新しい風ニュース  101号(通巻133号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ 
           発行 1998年6月21日

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  高富町議会 6月定例会 始まる
6月15日(月)10時〜 開会(議案提案・説明)、
  22日(月)9時半 〜 委員長報告・採決・一般質問、
  23日(火)10時〜 一般質問、閉会

         ※主な議案から
◆「障害者施策推進委員会」・・・設置条例の可決。委員(15人以内)の報酬(日額6000円)の追加予算の可決・・・今年度内の障害者計画策定に向けてスタートです。まず、障害者手帳をもっている町民500人と、無作為に抽出した町民500人にアンケートが実施されます
 なお、介護保険関連のアンケートは、別に、秋以降に2000人対象で実施

◆栗まつり実行委員会への100万円の補助金増額(他団体から補助が出ることになったので)・・・その分、町費補助を減額すべき、との議論あり

◆心の教室相談員報酬・・全国の中学校8000校に相談員を置く国の補助制度 9月1日より2年間。一日4時間。毎月13日間。報酬一日4000円

◆町の特別職の種類によって、報酬がばらばらで再検討を、との議論あり。

◆梅原・高田〜大桑・斧田の林道開設工事費用5000万円。今年は、大桑側
170mの実施。5年計画で4億5000万円の事業。5m幅、延長2600m
  本号では、私の一般質問(多分23日の午前中)の要点を紹介します


   住民票の記載とプライバシー
 住民票の写しの交付に当たっては「世帯主や戸籍」に関する記載について、その書き方は、町長の判断に任されている。パスポートなど一部の届け出を除いて、「全部記載された住民票が届け出の必要要件」とされていることは少ない。提出先の不注意や誤りで、全部記載の住民票を提出していることもある。
 個人的事項はできるだけ他人に知られたくない、と思う人は少なくない。役所の仕事では、プライバシーの保護は最も配慮すべきこと。
 住民票は「世帯や戸籍」を略した「省略形」を基本とすべきではないか。


  事件から一年。入札制度の現状は?
  昨年の汚職事件から丁度一年。町は、入札制度を改善、拡充したようだ。とはいえ、全国的には、国が入札予定価格の公表を全国の自治体に求めてきたり、裁判所も、行政に予定価格の公開を命じている。これらに比べれば、高富町の改革は、まだ第一歩、の感が否めない。
 昨年8月12日より施行された新しい制度では、従来の4ランクの指名業者グループ分けが廃止され、ABの2グループとなった。このうち、土木や農業集落排水事業など、現在の高富町の主に高額の事業に関する分野のAランクは、19社が選定されている。しかし、Aグループに町内の業者は2社しか入っていない。 6月16日に実施された大桑地区の農業集落排水事業の管路工事の入札3件、(落札価格合計5億2710万円)では、ガラッと変わった新しい顔ぶれといっていい8社が指名された。町内業者は、全く入っていない。これらの選定におどろいた関係者も少なくない。そして2件は宇佐美組、1件は内藤建設が落札した。 @各ABのグループ内での「選定基準」はどのようなことがあるのか
 AAグループの全社を指名できなかったのか
 B町内の業者の有志が結成するJVは、今後はどのような扱いになるのか  


       事務組合の運営は適正か
 消防関係者が日夜、防火・防災に努めてくださっていることから、住民は安心して暮らす事ができ、感謝されている。ところで、山県郡3町村が作る山県消防組合は、昨年11月6、7日の「全国消防長会」の行事を主催した。当日は、岐阜のルネッサンスホテルで会員の他、県や岐阜市の関係者なども加えて約70名の参加だった。その経費は、山県消防が負担ということで、当初に400万円の予算を組んだ。参加者からは宿泊・研修費を1万8千円徴収した上で、会場費や看板代などの会議や研修経費を除いた、その他については、組合丸がかえでの非常に豪華な宴会であった。慰安会的な行事まで公費で、しかも岐阜で最高級のホテルでとは、誰もが、認めがたい。特に、不況の時代にあっては。
 @山県消防組合の管理者は、高富町長。支出決済者として、どう考えるか。
 A火葬場では監査請求など出されているが、他の事務組合や公的な団体の
  運営に関して、同様のことはない、とみてよいか。

 ※ 岐北衛生施設利用組合に住民が行った監査請求では、関連して、いろいろなところから、いろいろな情報が寄せられています。しかし、どうも一番の当事者である武芸川町関係者らは、知らんふり。おかしな、ところです


   国保の退職者医療制度の周知徹底は?
 会社などに勤めていて定年になったり、事情によって中途退職した際、勤めに出なくなると、通常は国民健康保険に加入することになる(2年間だけ社会保険が延長される特例もある)。この切り替え時に、厚生年金や共済年金などの加入期間が20年以上で、既に年金をもらい始めている人には、同じ国保の中の「退職者医療制度」というシステムが利用できる。これは、医療費の自己負担が入院、通院とも2割となり、扶養家族の入院も2割でよい、というもの。
 もし、該当資格があるにもかかわらず、通常の国保の3割負担で医療費を支払っている人は、2年間に限って、さかのぼって医療費の差額を還付してもらえる。 高齢だと、2年間分の医療費というのは、かなりの高額になるケー
スも少なくない。町民の当然の権利を保障し守る事は重要なことだ。
 こういう不利益を受けている人は、いないのだろうか?


   議会の違法な活動への支出根拠は
 議会は、開会中のみ本会議及び委員会活動を行うことができる。ただし、例外として、「議会の議決により付議された特定の事件については、閉会中も、なお、これを審査することができる」とされている。

 @高富町の三つの常任委員会は、例年、委員会毎に、一泊二日で県外各地へ視察に、さらに、議会全体で二泊三日で北海道・東北とか九州方面に視察に出かけている。これには、通常、執行部が2〜3人随行している。
 しかし、これらの視察は、議会で付議をされておらず、議員個人の集りとしての任意の活動であって、公費で負担できる活動ではない。そして、議員の任意活動への、町長部局員の随行は、ますます公費支出の根拠がない。
 97年度の委員会視察経費52万5千円、九州視察経費128万円、98年度の東北視察経費148万円、合計328万5千円が支出されている。

 A議会運営委員会も閉会中活動の適法な議決がなされていない。
 しかし、議会運営委員会の閉会中の会議出席者には、交通費的に一回5千円の費用弁償がされている。

 以上@Aの返還、賠償責任についてどう考えるか。


   公共下水等と合併浄化槽の経費格差
  集落排水や下水道の事業費は莫大で、自治体の借金である起債を増やし、財政の硬直化を招き、同時に福祉等の充実を遅らせることになるのは明らかである。 高富町の下水道費用の経費はどのようか、住民の関心も出始めている。
 下水道等の経費は(下表のように)、赤尾地区では一世帯当たり470万円、梅原地区では420万円、現在工事中の大桑地区では600万円を越える。
 大桑地区に対しては、この3年間で、なんと約25億円を注ぎ込むことになる。 高富、富岡地区で予定の公共下水では、一世帯当たり550万円程度の見込み。

◆公共下水の費用は、5500世帯で300億円。このうち、町の起債と一般財源での支出は120億円ほど。この結果としての最終的な町の持ち出しは約60億円となる見込み。仮に30年で事業完了とするためには、起債分約4億円と一般財源の2億円の合計6億円平均が、30年間毎年、毎年必要になる。

◆もし、高富町の全世帯を、補助を受けずに町単独で合併浄化槽を設置すると、下水道と同額の個人負担分以外は、60万円×5500世帯=約33億円で済むことになる。個人負担を思い切って「ゼロ」にしても、約50億円で済む。
 合併浄化槽なら、毎年6億円支出したとして、約5年半で完了ということになる。しかもこれに、国や県の補助もつくのだから、早まることは確実。

◆以上、下水処理で、「より少ない経費、より早い実現」という条件をみたすのは、公共下水中心か、合併浄化槽中心か?
《参考資料》

赤尾 、梅原、 大桑は農業集落排水の計画。 集排と公共下水と合併の各種比較表