新しい風ニュース  115号(通巻147号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
  《なんでも相談》  どの政党とも無関係の寺町 ともまさ発行
       E-mail tera-t@ktroad.ne.jp 1999年7月7日

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選挙についての特集 その1  

◆《問・寺町》政治不信、政治離れが指摘されている中で投票率向上のために選管の苦労は並大抵ではありません。4年前の当町の選挙の前にも、町の有線テレビでの政見放送や選挙公報の発行を求める声が随分聞かれました。
 ・高富町のポスター掲示場の法定数は幾つですか?
 ・法定より減らす特別な事情は何で、その減数は?
 ・ポスターがより多く有権者の目にとまり、見たり、読んだりできるためには『法定数の掲示場の確保』と「設置場所の再検討」が必要ではないでしょうか?

《答・総務課長》ポスター掲示場の公職選挙法の法 定数は平成11年4月1日現在55カ所と算出されます。選管において各投票区の地理的状況、人口集積の状況等を踏まえたうえで減少の適否、数の検討をし、この度の県議選では、県選管の承認を受け、15カ所の減少を行い、結果的に、従来より2カ所増設し、総数40カ所とし、設置場所も一部見直しました。

◆《再質問・寺町》自治省の見解では、『特別の事情』とは、一つは「設置場所を確保することが極めて困難である場合」であり、高富町にはこういう場所はない。もう一つは「法定数のポスター掲示場を設置してもその効用が充分に発揮できない場合」とされており、もしこれが高富町に当てはまるとしたら、そもそも「現状ではポスター掲示場の意味がない」という事になってしまう。つまり、特別の事情に当たる理由は高富町には該当しない。国の見解からいえば、高富町は減数すべきではありません。

◆《問・寺町》選挙公報の発行を本年9月の町議選挙から実施してはどうでしょうか?

《答・総務課長》選挙期間が5日と短く、告示日に立候補届けのあった候補者から
返答を頂き、印刷発注、配布仕分け、各個へ配布の作業を行うのにかなりの時間を費やし、選挙期間で対応できなくなる可能性が十分に想定されるため、現在のところ選挙公報の発行については考えていません。

【寺町のコメント】徹夜してでも刷り上げてくれる印刷所もあります。仕分けや配布を民間委託すれば、極めて安価かつ素早く各戸配布できます。実際に実行している町村がある訳ですから、要は、予算をつける町の側のやる気次第です。

◆《問・寺町》高富町は、10億円以上の莫大な町費用をかけて設置した有線テレビという通信手段をもっています。町民の要望もたくさんあり、CCTでの政見放送を9月の町議選挙から、取り組むべきではないでしょうか?

《答・総務課長》当町は公職選挙法第151条の5の選挙運動放送の制限の規定により、同法違反となると考えられるためCCTによる政見放送は考えていません。 なお選挙時におけるCCTの活用については、文字放送での投票の告示、屋外拡声器などを使用した投票日等の投票の呼びかけに今後も最大限活用していきます。

◆《再質問・寺町》仮に、違反であるとするなら、私はこの十数億円をかけた通信媒体を有効に使うために、高富町としても国に対して、あるいは関係機関に対して、公選法上も放送を認めてほしいという要望を出してはどうか。

《答・総務課長》そのように今は考えていません。それはCCTを取り入れたときの目的も多少違うかと思いますので。

【寺町のコメント】CCT導入時点の目的を論ずるなら、現状の放送は一体何なのでしょう。これもやっぱり、やる気次第で、結論がかわります。


    公正な選挙の実現に向けて
◆《問・寺町》以下の行為は公選法で認められているのか、あるいは違反とされているのでしょうか(ということで、以下の@〜Fについて質問したところ、次のように、実質的に回答を拒否されました)

《答・総務課長》各事例について、公職選挙法上認められているか、違反とされているかのご質問ですが、各事例が公職選挙法上適法か違反かどうかの判断は司法当局の判断にゆだねられております。選挙管理委員会の権限外の事項でございますし、また個々の事例に対する調査権を選挙管理委員会は有しておりませんので、ご質問の件につきましてはお答えできません。なお、自治省が過去の選挙に関する事例を掲載した選挙関係事例判例集や公職選挙法の逐条解説書が選挙管理委員会事務局にございますので、必要のつどご覧のうえ参考にしていただきたいと思います。

◆《再質問・寺町》選管の事務局長の立場としての総務課長から、個々の事例については権限外であり回答できないという事でしたが、私は非常に悲しい。そういった選管の姿勢、総務課の姿勢が、いろいろな選挙違反行為を温存させているのです。今この手元の本は、『統一地方選挙の手引き』といいますが、私の質問のほとんど全てはここに書いてあって、自治省がそれはできませんと言っている。私は、それをあえて高富町選管のお言葉で聞きたかったんですが、非常に悲しい。住民から問い合わせがあった時、この種の行為はダメ、と答えないから、同じことが続くと考えざるを得ません。

【寺町のコメント】以下@〜Fが議場での質問項目ですが、どれも自治省選挙部監修の手引きに書いてあることで、違反とされています。こんな明瞭なことにも、選管が判断を拒むという高富町的体質が選挙違反を温存していると、私は考えます。私と同じように考える住民の皆さんは結構多いことでしょう。
 どちらにしろ、選管は何も言わない、という事ですから、今後は、直接県警本部に通報しましょう。何でしたら、その前に、当方にお問い合わせください。
 以下は、自治省が選挙違反と指摘していることばかり。このQ&Aで自治省は、はっきりダメとしています。本に書いてある文言そのままのところを、「 」で記します。
 @「選挙事務所に陣中見舞いなどとして酒などを届けることあるいは受け取ること」
[寺町のコメント】当然、持って行った方も、もらった方も、違反です。これについて、町の選管の言い分は、町外からならよい、との考えのようですが、選挙権の有無だけでは判断つかないことです。だからこそ「やめるべき」これが物事に慎重な選管のすべきことです。

◆第三者が候補者の選挙運動の激励のために、いわゆる陣中見舞として候補者等に飲食物を提供する場合も、「選挙に関する」ものである。

◆「飲食物の提供が禁止されるのは、選挙人に限らずすべての人についてである」

◆「陣中見舞いとして酒一升を贈るのは差し支えないか。選挙運動に関して飲食物を提供する行為として、139条違反となる」  
 候補者が選挙区内でなすことは当然禁止だが、その周辺のものも同じ。また、逆に

◆第三者が候補者や選挙運動員に提供する場合も禁止される。 つまり、選挙の陣中見舞等は、提供することも、されることも、「飲食物提供禁止」に該当します。
 当然に、事務所に届けられた、酒やビールなどを選挙事務所あるいは一連と認識される建物で提供することは一切禁止されています。

 A「選挙後に、もらった酒や他の物品等を自治会等の役員や各戸に配布すること」
【寺町のコメント】市町村議員といえど、政治家はすべて、選挙投票日の翌日から、次の選挙の候補者として位置付けられています。現職の政治家及び立候補の意志のある人の行為は、選挙翌日から4年間ずっと規制の対象ですから、上記の場合も、その人が政治家をやめた、という明確なときを除いては、選挙前と同様に厳しく禁止されます。裏で、誰かに依頼しようと同じです。選挙後のお礼状さえも禁止なのです。

◆候補者等は選挙区内にあるものに対して、いかなる名義をもってするを問わず寄付をしてはならない。その寄付が選挙に関係すると否とを問わず、また、時期のいかんを問わず禁止される。

 B「選挙事務所そのもの、あるいは明らかに関連する別棟において、法定数の運動員等以外に食事を提供することあるいは、提供を受けること」

【寺町のコメント】投票を依頼する目的の有無に関係なく、事務所で食事を運動員以外に出すことは選挙違反です。事務所を離れた別宅とか、飲食店がいけないのは、当然です。また、食事数には上限がありますから、選挙中においては、俗に連日、毎食の「炊き出し」、というような態様はあり得ません。

◆「運動員と労務者に対して提供する弁当について、どこで提供できるか。選挙事務所においてのみ提供できる。」

◆(弁当は、法定の)運動員と労務者に対して、選挙事務所で渡すものだけ提供できる。陣中見舞いに来た選挙人(有権者)等には提供できない。

◆「運動員が飲食物の材料を持ち込んで加工し、第三者に提供しても差し支えないか。違反となる。」

 C「候補者等が、町内のお祭りに酒を差し入れたり、町内会のスポーツ大会に際してカップや記念品を贈ったりすること 」

【寺町のコメント】これは、自治省のQ&Aに禁止と書いてあります。

◆「候補者等が、町内会の野球大会に際してカップや記念品を贈ることはどうか。
罰則をもって禁止される。」

 D「4月の町内各地区の祭礼において、候補者たる者が本人名あるいは屋号で寄付行為を行ったこと」

【寺町のコメント】前問同様禁止。寄付の対象について ◆「当該選挙区内にある者」とは、区域内に住所を有する者だけでなく、一時的な滞在者をも含み、かつ、人、法人だけでなく、人格のない社団(例・自治会やPTA)も含む とされています。 さらに、候補者等が、 ◆いかなる名義をもってするを問わず とされ、つまり、有権者やそれらの団体に対して、適当に名義を変えてもいけない、ということです。

 E「候補者が任期満了90日以内に行なう集会や旅行に際して、「必要やむを得ない実費の補償」として最小限の旅費実費相当を負担すること」

【寺町のコメント】禁止です。他に、 ◆饗応接待が行われるもの、その選挙区外で行われるもの への旅費や食費の負担も、同じように禁止です。

F「以上のどれかに該当した行為者及び提供・供与を受けた者はどうなりますか?」
[寺町のコメント】略。詳しくは、選管ではなく、直接、県警本部に聞いてください。 実際に、「酒等の陣中見舞い、提供はご遠慮願います」などと選挙管理委員会名の入った大きな看板を作って、各選挙事務所に掲げさせている自治体もあります。これも「公正選挙」を実行しよう、という気持ち次第・・・。 

 《特集は次号に続く》