新しい風ニュース  133号(通巻165号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
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  《なんでも相談》  どの政党とも無関係の寺町 ともまさ
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 高富町議会3月定例会 一般質問から

  公正な選挙と自由な地域社会の実現に向けて
 高富町では6月に町長選挙、議員補欠選挙があります。岐阜市で選挙違反が問われいる今、町や選管、そして町民の皆さんに改めて選挙を考えていただきたいと質問しました。しがらみにとらわれない、自由で闊達、民主的な地域社会を目指して。  

◆《問・寺町》 1月の岐阜市長選後、幹部職員3名が「公務員の地位利用によって特定候補のための運動をした」として順次逮捕された。自治体職員と選挙について問う。 @後援会事務所や選挙事務所への出入り A後援会や候補者への寄付 B後援会の名簿集め C名簿を使って電話かけをしてくれとの依頼  これらは良いか。

《答・総務課長》 「地位利用」とは、具体的には、職務上の組織や身分の上下関係を利用したり、許可、認可等の職務権限を利用して行う選挙運動等があたる。質問の4例については様々なケースが考えられるので、一度に答えるのは困難。
 今年、町長選挙、議員補欠選挙、参議院選挙が予定されており、公務員として地位利用による疑念等を持たれないよう、職員の綱紀粛正等について徹底していく。

◆《問》 2年前の議員選挙の立候補予定者説明会で、町選管は、参加者からの「候補者のポスターやハガキに自治会推薦と書いてよいか?」との質問に対して、県の見解として次の主旨を回答した。 【自治会の全部の世帯からの参加がある総会で、一人も反対のない全会一致で決定された場合であるなら『自治会推薦』という言葉が使える。なぜなら、投票は個人の権利であるが、この『投票』という権利を誰かが束縛することになってはいけないからである。しかし実際には、全員参加の総会で全会一致ということはまずないだろうから、実質的には自治会推薦という言葉は使えない。】 そこで以下、質問する。
 自治会長や役員が後援会の活動や集会のよびかけなどをすることは、許されるのか。

《答・総務課長》 「自治会長」という肩書において特定候補を推薦し選挙運動等を行うことは、自治会と行政の密接な関係から十分注意していただく必要がある。

◆《問》 前町長の汚職事件(97年)を反省して作られた高富町倫理条例の第3条の6号では「町及び特定団体から委託又は補助金を受けている団体等を自己の利益のために不正な方法で利用してはならない」としている。高富町内の自治会はこの団体にあたるか、他には、どのような団体があるか、主たるものを示してほしい。

《答・総務課長》 倫理条例に関して、政治家の行為の相手方として「自治会」はこれに当たる。議員及び町長等は、自己の利益のために不正な方法で、自治会を利用してはいけない。他には、一般的には補助金について裁量権の余地があり、地位利用することができるような相手方が対象となるもので、「老人会」や「商工会」などがあると考えられる。

◆《再質問》 投票行動は一人一票。だから、先ほどの県の見解について、自治会の全世帯の誰か一人の参加、でなく、全員の参加で決定した場合だけ、というのが正しい解釈だ。自治会は倫理条例の規定に該当する、とのことだが、町内の各種団体が、倫理条例に抵触すると考えられた場合に、調査を請求されると審査会を設置するのか。

《答・総務課長》 職員には法を守ってもらう。地位利用の対象となる団体であれば、いけない。

◆《再々質問》 岐阜市長の選挙事務所の写真に写る90人のうち40人が市の職員だった、という。職員に注意喚起や、訓示をしてはどうか。公金を支出する団体に関して、選挙にかかわったら、当然に、補助金など支出はできないと思うが、いかがか。
《答・総務課長》 先ほども述べたが、職員の綱紀粛正は徹底するし、補助団体は十分に注意していただきたい。

【寺町のコメント】 請負や納入など契約の相手方も当然に「地位利用」の相手方にあたる。町や選管には具体的な対応をしてほしい。それがなければ町民自ら監視するしかない。画期的な倫理条例で、町民の皆さん(有権者)の50分の1(約280名)以上の署名を添えて調査を請求すると、倫理審査会が開催され、そこで、問題がなかったか、調査審議されます。関係者からの聴取もあり得ます。詳しくはご相談ください。


    市町村合併と道路など (3月16日 一般質問)
◆《問・寺町》 突然に山県郡合併検討協議会ができました。驚く声を多く聞きます。 2月19日の岐阜新聞の報道によれば、「山崎(高富)町長が『まず山県郡が合併して市制を敷くことが先決、岐阜市とはその後の課題』と強調した」、とされており、まるで確定したことのようにもとれます。そこで、以下、町長にお尋ねします。

@なぜ、今、合併を具体化しようというのか?

《答・町長》 各自治体における環境がますます厳しくなることが予想される中、これに備え、住民サービスの向上を目指すための手法として合併特例法の期限が切れるまでの間に検討していくことが大切だ。

◆《問・寺町》A合併のメリットとデメリットはどのようか

《答・町長》 メリットは広域連携と規模拡大による「スケール・メリット」、重複解除などによる「効率化」の二点。デメリットとしては、その裏返しだ。
 つまり、長や議員の数が減るため、経費は縮減となるが、住民との接点が遠ざかることが予想される。しかし、メリットに比較するとデメリットは極めて少ない。課題として「役場が遠くなる」「住民の声が届きにくくなる」などがいわれている。

◆《問・寺町》B2月22日の読売新聞の報道によれば、「合併により10年間に147億円の合併特例債を借りることができる。特例債を使い、高富町はインターチェンジの周辺整備、美山町は県営工業団地の建設、伊自良村は生涯学習施設を併設した教育施設『文化の里』の建設を進めようとしている」とまで出ている。合併特例債とは?
 合併特例債と経費削減で147億円(総務省試算)との報道の根拠は?

《答・町長》 合併後の新しい町づくりのために、建設及び地域振興のための基金造成の財源として95%の起債ができること。将来の元利償還金については70%が普通交付税として国から補填される。
 (総務省試算とは)郡内の3ケ町村が合併した場合に発行できる基金の額で、建設事業に対する起債額129億円、基金造成のための18億円である。

◆《問・寺町》C山県郡の三町村が報道のようにその分配を適当に決めていけばよい、と考えているのか。

《答・町長》 合併後に新しい都市を創っていく上で、広域的に必要と考えられる事業に優先的に活用されるべきもので、分配という概念ではない。一方、基金造成に対する起債は合併前の旧町村単位で活用していくという趣旨もあり、18億円の計算基礎に応じて、その利息分を旧町村単位で活用していくことも考えられる。

◆《問・寺町》E報道の「高富町はインター」について、道路計画は国道だから高富町など地元自治体の予算は関係ない。地元が莫大な財源を必要とする、とは何を想定しているのか?

《答・町長》 インター整備の直接的な財源は国が負担する。一方、インターを有効に活用し、関連事業を推し進めていくための経費についてはこうした財源を指す。

◆《問・寺町》F全国一斉に合併に向かって走ったら、ただでさえ赤字の日本の財政、予定どおり、見込みどおりに合併特例債が来るはずがない、と思うがどうか?

《答・町長》 国は、一時的には多額の財源を必要とするが、将来的には余剰してくると考えられる。一度に多額の経費がいることは合併特例法を制定した折から、当然に想定されたことだから、予定通り補填されてくるものと認識している。

◆《再質問》 21世紀の姿として合併だ、といいながら、高富だ、美山だ、伊自良だ、という。また、昨日の議会で高富町議会に市町村合併特別委員会を設置することが多数決で決まったが、この人選も、旧町村5つの地域割りで何人と決められた。
 合併についての公式の議論が、まさに地域意識の固まりで進められて行こうとしている、としか思えない。また、どうみても情報の公開にも否定的に見える。
 住民の皆さんからいろいろと寄せられた意見を整理し、4点を質問する。
 @山県郡でなく、高富町は岐阜市と合併すべきだ。
 A合併すべきでない。
 B郡で合併なら、現在の西深瀬にインター、より、大桑地区にインター、の方が三町村の交通アクセスが非常にいい。インターの計画位置を変更してはどうか。
 C町長は、ゴミ処理施設である地球環境村誘致に県下で最初に手を挙げた。インター設置に多額の経費がいるなら、今のインター周辺に環境村を誘致してはどうか。

《答・町長》 私は、郡が一つになる、というお話しは一度もしたことはない。どこと一緒になるかは、これから住民と一緒に考えて行く、といっている。ルート変更し大桑に持って行ったらどうかについて、大桑に持って行くと言ったら大桑の方はどういう気持ちになるか考えていただきたい。地球環境村をインターの所へ持っていったら、というのは驚きだ。地球環境村の話は2年半位になるが、それ以後一度も口にしたことはない。合併については一緒になって考えて行く、といっただけで、何もお話しすることはない。

【寺町のコメント】◆質問の途中で時間切れ。国と地方併せて660兆円の赤字、そう甘くはない。早急に住民投票の準備をすべき。新聞記事は記者が書いただけで何も言っていない、との答弁には、返す言葉がありません。報道関係者が聞いたら呆れるでしょう。

◆ゴミ処理施設である地球環境村について、町長の「挙手」以来、今でも、県や周辺市町は高富町に大きな期待をしている。誰かが「ゴー」といえば一斉、一気に走りだす状況に全く変わりはありません。住民の皆さんの監視と注視が不可欠です。

◆「合併に・・・いっただけで、何もお話しすることはない」は、環境村と全く同じ、つまり、一度でかい花火を打ち上げ、後は「何もない」と答えつつ「ありき」で潜行して進めて行く、というパターンを感じる人は少なくないでしょう。

 ◆ご意見を!◆