新しい風ニュース  104号(通巻136号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ行
           発行 1998年10月31日

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   《 高富町9月議会 一般質問 報告 》

 介護保険の運営主体と広域行政について

◆《問・寺町》 再来年4月からのスタート介護保険の事業は市町村が単独で行うのが望ましいとの指摘がある。しかし、県の指導もあって、山県郡三町村が一緒に一部事務組合で進めるように、今年11月には、三町村の臨時議会で規約改正、12月には一部事務組合として立ち上げ予定という。県の広域化の指導理念は、事務の合理化とともに、市町村の格差を無くそうということにあると思われる。見方を変えると、合同する自治体の中で、福祉レベルの高いところはレベルの低いところに引きずられる恐れが高い、という事。介護保険事業を、高富町単独で行うことは不可能なのか?

《答・福祉課長》単独で行うことは可能。しかし、介護保険の事務量は国民健康保険の数倍といわれている。

◆《問・寺町》 現在進みかけている広域の一部事務組合方式でいく場合、組織上や運営などに関するメリットとデメリットはどのようか?

《答・福祉課長》 町や郡で勉強会などを重ねてきた。組織的体制を確立し、安定的財政基盤を構築し、広域化は共通した事務を効率よくでき、平準化し、認定審査会での事務が統一でき、介護者の給付サービスがバランスよく受けられるなどのメリットがある。デメリットは、町村で行う事務もあるので連絡調整が必要。議会や事務局の運営経費も必要で、その負担も必要なことなど。

◆《問・寺町》 サービス面での具体的なメリットとデメリットはどのようか?

《答・福祉課長》これから実態調査に基づいて、集計分析をふまえて、町民が必要としているサービスを計画していく。現在の三町村の保健福祉事業についても連絡を取り調整しているので、三町村はレベル的には同等と思っている。

【このニュースでの私のコメント】
 単独実施や認定事務だけ広域行政という方が多い。高富町単独でも可能、事業計画はすべてこれから、福祉の谷間にある低所得者層の介護をどうフォローするかなどの問題放置、というのが現在の段階。しかも、今、事務組合を設立しなくても準備は進めて行けるのに11月2日(月)10時〜の高富町臨時議会で組合設立の提案が。急ぐあまり、筋道が違っていると懸念するのは、議会内でも私だけではないようです。


 介護保険・事業と予算について
◆《問・寺町》 町民の皆さんから集めた保険料は全国すべて中央で一括してプールされ、市町村ごとの介護サービスの事業の量に応じた分だけが市町村に戻される。さらに、国県の交付補助も介護サービスの量に比例する。つまり、介護サービスをたくさんすれば、町民の皆さんが納めた保険料が高富町にたくさん戻ってくる、しかし、少ししか事業をしないと保険料が少ししか戻ってこない、国県からの補助も少なくなる。だから、介護保険では予算が残るというのは事業が実施されなかった、住民が損をした、という事になる。サービスのメニューをできるだけたくさんそろえ、かつ、同時に予算を使い切るようにするべきではないか?

《答・助役》 メニューについては、三町村の統一した対応ができるような方向で今後、計画していきたい。今後の計画立案によって可能な限りの三町村のレベルに基づいた対応をしていきたい。


   介護保険・チエック機関について
◆《問・寺町》 介護保険事業は完全に自治体主導で行う。だから、住民の立場から見た事業運営をするために、適切な外部審査機関が求められている。当事者や住民、福祉ボランティアらが中心となった介護保険事業の審査機関、名称はともかく、例えば外部の「介護保険審査会」を事業のスタートと同時に設置すべきではないか?

《答・助役》 現在、モデル事業に沿って認定審査会を設置した。それが自動的に移行するよう、現在検討を進めている。外部の保険審査機構については、現在のところ、まだそこまで検討を進めていないので、今後そうした面についても、これを機関として設けるかどうか審議していきたい。

【議場での私のコメント】
 可能な限り三町村のレベルにあわせてということだが、まさに三町村のレベルにあわせることが、高富町にとっていろいろなメニューを少なくしてしまうことにならないのか、と心配している。外部審査機関については、実際の利用者、介護する立場に立った検討、チェックが必要で、是非、介護保険スタートと同時に、設置してほしい。

【このニュースでの私のコメント】
 国民健康保険は、事業のチエックなどのために運営審議会が設置されています。しかし、ほとんど機能していない、との専門家の指摘もあります。ただ、これが重大な問題に発展しなかったのは、病院など外部の医療機関が国保事業の前提にあったから。 大きくなるほど、複雑になるほど、広域になるほど、行政対応の柔軟性が減ります。介護保険は手探りで、しかも内部で進んでいく事業ですから、なおさらチエック機関としての「外部の介護保険審査会」を設置することが、住民の利益、サービスの向上につながることは明らかです。


     山県郡町村議員研修
 10月20日午後、於高富公民館。県の高齢福祉課介護保険準備室長の講演でした。 《メモ・資料から》
◆ゴールドプランの反省から、介護保険は「事業計画は住民参加で」という指導が国からある。県内の18の地域で既に公募制でやっている、との指摘でした。(昨年、幾つかの「○○会」設置に当たって、委員を公募しては、という私の意見に、何れも公募するつもりはない、と即答していた高富町長にとって、この、国の指導は 『公募しないことは私の独自の政治姿勢』ということでは済まされないことです)

◆そもそも自治体毎に保険料の額が独自に設定され、さらに自治体のサービスの量と
本人の所得によって、その人の保険料の額が決まる。高齢者は年金から天引き原則。

◆事業(サービス)が少ないと、そこの住民が出した保険料がその自治体に戻らず、よその自治体にまわって使われてしまいますよ、と力説されていた。

◆将来は、事業資格のない家族によるサービスや、“たすきがけ介護”(家族での介護の交換)も保険の対象にしようということが検討中で、多分実現するだろう。


 ↓(財)長寿社会開発センターのパンフから
       (省略)

【このニュースでの私のコメント】
 上の表は(財)長寿社会開発センターのひとつの案です。高富町は表の左寄りにいくのか、右寄りにいくのか。保険料は安く、サービスメニューはできるだけ多く、という可能性をさぐる方向は現在のところ、見られません。あなたはどう思いますか?

◆大事なその人のために「寝たきり老人」にしてしまってはいけないと、苦心しながら一生懸命介護してきて、その結果が、介護保険では「介護があまり要らない」というランクに認定されて、受けたいサービスが受けられないのは釈然としない、という声も。寝たきりをつくらない福祉理念・制度と介護保険との共存、両立が必要です。

◆ところで、研修の後は、長良の「石金」で、お決まりの通り、山県郡町村長会主催の公費負担での懇親の宴会。私は、一昨年は公費負担を受容、昨年は自費で出席、今年は欠席しました。もう、このてのことはやめましょう。公費負担などは論外です。


  町長の政治姿勢や倫理について
◆《問・寺町》 公務員の汚職が相次いでいる。高富町では、昨年の町長汚職事件で議論が高まり、今年4月1日には町長名で「高富町職員倫理規定」が施行された。  「職員倫理規定」を施行して、その後の職員倫理の状況はどのようか?

《答・町長》 私は常に公平、公正で誠実に職務に精励したいと考えている。倫理規定を定め職員倫理の徹底をはかっている。今日まで、倫理規定に違反した職員はいない。今後も、町民全体の奉仕者であることを自ら先頭に立って努力したい。

◆《問・寺町》倫理規定の内容は、非常に明快で、水準が高く、「倫理条例」に格上げされれば、全国で最もすばらしいのものとなる。この規定の最後に、「公費でのコンパニオンによる接待は助役の許可によるほか認めない」となっている。当然、職員同士の公費での飲食にコンパニオンはだめ、ということになる。私は内容に疑問があるとして参加しなかったが、今年5月、議会の東北研修2泊3日が行われた。夜は、どちらもコンパニオンを3人呼んでの宴会。町長と倫理規定を所管する総務課長らが同席した。違反はない、という答弁だが、明らかに倫理規定を無視している!

《答・町長》 公費でのコンパニオン等による接待は絶対いけない、と思っている。あなたのおっしゃるコンパニオンとはどういう人をいうのか分からないが、通常食事を運ぶ人が2〜3名あるのはどこでもあることだ。我々のことをおっしゃるが、一昨年はあなたも同じように食事をしたことを忘れないでほしい。

   ここで時間切れで、質問答弁含めて一時間という一般質問が終了  

【このニュースでの私のコメント】
 宿の仲居さんとコンパニオンを間違える人はいない。町長の答弁にある食事とは、一昨年の北海道2泊3日研修のことですが、私は議員になって最初の全員研修ということで、どういう研修をするのかと、まず参加してみました。そしたら、夜はコンパニオン付き。何人かに問うたら「いつも、こんなもんだ」という。昨年の九州2泊3日研修は、当時の議長に「コンパニオンを呼ぶなら参加しない」と通告したら、何と議長は「コンパニオンを呼ぶ」という。当然、私は不参加。まさに、こんなもんです。

【ご意見をいただきました】   
(要約) 先日10月26日に、△△の業者の○○と役場の複数の課長を含めた十数名の町職員が粟野の××等で宴会を行っていました。ゴルフ等も度々おこなっているようです。役場の△△は、ほとんどこの○○が納入していると聞きます。
 一住民として高富町の今後のためによろしく

 町長らトップの倫理観のありようが、このニュースに記すようなことがいつまでも続く根源です。「職員は、住民に疑惑を招くことをしてはならない」これが、倫理規定の根本精神。一部の職員の一部の行為で全体が不信をもたれることは自戒すべき。 ついでながら、「議会やニュースでとりあげると町民に知れて不信を招くから、内緒に指摘を」という町長や一部職員の声が聞こえてきそうです。広く公に取りあげることがいけないのでなく、いまだにそのような事実を起こすことがいけないのだと、多くの町民は承知しています。襟を正してほしい、それが、町民の最大の願いです。