新しい風ニュース  111号(通巻143号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ行
           発行 1999年4月29日

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3月議会は  ハプニングの連続

        何が“品位”なのか!!
《杉山》議会の品位に関する決議案の動議を提出する。
 今般、町長の施政方針演説において、職員の制服が4月より廃止され、私服にて勤務となる。職員のみ品位と名誉を遵守しなければならないこととなる。職員の中ら、議員の中にはネクタイをせず、ジーパンの着用など、とても品位と名誉を遵守しているとは思えない状態であるとの意見がでている。よって、議員としての品位を重んじるため、決議文をもって決議する。
                記
 1.高富町議会の品位と尊厳を守るため、清潔で明るい服装に努めること
 2.服装、議場、全員協議会室及び委員会室においては、ネクタイを着用
   ジーパンの着用は禁止
 平成11年3月15日  提出者 高富町議会議員  杉山重男
             賛成者 同福井今男  同見澤昭一  同田中優一

◆《問・寺町》提案者の杉山さんにお尋ねする。憲法の表現の自由、個人の尊厳などに抵触しないのか。ネクタイ着用や、ジーパンかをどうやって確認するのか

《答・杉山》憲法云々ということだが、私たちの町の高富町、そして、私たちの町議会というものが、我々の議会としてはその前に大切ではないか。基本的人権が、ネクタイ云々で基本的に人権侵害になるとは考ない。町民の信託にこたえるためには最低の礼儀である服装を考えると、ネクタイというものは最低、議場あるいは委員会室においては着用するのが当然である。ネクタイの種類の中で品位に土台をおいたもの、 ジーパン等は、大変難しいが、具体的には議会の中で細部検討をして頂きたい

◆《問・寺町》提案賛成者の福井さん、具体的にジーパンをどうやって確認するのか

《答・福井》通常店で売り、通常皆さんがジーパンと認めるものはジーパンだ

◆《問・藤垣》制服を廃止したが、職員らしき服装というのはどのような定義か。町議会議員のバッチの使用、つけなくてもいいなら、何のために支給しているのか

《答・町長》職員らしき服装というのは、誰の目から見ても清潔で質素で品位あるスタイルを職員らしき服装と感じている

《藤垣》答弁は、議員の品位は、せめて男子はネクタイぐらいと、こういった意味だろう。普段はともかく、神聖なる議場においてはやはり正装して出席するのが責務だ。日本国憲法がどうこうじゃなしに、本議会の決め事として決議しよう

《議長》質疑を終結し 《略》決議案は、議会運営委員会に審査を付託したい
  <略>

《見澤委員長》早急に結論を出すべき軽はずみな問題ではないので継続審査を希望する

◆《反対討論・寺町》何をジーパン、何をネクタイというのか、帽子はどうなのか?
羽織はかまは?女性にネクタイをしなさい、ジーパンを禁止というのか。憲法では、男女の性による差別を禁止している。また委員会室などでは非公式の会議もあるが?
 本来、議会というのは多様な価値観、思想や身上を持った住民から選出された議員が議論をする場である。一人一人の住民や、その代表である議員には、それぞれの生活や文化、思考様式があり、宗教観も異なるなど多様。服装についても同様。決議は多数の力で一つの考え方、服装、文化というものを一律に強制しようとすることだ。
 本質的な議論をせずに、議会には特別の権威がある、特別の品位があるというような議論が先行することは、議会を住民よりも特別なところに置いて、議会の特権的な地位を守りたいと言っているに過ぎない。議論の中身よりも服装の問題の方が優先されるような、この論理はますます議会を密室化させ、ますます住民と議会との距離を大きくし、政治不信を高めるもの。そのような決議案はただちに否決されるべきだ

《田中》慎重に審議、大いに議論をすべきで、継続に賛成する。

【寺町のコメント】こんな議論で、突然出された決議案は、継続審議となりました。
どんな「決議」でも、全会一致を原則とする議会もある位。そもそも、決議案を継続審議とすること自体が「決議」の意味を否定しているにもかかわらず、平気で通って行く高富町議会。本号で、この決議のとらえ方、何が品位かなどについて、整理します。
 私はよく県庁に行きますが、年毎に、職員の服装が「お上」という感じのない、明るく親しみ易いものになってきています。今年、職員が私服になって、高富町役場の庁舎内も少し県庁に近づいたと感じます。あなたも、一度高富町役場を訪れてみてください。


高富町議会 恒例全員研修  
    今年もコンパニオンを呼ぶんだって!
 日程は5月17〜19日・佐賀県鳥栖市〜長崎県佐世保市などですが、試みに参加した議員初年度以外、今年も、私は参加しません。その理由は、4月のある日の正副議長・議運の委員長外委員らと私の会話に象徴されています。やりとりは「5月の研修に行かんかね」「コンパニオンを呼んで宴会をやるなら余地はないですよ(寺)」「その分は、自分たちで金を出すんだから、問題ないがね」・・・その余は想像にお任せします。
 2泊3日の研修全費用のうち議員一人当8万円の公費が出され、不足分(4〜5万円程度)を本人が自己負担。「一部自己負担しているからその分は何をしてもいいではないか」という論理の皆さんと、「納税者はそうは考えない」という立場の私は、決して相いれないことが分かってきました。私以外にも、この研修の在り方に批判的な方もあるようですが、それが、改善という形になってこない、これが「多数の論理」です。
 全て自費で全員研修に出掛ける議会を幾つも知っています(海外研修ですら)。
 一方、全員合同研修なんて、研修にならないからやらない、という議会もあります。
「ノーネクタイ」が品位を汚し、公費研修でのコンパニオンは品位あること・・・?


      セクハラを何とかして!
 セクハラを指摘、告発したら職場を辞めさせられた、というほど、セクハラとその対応が大きな社会問題化しています。セクハラは、当事者が被害を受けたと思うかどうかに始まる、と明確に認識されています。自分の周辺ではそんなことは生じていない、という認識しかない人ほど、その人自身を含めて当事者の可能性がある、それがセクハラです。最近は、県や市町で、役所内の職員のためのセクハラ相談コーナーや「定め」を設けたところもあります。それほど、あちこちで深刻です。当町でも、役所内で、ごく一部の議員のセクハラをで困っている、という話が風の便りに伝わってきます。
 「ノーネクタイ」が品位を汚し、「セクハラ」は品位あること・・・?


          議会の品位とは
 どんな本を見ても、議会の本文は議論にある、とされています。しかし、一年にたった4回の定例会、「公式な本会議場では一度も発言しない」議員が少なくありません。一般質問をあまり行わない議員が結構あります。議案書も読んでこない議員もいます。アルコールで顔を真っ赤にして、費用弁償のある公式会議に参加する議員がありました。 これらをどうするかを考えず、ネクタイが品位!ネクタイが品位!とは?


  品位騒動は 実は 仕組まれていた?!
 品位の決議案は、議員提案の形になっていますが、確認していくと、この一番の震源地は町長サイドのようです。トラブルで新聞にでる事を嫌う町長ですが、「あかしんぶん」騒動も「品位」騒動も、新聞で記事にされる発端を作っているのは町長側です。
 私は、もともとジーパンはあまりはきません。ですから、時間がないときに役場に書類をもって行くときなど、ジーパンでいった覚えはありますが、数えるほどです。
 ネクタイも、議場では、議員就任後2年半はいつもしていました。但し、昨年の3月議会からは、議会の本質と掛け離れた状態で形ばかり重んずる現状と身をもって対置するために、あえてノーネクタイとしてきました(除く一般質問)。この決議案の文章は、知らない人が読むと「寺町がいつもジーパンをはいて、まるで野良着のような格好で会議にいっている」と読みとってしまうように巧妙に作られた文書です。新聞記者ですらそう思い込んで、「寺町さんはいつもノーネクタイでジーパンで登庁」と誤って記事に書いてしまったほどですから。そうでないことは、議員諸氏が一番よく知っており、議長も「今の寺町さんの格好にネクタイだけすればいいんだ」と騒動の真最中に言っていました。私のこんな事実と違い、人を間違って印象づけるように仕組まれた決議案を、提案賛同し議題とする場というのは一体、何なのでしょう。
 こんな侮辱に対して、懲罰を求めても、それすらも通用しない、そんな世界です。
 いろんな面から、私をおとしいれようという、根深い流れ、意図があるようです。


      知事から感謝されちゃった!
 うるさい事をいい、幾つも裁判で被告にしているので、知事にはよっぽど嫌われているだろうと思っていました。今年2月、県のある政策について指摘したところ、あまりに広汎な事だったのか、たちまち本庁の中がパニック状態になった、と聞きました。
 しかし、翌日、知事から直接、私の携帯に電話があり、「指摘していただいてありがとうございます。私もおかしい、と思っていました。今後ともよろしく」とのこと。
 町長から議場で「あかしんぶん」と名指し(このことの品位は?)、議長も制しなかった(このことの品位は?)ところの「新しい風ニュース」です。
 今、新しい風ニュースは、新聞に入らず、直接届くようになりました。この方が読んでくださる方が、はるかに多いので、状況というのは妙なものです。どうぞ、経緯をご理解頂き、新聞に入って届かないからサボっていると思わず、今後もご愛読、ご意見ください。ところで、好きな時間でいいですので、この地域なら私が配ってもいい、とか、住んでいるのと違うところなら配るのを手伝ってもいい、と言う方、是非ご連絡を!