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新しい風ニュース  NO170

新しい風ニュース  NO170
やまがたの環境とくらしを考える会 (通巻207)
 岐阜県山県市西深瀬208  ├FAX 0581-22−4989

なんでも相談   どの政党とも無関係の 寺町 ともまさ
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2005年7月29日


6月議会の私の一般質問の報告です。やり取りの全文はインターネットに掲載しました。

 公共下水道・浄化センターの建設(委託)について 


《質問・寺町》 高富・富岡地区の公共下水道の浄化センターの建設が間もなく発注される。公共下水道の全体事業費173億円のうち63億円とされる施設だ。市は(業者を)日本下水道事業団に決めていると受け取れる。私は、経済性からも自治体の主体性からも強い疑問を感ずる。

◆事業団は、この計画にはいつからどのようにかかわっているか。
《答弁・水道部長》 平成12年度に高富公共下水道事業の全体計画の策定を委託、平成15年度には、浄化センターの基本設計、平成16年度には詳細設計を委託している。

◆まるで「60億円余の事業を随意契約」。相手方に、事業団以外の選択肢はないのか。
《答弁・水道部長》 市の職員の増員の問題及び生涯の人件費を勘案すると、経済的に事業を遂行するためには、業者委託が適当と考えられる。
事業団は、豊富な経験及び技術を有する職員を多数有し、信頼がある。建設工事から維持管理への移行を円滑に行うことができる。発注設計書の作成及び工事監理業務について、市が独自で建設するものとして、一般のコンサルに発注した場合と費用の面での比較をすると、事業団の方が安価となる。

◆仮に、事業団と組むとしたら、今年は、いつ頃、何をするのか。
《答弁・水道部長》 7月から8月頃に事業団と浄化センター建設工事について仮の委託協定を締結。次に、国の補助金の交付決定を受け8月から9月頃に議会において、委託協定について審議をしていただく。次に、議決されると本協定を締結する。

◆市民から情報公開の求めがあった場合、どうするのか。

《答弁・水道部長》 市は市の情報公開条例にのっとり対応。事業団情報公開規定に基づき、市民は直接事業団に対して情報公開を求めることもできる。

◆事業団の仕切った自治体の下水道事業にまつわる談合に関して大きな社会問題になっている。国内では、極めて特徴的な団体だ。後に業者間の談合等が明らかになった場合の損害賠償条項を儲けるべきではないか。その額も当該予定額の20%以上を課すべき。
《答弁・水道部長》 協定書の中に損害賠償条項を設ける方針。額の比率は、他市町村の例を参考として定める予定。

《再質問・寺町》 損害賠償条項が設けられるということは、山県から見ると、進歩だ。他の市町村の動向をみてその率を決めるということだったが。
《答弁・水道部長》 他市町村の例で行くと、先程の10%というのが多い訳だが、20%という率を課している市もある。こういった点について、10%プラス何がし損害賠償の加算についても今後検討していく。

◆浄化センターの汚泥処理は、最小のコストでの汚泥処理方法といえるのか
《答弁・水道部長》 汚泥脱水ケーキの処理方法は、プロセスが最も少なく安価な方法である。長期的には、産業廃棄物処分場の確保が困難となることが予想されており、汚泥の集約処理、有効利用等を検討していく。

《再質問・寺町》 汚泥処理について、私は、一番コストを押さえることができるのは、その自治体がもつ一般ゴミの処理システムの中に、「あわせ産廃」として処理するシステムだと考える。
《答弁・水道部長》 ゴミ焼却施設で処理することは、汚泥処理方法の確かに一つだ。しかし、このゴミ焼却施設の建設について地元説明会では、可燃ゴミと、家庭から搬出されている木屑、おが屑、繊維屑、紙ゴミ程度の産業廃棄物を併せ処理するということで地元ではお願いしている。従って、産業廃棄物である下水汚泥を併せて処理するということは現在のところ考えていない。

【寺町のコメント】 8月9日には臨時議会が予定されており、この下水道の議案も。旧高富から進めてきた相手だから、仕方ない、というのには、何か釈然としません・・・。今後、美山の下水処理計画もあるし、基本姿勢は重要。

6月22日付け岐阜新聞記事

   入札額吊り上げによる市の損害の回復について 

《質問・寺町》 私は、常々、過去の汚職を反省し、再発防止のために、厳しい再発防止策をとるべきであると主張してきた。2002年の自治体合併前の高富町長の汚職事件は、事件発覚から3年以上が過ぎた。
 山県市が昨年9月に入手した元町長の刑事事件の判決には非常に興味深い点が記録されている。引用すると、@「本体工事の設計業者から入手した情報に基づき、高富町の入札予定価格を推定し、最終的に入札価格を2億3000万円とすることを決定」、A「入札前、被告人(元町長)に電話をかけ、『うちの札値は2億3000万ですが、どうですか。』と、入札価格を伝えるとともに高富町の入札予定価格の目安を確認し、被告人は、『そんなに低くない。1000万円くらい上げた方がいい。』などと答え、高富町の入札予定価格が2億4000万円を上回ることを教示した。」とされている。
 これから見て、この業者の入札予定額に理由なく町長の一声で「吊り上げられた1千万円」は、明らかに、損害であるから、市は当人に損害賠償請求して、市に補填させるべきお金だ。この損害を放置している山県市の現状は違法で許されない。

《答弁・市長》 元町長の「1000万くらい上げた方がいい。」という一言だけで、市に損害を与えたということには、疑問がある。教示したことが直ちに損害と言えず、元町長に対する損害賠償請求が可能であるか、疑問がある。しかしながら、市が業者と元町長の両者に共同不法行為による損害賠償請求をできないか検討している。なお、市が損害賠償訴訟を提起することになれば、議会の議決をお願いする

《再質問・寺町》 「本体工事の設計業者から入手した情報に基づき、高富町の入札予定価格を推定した」というわけだ。市は、市の公共事業に関して、入札参加業者と設計業者は入札前は絶対に接触してはいけない、ということを明確にうたうべきではないか。

《答弁・市長》 これは、設計業者と業者の間の問題かと思う。当然あってならん。入札制度は非常に難しい問題。そう言った面も全体を眺めながら検討してまいりたい。

《再々質問・寺町》 市長の信念からすれば無いはずだが、現実にはいつも汚職は起きている。業者を指名したら、仕様などに、「絶対設計業者と会ってはならない」とうたえば済む。それで彼らには十分抑制がかかる。「一行書く」、それについていかがか。

《答弁・市長》 業者に対してそう言った指示、指導ができるかどうか含めて検討したいし、そう言ったことができれば積極的に盛り込んで行きたい。


【寺町のコメント】 翌日の新聞には、「請求額は未定」とあります。1000万円という金額がはっきりしているのに、それを低くするとか、当時、余分に支出した1000万円に対する完済までの利息分とか、裁判費用とか、きっちり請求する必要があります。値引きするなら、その差額は今の市長に個人的に補てんしてもらうしかありません。いずれにしても、9月議会に訴訟案が出てこなければ、住民監査請求しかないでしょうね。あなたは、どう考えますか?


6月22日付け中日新聞記事・同岐阜新聞記事