新しい風ニュース 114号(通巻146号)
たかとみの環境とくらしを考える会
岐阜県山県郡高富町西深瀬208 TEL・FAX
0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の寺町
ともまさ発行
E-mail tera-t@ktroad.ne.jp
1999年6月20日
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6月議会は、10日〜18日。
6月18日(金)の一般質問は、介護保険、男女混合名簿の実施、地球環境村と福祉健康村、ゴミ処理、公正な選挙の実現などについて質問しました。
介護保険の弱者対策は?
高齢者福祉サービスの待機期間は?
◆《問・寺町》高富町の現在の高齢者の各種福祉サービスに関して、申請から利用までの待機期間は?
《答・保健課長》当町の各種のサービスの決定は、週一回の担当者会議でその人の状況、本人、家族のニーズを検討しながら、その場で決定していきますので、1週間から2週間くらいで提供しています。ただ住宅改造につきましては、業者等に見積を取ってからの発注となりますので2週間から4週間くらいかかっています。
◆《問・寺町》特別養護老人ホームの入所申し込みの待機期間は?
《答・保健課長》現在の平均で、8カ月くらいかかっている現状です。
◆《問・寺町》本人や家族の意に反して介護認定からはずれた場合、それまで受けていたサービスが利用できなくなります。
町及び福祉事務組合として独自に補う体制をとらないと、直ちに福祉の低下ということになるのではないか?また、フォロー策は?
《答・保健課長》介護保険の認定制度から外れた人のサービスについては、今までのサービスを低下させないよう努力すると共に、住民の皆様の意見を聞きながら、今年度作成します老人福祉保健計画の中で明確にしていきたいと思っています。
◆《問・寺町》65歳以上で、住民税が非課税となっている方が約2000人、さらに、福祉医療費の助成制度の対象者が数百人あります。介護保険ではサービス利用料の1割を本人が負担するとされています。これらの方々に対して助成制度を取るなりして、実質的に当事者負担をなくすべきではないでしょうか?
《答・保健課長》国においても現在検討中ですし、当町と致しましても今後検討していきたい。保険料は所得に応じて五段階別に異なり、低所得者に配慮しています。
高令者への助成措置を!
◆《問・寺町》保険料滞納の場合の制裁措置は具体的に何が規定されているのですか?保険料が払えない場合、介護サービスを受けられないのですか?
《答・保健課長》保険料を滞納した場合、介護保険法で定められている通り実施する予定です。1号被保険者に対しては滞納期間に応じて一定期間介護給付率を本来の九割から七割に引き下げることになります。また介護サービスを受けている間に保険料を滞納した場合は、償還払や保険給付の全部、または一部の支払いを差し止められます。2号保険者に対しても医療保険法に基づいて、給付の一部差し止めとなります。
◆《問・寺町》いずれの理由にしろ、住民の皆さんが望むサービスが受けられない場合、町はどのように対応していく方針なのですか?
《答・保健課長》山県郡の在宅サービスに関しては、住民の皆様が希望される通り提供されると思います。しかし、施設サービスに関しては不足が考えられます。当面在宅サービスで介護支援専門医と家族、本人の話し合いで納得いくケアプランを作成しながら提供していく予定です
【寺町のコメント】いろいろな制度が、試行錯誤されている中で、一番の弱者の方にできるだけの配慮をしてほしい
生ゴミなどの収集場所変更は?
◆《問・寺町》生ゴミなどは週二回の回収が定着し、住民から喜ばれています。ただ、収集ポイントに関して、遠くて不便とか場所が不都合になったとか、困った方がまだあるようです。どうすればゴミ収集ポイントを変更できますか?
《答・環境課長》現在、生ゴミの収集場所につきましては、町内で約620カ所です。収集場所の変更につきましては、町民の皆様に出来る限り手軽で便利のいい場所と考えていますが、どこへでもという訳にはいかないのが現状です。それは収集効率の問題と道路と車の通行状況や、ゴミ収集をする人の安全性の確保等を十分に検討しなければならないからです。なお、今後の収集場所の変更につきましては、今までと同様に自治会と十分な協議をさせていただきまして、町民の皆様に理解を得られるよう対応していきたいと考えておりますのでよろしくお願い致します。
◆《問・寺町》住民の皆さんから申し出があったら、今後もできるだけ速やかに対応していただきたい
【寺町のコメント】ポイント周辺の人たちが話しあって合意すれば、あとは自治会長が町へ、そのことを申し出れば10日〜2週間で変更可能。たまたま、自治会の役員がゴミ出しに興味がないと、話が進まないこともあり得ます。そんな時は・・・
男女混合名簿の実施について
◆《問・寺町》保育所など町長部局での男女混合名簿実施は?
《答・総務課長》保育所では生年月日順による男女混合名簿を、町の役場の事務分掌表につきましては、(男女に関係なく)職順に掲載しています。また、各種役員の名簿は、その利用目的などにより最適な構成とされることが望ましい
◆《問・寺町》小中学校における男女混合名簿実施をどう考えますか?
《答・学校教育課長》私はこの男女混合名簿につきまして、取り立てて、例えば男女共同参加社会のあるべき姿の条件の一つ等と、特別な考えは持っていません。男女混合名簿であろうと、また男女別の名簿であろうとそれぞれに各種の地域とか学校等必要に応じて作成された名簿と考えています。一方が不公平を助長するようなものとは思っていませんし、特別な意識とか感情をもって考えたことはありません。
◆《問・寺町》当町の学校教育現場での混合名簿の実施をどう考えますか?
《答・学校教育課長》学校では人権尊重の精神を基本理念としています。そういった教育現場である小、中学校の各学校の実情と実態を十分考慮して、必要があれば日ごろの教育的実践の中から新しく導入しようとする訳ですから、効果とか影響などを十分に考慮しながらその是非について議論し、実施していただければいいものと考えています。
◆《問・寺町》各学校での名簿作成方法の決定権限はどこに?
《答・学校教育課長》学校現場の実態を一番良く把握している学校長の判断で実施して頂いていい。
◆《再質問・寺町》 国際婦人年のナイロビ会議の報告では「男女混合名簿を使っていないのは、インドと日本だけ」とされています。県の男女共同参画プランにも、女性政策の一環として男女混合名簿の実現がうったてあります。
日弁連が小中学校の教科書を調査分析した結果では「女性の扱いが低い、性別役割分担を固定化している。男女平等実現への方策の記述が少ない」などとされています。 男女混合名簿の実施について、町内の校長の見解を聞いてみましたので紹介します。
『今のところ、別の方が体育などで便利なので、このままが良い』
『不都合があればと思うが、今のところは現状で続けて行く』
『何につけ、いつも男が前というのは好ましくない。ただ、今すぐに名簿を混合とは思っていない』
『名簿は事務的な面でしか使っていないけれど、本来的には混合が良い。何かの組織を作るときには混合で、と思う』
『将来はそうなるのがいいと思う』
『自分は混合がいいと思うが、町内一斉に実施するのがいいと思う』
などでした。
今後どうして行くのか、改めてお尋ねします。
◆《答・山崎町長》日本国憲法はすべて国民は法のもとに平等であって、人種、信条、性別、社会的身分によっては差別されないとうたっていますし、このような人間尊重の考えがすべての生活の営みに基本理念として貫かれていることが極めて大切なことです。ですから、この男女共同参画、あるいは男女混合名簿というのは当然我々も考えていかなければなりません。町の職員も、女性の登用を多く致しておりますし、指摘の問題とはちょっと違うと思っていますし、国際婦人年の話、インドと日本だけが男女混合名簿がされてないという話もありましたが、別段これによって、女性が大きく虐待されているというふうには私は思っていませんし、そして、男性と女性をですね、別に差別しているつもりは全くありません。差別ではなく区別をしているというふうに考えていただきたい。
◆《再々質問》 特に虐待しているとか差別しているつもりは無いということでしたが、実は差別の歴史というのは、無意識にそういったことが続いていること自体が差別な訳で、そういったことを一つずつ洗い直そう、それが男女共同参画政策です。 高富町の女性政策の窓口は、事務分掌上は教育委員会にあって担当者が位置付けられています。しかし、実態は総務課が窓口で、しかも、担当者がいません。女性政策への基本姿勢として、非常に後ろ向きです。早急な対策と「具体的な女性政策」の立案を!
【寺町のコメント】多くの男性が何も差別はしていないといい、一部の女性が現状に差別はない、と気軽に言います。まさにそのことが、差別を温存、助長している根本です。いろんな面で歴然と存在する様々な差別、この弱者の側は、声すらあげられない、どうにか声をあげても、全く通らない、それが、差別の現実です。差別問題の解決には、「自らは無自覚であること」を認識するとともに、社会的な場面でも、教育の場面でも、あらゆる場面で、改善の努力をし、施策を行う必要があります。