新しい風ニュース  106号(通巻138号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ
           発行 1999年1月5日

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高富町議会 12月定例会日程
 12月14日〜24日。97年度の高富町の決算の審議を中心に報告します。

97年度(H9年度)高富町の決算の審議

 借金(起債)は町民一人当たり52万円に!
◆《問・寺町》 決算成果説明書の8ページ、地方債の現在高について、一般会計の9年度末現在高が90億2,774万7,000円、集落排水を加えると総合計で101億6,888万8,000円となり、初めて地方債現在高が100億円を超えた。町民1人当りの借金はおよそ52万円ぐらい、と言うことになる。さらに、この表には出てこないが、債務負担行為が23億9,010万円あり、町民1人当りにするとおおよそ12万円だ。ということは、64万円ほどが町民1人当りのこの年度の借金と言うことになる。これを、どう考えるか。

《答・助役》特に優良な起債を借りて、後年度の負担が少なくとも交付税によって対 応されるような方向に現在も取り組んでいる。公債費比率は十分検討しながら、事業 として取り組むべきものについては、取り組んでいく。

【寺町のコメント】赤ちゃんからお年よりまで、すべての町民人数で割った金額です。事業の見直しや選択が迫られています。発想の転換を!

 
  不透明、無定見な支出は清算を!
◆《問・寺町》 岐北衛生施設利用組合負担金の中の火葬場整備事業負担金9,471万7,000円。この中には火葬場の運営費とともに、建設に関係して地元協力費として3年間にわたって1億2,500万円が支出(H9年度分は4,750万円)された。こういった施設をつくる際に、ただ「協力費」という名目で支出することについてどのように考えるのか。

《答・助役》3年間にわたる地元への1億2,500万の支出については、組合で議決して執行されている。検討の上で執行されたと確信している。裁判等に移されているので、その推移も十分見定めながら行政のあり方についても十分に検討していきたい。

【寺町のコメント】裁判の推移を見る、などと言わず、独自の見解をもつべきです。それがなければ、この種の支出が繰り返されるでしょう。


  道路整備の状況には地域ムラがある!
◆《問・寺町》 農林水産業費それから土木費の事業において、「路面の悪い状態の道路」のことの報告が続いている。しかし、町内全体の道路の改修が、同じような進行で均等に改善されているのか疑問がある。整備の進行状況に“むら”があるのではないか。

《答・建設課長》モデル事業、あるいは農道整備事業等について、地域のバランスの格差があるのでは、ということに関して、基本的には、あくまでも地域要望というものを我々は重視して事業を実施している。その地域の中においても、それぞれ優先順位というものも当然にある。多少のばらつきはあるかも知れないが、地域の要望を中心に事業を実施している。私も実は、指摘のこの内容を見て、なるほど一地区に集中しているなという感をもった。交通安全対策というのが集中的にここで考えられた、 あるいは、防災道路ということで地域のこととして実施してきた、ということ。

◆《問・寺町》 見方を変えると、要望中心にやってきたことの積み重ねの結果が、現在の町内の道路の整備状況の“むら”をつくり出しているというふうに考えざるを得ない。この決算から見て今後の事業に反映していただきたい。

《答・建設課長》今後、東野台から岐阜の大学の方へ抜ける道、あるいは椎倉の交差点から出敷線までの区間等、いろいろ主要事業として、今後補助対象あるいはそういうものに採択されて実施される可能性のものを求めて、主要事業としてとらえていく。

【寺町のコメント】道路は安全確保を第一に利便が第二。しかし、そのことと整備の“むら”は別のこと。何事も、“むら”を是正する視点は行政の基本。


神戸の地震の反省は生かされているか?
◆《問・寺町》 小学校では委託料600万750円で、中学校は委託料320万7750円で施設耐震調査を行った。保育所なども前年に耐震調査などを行った。耐震調査は「調査して、はい結果が出ました」だけでは意味がない。その結果を持って改善する必要がある。

《答・学校教育課長》それぞれの調査結果のランクによって、補強していく。30年以上経ったものは大規模改造事業とこの耐震補強を同じような形で進め、もう一つは、取り壊してまた新しく建てていくという二つの方法で今後の結果を事業に充てていく。

【寺町のコメント】特に軟弱地盤の多い高富町。早急な改善を。


  決算審議は9月議会でできないか?
◆《問・寺町》 収入役から決算案の説明があった。高富町は、従来より12月議会で決算を審議しているが、決算を12月にしか出せない理由はどこにあるとお考えか。

《答・収入役》9月の広報には、決算の見込みとして町民の皆様方に決算の概要について報告されており、私も9月に決算の認定をしていただくように、と思っている。

【寺町のコメント】この秋に着任された新しい収入役に期待します。


 障害者福祉政策の位置づけはまだ低い!
◆《問・寺町》 障害者施設(あしたの会)に対して町の土地や財産(約4300u)を無償で譲与することは、町の福祉政策として、どういった位置づけにあるのか。

《答・助役》この社会福祉法人のこの事業については、自治体にかわって取り組むということから、建設用地については無償譲与ということで対応をお願いする。「町の独自の計画で今後積極的に取り組むべき」という提言だと思うが、絶対数等の確保については今後先取りできるような方向で検討したい。民間、社会福祉法人のこうした施設づくりについては、委託形式になるが、それで対応できるものはそうしたい。

【寺町のコメント】今年度、障害者福祉計画を策定中なのに、未だに、高富町の「障害者福祉」の政策的位置づけは全く主体性と積極性がない。方針転換が必要な時代です。


    国保の葬祭費2万円は適当か?
◆《問・寺町》 出産育児費は30万円というのが動かしがたい基準。一方、葬祭諸費の支給については、2万円未満から10万円ぐらいまで、これを上回るところもあるが、高富町はずっと2万円の支給だ。2万円でよいのか、あるいは周辺との比較はどのようか。
《答・住民課長》9年度には2万円以上2万5,000円未満は県内で34町村。33町村は2万円を支給。本巣郡は2万5,000円、美山、伊自良村は現在5万円を支給している

◆《問・寺町》 市では5万円のところが11市、4万円が3市で、岐阜県内14市は全て4万円、5万円。いま6カ町村火葬場の事業を進めているし、見直すべきではないか。

《答・助役》6カ町村として火葬場を建設したので、やはり6カ町村として、住民の方が均衡ある対応を受けることが適切であるので、今後十分検討していく。

【寺町のコメント】国民健康保険という共通事業で、自治体間の格差があまりに大きいことで、結果として住民に不利な現状であるなら、放置すべきではありません。

公費での議会と行政側の宴会はまだ続く? ◆《問・寺町》 議会と執行者との交流会についてお尋ねする。
宴会費用は一回一人7000円で合計89人分だった。このうち43名、おおむね半額が執行者側の分を議会費で出したことになる。議会費で執行者の経費を見ることは、地方自治法の定めを逸脱していないのか。

《答・議会事務局長》議会の方で必要があれば議会費で見ても良いと考えている。しかし平成11年度については、財政の方と相談して、検討していきたい。

【寺町のコメント】予算の流用は禁止されている。公費での宴会は、議員、執行部とも一年間に一人当たり2〜3回。私は、以前は自費で出席、今は参加していません。


山県郡の介護保険組合への町村負担率は?
◆《問・寺町》 老人福祉費の負担金が1,160万4,000円とある。これは介護保険を担うために新しくなった山県郡保健福祉事務組合の負担金。その負担率と設定根拠を明らかに。

《答・福祉課長》介護保険制度の主旨、交付税算入方法などを考慮して、@均等割が30% A40歳から64歳までの人口割が20% B65歳以上の人口割が40% C標準財政規模割が10%、これを合わせて100%とした負担割合で計算した。但し人件費は除く。 

《答・助役》介護保険については、10年と11年は負担割合を固定する。12年以降については、改めて検討する、と組合でも承認いただいている。理由は、12年から実際に業務が始まり、この運営費用は地方交付税である程度算入されるが、やはりこの交付額に応じた組合町村の負担方法ということで見直しをすべき、という事でだ。

【寺町のコメント】私はいつも「山県郡三町村で一緒でやることで、高富町の福祉が後退してはいけない」と指摘しています。財政負担が過剰になれば、独自の福祉が圧迫されることになるのは当然です。


勤勉手当は 勤務成績に応じて支給すべし
◆《問・寺町》 高富町給与条例の第23条の7では、「勤勉手当は、その者の勤務成績に応じてそれぞれ支給する」とされている。規則にも「勤勉手当の成績率(第32条の5)」が定めてある。しかし現在、管理職、課長、係長など関係なく、期末手当などを合算して年間5.25カ月分支給している。「その者の成績に応じて支給する」とされながら、一律に支給していることは条例に反しているがどうか。

《答・助役》一般職においては勤務評定に基づき、管理職には、一般職と同率の勤勉手当を交付している。管理職は、皆平等に成績を上げることを基本にしており、今まで加味されていなかったが、今後は成績率等については十分検討していく。

【寺町のコメント】一般の職員は、仕事の違いや特性もあり評価しにくい。しかし、管理職にはこの際、きちっと勤勉手当の比率を適用していくという姿勢をとっていただきたい。行革、効率向上のためにも、給与条例の主旨を守ってほしい。


  まだまだ続くのか? 不用支出
◆《問・寺町》 いわゆるミニコミ紙の何紙、幾つの新聞に対して、幾ら支出されたのか。

《答・総務課長》7社で14万(総務管理費・需要費から)。

《答・議会事務局長》総務課の方と同じ7社で14万(議長交際費から)。

◆《問・寺町》 県の市長会、あるいは議長会が、これらへの購読料の支出は来年度からいっさいやめるということを申し合わせをした。今後どういう対応をするのか。

《答・総務課長》山県郡の町村会において検討していただく。

【寺町のコメント】県警の暴力追放センターは「数年前に、県内の町村はやめているはず」としていますが・・・・