新しい風ニュース  125号(通巻157号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
  《なんでも相談》  どの政党とも無関係の寺町 ともまさ発行
       E-mail tera-t@ktroad.ne.jp 1999年12月29日

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 今年もいろいろとお世話になりました。高富町の将来に、最も大きくかかわることの一つの“地球環境村” 《ゴミ処理施設誘致計画》 の特集を今年の最後とします。


 産廃処理施設計画周辺 12月22日・議会一般質問から

      椿野の山林整備事業について
◆《問・寺町》県が進めている生活環境保全林整備事業は、昨年、地元の役員の了解でスタートしたが、今年、一般の住民の皆さんが、産業廃棄物処理施設の計画との重なりや、その誘導事業ではないか、などの不安を強くもち、事業がストップしている。
《答・産業課長》森林整備等を総合的に実施する治山事業で、国と県が事業費を負担、県が行う事業です。昨年9月8日「椿野共有林管理組合」の承認を得ました。

◆《問・寺町》今年秋、整備する山林の賃貸についての「町と地元との契約書」案に対して、地元は、条件をつけているが、その注文で最も重要なのは「住民感情に反する産業廃棄物、生活廃棄物の処理場は関係ないこと」とされていることに尽きる。この条件とは、山林整備エリアだけでなく、そのふもとの特別養護老人施設エリア、福祉村エリアなどについて「これらを含めて、関係ないことを明記すること」ということが地元と町の双方の理解、ということでよいか?

《答・産業課長》地元の要望は、山林エリアも含めて椿野地区全体に地球環境村を誘致しないように求めているもので、町としてもそのように理解しています。

◆《問・寺町》今年度の事業(費)、来年度以降の事業の見込みはどのようか?

《答・産業課長》本年度は、対象地の各工区ごとの面積を把握するため、7月に県において(赤い)測量杭が打たれ、(設計を済ませて)本年度分の工事発注を10月から行っていますが、地元からの折衝で工事が凍結しています。本年度は約1億円の事業費で、5年間、10億円で憩いの森を造成するものです。

◆《問・寺町》地球環境村の計画がなければ、予定通り、山の整備がなされたのか?
《答・産業課長》現在、地球環境村の地元誘致の懸念が事業推進の妨げの要因となっていることも事実です。町としては、この事業は地球環境村と関係ないことをご理解いただき、推進してまいりたいと考えています。


  福祉村とゴミ処理計画は重なるのか?
◆《再質問・寺町》環境村への5億円の補助金にこだわるばかりに、10億円の山の事業がストップしてしまった、大変ショッキングな状態。先に町長が13ha、日本一のものにとの答弁だったが、そのずっと前の段階で、地元がノーといっている。
 産廃処理計画について、9月議会で「構想の推進は関係地域の皆さんの合意を得るのが大原則。しかし、高富町の全町民の合意までは、想定していない」との答弁がなされ、町民にはとても納得できない思が広がっている。


 福祉健康村の用地の面積、金額や取得状況は?

《答・企画課長》現在登記 中のものも含め、約45000uで、金額は約6億円程度です。これは取得予定 面積の約80%になります

◆《問・寺町》用地取得に当たって税務署に課税免除を申請しているが、そこでは純粋に「まるごと福祉健康村」の用地として承認されているのか?

《答・企画課長》福祉健康村の基本計画に基づきき用地(個人所有の約59000
u)として税務署から確認書を頂き、施設の内容、位置、規模など、福祉と健康に関連する施設であれば、若干の変更は許容範囲と、県に確認頂いております

◆《問・寺町》福祉村の事業用地全体と、産業廃棄物処理施設のための環境村の事業用地全体について、一部エリアが重なる、そういったことはあり得ないのか?

《答・企画課長》福祉村用地には、まるごと福祉健康村基本計画に沿った施設を配置します。そこで、地球環境村構想でいう個別的施設、いわゆる健康、福祉、文化、スポーツ、生涯学習などの各種施設は重なります。一方、地球環境村構想の基本的施設(廃棄物を熔融処理してガラス状のスラグにし、路盤財等に再利用するリサイクル処理施設)については、このエリアと基本的には重なりません。


 熔融炉を造るなら、養蚕施設のところ!

◆《再々質問・寺町》今の答弁で、地球環境村の計画のうちの、ゴミ処理施設以外の付属施設は福祉村と重なってくる、という事が初めて表明された、と理解する。すると、産業廃棄物処理施設の本体、熔融施設の用地というのは、椿野の土地の奥の左側、「かいこ」を飼う養蚕施設の管理施設の洞、この谷しかないことになる。ここは全て、地元3地区の共有地。ここに処理施設、熔融炉を造るしかない、ということが絞り込まれてきていると認識してよいのか。

《答・企画課長》椿野地域全体を考えたレイアウトについては、必然的にそうなるのではないかと思っています。先程町長がお答えしたように、県ではいろいろな計画があるようですので、今後それらについて明らかにし、まずは地元の方々に耳を傾けていただけるのなら幸いと思っております。

◆《寺町》椿野の奥の養蚕施設のある谷しかない、必然的にそうなる、との答えだった。これは非常に重たい言葉だ。この一帯は、山の上に城山などがあり、10億円で整備していく事業を、環境村というまだ具体的に何も分からないことのために“ふい”にするのか、今その瀬戸際だ。しかも来年の3月までに事業にとりかかれるかどうかが分かれ道。
 ぜひ、行政、そして地元の皆さんも慎重に考えていただきたい。

【寺町のコメント】町民全体の合意が必要なのは当然ですが、所有権という意味で、究極的には、一番の地元の市洞、栢野、市場の3地区の共有地の売買問題に集約されます。
 代表には、さまざまの圧力がかかります。いつか、将来「代表権のある人が判を押さざるを得なくなって、土地が売れてしまった」という事のないように、「全員合意がない限り所有権は動かない」という担保が必要なのではないでしょうか・・・