高富町 99年12月議会 一般質問
12月22日 寺町知正
◆ 《第1問》新教育長への期待は大きい
《問・寺町》10月に就任された小林教育長にお尋ねいたします。
人が差別のない豊かな社会で生き、ともに楽しく暮らすために、学校教育はもとより、社会教育、生涯教育の重要性が認識され、さらに、子育て支援も課題とされています。
今年6月には男女共同参画社会基本法も制定され、男性とか、女性とかいう性による差別の解消をはかるための政策を進めることが、定められています。
新しい教育長への町民皆さんの期待は大きものがあります。そこで教育長の姿勢を、全体的な面と具体的な面の、両面からお尋ね致します。
1 教育長の就任に当たってどのような基本理念や方針をおもちでしょうか?
2 具体的に、中学校で何らかの事情で教室に入れない子たちのための「保健室登校」ということがありますが、この現状をどのように認識されているのでしょうか?
3 子育て支援を具体的にどのように進めていく予定ですか?
《答・教育長》ご質問の第1点目、「基本理念や方針を」ということでございます。
戦後50年を経まして、この間の教育に対しまして、学力水準の高さや科学技術の進歩など評価できる大きな成果と、反面、心の豊かさや思考力・創造力の欠如など、これからの方向を示唆するマイナス評価も指摘されております。
こうした中で、大きな教育改革のうねりとして 一つは、生涯学習体系への移行、今一つは、「ゆとり」ある生活の中で「生きる力の育成、ということが言われております。
学校教育の面では14年度を期して、教育内容の面からまた、制度の面から、改革が予定されています。
一方、高富町におきましては、第4次総合計画「住みよいふるさと高富創造プラン」の中で、「豊かな生活環境とふれあいのまち・高富」をまちづくりの基本理念としながら、基本計画が策定されています.この中に、教育や啓発、あるいは人材育成に関わる内容がいくつか表記されています。また、「住みよい町」「活気ある町」「きれいな町」などと謳われた町民憲章もございます。
以上申し上げました国の動きや本町が掲げるまちづくりの理念を踏まえまして、教育の分野におけるビジョンを「ほほえみ・感動・うるおいのある生涯学習のまちづくり」としました。学校教育も生涯学習のひとつとして、包含して考えています。
「ほほえみ」とは、思いやりのある温かい心の通う人間関係づくり、「感動」とは、人や自然、文化、あるいは、新たなる自分との出会いによる感動づくり、「うるおい」とは、今述べました「ほほえみ」や「感動」による学びがいや生きがいづくり、のことであります。具体的には、
1.生涯学習堆進体制や拠点施設の整備 1.社会の変化に対応する為の生涯学習の堆進 1.生涯学習ボランティアの堆進 1.基礎基本と個性を伸ばすための特色ある学校教育 1.学社融合と学校週5日制への対応 ということを考えています。
「ほほえみ・感動・うるおいのある生涯学習のまちづくり」のために、ご理解とご支援をお願い申し上げます。
ご質問の第2点目、「保健室登校の現状認識」についてでございます。
学校における保健室の機能及び養護教諭の職務は、かつては、けがをしたり腹痛等体調不良を訴える児童生徒の応急処置をしたり、一時、休ませることでしたが、近年、精神的なもの(悩みとかストレス)を伴う子どもが増加し、カウンセリングの機能を併せもつことが必要となってきました。或いは、ご質問にありますように、学校へは来れるが教室には入れない、すなわち「保健室登校」といわれる子どももいます。しかし、中学校では9年度に、余裕教室を利用して教育相談室を設置し、専属の相談員を配置しました。子どもにとっては行き場所が増えたわけで、保健室に行く子、相談室で相談を受ける子、というように、選択してカウンセリングを受けています.なお、中央公民館に「心の相談員」も配置してあり、教育相談体制や受け入れ施設としては充実しているものと考えています。
ご質問の第3点目、「子育て支援の具体的な進め方」についてお答えします。
過日、報道されました東京での「春奈ちやん事件」あるいは、「児童虐待相談年々増加、母親の加害目立つ」などという記事を目にするにつけ、何の抵抗もできず、そして本来、絶対的に信じて頼りにする対象である親やおとなに裏切られ、時に、尊い命を奪われていく子どもたちの無念さを思い、心が痛むのでございます。
これらの極端な事例ではなくとも、少子化、核家族化、家事や子育ての母親任せ、地域連帯感の希薄化、などといった社会の変化の中で、母子が孤立し、子育てに悩む母親が少なからずいる、と思うわけであります。
また、昨今の重要な教育課題として、「心の教育」しかも「乳幼児期からの心の教育」ということが指摘されています。
教育委員会としましては、生涯学習の一環として、「乳幼児をもつ親」に視点をあて、学習機会の提供・充実を図りたいと思います。
現在、中央公民館の乳幼児講座として、0〜3歳児と親を対象とした「0・1・2・3体操」、3〜6歳程度を対象とした「わくわくランド」を開設しておりますが、先程申し上げました「乳幼児をもつ親の学習機会」の色彩を強化したプログラムに再構成したいと考えています。 例えば、
○ 月齢、年齢など発達に応じた情操教育
○ しつけや基本的生活習慣の形成に係ること
○ 父親の子育て参加 など、まだ、イメージの段階ですが、今後、煮詰めていきたいと思います。
なお、子育て支援として、保健課や福祉課も事業をもっております。それぞれの課や事業の特質を発揮しながら連携を図ってまいりたいと思います。ご理解とご支援をお願いしたいと思います。
《再質問・寺町》 全般的な面、子育て支援について、ぜひ頑張っていただきたい、と思います。私は、現状の保健室登校に疑問をもっています。そういった意味で、今後注視していきたいとと思いますので、改めて別におたずね致します。
1 全体的なことに関して、子どもたちのために児童館を求める声が強くあります。高富町に今後、児童館をどうしていくのがよいか、ということについて、子育て支援、生涯教育の観点から、とりあえず、今時点での教育長の個人的な見解をお聞かせください。
2 今、学校には、なかなか学校に登校できない、という子が増えています。そう言った中で、例えば、遠くの別の子が、登校のときにその子の家に寄って、誘って行きました。しかし、たまたま二人とも遅刻したとき、誘っていることを知っているにもかかわらず「二人とも、遅刻は遅刻だ」と言った教師がいると聞きます。私は、これはチヨットおかしいのではないか、と思いますが、学校現場に長らくおられたお立ち場から、誘って行って、たまたま遅れたから遅刻、というのがいいのかどうか、お考えをお聞かせください。
《答・教育長》ただ今、2点についての質問、一つは児童館について、一つは、不登校の子を誘って行ったときに遅刻、という判断についてです。児童館については主管が異なりますので、ここでは、それについてどうかというのは控えさせていただくとして、中央公民館の乳幼児講座を、出張講座で地区公民館でできないかと思っています。11年8月に試みに行ったようで、私これは大変いいこととらえていますので、もう少し、年度を通して計画的に出張講座位置付けたいと考えています。不登校の問題、遅刻の扱いの件については、正直、私の現実的な感覚では、不適切であろう、頭ごなしそれをもって遅刻と、いうような判断をしてしまったということについては、もう少し配慮がいるのではないか、と思っています。そういうようなことがもし現実あるということであればお知らせをしていただきまして、学校関係者と協議しまして、何とかこれを善処するような方向に、指導していきたいと思います。
《次問の冒頭・寺町》新しい教育長への町民の皆さんの期待は大変大きいものがあります。ぜひ、いろいろな仕事に、前向きに取り組んでいただきたいと思います。
次の質問に移ります。
◆ 《第2問》3月に制定予定の情報公開条例
9月議会の助役の答弁では、来る3月の条例制定を予定している、本文も大筋できあがり「解釈」について再確認中、とのことでした
全国各地で条例を改正し「知る権利を盛り込む」「説明責任を明記する」「土地開発公社など外郭団体も対象に含める」「決済前の文書も対象とする」ということが進められており、先日は愛知県もそのようにする、と発表をしました。
@ 3月に向かって、スケジュールはいかがでしょうか
A 今や知る権利、説明責任を盛り込んだ条例は時代の流れです。高富町はどうするのでしょうか
B 全国の市町村では「議会を含む」ことはほぼ確立されています。どうされますか
C 公社など外郭団体はどうでしょうか
D 公開請求者の範囲について、可児市は、この議会に提案した条例で、市民に限らず、すべての人に認めるとしています。9月に制定した土岐市も同様です。高富町はどうする予定でしょうか
E 対象文書の範囲については「条例制定後のもの」か「整理できしだい過去のものも対象とする」か「役所の保有する文書はすべて」のどれかになります。どうするのでしょうか
F フロッピーやCDロムなど電磁的な情報については、情報の正確さや手間と経費の節約のためにも、そのままフロッツピーに写す、というのが、最近の考え方です。どうしていくのでしょうか
G カラー図面やカラー写真を白黒でコピーにしたら、区別がつかなくなって、ほとんどの情報が死んでしまい、情報公開の意味がなくなってしまいます。高富町はどうしていくのですか。
H 個人情報保護は公開条例に含めるのでしょうか。別建てで条例化するのでしょうか
《答・総務課長》 寺町議員のご質問についてお答えいたします。
第1点目のスケジュールについては、情報公開条例の制定の時期は9月の第3回定例会にお答えいたしましたように、3月制定を目標に現在作業を進めているところでございます。 現在は、プロジェクトにより条文の確認・解釈等を行っており、来年1月下旬には各課担当レベルでの協議・最終調整を行い、3月若しくは6月議会に上程を考えております。 第2点目の「知る権利」や、「説明責任」を条文に盛り込む件につきましては、最近制定される条例にはよく盛り込まれており.、本町においても盛り込む方向で作業を進めております。
第3点日の、議会を含むことにつきまこしては、議会との調整を図り検討して参りたいと考えております。
第4点目の公社など外郭団体につきましても、議会同様調整を図って参りたいと考えております。ただし、広域で組織しております一部事務組合等の情報の公開につきましては、関係町村との協議を行って参りたいと考えております。
第5点目の、請求者の範囲についてでございますが、「何人も」としてすべての人が対象であると考えております。
第6点目の、対象文書の範囲につきましては、条例制定後のものとして考えております。 第7点日の、電子媒体情報の公開につきましては、現時点では、電子媒体の情報は一度打ち出しが行われ、保存されていることが前提であると考えておりますので、紙による公開として考えておりますが、今後の検討課題と致したいと思います。
第8点日の、カラー図面等の情報提供につきましては、白黒、カラー等のコピー機を使い提供できるものと考えております。ただしコピー代は徴収させていただきます。
第9点目の個人情報保護につきましては、個人情報保護条例として別立てで検討しております。
いずれに致しましても、ただ今お答えいたしましたものは、プロジェクトにおいて検討している現段階の考えでございましたて、今後さらに検討を重ねて参りますのでご理解を賜りたいと思います。
《再質問・寺町》スケジュールについては、3月か6月と言われた、6月はチヨット遅いのではと思います。まだ、つい先週、岐阜市や名古屋市が相次いで、先程、質問したような事をほとんど全て盛り込む条例改正をすすめる、と発表しています。時代の流れはここにあり、と言えます。
公開する文書をどこにするか、これは役所の内部で決済を済ませたか、まだ済ませていないかで分けることになります。岐阜県は決済前のものを公開する、ということで全国的な評価が高い。周辺自治体もそういう方向にいく、という流れがあります。高富町は、対象文書の範囲をどのようにしてくのでしょうか
広域行政については、公開制度をつくるように、働きかけていただきたいものです。これに対して、土地開発公社など準高富町という団体については、自治体の独自の判断が及ぶところですから、情報公開の対象にする事が、今は当然のこととされています。高富町はどうするのでしょうか。
対象文書を条例制定後に限る、との事でしたが、高富町は、3年前の庁舎の移転の時に、さらにその後も大変な費用と時間をかけて書類の管理のシステム改善し、道具、棚も作りました。全国にもまれに見る非常によい庁舎であり、職員の皆さんも、2年3年とそういう風に書類の整理を済ませている。そういう段階では、条例のスタートの段階では決して、不十分ではない。制定後、すみやかに庁内にある文書はさかのぼって、公開できるように努力していただきたい。
基本的には、プロジェクトで検討段階のことをお答えいただいたこと、その内容も大きく評価しておりますが、今の、3点お答えください。
《再答弁・総務課長》決済前の文書の公開は、現在では考えていません。土地開発公社については、前向きに検討して行きます。条例制定前の文書の公開は現在では検討していません。ただ今、寺町議員から賜りました提言につきましては、プロジェクトに伝え、今後、検討していきたいと思います。
《再々質問・寺町》助役にお尋ねします。
そこで、助役にお尋ねしますが、先の9月議会では、来年3月の条例制定を目指す、との答弁でした。先程の課長の答弁は、3月か6月に、と少し後退していましたが、あと3ケ月、決意を改めてお尋ね致します。
倫理条例やその倫理審査会などで、高富町は注目されています。情報公開においても、是非とも、さすが高富町といわれるような、条例を期待しています。
そこで、一つお示ししたいものがあります。これは、北海道のニセコ町という町が住民の皆さんに配っている冊子です。毎年配っています。今、情報公開に関して、全国で、最も注目され、テレビなどても紹介されていますが、これが情報公開の最先端とされています。例えば、このなかには道路の改修は、○○さんの家から○○さんの家までと地図が書いてあって、距離や事業費用などか説明してあります。これわ住民の方にお配りしています。これがすごく、評価されています。別のページでは、私もみて驚いたんですが、「町長や議員の給料はどうやってきまるのか」として給与の一覧表がのっています。それから「施設の維持管理費」そういったことも全て書いてあります。私は、新しい風ニュースで、皆さんにいろいろな情報をお伝えしていますが、町がこういった資料が町の方から配られると、私はニュースで書くことがなくなってしまうのではないか、心配する程です。情報公開とはどういうことかを知っていただくために、後で総務課におもちしますので、ぜひ検討していただきたい。そう言った観点で、助役に制定時期について、おたずね致します。
《答・助役》9月に答弁して以来、庁舎内で十分検討しまして、3月に条例制定するよう準備を進めておます。
◆ 《第3問》大桑地区の椿野周辺の公共事業
《問・寺町》県が進めている生活環境保全林整備事業は、昨年、地元の役員の了解でスタートしましたが、今年になって一般の住民のみなさんが、産業廃棄物処理施設の計画との重なりや、その誘導事業ではないかなどの不安を強くもち、事業がストップしています。
1 昨年の地元のゴーサインは、5年間で10億円の事業全体に対するものと認識しているのですか。それとも、今年度の事業分だけについてのものとの認識なのですか。
2 今年秋に、整備する山林の賃貸について「町と地元との契約書」の案を作成しましたが、その骨子はどのようですか
3 それに対して地元は、条件をつけていますが、その注文で最も重要なのは「住民感情に反する産業廃棄物、生活廃棄物の処理場は関係ないこと」とされていることに尽きます。この条件とは、山林整備エリアだけでなく、そのふもとの、特別養護老人施設エリア、福祉村エリア、町が推進という地球環境村エリアについて「これらを含めて、関係ないことを明記すること」ということが地元と町の双方の理解、ということでよいですか?
4 事業について、今年度の事業費はどのようでしょうか?
山には赤い杭が打たれています。具体的な作業の現時点での進行はどのようですか?
本年度内の事業の見込み、そして来年度以降の事業の見込みはどのようでしょうか?
5 地球環境村の計画がなければ、予定通り、山の整備事業がなされたと考えていいでしょうか?
《答・産業課長》まず、事業の内容を説明します。
林野庁が昭和40年代から進めている事業で、森林整備等を総合的に実施することで、災害防止、保健休養林など公的機能を多目的かつ高度に発揮されるようにする治山事業で、国及び県が事業費を負担し、県が行う事業です。
質問の第一について、について、椿野地区の95haの山林を対象に、昨年9月8日、「椿野共有林管理組合」の役員会において、5年間の全体事業計画の説明を行い、承認を得ました。
第二について、今年10月に、管理組合役員会に賃貸契約書の案を提示し、場所、期間、管理義務などで、「生活環境保全林事業」と明記してあります。
第三について、議員が言われるように、地元の要望は、山林エリアも含めて椿野地区全体に地球環境村を誘致しないように求めているもので、町としてもそのように理解しています。
第四について、本年度は、対象地の各工区ごとの面積を把握するため、7月に県において測量杭が打たれ、その後(設計を行って)本年度分の工事発注を10月から行っていますが、地元からの折衝で工事が凍結している現状です。本年度は約1億円の事業費、来年以降は事業主体が県なので、詳細は把握していませんが、遊歩道、休憩施設、森林の造成、改良、土砂流出防備などを行い、憩いの森を造成するもの。
第五について、現在、地球環境村の地元誘致の懸念が事業推進の妨げの要因となっていることも事実。町としては、この事業は地球環境村と関係ないことをご理解いただき、推進してまいりたい。
《再質問・寺町》地元の皆様は、地球環境村と関係ないととれないと、それが今回の事業のストップになった、と考えるのが正当です。環境村への5億円の補助金にこだわるばかりに、10億円の山の事業がストップしてしまった、大変ショッキングな状態だと考えます。さき程、町長がいろいろなものをさらに追加して、13ha、日本一のものに、この一帯の計画ですね、申されましたけれど、私はそのずっと前の段階で、地元がノーといっている、そう考えざるを得ない、それが、今回の山林の10億円の事業のストップであるであると考えます。そこで企画課長にお尋ねします。
大桑での廃棄物処理計画について、さきの9月議会で「構想の推進は関係地域の皆さんの合意を得るのが大原則。しかし、高富町の全町民の合意までは、想定していない」との答弁が企画課長からなされ、町民の皆さんにはとても納得できない思が広がっています。
1 福祉健康村の用地の面積それから金額など、取得状況は、どのようでしょうか?
2 用地取得に当たっては、税務署に課税免除を申請していますが、そこでは純粋に「まるごと福祉健康村」の用地として承認されているのどうか?
3 まるごと福祉健康村の事業用地全体と、産業廃棄物処理施設のための地球環境村の事業用地全体が、将来、両者のうちの一部がエリアが重なる、とそういったことはあり得ないでしょうか?
《答・企画課長》第一について現在登記中のものも含めまして、約45000uで、金額としましては約6億円程度です。これは取得予定面積の約80%になります。
二点目の「山県郡まるごと福祉健康村」の用地として税務署から譲渡所得の課税の特例に関する確認書をいただいています。内容は、椿野地内の個人所有の約59000uのエリアの中に、平成9年度作成しましたまるごと福祉健康村基本計画に基づき承認されていますが、実施段階におきまして、施設の内容、位置、規模など、福祉と健康に関連する施設であれば、若干の変更があっても許容範囲であると、県の指導において確認をいただいております。
次に三点めの質問ですが、まるごと福祉健康村用地には、まるごと福祉健康村基本計画に沿った施設を配置するのが基本的な考え方です。そこで、地球環境村構想でいう個別的施設、いわゆる健康、福祉、文化、スポーツ、生涯学習などの各種施設については重なることになると思います。一方、地球環境村構想の基本的施設、つまりリサイクル処理施設、いわゆる、具体的に申し上げれば、廃棄物を熔融処理してガラス状のスラグにし、路盤財等に再利用する施設については、このエリアと基本的には重ならない、という県の考え方であります。
《再々質問・寺町》企画課長の答弁で、地球環境村の計画のうちの、ゴミ処理施設以外の付属施設というのは福祉村と重なってくる、という事を、私は初めて聞きました。従来は、別々だと理解していましたが、付属施設は重なってくる、ということを初めて表明された、と理解します。一方、今事業がストップしている山林の整備事業というのは当然ここには廃棄物関係の施設が行くことはあり得ませんから、ここは除いて考えていい、というふうには理解します。
そうしますと、産業廃棄物処理施設の本体、いわば今、熔融施設とおっしゃられましたが、この用地というのは、椿野の土地の奥右側にはグランドがあります、そして、左側には「かいこ」を飼う養蚕施設の管理施設があります。この洞、この谷しかないことになります。具体的に、この谷は、ほとんど全て、地元3地区の共有地です。この地区に、処理施設、熔融炉を造るしかない、ということが絞り込まれてきているわけですね。このいったことを、いま初めて理解する訳ですが、これで、認識としてはよろしいのかどうか、あらためて、ご回答願います。
《答・企画課長》椿野地域全体を考えたレイアウトについては、必然的にそうなるのではないかと思っています。先程町長がお答えしたように、県ではいろいろな計画があるようですので、今後それらについて明らかにし、まずは地元の方々に耳を傾けていただけるのなら幸いと思っております。
《次問の冒頭・寺町》次の質問に移りますが、ただ今、答弁の中で、実質的には、この奥の養蚕施設のある谷しかない、必然的にそうなるの答えでした。これは非常に重たい言葉だと考えます。この一帯は、山の上に城山などがあって、整備して行く、折角の事業があるのに、これをとるのか、環境村というまだ具体的に何も分からないといつも町長がそう述べていることを進めようとするために10億円をふいにするのか、今その瀬戸際、しかも来年の3月までに事業にとりかかれるかどうかどうかが別れ道。ぜひ、行政の皆さん、そして、地元の皆さんも慎重に考えていただきたいと思います。
◆ 《第4問》介護保険等お年寄りや弱者への取り組みの現状
《問・寺町》政府が突然、実質的な保険料の徴収延期をきめて、自治体に混乱を呼び、担当者の皆さんの心労は大変なことと思います。福祉計画の現状をお尋ねします。
1 介護保険を念頭におきながら、町の保険福祉計画の中で、短期的に、来年度から町が予定しているサービスはどのようでしょうか
2 介護保険では利用者と介護サービスの事業者とが契約を結ぶことになっていますが、権利を守ることが大事との指摘がされています。そして、名古屋市がモデルとして作ったものが、高い評価を受けています。高富町は、町民の基本的権利を守るために、郡の福祉組合任せではおれません。組合は現在、この利用契約について、どのようなことを事業者に求めているのでしょうか?
3 介護保険の実施が間近になって、認定やサービスにかかる苦情相談制度の必要性が強く指摘されています。高富町はどのような対応を考えていますか?
4 介護認定の経過を情報開示することについて、高富町はどのような対応を考えていますか?
5 痴呆高齢者らの権利を守るために「成年後見制」という制度がつくられました。この法律や制度の趣旨の徹底と普及について、町はどのようにされますか?
6 成年後見制のたらない部分を補う目的で、厚生省は「地域福祉権利擁護事業」という事業を全国で進めています。直接、住民に責任をもつ立場として高富町は社会福祉協議会に任せ切りになるのでなく、積極的に制度の趣旨の徹底と普及をはかってべきではないでしょうか?
《答・保健課長》寺町議員の質問にお答えします。来年度から町が予定しているサービス計画についてですが独居老人高齢者夫婦の生活支援策として、配食サービス、ホームヘルプ派遣事業、緊急通報システム、とじこもりがちな老人には生きがい活動支援事業(ミニデイサービス)、ねたきり老人に対してはおむつの助成、布団乾燥事業の対象者の拡大をはかるなど支援していこうと考えております。
次に介護保険での利用者と事業者との契約の締結についての組合の働きかけについてですが、現在山県保健福祉事務組合では居宅介護支援事業者、居宅介護サービス事業者協議会を作り事業者と利用者との契約について先進地の契約の案など紹介しながら重要説明事項等の指導をしている、とのことです。
次に認定やサービスにかかる苦情相談制度の対応についてですが、介護サービス事業者に関する苦情処理につきましては各事業者内をおいて体制等について検討していただいていると思われますが、当町においては保健課を窓口に処理していく予定です。
内容によっては、県の介護保険審査会や国保連合会への照会もしていきたいと思います。また苦情処理の内容分析などをしながら実態の把握もしくは問題点などを整理してフイードバックさせ住民の皆様が安心できるサービスの提供体制を考えていきたいと思います。 次に認定に係る経過について本人への情報開示についてですが、町の情報公開条例の施行と同時に本人への開示について実施していきたいと思います。
次に成年後見制についてこの法律・制度の趣旨の徹底と普及についての対応及び次の地域福祉権利擁護事業については関連性がありますので一括して答えさせていただきます。平成12年度から始まります介護保険は自己責任でサービス事業者と契約していくことになります。自己決定というサービス利用形態であれば、それにあたっての判断能力や意思能力が低下した人への支援がまず必要です。それに応えるのが成年後見制度です。また、完全に判断能力や意思能力が低下してしまっているわけではない方たちへの支援の方策として、現在県社会福祉協議会へ委託しているのが地域福祉権利挽護事業です。そういう方の不利なく福祉サービスを利用できるようにするための支援として、法定後見人や任意後見人などを専任していただきながら財産管理や身上監護に関する契約書等の法律行為をしていただいたり、また完全に判断能力や意思能力低下してしまっているわけではない人へは相談助言、連絡調整、代行といった行為を実施していただく制度です。
そのためには、第三者による評価システムや各サービス機関の内容をきちんと明記していく必要があると思います。今後サービスを使っていただく高齢者や福祉サービスにたずさわる関係者などに制度の趣旨等を学習してもらうと共に町民にP
Rしていきたいと思います。ご理解の程よろしくお願いします。
《再質問・寺町》私、今回、一般質問をするにあたって、郡の組合を訪れました。その時に、事業者と利用者の契約で問題の恐れがあるのではないか、ということで名古屋のモデルがいいのではないかとお話しをしたら、組合は既にこれを取り寄せ、9月に事業者に見本として渡してある、という事で、私は大変感激しております。ただ、この名古屋のモデルは難解で、私たちが見ても分かりにくい、ということがあります。そこで、例えば愛知県でも、日進市というところはこれをかみ砕いて、一般の利用者でも分かりやすい、しかも具体的にした契約書をつくり、これを事業者の方に示しています。私はこれも組合のほうにお届けしました。多分、今の答弁はそう言ったことも前提に、事業者の方に話がなされていると、受け取りますけれども、いずれにしても、来年2月から具体的な契約が始まります。このとはに、なかなか契約にサインする、ということに不慣れなお年寄りの皆さん、関係者の皆さんに、親切な契約書が必要です。
そういう意味で、高富町が組合に対して、契約が成立する前に、事業者から契約の見本書を取り寄せて、指導の前の助言というようなことで、適切な内容になるようなアドバイスをしていだきたい、ということを期待します。その点について、お考えを。
もう一点、情報開示ついて、町の条例がてきてからしたいということでしたが、日本弁護士会連合会では、この点について既にどういったものを開示したらいいかを具体的に示しています。それは、訪問調査の記録、医師の意見書、コンピューターの判定結果、審査会の議事録、などを公開することが必要であると、具体的に示されています。こういったものを念頭においていただきたい。
《答・保険課長》町民を守る責務を有する立場として、納得かつ安心して、サービスを受けることができるよう、これからの契約などについて、単純に当事者だけで片付けるだけでなく、よりよい介護保険制度や高齢者の福祉の推進のために、契約の内容等について、行政からの指導をお願いするよう、組合の方に働きかけていたきたい、と思います。
当然、一次審査の判定結果及び主治医の意見書、若しくは二次判定、審査会での意見状況などについての公開が求められると思いますので、これらについても、前向きに検討していきたいと思います。
《次問の冒頭・寺町》権利擁護という制度が国によって作られたのは、実際にお年寄りが病院に入院していて、亡くなられて、そのすぐ横の机の中から一億円出てきたということで、病院もその方を低調に葬り、しかし残りのお金は国庫に入ってしまった、という具体的な事例があります。あるいは、逆に、お世話する人が通帳などを悪用してしまった、という例があるから、こあいう制度を急いでいる訳です。そういう点を認識したいただきたい。
次の質問に移ります。
◆ 《第5問》都市計画における住民参加
(1) 町のつくったインター周辺整備構想ができあがった、とされながら、いまだ住民の皆さんに説明されていません。そこで、住民参加の観点からお尋ねします
1 高富町では、東海環状自動車道の計画が突然、具体的に明らかにされたとき、住民から猛反発がおきました。行政としての、その経験は極めて貴重なものですが、これが生かされていません。住民参加を進める意識が欠如しているのではないですか
2 構想の具体的な内容はどのようですか?
3 今後、どのようにしていくのですか?
(2)鳥羽川改修(富岡排水機場より上流部分)についてお尋ねします
1 計画の具体的な内容はどのようでしょうか
2 具体的にどのように住民参加を推し進めて行くのですか
《答・都市計画課長》当初より住民参加を前提にしていますが、住民参加の手法は多岐にわたり、その手法も確立されていません。9年度には間接的に民意を把握するために住民アンケートを実施、10年度は一部の住民代表ではありますが、まちづくり委員会等を開催、直接的な民意を構想案に反映できるようにしました。今後も住民参加を目指しますが、本来、「住民参加・まちづくり」というのは行政がおしつけるものではなく、住民の皆様が主体となって、共に考え、将来の町の在り方やその責任を共有するものです。このような価値観を育てていくためには、ある程度の時間が、必要かと思っています。
インター周辺利用構想k具体的な内容は、町全体のまちづくりの視点から検討を行い、10年度策定の構想案は、全体計画の中からモデル地区を選定し、エリア内に、交通・商業ゾーン、親水公園ゾーン、業務ゾーン、住環境整備ゾーン、東海環状自動車道沿線ゾーンの5つのゾーンを設定しました。具体的な内容は、議会の皆様に説明した後に公表したいと考えています。
今後は、というお尋ねについてですが、議会の皆様に説明した後に公表したいと考えています、
次に、鳥羽川改修についてですが、現在、県が設計している河川断面は、護岸ブロック積みによる5分勾配です。このイメージとしては、佐賀地内の現在改修済みの鳥羽川と同じ構造です。都市計画課としては、鳥羽川を親水公園ゾーンという位置付けをしておりますので、堤防のノリ面勾配を二割程度とし、多自然型河川工法を取り入れた河川公園となるように、関係期間と協議を行い、現在計画図を作成している段階です。河川堤防の勾配をゆるくしますと、必要となる用地が増えてまいりますので、地権者の皆様のご理解が必要です。詳細につきましては、本年度末までには、議会及び住民の皆様に説明いたしたいと思っています。
続きまして、鳥羽川改修と256バイパスの建設は関連がありますので、同時に説明会並びに設計協議を実施し、この中で、住民の皆様に面的な整備のご提案を申し上げ、これらのことを協議する「まちづくり協議会等」を発足していただきたい、と考えています。ご理解、ご協力をお願い致します。
《再質問・寺町》答弁の中で、住民が価値観を共有するためには時間がいる、とのことしたが、そうではない、必要なのは時間じゃない、10年経っても、100年待ってもだめなんです。必要なのは、共有する場、なんです。役所と住民が一緒に考える場を、是非、早く作っていただきたい。