新しい風ニュース  103号(通巻135号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ行
           発行 1998年9月27日

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  高富町議会 9月定例会  報告  

     9月14日(月)10時開会〜25日(金)閉会
 議会三役改選などがあったので、主なところを紹介します
   議長 鬼頭    副議長 中村  監査委員 見沢
総務文教委員会  ◎玉井  ○福井  見沢  中村  寺町
産業建設委員会  ◎田中  ○村瀬(明) 浅野   杉山  藤垣
厚生委員会    ◎武山  ○渡辺 久保田   村瀬(伊) 鬼頭

来年9月の議会の任期切れ選挙までこの体勢です。昨年7月から山崎町政になって、続く9月の改選は、新しい均衡関係ができる予感もありました。しかし、一年たってみると、選挙のしこりも冷めたのか、結局昔と同じで、私以外の14人の方はみんな実質的に同じ仲間のようで、人事も「分配」しています。町政についても、いろいろと、執行部と裏で協議を進めながらやり始めています。
 山崎町長は、若いだけあって、機敏な行動に感心することもあります。一方、何期か議員を努めたからか、非常に古い政治手法が身についているようで、これが目につきます。前の鷲見氏の方が、政治感覚という意味では、ある部分において新鮮なところもあったかも。
 よらば大樹の陰で固まった関係、緊張感の薄れた「議会内の関係」「議会と執行部の関係」は、どういう影響を及ぼしていくのか・・・・・・
議会で期待する人は何人かはいるとはいえ・・あなたは今後をどう予想しますか?


 えっ! 広域ゴミ処理事業 誘致!?
 高富町が岐阜周辺の広域ゴミ処理施設を誘致しようとしていることが明らかになりました。説明会は、伊佐美地区惣賀は7月ごろから、大桑地区椿野は9月ごろからと、二か所同時に進行中です。そこで、9月議会の一般質問で、現状と今後を問いました。 事が、あまりに重大で、このまま放っておくと大変なことになります。
 しかも緊急なので、今回は「地球環境村・ぎふ 特集号」にします。

   まちを変えるのは、一人一人です。黙っていては何も変わりません

 
  県内で第一番に手を挙げた高富町!
◆《質問・寺町》 ダイオキシンや環境ホルモンなどの問題で、ゴミ処理をどうするかが困難な課題となっている。岐阜県の進める地球環境村・ぎふ構想は、地元の反発をかわないよう、周辺にいろいろな施設、設備などを配置して、迷惑施設を目立ちにくくしよう、というもの。地球環境村構想のゴミ処理施設とはどのような施設計画か?

《答・企画課長》「地球環境村・ぎふ」の計画は、御嵩などと違って、埋め立て処分ではない。リサイクル施設、熱利用施設で周辺に複合施設を配置、破砕施設や灰などを高温で溶かし無害化する熔融施設がある。雇用の拡大にもつながる。

◆《問》【伊佐美地区惣賀の大桜グランド北東、蛸田のため池周辺での計画】【大桑地区椿野の三光園、幸報苑、椿野苑の続きにつくる計画】の話の経緯、現状は?

《答・企画課長》各自治会の地権者に説明をし、協力していただけるかを聞いている段階。今後、自治会単位で説明会を開いて行く予定。

【コメント】ずっと以前には「放射能を無害化する技術ができる」と唱えた学者や政治家たちがいました、が今は沈黙。環境ホルモンやダイオキシン、重金属を一体どうやって無害化できるのでしょう?捕えることすら困難を極めるのに。
 惣賀の予定地は、地元の共有地も幾分ありますが、岐阜や町内の建設、建築会社関係者が所有している土地が広くあります。町はこれらをまとめて公共事業用地としようとしているようです。この当たりの背景をご存じの方、情報をください。


   福祉・健康ゾーンにゴミ処理施設?
◆《問》町の第四次総合計画にも大桑椿野地区は福祉ゾーンと位置付けられ、福祉施設が集中している地域。搬入のトラックなどによる周辺対策も困難な計画に、関係者や地元の住民に受け入れられる余地はない。誘致計画は直ちに撤回すべきだ。

《答・町長》トラックなどのことも地域の方が決めることだ。私は、ゴリ押しはしていない。研究中という段階だ。

◆《問》地球環境村を誘致したいなら、町長は私が毎日監視するからと、役場庁舎の回りに造る案を住民に示してみてはどうか。その場合には、住民投票を実施すべき

《答・町長》庁舎の横でも、自分の家の前でも、その中に住んでもいい。町民を無視するつもりはない。しかし、住民投票をしてまで進める事業ではないと思っている。

【コメント
】◆執行部に、今回質問で取り挙げるのはやめてほしい、12月まで待って欲しい、といわれました。裏返すと、この数ケ月が勝負という段階なのでしょう。

◆搬入トラックの被害は、施設とずっと離れた沿線の人たちの問題でもあります。

◆農薬や化学物質などの汚染問題のとき、物質の安全、安心に無知な政治家らは、平気で「少々飲んでも、吸っても大丈夫」と言ってのけます。町長の「その中に住んでもいい」というのは、その種の発言の典型です。化学物質が遺伝子を傷つけたり、ホンモンバランスをくずしたりすることの意味を、知らないとみえます。


 まだ 開発中の技術を前提に は 無責任!
◆《問》熔融炉というのは、まだ開発途上の技術。もし熔融炉のことを承知もせず住民に説明したのなら、厳しく非難されて当然だ。一方、不確定な技術を承知で誘致を進めるとしたら、そんな無責任なことはない。計画当初から情報公開すべきだ。

《答・町長》地権者らには、安全で安心なら受け入れて欲しい、といった。

◆《問》以前、町がリサイクル推進やゴミ減量のために、関連施設を見学する事業を行ったときは51自治会、501人が参加し、一人当700円の弁当代を助成した。ところが今回惣賀地区が、7月に愛知県へ行った時は、町長、総務、企画、保健衛生課長、運転手ら行政側5人に、地元の人10人が参加、昼は1500円の食事、夜は町内の料理屋で一人6000円程の宴会が行われた。今年の高富町に地球環境村誘致の事業計画はなく、当然予算も計上されていない。このような支出が許容されるのか?

《答・町長》私は、宴会とは思っていない。遅くなったから食事をしただけだ。

【コメント】まだ海のものとも、山のものとも分からず、だれにも安全、安心の保証ができない段階なのに、役人が話せば安全なように写り、聞こえてしまうのは当然。それを十分承知しての説明行為は、為政者としてあまりに無責任。
 参加した人は、酒も出るし、みんなワイワイやって、役場の人も機嫌が良いから宴会と思った、というのは見解の相違? 
 食堂やレストランなどでなく、料理屋に予約して行ったのに、たまたま遅くなったので町費で一人6000円の食事を出した、で通ると皆さんは思いますか?
 私は住民対策としての接待と断言します。


 新規ゴミ処理施設を造らなくても、まだ、まだ、社会はパンクしない 
 ゴミ処理施設誘致推進論者には、「みんなゴミを出すのだから、ゴミ処分場や処理施設を否定するばかりではいかん」という主張があります。
 しかし私は、こう考えます。今、住民の受け入れ拒否で、埋立処分場などが新規にはできず、ゴミ処理施設の新設計画なども停滞しています。この出口がふさがれた状態に直面して、今や産業界も政府、行政も、いやおう無しに節約、リサイクル、材質や構造の改善などに取り組んでいます。しかも、それを少しずつ実現、達成しています。消費者も、暮らしの中でかなり神経を使うようになりました。たしかに、いまだに不法投棄や違法な野焼きで処分する業者、人々はいますが、前よりはずっと減りました。
 ですから、私はまだ当分、この出口のふさがれた状態の中で、今の文明、社会が試行錯誤しながら、工夫をしていくことで、かなりな対応ができると考えます。地球環境村がないと社会全体がゴミでパンクする、と脅す人にはこのように反論しています。
 私は、人間のね人類の知恵と工夫を信じたいと思います。
 この町を愛することがゴミ処理施設誘致とは、私は思いません。あなたは、どう思いますか? 開き直った町政に、一人ひとりの決断、意見表明が必要な時ではないでしょうか。


 地球環境村・ぎふ とは(パンフから)
      (省略)

 
 まるごと福祉村事業
 当初、大桑椿野に県が「まるごと福祉村」というこの地域の福祉の拠点を造るということでスターと、特別養護老人ホーム椿野苑を建設、現在運営中。ところが、県がこの事業撤退したことで、(地権者との土地を買い上げる約束をまもるためにも)昨年1000万円をかけて、山県郡が基本計画を策定したばかりです。これによれば、40〜50億円の事業が計画されています。県が撤退した事業を、町が40〜50億円をかけて行う、という計画は、あまりにも町民をないがしろにしています。
 大桑椿野での地球環境村・ぎふのゴミ処理計画は、まるごと福祉村に替えるために、町や地元の一部関係者が考えた計画のようです。
 例えば、ドイツのシーメンスという会社は、自分の国でガス化熔融炉を造ったけれどガス漏れがあって失敗しましたが、これを日本に売り込んでいます。また、業者の資料にも熔融炉からはダイオキシンがでるとのデータが記してあります。重金属がでる、というデータもあります。
 誰もが知るように、御嵩町では、業者と一部行政トップ、議員らが内緒で事業計画の誘致を進めました。しかし、3年前に改選された新しい町長や議会がこの計画を凍結し、町民も住民投票で計画を完全に拒否しました。

 ◆機会があったら、地球環境村・ぎふのパンフを見てください。高富町の進め方は、ここに書いてあるマンガと全く同じ手順です。今回の高富町がこれと違うのは、公費で宴会をやって懐柔した、というところ。地球環境村・ぎふ事業の本質を見た気がします。
 私は、公的処理施設に運ぶゴミや汚泥の大型トラックの後をついて行ったことがありますが、施設に近づくほどに、物凄い粉じんでした。外に立っていたら、舗装道路にもかかわらず、たちまち粉じんだらけ。