新しい風ニュース NO135
やまがたの環境とくらしを考える会 (通巻168)
岐阜県山県市西深瀬208 ├fax 0581-22−4989
なんでも相談 どの政党とも無関係の
寺町 ともまさ
E-mail tera-t@ktroad.ne.jp 2004年1月10日
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1月8日にホームページを立ち上げました。新しい風ニュースの過去の分や、旧高富町や旧山県郡のこと、議会の記録、行政のことなど掲載しています。
ご覧ください。アドレスは、 http://gifu.kenmin.net/teramachi/ です。
今年は選挙の年。最近は報酬=買収で逮捕される
《逮捕者を出さないための公職選挙法の解説》
選挙を手伝った人への報酬は違法
選挙を手伝った人への報酬の支給によって、昨年4月の統一地方選挙で各地の関係者が逮捕され、さらに先の衆議院選挙でも各地の当選者や候補者が逮捕されたことは記憶に新しいことです。昨年来、各地の警察はこの点を狙っています。 山県市でも今年4月は初めての議員選挙。同じようなことが起きたら、何も知らずにまきぞえになる関係者も。市民の政治不信、政治家不信がたかまるばかり。新市での恥ずかしいことを防ぐために、公職選挙法の解説をします。
下記の【 】 の中は、総務省(旧自治省)の選挙の専門家の指摘です。
選挙で報酬が認められているのは
特定の仕事をしたときだけ(届出・報告義務有)
【選挙運動員・労務者に対する実費弁償・報酬は一定の制限が設けられている。この制限に違反すると、多くの場合、買収の推定を受けることになる】
とされています。最近捕まって話題になった人たちは、「故意」か「無知」かはともかく、これに引っ掛かった訳です。「電話かけ」とか「一緒に歩く」とかを手伝ってもらった人にお金を渡した場合も、この違反の対象とされました。
では、正解は何か。
@お金を渡してよい相手、もらって良い人は「選挙運動員」と「労務者」だけ。
【選挙運動員とは→選挙運動のために使用する事務所の者や車上で運動する者。
労務者とは→立候補準備行為や選挙運動に付随して行う単純な機械的労務
(例:ポスター張り、宛て名書きや発送、自動車の運転等)をする者。】
A支給の額 【事務所の者は1日1万円、車上で運動する者は1日1万5千円、ただし、超過勤務手当は支給できない。労務者の場合は、通常1日1万円、超過勤務手当は5割以内。】
B 【選挙運動員への支給は、告示後に、支給しようとする日にあらかじめ選管に届け出て初めて可能となる。】
後で届ければよい、というほど甘くはない。
※総括責任者、出納責任者、親族など選挙運動に関する事務に従事する者であっても、特別な扱いはなく、お金を渡すなら、「運動員」としての届け出が必要。
ときどき、仕事を休んで毎日来てもらうから、「裏でお礼を」なんて話しを聞きますが、公職選挙法では、届け出た運動員以外は、すべて「買収」です。
昔から、よく「票の取りまとめ」の目的で誰かにお金を渡したとして買収事件になりますが、「運動員」として届けていない人が、何かをしたからといって、「お礼」「日当」など、名目に関係なく「お金を渡すこと」は、それだけで「買収」そのものに当たりますから、要注意です。
C選挙の「労務者」へ報酬を支給した場合は、選挙後の「候補者の収支報告書」で、どこの誰に、何月何日分を幾ら支給した、ということの報告が必須です。
これ以外の人、これ以外のお金を支給したら、「買収」になります。
D では、なぜ、電話かけにお礼や日当を払ってはいけないのか?
今の法律では、選挙運動とは、大原則として「ボランティアでするもの」だからです。「この人を当選させよう」という気持ちで、告示後に知人に電話で投票を誘うことは自由で、奨励されているくらいで、何にも問題はありません。
電話かけは、自発的に「ボランティアですること」です。だから、これに対して、お金を渡した(あるいは約束した)時点で「買収」が成立。
昨年、「電話かけ」の謝礼や委託料で逮捕されたのは、ここです。
E 無論、電話かけ以外でも、直接、有権者に働きかける行為に対しの報酬は禁止です。例えば、事務所での仕事をする人として「届け出た運動員」に、その勤務時間中に(仮に事務所でなくても)電話かけをさせれば違法行為、となります。 最近、この点が強く求められ、それが逮捕者続出のもとだとみれます。
F 市民の皆さん、不正事件の続いた旧高富町を引き継ぐ山県市、県警当局もこの地域の人間関係や業者関係の豊富なデータを蓄積しているようですし、記念すべき「新市の初の選挙」を警告としてのターゲットとしても不思議ではないと、私は思っています。候補者になろうとする人も、手伝おうとする人も、これからの選挙は、厳しくチェックされている、とみるべきでしょう。
皆さん、何か変な情報があったら、県警でも、こちらでも、お知らせください。
自治会は選挙に関われない!
公正な選挙と自由な地域社会の実現に向けて
(旧高富町議会一般質問/新しい風ニュース133号01年3月31日より)
◆《問・寺町》 01年1月の岐阜市長選後、幹部職員3名が「公務員の地位利用によって特定候補のための運動をした」として順次逮捕された。自治体職員と選挙について問う。 @後援会事務所や選挙事務所への出入り A後援会や候補者への寄付 B後援会の名簿集め C名簿を使って電話かけをしてくれとの依頼 これらは良いか。
《答・総務課長》 「地位利用」とは、具体的には、職務上の組織や身分の上下関係を利用したり、許可、認可等の職務権限を利用して行う選挙運動等があたる。質問の4例については様々なケースが考えられるので、一度に答えるのは困難。 今年(01年)、町長選挙、議員補欠選挙、参議院選挙が予定されており、公務員として地位利用による疑念等を持たれないよう、職員の綱紀粛正等について徹底していく。
《問》 2年前の(高富町の)議員選挙の立候補予定者説明会で、町の選挙管理委員会は、参加者からの「候補者のポスターやハガキに自治会推薦と書いてよいか?」との質問に対して、県の見解として次の主旨を回答した。
【自治会の全部の世帯からの参加がある総会で、一人も反対のない全会一致で決定された場合であるなら『自治会推薦』という言葉が使える。なぜなら、投票は個人の権利であるが、この『投票』という権利を誰かが束縛することになってはいけないからだ。しかし、全員参加の総会で全会一致ということはまずないだろうから、実質的には自治会推薦という言葉は使えない。】
そこで以下、質問する。自治会長や役員が後援会の活動や集会のよびかけなどをすることは、許されるのか。
《答・総務課長》「自治会長」という肩書において特定候補を推薦し選挙運動等を行うことは、自治会と行政の密接な関係から十分注意していただく必要がある。
【寺町のコメント】 請負や納入など契約の相手方も当然に「地位利用」の相手方にあたる。選管には具体的な対応をしてほしい。それがなければ住民みずから監視するしかない。詳しくはご相談ください。
自治会が選挙に関わるとき、いろいろな面で寄付行為に該当する可能性があります。岐阜市でも以前の議会で問題となり、市側が「自治会を利用した選挙運動があったという事実があれば、その活動は好ましくない。今後は、自治会を利用した選挙運動は疑惑を招くため、自治会活動と切り離して対処するようお願いしてく」と答弁しています。
◆《再々質問・寺町》自治会組織が選挙にかかわるということは、法律に抵触すると考えられます。高富町は選挙が数カ月後にあります。そこに今、準公的な自治会の団体、役員が関わったときにどういったことになるか、私は非常に心配しています。公職選挙法のある条項に抵触しますと禁固とか罰金とかいう部分も実際にあります。
【寺町のコメント】自治会と選挙を切り離してほしい、別にやるべきだ、という意見は選挙のたびに、そして年ごとに多くなっています。
自治会や地域にはそれぞれ必要性や必然性があるのですから、活発な自治会活動を実現するためにも、「自治会と選挙の関わり」を皆で断ち切るべきです。私もこのような形で一種の「宣言」をするに当たっては、それなりの覚悟と決意を持っています。だいぶ前に、高富町内の自治会連合会が「選挙には関わらない」という合意をした、との話を伝え聞きました。
「自治会と選挙の関わり」について、「改めなければ」「疑問だ」という皆さん、各団体、各地域の手続きの現状や問題をお知らせください。選管の動きが鈍ければ、場合によっては、警察当局に告発すべきことも想定。
有権者の皆さんが政治への興味を高めるために政策を伝える努力は大切ですが、金品や地位・権力を利用しての誘導は放任すべきではありません。
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将来の山県市を考えたとき、買収、供応や自治会がらみ選挙、そして誹謗中傷チラシのばらまきなど、ここできちっと整理しておきましょう。新しい市でありながら、古い体質をいつまでも続けることは、やめにしましょう。