新しい風ニュース  134号(通巻166号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
  《なんでも相談》  どの政党とも無関係の寺町 ともまさ
    E-mail tera-t@ktroad.ne.jp 2001年5月27日発行

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 市町村合併  具体化直前!
 今、高富町、美山町、伊自良村の三町村の役場や議会などは、合併についての話し合いを進めています。そして、最近、有力者らの間で、「山県郡三町村で合併する」との方向で検討する、とまとまってきたようです。
 市町村合併は、市町村やそこに暮らす住民が自主的に判断するものです。国は合併を奨励してきましたが、なかなか合併が進まないことから、99年(H11年)7月に法律を一部改正し、合併特例債を柱とする財源措置を創設しました。国が、合併するなら、お金を有利に使えるようにしてあげるからどんどん合併して、という訳です。 市町村合併が05年(H17年)3月までに実現した場合に、幾つもの国の特例措置があり(主なものは裏面の◆欄に紹介)、しかも、04年3月までに合併する場合は3万人で、翌年の05年3月までなら4万人以上で『市』になれる、と言う訳です。そこで、今回、あと3年の期限内に、3万人の市になろう、という動きがあるのです。 ところで、県の検討委員会が最も望ましいものとして今年2月に示したのは、県内を13市にするもので、ここに「岐阜市+山県郡」が提案されています。(右図参照)

《合併がなぜ必要か》  (国や県が示す資料等より)
 ◇地方分権の推進、日常社会生活圏の拡大、新たな行政課題の増加している
 ◇財政状況は、国も・地方も非常に厳しい
 ◇少子・高齢化は、予想以上に早く進む
 ◇簡素で効率的な行財政運営、広域的なまちづくりの推進が必要だ
 ◇市町村は、住民に一番身近な行政主体だから自立性を高める必要性がある

《合併したときの効果》
 ◇広域的な観点での道路や公共施設の整備、土地利用などのまちづくりが
  迅速、効果的に実施できる
 ◇地域の存在感や地域のイメージアップにつながる
 ◇サービス提供や事業などでより高い水準のサービスを受けることができる
 ◇行政の管理部門の効率化が進み、職員数を全体的に少なくすることができる
 ◇広域的観点から公共施設等が効率的に配置され、類似施設の重複がなくなる

《合併への懸念》 (次の懸念に、対応策を示しています)
 ◇中心部と周辺部の地域格差が広がらないか?
 ◇新庁舎までの距離が遠くなり、サービスが低下しないか?
 ◇住民意識の反映の機会が減らないか?
 ◇市町村間の行政サービスの水準、住民負担、財政状況の格差が生じないか?

【寺町のコメント】私は、基本的には、人口2万人の高富町は、自治体として手頃で、合併は必要ない、と考えてきました。しかし、国をはじめ、いろいろな面の枠組みが小さいことを進め(勧め)ない方向で動いています。もはや、とどまれません。環境など各種の問題とちがって、合併は「単に、自治体の境界の線を引き直すだけ」という面があります。市町村の規模の大小より、どいう政策をどのように実現するか、それが一番大事、という意味では、規模は優先課題ではありません。そこに暮らす人たちの願う政治の実現が第一、これは同じです。
 一方、市町村の組み替えは、5年10年で変わるものではありません。
 そこで、将来を見すえて、今とるべき方向を考えていくことにしました。


  市町村合併! あなたの意見は!

    国が、今までの合併と違って、どうしても合併を進めたいとして、
   合併した市町村のために用意した特例措置の主なものは、次のようです。
 ◆1◆ 合併後10ケ年度に限り、一定の公共的施設の整備事業に、交付税措置の高い合併特例債を起こすことができる。使い道(事業例)は次のよう。
     → 旧市町村の交流や連携のための道路、橋梁トンネル等の整備
     → 合併後の市内の行政サービスの水準の均衡を図るための施設整備
          (例:福祉施設が整備されていない地区への施設の整備等)
 ◆2◆ 合併後10ケ年度に限り、地域住民の連帯強化等のための基金積立について合併特例債を起こすことができる。例えば次のよう。
     → イベントの開催、新市町村のCI、民間団体への助成等
     → 地域行事の展開、伝統文化の伝承等に関する事業の実施、
       コミュニティ活動や自治会活動への助成等
 ◆3◆ 合併直後に必要となる臨時的な経費について、普通交付税の増額措置
     → 行政の一体化(基本構想の策定、改定、電算システムの統合など)
     → 行政水準、住民負担水準の格差是正(住民サービスの水準の調整)
 ◆他に → 合併成立年度から3ケ年度間を限度にした合併市町村補助金。
     → 関係市町村ごとに500万円を1回限りの合併準備補助金。
 ◆合併の年を含めて4年間、(調整のため)地方税の不均一の課税を認める。


     それで、あなたは どれを?
 行政や議会関係者らは、この合併特例債など、“有利なお金”のことを大きく評価しているようです。しかし、お金につられてする合併ではありません。
 インターネットで合併について調べると、全国の全ての市町村に関して、市町村名をクリックするだけで、どの市町村の組み合わせの場合にどれだけ優遇されるか、人口はどうか、などがすぐに表示されるページがあります。ホームページ上の 山県郡の三町村と岐阜市が一緒になった場合 の表示の画面を抜粋すると次のとおりです。  “合併特例債” などのキーワードで、パソコンで「検索」してみてください。

 さらに、いろいろな組み合わせの結果を整理してみると、次のようです。

  
合併パターンごとの人口や特例債など

 あなたは、この表をみて、どう思いますか?
 こままいけば、表のDの「山県郡で合併する」方向に進む、という状況です。
 県レベルの合併、道州制もいわれる現在、国の動向など考えれば、将来まで、今の山県郡として「3万人の市」を継続する意味がないことは明らかです。
 もちろん、合併なんて必要ない、すべきでない、という意見もあるでしょう。
 三町村の行政は、意志決定前に住民アンケートをする予定は、全く、ありません。全て基本線を決定してから、「さあ、これでどうか」という手法ではたまりません。県の委員会報告書にも「合併するかどうかは、住民の皆さんが決めることである」と。