新しい風ニュース  122号(通巻154号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
  《なんでも相談》  どの政党とも無関係の寺町 ともまさ発行
       E-mail tera-t@ktroad.ne.jp 1999年1月4日

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 現在、高富町では、町の広報や印刷物などを自治会を通じて配布してもらっています。しかし、自治会長への負担が大きいとの指摘があります。愛知県内の市町では、専門員に有料で配布作業を委託しているところもあります。
 9月議会一般質問で町の見解を質しましたが、現状のままでよい、の強硬姿勢。
 これは大きな問題なので、詳しく紹介します。ぜひ、ご承知ください。

9月議会一般質問から (99年9月9日)

  自治会長の職務軽減のために、
      広報配布は外部に委託を

◆《問・寺町》高富町が自治会長に日常的に依頼している仕事はどういったことか?
《答・総務課長》お願いしている業務は、町、県などの広報紙の配布、カーブミラーやガードレールなどの交通安全施設や街灯の設置要望の取りまとめ、消防ホースや消火栓、そして土木事業の要望の取りまとめ、ごみ分別収集への協力など。
 広報の配布システムは、役場職員が自治会長のお宅へ配達し、その後は、会長が全会員宅へ直接届けるケース、会長から班長に、そして会員へ届けられるケース、当番制で対応しているケースなどさまざまの形態がある。

◆《問・寺町》 自治会及び自治会長への補助金、その目的と、その交付額は?

《答・総務課長》自治会長の1年間の活動費として自治会長活動費補助金が405万4000円、各自治会内だけでなく、広域にわたって情報交換、交流を目的とした自治会長研修事業費補助金195万円、コミュニティ活動を活性化するための自治振興助成金405万4000円で、合計1005万8000円。
 自治会長活動費と自治振興費は70世帯前後の自治会ではそれぞれ5万円程度。

◆《問・寺町》 高富町では約1割強の方が自治会に入っていない。自治会未加入者に町の広報が届いていないのは明らかに不平等、不公平である。町の見解は?

《答・総務課長》どちらも大切な町民の方々であると認識している。広報は、役場総務課の窓口、各公民館に常に置いているほか、休館日や祝祭日、夜間も、役場の宿直室にて常時配布サービスを行っており、より多くの人々に行き渡るよう努めている。この方法は、その利点も大きく、未加入の方にも配慮している。

◆《問・寺町》 例えば、愛知県の長久手町とか日進市、瀬戸市、尾張旭市などでは、住民の方の中から公募したり、依頼したりして、広報の配布作業を委託している。高富町には、高富シルバーという高齢者能力活用協会が以前から活動している。このシルバーの活動は、お年寄りの能力の発掘や発揮、社会参加や生きがいの創出として期待されているが、これらの団体に町の広報などの配布物を委託してはどうか?

《答・総務課長》 近隣市町村においても、既にシルバー人材センターに自治会長宅へ配達委託を行っている市があり、委託後は職員の業務量の軽減に大きな役割を果たしたという。しかし、各戸へは依然として自治会組織に委ねる形態を残している。今の方法は自治会あるいはその地域での連帯意識の構築に大変貢献しており、意義深いものがあると認識している。

◆《問・寺町》地方自治法で住民は「法律の定めるところにより、その属する地方公共団体の役務の提供を等しく受ける権利を有し」と基本的に定められている。
 先ほどの愛知県の市町では、実際に、例えば1部30円とか35円という配達手数料を設定して(毎号全所帯に配って)いる。これによって、
 @自治会長の負担が減る
 A配布は3日以内に配るといったようなルールで、速やかに配達される
 B実際に委託料として出る金額は1部幾らで設定した方がかなり安くなる
 C自治会の未加入者にも等しく届くようになる
 Dシルバーなどの団体にお願いすれば、仕事の確保にもなる

 だから、一石二鳥ではなく、一石何鳥にもなる。それにもかかわらず「地域の連帯に役立つから続ける」という答弁だが、広報を自治会長、班長、役員が配布することで連帯が高まるというものではない。地域の連帯というのは地域の活動の中で確保されるもの。自治会配布にこだわる理由は?

《答・総務課長》 自治会に出している補助金は、広報などの配布のみに支出している補助金ではない。シルバーに委託するなら、また別に費用が必要になる。
 本町としては、自治会長あるいは班長など、各世帯に配布していただくことで地域のつながりや連絡体制などが円滑に行われるものと考えている。だから、委託は考えていない。愛知など、何年か経っての結果報告を聞くと、自治会の崩壊につながるという話も聞く。

◆《問・寺町》例えば日進市などは日本で一番人口増加率が高く、その隣の長久手町も同じよう。そういう都市化の状況が自治会の加入率を低くしているのであって、広報配布を委託するかどうかの問題ではない。
 (高富町の将来を暗示していると思う) 今年の岐阜県広報課のひとつの課題は「自治会の加入率が都市部ほど低く、県の広報紙が末端まで届いていない。この問題を解決するよう今年1年間で取り組む」と、今年3月の新聞に大きく報道されている。担当者は「税金でつくる以上、何とか末端まできちっと届けたい」と、意欲を持って問題解決を探っている。「水道の検針員にお願いする」とか「専門の配達員を設置する」とか、いろいろな方法を現在検討中だ。県は、町の答弁のような連帯云々ではなく「住民が等しく権利を受けられる方法を考える」という。先程来の答弁というのは時代錯誤ではないかと私は考える。

《答・総務課長》希薄になった地域内のつながりを強めていくことは大変重要なこと。自治会長、班長、班員などが各家庭を毎月回っていただくことは近隣のコミュニケーションをとることができる場所で、一番大切と考えているので、配布委託は現在は考えていない。今までのような実態で進めていきたい。

◆《問(意見)・寺町》地域のつながりが広報紙を毎月配る作業で確保できると考えているところが地域のコミュニケーションを認識していないと思う。つながりは、地域活動をする中で深まっていくことであって、事務的に配達するということとは別だ。

【寺町のコメント】 公共施設に置くことはどこでもやっています。仮に1部30円で配布を委託すると、30円×5500世帯×12ケ月=198万円です。自治会長活動費補助金の400万円の半分です。しかも、「くらしと県政」配布は、県から1回1部7円が別におりてきています。裏面に書いた@〜Dのメリットを考えれば、今のやり方より、専門の配達員に委託するとか、シルバーの団体に委託する方がはるかに望ましいことは明らかです。 そして、選挙公報を出しても、すぐに配れます。
 これは、住民の皆さんの自分たちの問題として、強く意見を出してください。
 ついでながら、以前から、自治会長研修事業として、忙しい中でバスで旅行に行って飲み食いすることは不要、という声をきいています。
 ワープロを打ちながら、テレビからの声に驚いて見ると「政治家の寄付は禁止、もらってもだめ・自治省」とCMが流れていました。7月8月と、このニュースで何回もお伝えしました。それでも、素知らぬふりで平気で物を配る候補者にあきれ、最近は「私はこうして金をわたされた」という人に実際に話を聞きました。


 高富の産業廃棄物処分施設の計画はダントツ
御嵩産廃処分場の問題の最中に岐阜県が設置した「県廃棄物問題検討委員会」は、11月5日に会議をもちました。この日の資料には県内5圏域ごとの地球環境村の現状が説明してあります。他の地域は遅々として進んでいませんが、岐阜圏域だけは、高富町の貢献で最も進んでいることが報告されています。 

  (資料の一部/省略)


      高富町議会は推進か?!

 先日、廃棄物問題に詳しい町外の人から、高富町議会は推進で動き出したのか?
熔融炉に加えて、埋め立て処分もやるのか?と問い合わせがありました。驚いた私は、議会として推進なんてことはあり得ないので、議長にも確認するなどしました。
 11月26日(金)、地球環境村・ぎふの財団関係者を役場に呼んで、議員有志が話を聞きました。議長は、勉強のために集まっただけ、としています。参加者は、
武藤、影山、後藤、村瀬(隆)(明)(伊)、渡辺、浅野、武山、中村、久保田、鬼頭
の12人の議員諸氏。どういう理由で、誰が参加しなかったかは、注意深く見ていただければ想像にかたくありません。ちなみに、私に声はかかっていません。
 私は、この中に、地球環境村はあかん、という人がいることを知っています。しかしこの後、早速「地球環境村はいいぞ」と広報する人もいるとも、伝わってきます。 高富の大多数の人が「産廃処理施設はやめて」と願っているのに、今すでに、議員の多数は環境村推進なのです。議員や職員には、様々な内圧、外圧がかかります。それぞれの方に一票を投じられた有権者の皆さん、しっかり歯止めをかけてください。 未来ある子どもたち、孫たちのためにも、この町によその産廃を処理する施設はいりません。住民が自らの責任で意思表示をすることしか、計画を推進をしようという“大きな力”をとめることはできません。
   自分のまちは自分で守ろう!