新しい風ニュース  108号(通巻140号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ行
           発行 1999年3月5日

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98年12月議会一般質問(12月24日)より


 情報公開制度は いつから?
◆《問・寺町》 @昨年の6月〜9月の段階に町が予定していた情報公開への取り組みと実施計画はどのようだったか。
A現在の検討段階と制度の今後の実施予定はどのようか。
B知る権利や説明責任をどのように明記するのか。
C公開請求者の範囲をどのように規定していく予定か。
D文書のコピー料金を一枚幾らにする方向か。

《答・助役》 @平成9年9月26日開催の綱紀粛正特別委員会での質問に対 し、当初は本年6月に議会で提案できるような予定を申し上げたが、
Aその後の取り組み状況から情報公開条例策定委員会と文書管理システム部会を設け、その中で基本的な理念はもちろん、どの範囲とするかなど、検討することとし、ある程度の結論に近づいた段階で住民参加の懇話会のご意見や議会のご意見をいただくこととし、平成11年途中に条例化を願えればと思っている。
B知る権利、説明責任の明記、
CD公開請求者の範囲等の規定は現在調査中。

【寺町のコメント】なかなか進まぬ高富の情報公開制度。その障害はどこに・・・


    防災計画の見直しは まだ?
◆《問・寺町》 阪神淡路大震災は、全国の自治体に防災計画の見直しを迫った。高富町も見直しを表明したが、3年たってまだ放置されたまま。岐阜県が、岐阜大学等の関係者の方々に調査を依頼してつくった、地震による被害想定の報告書がこの9月に出された。これを見ると、高富町は非常に大きい被害が予測されている。高富町は非常に軟弱な地盤が多いということを前提に、防災計画にこの県の報告書をきちっと織り込んで見直す必要がある。調査報告に加わった専門家のお一人が町内在住とも聞く。早急かつ適切なる見直しを!

《答・総務課長》 平成5年度に改正している高富町地域防災計画は、岐阜県 が9月に公表した調査結果を活用し、見直したい。防災拠点等耐震強化計画の策定、救出救急に要する資機材、人員等配備計画の策定、医療救護計画の策定、被害者救済計画の策定、消防力の再評価、消防計画の見直し等を考えている。


  快適で安全な学校環境づくりを!
◆《問・寺町》 @高富の小学校の給食には、陶磁器の食器が使われており歓迎されている。一方、中学校はステンレスの食器なので非常に冷たくせっかくの食事の楽しみが大きく減っている。陶磁器製食器に取り替えるべきではないか。

A町の六つの小中学校の給食は単独で調理しており、整備されたランチルームと ともに非常によい評価を得ている。しかし、将来的には調理場を一カ所にして、各学校に配送するセンター方式にしようと聞く。メリット、デメリットは?

《答・学校教育課長》 @将来的には陶磁器に切り替えたい。しかし、食器の切り替えには、大規模な改修工事が必要となる。
 Aセンター化は食中毒に対する徹底した衛生管理対策が求められている。近年の新しい施設はドライ方式といい、水を流さないことが細菌の繁殖を抑えるとされている。国の補助事業は、今後はドライ方式のみの採択となる。全体的に実施するためには共同調理場が好ましい考える。メリットは、単年度で実施できる、長期的には人員の削減、整備費等経費の節約ができる、など。
 デメリットは、車での配送で、事故等の発生があるなど。

◆《再質問・寺町》 @各学校で調理する場合、その日の朝に調理を始めて、食べる直前の12時頃に仕上がる。一方、センターは前日に下ごしらえをして、当日の朝早く仕上げて各学校に配送する、とされている。この調理後の時間の差というのが、有害菌の繁殖に非常に大きな影響を与えていると言われている。
 また、センター給食とか材料の一括購入しているところでO157の被害があったとも。同じ献立でもセンター給食の方が残す率が高いといった指摘もある。保健所の関係者も、食中毒の元になるものはどんなシステムに切り替えてもある、大事なのはいかにして毎日の管理をしっかりするかだ、と述べている。

A中学校の校舎の中の水は井戸水で、「飲んではいけない」という指導が生徒にされているが、特に暑いときなど子どもたちはついつい廊下の水を飲んでしまって、後でおなかが痛くなったりと、そういったケースが生徒や保護者から聞かれる。井戸水使用はトイレと散水用だけに限定して、校舎内の通常子どもたちが使うところはすべて町の上水道にすべきではないか。

《答・学校教育課長》 @立ち上がりに際しては、学校、PTAその他関係者による整備検討委員会を設置する。A井戸水といっても、上水道と同じように次亜塩素酸を入れ毎日検査をしている。今後、安全管理を第一に考える。

【寺町のコメント】給食調理場のセンター化は、時代の流れに逆行するものと考えます。尚、数年前の多数の生徒の腹痛事件は、水が原因との声が根強くあります。ところで現在、新年度予算での中学校ランチルームの冷暖房化が計画中です。


 入札制度改革を 進めよう!
◆《問・寺町》
@ 今年の4月〜12月4日に町の行った入札に関して次の諸点はどのようか?  

   入札総件数            107件
   その最高落札価格 4億2525万0000円
   その最低落札価格     32万5920円
   平均の落札価格    2216万4309円

 設計金額に対する
入札予定価格の比率 それに対する落札価格の比率
  最高 100   %     最高 99,56%
  最低  59,38%    最低 56,26%
  平均  94,47%    平均 92,16%

A 国は、今年の4月に、入札予定価格を事後に公表するように、全国の都道府県、市町村に指導しました。これに対して、岐阜県は入札の透明性を高めるために来月、1月からすべての県の公共工事の入札予定価格の事前公表を行うと決定しました。県幹部はこれについて「透明性を高めるために事前公表が適切である」「業者間の競争を促して工事費用も安く抑えることができる」「疑惑を招くことも避けられる」というコメントをつけています。
 高富町も入札予定価格の事前公表を速やかに実施すべきではないですか。

《答・助役》 事後公表は、できれば平成11年度に予定したい。

◆《再質問・寺町》 事前、事後公表などした全国の経験的なデータを見ますと、入札予定価格に対して落札価格が大体20%くらい下がる、あるいは時には30%下がるというような数字が出ています。答弁にあった高富町の今年度の例(上の表)ですとこの比率は、お答えのように90数%代の数字ですから、これが仮に80%程度に落ち着くと仮定しますと10%の差があります。先ほどお答えの落札金額は平均2000万円、約100件の入札実績ですから、10%の差が出るとすると 【 2000万円 × 10% × 100件 = 2億円 】 つまり、差額は2億円となります。 公表することによって落札価格が低くなり、2億円浮いてくるということ。これは高富町にとっては非常に大きな利益であり、同時に行政だけでなく住民にとってもさまざまな事業がさらに行ってもらえるという意味で大きなことです。県のように1月から試験的にやってみてはどうでしょうか。

《答・助役》 庁内において検討させていただきたい。

[寺町のコメント]決断すべき時は速やかに。全国に先駆けた県の選択には拍手!


 安心、安全のための環境衛生政策を!
◆《問・寺町》 @ゴミ焼却のダイオキシンなどによる汚染を防ぐために焼却炉自体の回収を行っている自治体もある。基準違反の焼却への指導が不十分では?

A環境保全とともにゴミ減量化のためにも電気の生ゴミ処理機に対する補助が各地で進んでいる。普及促進が自治体とともに住民全体の利益ではないか。

B家庭用焼却炉から発生した焼却灰を個人の家庭やその周辺に放置しておくことは汚染を拡散させてしまう。山県郡の公営の処分場でこの焼却灰の処分を!

C最近、薬物による事故、故意による被害が続出し、三重県は薬物の回収や処分を11月に行なった。町でも、回収し、処分すべきではないか。

《答・保健衛生課長》 @ダイオキシンは特に塩化ビニールなどの塩素を含む廃棄物を焼却すると大量に発生するため、小型焼却炉は使用しないよう指導している。従来より野焼きが禁止されているが、一年前より基準が明確になり、処罰が強化された。高富町でも町内の公共施設でのごみ焼却を取りやめた。

A高富町でのゴミ処理は9年度ゴミ搬出量で4,333トンで、可燃ゴミはトン当たり4万3,502円、不燃ゴミはトン当たり5万6,192円、粗大ゴミがトン当たり5万5,442円の処理コスト。9年と10年の処理実績を4月〜11月の分で比較すると全 体では8,96%の伸び。分別収集、資源回収事業等で確実にゴミ減量化の効果が確認できるものの、全体的には効果は見えてこない。電気生ゴミ処理機への助成は有効と考えるので、近隣の動向を参考に補助金の増額を検討していく。

B家庭で生じた焼却灰も、環境問題を考えると管理型に整備された処分場で処分することが最善の方法。しかし、郡環境衛生センターでは広域組合の処分場であるため、高富町のものだけを受け入れてはもらえない。

C薬物に関しては、購入者側に責任があり回収処分は考えていない。

◆《再質問・寺町》 一般ゴミの処理は、義務づけられた町の仕事。燃やしてはいけないが、もし燃やしてしまったら、後はもう知らぬ、では責任を逃れているだけ。現在、毎週2回、ゴミの回収があり、この中にきちっと収められて適正に出された場合は、灰なども実際には回収処理されている。郡の統一見解として、通常の毎週の袋に、きちっと、常識の範囲で入れてあれば、灰や燃え残りの分も、燃え切っていないものも回収する、という方針を明確に確認していただきたい。

《答・助役》(広域行政なので)郡で今後の課題として検討してもらう。

◆《意見・寺町》 草やわらや木などを燃やすことについて国の見解は、『畑の肥料に使う』とか、それを『燃やして暖をとる』という目的の場合は“野焼き”とは言わない、しかし『不必要だから処分する』という目的で燃やす時は、これは“野焼き”であるという。今後、町の指導の中で、参考にしていただきたい。