新しい風ニュース 119号(通巻151号)
たかとみの環境とくらしを考える会
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《なんでも相談》 どの政党とも無関係の寺町
ともまさ発行
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1999年9月7日
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《汚職や不正のない町に》議員・町長の倫理条例成立
97年5月の町長汚職事件の反省から、議員・町長の倫理向上、確保のための画期的な倫理条例が9月議会で成立しました。
このもともとは、汚職事件後、住民の皆さんから出された倫理条例制定などを求める請願が発端になっています。しかし、議会は面子(メンツ)を重んずるのか、請願を否決しておいて、議会で案を作った条例を町長提案として可決しました。
私は、この原案作りにもっとも深くかかわった一人と自負していますが、最終的に町長から出されたのは、緩やかな規定で、他の議員もそれに同意してしまいました。 倫理条例の成立は大変よいことですが、骨抜きのこの案には到底賛成できません。最も力を注いだ条例案に反対しなければいけないなんて、皮肉なことです。
皆さん、この倫理基準と議員や町長の行動、身辺をよく照らしてみてください。
そして、あなたのご意見をお聞かせください。
《私が骨抜きと思うところ》
第3条の(7)に関することです。地方自治法では、首長や議員などが、その自治体と取引のある個人商店や企業の役員になることを禁止しています。ただし、このときの「関係の深さは何%まで」とは書いてありません。これをどう考えるかです。
私は、町の取引業者との癒着で汚職事件があった自治体の倫理条例として、明確に一線を画すべきで、少しでも取引のある業者は公職についてはいけない、町長や議員になってはいけない、公職につきたいならその仕事をやめてからにすればいいことを基本に、原案づくりに臨みました。しかし、他の議員が、緩やかな事ばかり主張し、そのままでは成案が危ぶまれたので「関係業務量が30%程度」に妥協しました。これが、町長提案で更に緩やかになって、地方自治法そのままになってしまいました。
《条例の要点》
第1条は目的を、第3条では「倫理基準」を明確にし、第4条で基準への適合を調べるなど役割を持つ「倫理審査会を設置」し、第5条では疑いをもたれたときは、当人に「自主的な解明」をすることを求めています。第6条では「町民の調査請求権」を直接請求の手続きと同じ方法によることで保証し、これが出されたときは、審査会が第3条の基準にあっているかを調査審議し、必要な措置を勧告する、というものです。また、第10条では、贈収賄等で起訴後には、説明会を町長(議長)が開催し、当人はこれに出席し、釈明することを定めています。
6月議会 一般質問の報告 地球環境村
◆《問・寺町》ガス化熔融炉の技術は未来の技術と言えるのか?
《答・企画課長》私ども現在勉強中でこれが未来の技術かどうかは判断できません
◆《問・寺町》ガス化熔融炉は未来の技術といえるかどうか判断はできない、との回答でした。基本的な認識として県とか地球環境村の財団、高富町は「熔融炉ありき」ですべて計画を進めています。ここには重要な観点が欠けています。それは、技術としての完成度とか安全度ということの前に、政策的な観点です。何かといいますと、熔融炉はすべてのゴミを一緒に処分・処理しようというもの。この時に熔融炉で「熔かす」ためには温度が出なければいけない、つまり高い温度が必要です。このためには特に石油系のゴミがそこに沢山含まれていないと温度が上がらないわけです。温度が上がらなければ、熔融炉は成立しない、そういった技術なんです。
そこで振り返ってみますと、今の社会というのは10年ほど前まではいろいろなゴミをごっちゃにして出していました。そしてゴミが増えて重大な問題になってきて、地球環境全体の問題、あるいは政策的な判断から、ゴミの減量化、分別、リサイクルなどを、行政の中でも、企業の中でも住民の中でもやって来ました。その結果、高富町も今は非常に進んだ分別を行っています。社会のこの方向は将来も変わっていかない、というより、ますます分別が進み、リサイクルが進み、企業から発生するゴミも減らされる、石油系のものは極力減らす、これが社会のあるべき姿としてみんな認識として一致している訳です。そういったことを考えますと、「従来のゴミ処理の方法」を前提にした熔融炉の技術をいくら追求し、安全だと考えても、そもそも社会が石油系のゴミを出さない方向にいく訳ですから、そこで熔融炉という技術が本当に必要になるのか、実用技術として成立するのか、そういう本質的な議論が出てくる訳です。その点を抜きにした技術論、安全論では地球環境村の是非が見えてこない、この点を担当者の皆さんよく考えていただきたい。
【寺町のコメント】県議会7月1日の一般質問では、地球環境村に関して「岐阜圏域におきましては、高富町長さんが大変にご熱心で、特定の地域で地球環境村を建設するということで、鋭意、地元説明等に精力をつぎ込んでいただいております。その推移を現在、見守っておる」との県側の答弁がありました。高富町議会での答弁とは、まったくニュアンスが違います。この違いは、一体何なのでしょうか?
新しい風ニュースでみた今後の課題−1
◆ 《情報公開》
役所のもっている情報・データや計画は、すべて住民の皆さんのものです。
その情報を提供し、みんなで考えて行く、それが情報公開です。
◆ 《介護保険》
広域行政で進めたら高富町の福祉が後退するおそれがある、と強く反対しました。しかし私以外の全議員の賛成で、山県郡の福祉事務組合がスタートしました。
私は、住民の皆さんの利益、立場が一番大事と、訴え続けています。
◆ 《下水道計画の見直しを》
公共下水道は不経済、不効率などと全国的に批判が強くなり、計画を見直す自治体もあります。私は、莫大な費用と年数がいるから見直すべき、と指摘してきました。わが家も合併浄化槽を実際に設置しています。しかし、町は、下水道懇話会を設置し、方向性を検討。公共下水道への道を進んでいます。
◆ 《教育全般》
児童館設置について、かつて、教育長は慎重、住民課長は前向きでした。
現町長は、就任当初は富岡に必要と述べていましたが、今は具体的な計画は進められていません。早期実現を目指す必要があります。
前町長や教育長が公園を造る、計画策定中と述べていながら、現在は、計画策定が全くストップしています。→身近な公園づくりが大きな課題です
◆ 《学校給食調理場のセンター化構想》
99年3月議会で取り上げなかったら、いつの間にやら既製事実になっていたことでしょう。センター化では食中毒の危険が増大し、食の質も落ちます。
今の自校方式の調理場の多目的活用や、お年寄りへの配色サービスや給食に利用することを考えることの方が、子どもたちの健やかな未来のためには重要です。
◆《お年寄りの給食サービス実施を》
一人暮らしのお年寄りへのサービス。一時は前向きな回答をしていた担当課長もいましたが、いまは大幅後退。岐阜市は、年間通じて実施中。