趣旨を生かしている。それから、請求する人、これを従来私が聞く範囲では、高富町は穂積町をまねしている、例にして情報をつくっていると聞きました。穂積町は町民に限定しておりますが、土岐市は請求者という範囲を限定しておりません。それからコピー料が10円。それから、プライバシーという点についても、名前とか個人が特定されたとしても、通常他人に知られたくない情報でなければよいと、そういうふうに非常に厳密な解釈をしている。これが進んでいる点です。
 さらに、市の保有している文書はすべてだと、過去に作成されたものも含めて、自治体が持っている文書はすべて住民にお見せしましょうと、こういう姿勢なんです。こういう点が最も進んでいるというふうに考えますが、私は穂積町というのは、その条例は岐阜県の中では最も狭い範囲、公開範囲も狭いというふうに認識しております。そういったものを見本にして条例案をつくるのではなく、最も進んで公開するという姿勢が強いものを見本にしていただきたいと思うのですが、そういった意味から、高富町の現在条例の文案がおおむねできているということでしたが、この見直しを最新のものに従ってやっていただきたいと思いますが、その点についてお答えをいただきたいということを思います。

○議長(鬼頭鉄雄君) 宇野助役。

○助役(宇野敏勝君) 条例制定のめどでございますが、来年3月を予定いたしております。なお、先ほど申し上げましたように、土岐市の例あるいは穂積町の例を申されましたが、私の方は今後あらゆる観点から十分協議をして、皆様にこれでよいという情報公開を制定してまいりたい、そういうことを思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○議長(鬼頭鉄雄君) 寺町知正君。

○1番(寺町知正君) それでは、情報公開に関して再々質問を町長にいたします。町長の答弁をお願いしたいと思います。
 今、助役から幾つかの具体的なめど、とりあえず来年の3月に制定めどにということでした。それから、他の自治体の例をもうちょっと調べたいということですが、町長は事件の後就任されて、その翌日のインタビューということで新聞記事が出ております。ここにありますけれども、この中では情報公開も前向きにということが明確に述べられたように記事ができ上がっております。当然そういう姿勢を持っておられたと思いますけれども、その後、先ほども申し上げましたように、この2年間で制定時期が徐々に後ろにずれ込んできている、そういう現状があるんですが、町長としては情報公開を前向きに、あるいはいろんな場で話をさせていただいてもやはり情報公開の時代であるということはお聞きしております。
 そういった前提の中で、一つお聞きしたいのですが、私たちは議会の視察で先日、多治見市の情報公開を視察にいってまいりました。そのときに担当課長がはっきり言っておりましたけれども、市が持っている情報というのはすべて市民のものだと考えています。そういった意味で、市民から公開請求といいますか、見せてほしいという要求があれば、場合によっては手続すら必要なくその場で出す、そういったことを今目標にやっておりますということを言っておられました。まさにこれは、情報公開条例のない情報公開、一番進んだ状態を目指しているわけです。そういった点で、町長が就任当初から情報公開を前向きにという姿勢を持っておられたわけですが、多治見のそういった情報は住民のものであると、そういった姿勢についてどのようにお考えかお答えください。

○議長(鬼頭鉄雄君) 山崎町長。

○町長(山崎 通君) 寺町議員の御質問にお答えします。
 当町の方針としては、先ほど助役から申し述べさせていただいたとおりでございますが、情報公開については議員がおっしゃるとおり前向きに取り組んでいるつもりでおりますが、そのお話の中に後ろ向きにずれ込んでいるのではないかというようなお話でしたけれども、後ろ向きではありません。前を向いておりますので御理解をいただきたいと、こんなふうに思ってますし、それから、多治見の例がありましたけれども、私どもは私どもの方法、よりよい方法を考えて進めていきたい、こんなふうに思ってます。情報公開による住民への阻害ということも考えなければなりませんので、情報公開によって悪用されることのないよう、十二分に検討してよりよいものをつくっていきたい、こんなふうに思っておりますので、御理解のほどよろしくお願いします。
○議長(鬼頭鉄雄君) 寺町知正君。再々質問ですので、質問を変えてください。
○1番(寺町知正君) 第3問に移りますが、その前に、今町長のお答えで、情報公開によって住民に損害が生じてはいけないということでしたが、情報は住民のものであるとするなら、それが公になって損害というのはないんですね。その点を考えていただきたいと思いますが。


 一応、第3問として通告しておりますのは、高富町の下水道計画の現状と将来方向という趣旨で都市計画課長にお願いしております。
 先ほど、同僚議員の質問にも一部重なりますので、若干省略する部分もあろうかと思いますけれども、高富町の公共下水道の現在の状況はどのようでしょうか。昨年度、下水道懇話会が設置されたというふうに聞いていますが、そこへの町からの諮問、それから懇話会からの答申のその概要はどのようでしょうか。また、処理区や処理場位置などについて、先ほど同僚議員の具体的にという質問に対して都市計画課長は何ら具体的に答えられませんでしたが、一応議員の方から10カ所程度の原案があり、そのうち4カ所に絞り込まれたというようなお話がありました。そういったことについて具体的にお答えいただきたいというふうに思います。

○議長(鬼頭鉄雄君) 高屋都市計画課長。

○都市計画課長(高屋重義君) 寺町議員の御質問にお答えいたします。
 高富町の下水道計画は、平成5年に策定された下水道基本構想により基本的なエリアが設定されました。基本構想をもとに、平成8年度に行いました公共下水道の浄化センター候補地選定で、一部の集落排水地域を取り込み、高富、富岡地区全体を公共下水道により整備をする方針を立てました。しかし、下水道事業は長い年月と莫大な費用が必要なため、再検討を行うという意味で、平成9年度には関係各課との担当者によるリベートを行い、これを発展させる形で平成10年度に公共下水道懇話会を開催いたしました。この懇話会は、公共下水道事業に関する調査研究という諮問を受け、4回にわたり審議を重ねました。開催当初は、審議内容が専門的かつ事業規模が大きいということで、委員の皆様の戸惑いもありましたが、審議を重ねるに従い、公共下水道の重要性が認識され、中間報告ではありますが、公共下水道事業の早期の実現について検討していただきたいという結論をいただきました。
 また、浄化センターの場所につきましては、平成8年度に候補地の調査を行いましたが、現在の状況といたしましては、立地可能な4カ所をリストアップした段階であり、場所を決定したわけではございません。
 最後に、高富町の下水道事業に対する基本的なスタンスをお話し、答弁にかえさせていただきます。
 下水道事業というものは、大切な社会基盤整備の一つでありますが、先ほども申し上げましたように、長い年月と莫大な事業費が必要であり、住民の皆様の御理解が得られなくては進まないものと理解しております。しかし、下水道施設は高富町の大事な社会資本であり、現在問題となっている環境悪化を防ぐ重要な施設でもあります。高富町の21世紀を担う大切な子供たちのためにも、長期的展望に立ち計画的に下水道整備を行う必要があると考えております。

○議長(鬼頭鉄雄君) 寺町知正君。

○1番(寺町知正君) それでは、都市計画課長に再質問いたします。
 今、幾つかの答えの中で、候補地を4カ所に絞り込んだというようなお答えがありました。その先についてどのような観点で絞り込んでいくのかという点をお答えいただきたいと思います。
 それから、さらに、最終的な行政としての意思決定をする場というのがどっかにあるわけですが、その最終決定をする場はどこかということについてお尋ねいたします。

○議長(鬼頭鉄雄君) 高屋都市計画課長。

○都市計画課長(高屋重義君) 寺町議員の再質問にお答えいたします。
最終決定をする場所はどこであるか、いつかという話なんですが、最終決定につきましては、4カ所の場所をもとに原案を作成し、議会や地元説明会の中で説明を行い、皆様の御理解をお願いしたいというふうに考えておりますし、時期につきましては、基本計画の策定が終わるまでに行いたいなというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○議長(鬼頭鉄雄君) 寺町知正君。

○1番(寺町知正君) 課長に再々質問いたしますけれども、今最終決定に至る場はどこかというようなことでしたが、とりあえず4カ所の中で原案を作成しということでした。 そこで確認しますが、現在絞り込まれた4カ所の中で、4カ所を前提に原案を整備し、地元説明会に至りということで言われたのか、4カ所をさらに最終的な1カ所に絞り込み、あるいは2カ所なら2カ所に絞り込み、最終案だけを地元説明にかけるのか、いずれでしょうか。
 それから、もう1点質問いたしますけれども、先ほど情報公開のことも質問いたしました。今の時代は情報公開、それと住民参加が大事である、これはどこの自治体も考えていることです。それから、皆さんの設置された懇話会の中でも、私もちょっと資料を見る限りは、例えば行政の皆さんは懇話会の委員の方に現在の計画のまま進めてよいのかを審議いただき、また一般の住民の皆様にも伝えていただきたいと考えておりますということで、広くそういった審議の内容も伝えてほしいというふうで進められたという意味で、私は評価していいと考えていますが、そうしますと、先ほど同僚議員の話もしました。私も10カ所、あるいは4カ所と言いましたが、具体的な答えが返ってこない。しかし一応、行政はこういうふうに地図にはっきり場所を落としているわけですね。こういったものが住民の方に今全然見えてこない。10カ所というけれども、じゃあ10カ所に近い人たちはいっぱいいるんですが、何も見えてこない。そういう中で、先ほどお聞きしました4カ所を、4カ所で提示していくのか、絞り込んだ最終案で提示するのかということですね、そこを改めてお聞きいたします。

○議長(鬼頭鉄雄君) 高屋都市計画課長。

○都市計画課長(高屋重義君) 浄化センターの候補地につきましては、4カ所を1カ所に絞り込んで説明会を行っていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○議長(鬼頭鉄雄君) 寺町知正君。質問を変えてください。


○1番(寺町知正君) 第4問として、介護保険を通告しておりますので、質問しますが、今の都市計画課長の中で驚いたのは、4カ所に絞り込んだ。しかし、さらに1カ所に絞り込んでから住民の皆さんに説明会をするということでした。しかし、こういう方法ですと、いろいろな公共事業は今いろんな地域で問題になり、建設省なども自治省なども、その手法の見直しをかけている、そういった状況なんですね。そういった中で、情報公開、住民参加とは、意思決定を行政が行い、その最後の案の説明をするのではなく、意思決定に参加することが必要なんですね。そういう反省が今、国においても行われているのに、今のお答えですと従来どおり変わっていないということで、これは場合によっては、従来いろいろな問題が起きた。それと一緒のことが起きるんではないかと私は心配しております。また、この問題は非常に長く、経費もかかる問題ですので、改めて別の機会にお尋ねしたいと思います。


 それでは、介護保険に関して保健課長にお尋ねします。
 これも、同僚議員の中でお答えがありましたが、住民の皆さんが最も気になっていることの一つは保険料の予定額ということです。国の方でもいろいろな全国の調査をした結果を発表されておりますが、先ほど2,400円ほどという数字がありましたので、この答弁は結構ですが、ではそれを前提としてということですが、その2,400円の積算の根拠というのはあるはずですね。その概略を述べていただきたい。
 それから、郡の福祉の事務組合の方で予定している上乗せのサービス、あるいは横だしのサービス、こういったものはどういったものがあるのでしょうか。
 それから次に、高富町に関してお尋ねいたしますが、自治体の予算というのはこの9月ごろから順次担当課レベルで積み上げられて決定されていくわけですが、高富町としては組合とは別にどういったサービスを予定しているのかということを、現在の状況をお答えいただきたいというふうに思います。
 それから、3番目としまして、私はずっと以前に担当課の課長と話したことがありますが、給食サービス、お年寄りの方に給食を配る、岐阜市などは年間通してやっておりますが、こういった事業をどうかということをお尋ねしましたら、できるだけそういったことを進めたいというお答えはあったんですが、しかし数年経っていまだにこれは進んでいない。その理由、それからそういったことに対する展望をお答えいただきたいというふうに思います。
 それから、4番として、介護保険の認定ということで、もしその認定に漏れた場合、サービスが従来どおり受けられなくなる可能性があります。そのときに行政としてはどのように対応していく予定でいるのかという点をお答えいただきたい。
 それから、最後に、お年寄りの皆さんに一番大事なのは介護保険でどういったサービスをするかではなくて、介護保険の必要のない暮らしをしていただくこと、ここにあるのは当然のことなんです。そういった意味で、自治体の行政としてどういった展望を持っておられるのか、それをどのように具体化していくのか、そういった観点についてお答えください。

○議長(鬼頭鉄雄君) 笠原保健課長。

○保健課長(笠原秀美君) 寺町議員の質問にお答えします。
 1番の質問について、保険料の積算の根拠となるものは何かということでしたけれども、それにつきましては高齢者、現在は保健福祉事務組合の方で昨年度行いました65歳以上の高齢者の実態調査に基づき、どのくらいのサービス要求があるのか、それに基づき、また要介護支援となる老人の数を積算しまして、大幅な介護報酬を積算した上で、65歳以上の人口で割り出した数値が2,400円程度というふうに聞いております。
 現在、上乗せの方で考えている事業というのはどういう内容のものかということですけれども、それにつきましては、高齢者の実態調査の中で要求量として最も高かったのがショートステイでした。それで、それに対しては少し上乗せするような方向で考えております。
 それから、横だしについてですけれども、それに関しては現在四つ考えております。一つは、紙おむつの支給です。もう一つは、布団乾燥の消毒の件です。三つ目に配食サービス、四つ目に移送サービスを考えております。
 次に、二つ目の質問についてですが、保健福祉計画の中で各種のサービスは明確にしていきたいと思っておりますが、現在の状況は、課内において平成10年度までの福祉サービスの見直しをしたところでございます。平成12年度からのサービスにつきましては、事業の見直し等を行い、策定委員の方々の意見を聞きながら、具体的な計画づくりに入っていきたいと思っております。
 三つ目の質問についてですが、配食サービスがなかなか実施できなかった理由として、1番に、福祉行政が措置制度で成り立っていたことにより施しのイメージが強く、ニーズとして余り強く挙がってこなかったこと。二つ目として、介護保険制度の導入に向けてサービスメニューの中に入る可能性があったことなどが考えられます。
 今後、介護保険事業計画のサービス内容が決定された段階で、どこでどのように提供するか検討し、開始できるよう努力していきたいと思います。
 四つ目の質問についてですが、介護認定審査の結果、自立となった人に対しては、その人ができるだけ自立の状態を維持していけるよう支援することが大切と考えます。そのための支援を、例えば訪問指導、老人クラブの友愛訪問、ボランティアの家事援助等、ケアマネージメントして提供していきたいと思っております。
 五つ目の質問についてですが、多くの老人が願っていることは、生涯現役で誰の力も借りず、自立した生活を送ることだと思います。そのために、幾つになっても自立した生活が送れるような保健事業の展開や福祉サービスの提供をしていきたいと思います。また、家族や地域での居場所が確保されていることも大切なことと思います。そのための生きがい対策の充実のために、高齢者能力活用協会、老人クラブ、ボランティア活動の活性化等を図っていきたいと思いますので、御理解のほどよろしくお願いします。

○議長(鬼頭鉄雄君) 寺町知正君。

○1番(寺町知正君) 今、介護保険に関していろいろとお答えいただきました。郡の方でもいろいろな事業が予定されておるようですし、町も具体的な積み上げ作業に入っていくということですので、今の時期ではなかなか見えない部分もあろうかと思いますが、もしまたここに立つ機会がありましたら改めてお尋ねしたいと思います。
 それで、一つ今の答弁の中で思ったことですが、お年寄りの周辺に関してですけれども、地域での居場所あるいは家族でのそういったこと、そういった答弁がありました。これに関して、私が思うのは、住民の方から自分の家は十分広さがあって、しかも家族も今少ないから空いている、地域のお年寄りとここで一緒に日中だけでも過ごせるようにしたいということを町に話したら全く取り合ってもらえなかったと、これは何年も前の話ですが、そういった現状があるわけです。ですから、私は今の現在の課長のお答えを聞く限り、非常にそこに期待が持てるのかなというふうに思っております。やはり行政がすべて事業をするのではなく、地域の皆さんがお互いにやっていく、これが一番大事です。ですから、住民の方からこういうことをしてはどうかと言われたときに、いやそれはちょっとと言うのではなく、先ほどのお答えにあるように、いろんなことについて行政が率先して事業展開の足元をつくる、仲介する、そういったことを努力していただきたいということを思いつつ、第5問の質問に入ります。

 最後にですが、福祉健康村と地球環境村について、企画課長にお尋ねいたします。
 まず、第1として、まるごと福祉健康村の用地買収の現在の状況、それから山県郡の3町村の協議の進展具合、これについて簡潔に述べてください。
 それから、2番目として、今年の6月ないし7月に、県の知事は地球環境村に関して地元の高富町が非常に積極的に推進のための努力をしてくれていると、だからそれに期待しておりますということを述べております。また、県の幹部もそう述べております。
 それから、岐阜県の廃棄物処理マスタープランというものが発表されておりますが、この中で産業廃棄物の処理に関して、これは99年の7月6日付の岐阜新聞ですが、平成15年度までに県内の5圏域ごとに、それぞれ1カ所の地球環境村を整備したいということがはっきりと記されております。私は、こういったことから考えると、県や高富町がこういった具体的な年次、四、五年先をイメージに置きながら地球環境村の高富町への誘致を進めているというふうに考えるわけですけれども、高富町としてはこういったことを考えたときに、地元は大桑ですので、大桑の了解は何年ごろに取るのがこの事業のためのリミットなのか、その点について行政のお考えをお聞きしたいということを思います。
 それから、事業を進めるのに当たって、地元の住民の合意、これが必要だということはお聞きしておりますが、それでは高富町全体の町民の皆さんの合意については、行政としてはどのように考えているのかという点をお尋ねいたします。
 それから、3点目ですが、可児市に地球環境村第1号というのが今年の冬に認定されました。ですがこれは自治体の処理するいわゆる一般ごみですね、家庭からのごみとかそういったものについての処理場であります。先ほどの、従来から高富町で誘致しようというのは、産業廃棄物に関しての地球環境村ということで、これは県内で第1号、最も進んでいるというふうに言われていますが、これに関して私が知る限り、いろんな人の意見を聞く限り、地元大桑の皆さんというのは、圧倒的な方がそれは必要ない、反対であるということを申されております。そういったことを行政としてはどのように受けとめているのかという点ですね。
 それから、最後に、今計画を進める行政としては、この事業について一定のイメージを持っているというふうに考えますが、この事業の予算規模、それから処理するごみの量について、どのような数字を持っているのかということ。それから、実際に一定の地域ですので、ここに岐阜圏域から、かなり広範な地域ですが、そこから処分すべきものを運ぶわけですが、この搬入路というのはどこを想定しているのか。それから、搬入方法についてはどのような想定なのか。この点についてお答えください。

○議長(鬼頭鉄雄君) 嶋井企画課長。

○企画課長(嶋井 勉君) 寺町議員のまるごと福祉健康村と地球環境村についての御質 問にお答えします。
 1点目のまるごと福祉健康村の用地買収の現状と参加町村の協議のぐあいについてでございますが、まず用地買収の現状について説明いたします。
 さきの7月27日に市洞公民館におきまして、地権者全員の方の売買契約に関する説明会を開催し、その後8月3日には、これも市洞公民館におきまして集団契約をさせていただきました。そのうち、相続協議がなされていない地権者の方などを除き大部分の方の契約が完了しています。ただいま申し上げました相続協議が未完了の地権者の皆様、あるいはその他の事情により未契約の地権者の皆様につきましては、それぞれの事情が解決した時点で御契約をいただける運びとなっております。
 次に、参加町村の協議の進展ぐあいでございますが、3月定例会におきまして寺町議員の御質問にお答えしておりますが、それ以来何ら進展していませんが、郡の町村長会、郡の政策研究会の会議の折には用地取得等についての現状について説明をしております。
 次に、地球環境村についての御質問にお答えします。
 1点目の県の廃棄物処理マスタープランに関連した御質問と、2点目の町民の皆様に対する考え方についての御質問をまとめてお答えさせていただきます。
 マスタープランにつきましては、寺町議員もこれを御精読され、熟知しておられることと思いますが、この県のマスタープランは廃棄物に対する県の基本方針を示すために策定され、この中で産業廃棄物に関する基本方針あるいは基本施策の中でうたわれているとおり、産業廃棄物の野焼き、不法投棄などの不適正処理は、県市町村あるいは警察などの監視活動にもかかわらず、依然後を絶たない状況であり、県民の健康と生活環境を脅かし、産業廃棄物処理に対する県民の不信感を増長させていて、それが処理施設の建設が困難になっていることから、これを公共が関与し、安全で安心な施設を県内の5圏域ごとに地球環境村として整備していくという方針が打ち出されています。確かに、このプランの計画期間は平成15年までの5年間計画として策定されていますが、公団の文書では、今後国の各市町長の施策等により廃棄物を取り巻く環境が大きく変化する場合は適宜見直しを図るとも述べていますし、地球環境村の建設につきましては、平成15年までに整備するとは書かれていないと理解しています。したがいまして、関係地域の同意リミットがいつまでといったようなスケジュールを組んでいるようなものではございません。

 次に、県の想定している地球環境村は、一般的に知られているような産業廃棄物をそのまま埋め立てて処理をしてしまう方法ではなく、廃棄物を可能な限り資源として有効に活用していくため、最新の技術を用いて廃棄物を処理し、再資源化していくことを前提したものであり、埋め立て処理をするものはほとんど生じない、極めて安全性の高い施設を建設するだけではなく、その施設の周辺に健康と福祉、文化、スポーツ等の公共施設を複合的に整備していくものでございます。無論、構想を推進していくためには関係地域の皆さんの合意を得ていくのが大原則でありますので、説明会、勉強会等の開催により合意をいただいていくことになると考えております。
 関係地域の範囲につきましては、県の廃棄物適正処理等に関する条例と産業廃棄物の適正処理に関する指導要綱に基づき判断することになろうかと考えております。なお、高富町の全町民の皆様に対しましては、町のあらゆる広報媒体等を通じまして、構想の内容や施設の安全性等について理解を得ることを想定していますが、全町民の合意までを県の条例は要綱では求めておりませんし、私どもといたしましても想定はいたしておりません。
 また、御質問の中で、大桑地域の圧倒的な人が反対しているとおっしゃいましたが、圧倒的な人という言葉はほとんど全員という意味に理解してしまいますが、現実はそうではないというふうに感じております。

 3点目の御質問の事業内容でございますが、これらにつきましては関係地域との話し合いの中で具体的に煮詰まっていくものと考えておりますが、廃棄物を可能な限り資源として有効に活用としていくことを前提とした施設でありますので、搬入廃棄物の処理、あるいは搬入量についてもおのずと制約が加わるものと考えています。
 また、交通対策につきましても、一定の制約がなされるものと理解しております。町といたしましては、地球環境村やその他の県立施設がまるごと福祉健康村と一体となって整備されるものであれば、地域の豊かな自然を生かしつつ、地域の振興や発展につながるものと考えており、ぜひ誘致を進めたいと考えております。議員もどうか御理解いただきまして、今後とも温かい御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げまして答弁といたします。

○議長(鬼頭鉄雄君) 時間がまいりました。
 以上で、一般質問を終わります。