新しい風ニュース  129号(通巻161)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
  《なんでも相談》  どの政党とも無関係の寺町 ともまさ発行
       E-mail tera-t@ktroad.ne.jp 2000年3月25日

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     3月議会 一般質問 から    


介護保険と高富町の福祉サービスの展望は
◆《問・寺町》介護保険開始まで、残すところ2週間となりました。国の政策がたびたび変わり担当職員の皆さんは、さぞご苦労されたことと思います。
介護保険の申請・認定は順調でしょうか?
 不服の申立は? あればその対応は?

《答・保健課長》2月末現在での申請状況は予定者数276名中264名で達成率95,7%です。不服の申し立ては2月末までに8件。内訳は、在宅介護支援センターで1件、町で5件、山県保健福祉事務組合で2件、対応しています。
 納得が得られない場合、県の介護保険審査会に対して審査請求する事ができます。

◆《問・寺町》ケアマネージャーの不足が心配されていますが、町の対応は?

《答・保健課長》ケアマネージャーは少し不足も考えられるため、町も指定居宅事業者になって実施します。

◆《問・寺町》サービス必要量から見て、供給量が不足しているサービスと、その対応はどのようですか?

《答・保健課長》デイサービスやホームヘルプ事業など在宅サービスにつきましては、ほとんど供給できると考えていますが、特別養護老人ホームにつきましては不足が考えられるため、平成14年度までに30床ほど増床する予定、とのことです。

◆《問・寺町》高富町は組合のサービスを補い、町民の福祉をさらに向上させる意味で、とてもユニークで注目に値するミニデイサービスを始める予定ですが、この事業の経緯と内容、事業主体はどのようですか?

《答・保健課長》介護保険からもれる方を対象に、生きがいづくりによる寝たきり予防、痴呆予防、閉じこもり防止、高齢者の自立を促す、介護保険給付対象となる時期を遅らせることを目的に、町内7カ所の公民館などを利用してレクリェーション、創作活動、奉仕活動、健康チェック、談話、昼食会などを行い1日を過ごしていただく事業です。また、地域で高齢者を支援していくという考えから、この事業にボランティア組織の活動の場を提供し、地域ケア体制の活性化を図っていきます。

◆《問・寺町》高齢者や障害者への劣悪なサービスのおそれが強く懸念されています。国は2月29日、介護保険を第三者が点検・監視するオンブズマン委員会の設置を表明。独自に設置する自治体もありますが、組合及び高富町はどうでしょうか?

《答・保健課長》現在のところ組合では考えていないとのことです。町としては、サービス提供をうける町民に事業者の情報を公開する立場から、第三者評価システムの構築をはかっていかなければなりませんが、介護保険のサービス提供事業者が対象となるため、保健福祉事務組合に積極的に働きかけていきたいと思います。

◆《問・寺町》高富町の福祉の実際は、社会福祉協議会に依存しています。新年度から始まる、地域の方たちが自宅も活用して託児や子どもの世話、送迎を、有償のボランティアとして子育てサポートする「コミュニティママ」事業も社協に委託されます。 しかし、介護保険では、介護を受ける側が15、6の指定業者の中から選択できることから、社協は民間の業者との激しい競争の波にさらされます。社協の経営、運営には大きな不安を感じますが、将来展望はどのようでしょうか?

《答・保健課長》一番目に模範サービス事業者としてのリーダーシップを発揮する事業者、二番目に福祉のエキスパートとして地域福祉サービスの内容を考えサービスを作り提供していくための支援事業者になることにより、競争原理すなわち経営努力が働き、今まで以上に事業の活性化を図ることや、指定事業としての自覚が生まれ質の高いサービスを提供しようとする機運が高まるなどのメリットが考えられますが、事業部門の業績悪化により経営が危機に陥ることも考えられます。


◆《再質問・寺町》十分な経営努力、企業努力を社協がせずに、赤字が出たら、町長が会長をしている社協に高富町が赤字を補填する、こんなことはとても認められません。両者のトップである高富町長が社協に厳しい経営者感覚を要求し、競争原理に立ち返るよう方針を転換することが必要です。きちっとその方針をもっていただきたい。

《答・町長》ご指摘の通りで、選ばれる支援事業者になれるように、地域の福祉サービス事業者のリーダーシップのとれる職員教育を行い、職員の意識改革、職員の技術の向上、企業感覚をとりいれ、環境の整備等々、体制作りを進めて行きたい。

◆《再質問・寺町》社協が新年度、介護保険のことで一杯になることは確実ですから、新しい事業は、高富町行政の方でしっかり、定着をはかることが必要です。そうしないと、せっかくの素晴らしい事業が、不調に終わる、と心配です。新しいミニデイサービスやコミュニティママという子育てサポート事業は、当分の間は、社協にまかせるのでなく、高富町が支えることが必要ではないでしょうか。

《答・町長》町が事業を支えるように大いに頑張って行きたい。

【寺町のコメント】社協はいわば、町と一身同体です。福祉事業に経営者感覚は、普通はそぐわないものです。しかし、福祉現場の組織運営や姿勢自体は、改善の余地が多々あります。いろいろな皆さんのご意見をお寄せくだささい。


  お祭りでの公職者の寄付行為は禁止!
  選挙で選ばれた特別職公務員、つまり、議員や首長は、公職選挙法の定めで、選挙区内においては寄付行為が全面的に禁止されています。
 つい先日も、平田町で町議が神社に寄付したことで、書類送検されました。
 昔は、こういう定めはなかったので、ついつい気楽に考えがちですが、決してゆるやかではありません。議員や首長にも、県の選挙管理委員会等から、解説の文章、チラシやパンフが時々配られて、注意を促しています。知らなかった、というのはあり得ない状況です。
 4月第一の土日は、岐阜・高富地域もお祭りです。
 これら特別職の人が、特別職であるがゆえに、選挙区内で、祭りや行事にかこつけて物を提供、贈呈したり、お金を出したりすることは、一切できません。

 ○千円であろうと、酒一本であろうと、同じことです。

 特別職であるがゆえに、これら寄付行為を行うことは、その“ねらい”として人々に影響を与え得るからです(“ねらい”が明らかだからこそ、禁止されています)。 これら特別職の寄付行為を、聞いたり、遭遇したら、記録をとる、写真を取っておく、証拠を残しておく、などしてください。みんなが監視しているぞ、と言うことが大事です。そして、警察に届けることです。警察も、岐阜県ではありませんが、全国での警察不祥事の影響で、今は、敏感に動いてくれることでしょう。
 ご自分ではやりにくい、と言う方は、ご連絡ください。
 町のレベルが上がることは、その地域の住民の意識が上がることの結果です。


 監査委員条例の全部改正(ぶっつけ本番の質疑から)
◆《問・寺町》監査委員条例は、町が独自に改正するのか、法改正などに伴なって国や県からの指示によるのか。

《答・総務課長》全体的に監査機能の充実を図るために、町独自で条例の見直しを行いました。

◆《問・寺町》第6条の「財政的援助を与えているもの等に対する監査」を新設する趣旨と目的はどのようか。

《答・総務課長》この趣旨は、各種団体の監査を行うことができる旨を明確にしたと、いうこと。補助金を交付する団体等の監査ができますよ、という前向きな姿勢で取り組んでおりまして、今後、補助金の適正かつ公正な交付を行うことができる、これは行政改革が行えるもの、というふうに思っております。

◆《問・寺町》第9条の「公金の収納等の監査」を新設する趣旨と目的はどのようか。
《答・総務課長》地方自治法第235条の2第2項等で金融機関が取り扱う公金の監査ができるとなっておりますので、これも町の条例としてその監査をすることができるのを明文化しました。

◆《再質問・寺町》「財政援助団体」「公金の収納等」の監査について、事前通知の日数を7日前までとしているが、そんなことをしたら、書類の整理や数字をきちんとしておきなさい、というようなもので、実効性がなくなってしまうのではないか。

《再答弁・総務課長》普通の会議のときは一週間前くらいに通知を出すのが妥当です。それから外部団体におきましては、やはり帳面をつじつまを合わせるとかそういう意味ではなくて、その担当者達が、その日におれるかおれないかという事もございます。それでやはり一週間前ぐらいにお知らせしないと他の会議なども入っているかも分かりませんので、そういう意味をもって7日前と決めています。

◆《再々質問》補助金団体などの事についても公正適正を確保したい、とのことでしたが、実際に監査に入ることはそうないと思います。この条例が成立したら、まず「こういう条例を高富町はつくりました。ご承知下さい」と通知することでかなりの効果が出るのではないかと考えますが、その点いかがでしょうか。

《再々答弁・総務課長》おっしゃる通りだと思います。今後こういう条例をつくったことによって、各種、補助金を交付されている団体の方はやはり適正に補助金の支出をやっていただけると思います。今のところでは通知は考えておりませんが、また検討したいと思います。

【寺町のコメント】私から見て、注文がない訳ではありませんが、充実し実効性のある監査をしたいという、非常に素晴らしい改正の目的、しかも、町独自での改正です。 地方分権の時代、それは地方の実力と意欲が試される時代です。頑張ってください。