新しい風ニュース NO137

 やまがたの環境とくらしを考える会 (通巻170)
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  なんでも相談   どの政党とも無関係の 寺町 ともまさ
     E-mail tera-t@ktroad.ne.jp    2004年1月24日

      《続・公職選挙法の解説》

 1月12日朝刊入りのニュース135号で、「自治会は選挙に関われない!公正な選挙と自由な地域社会の実現に向けて 、としてお伝えしました。
 山県市では今年4月は初めての議員選挙。 

      1月20日 朝日新聞


 選挙違反が起きたら、何も知らずにまきぞえになる関係者も。
市民の政治不信、政治家不信がたかまるばかり。新市での恥ずかしいことを防ぐために、公職選挙法の解説をします。公職選挙法の基本は、昔も今も、ほとんど変わっていません。
 以下は、どれも違反で、(旧)自治省選挙部監修の「選挙の手引き」にも明確に示しています。このQ&Aで(旧)自治省は、はっきりダメとしています。

       陣中見舞いはできるか

◆《選挙事務所に陣中見舞いなどとして酒やビールなどを届けること、受け取ることは違反となる》
 第三者が候補者の選挙運動の激励のために、いわゆる陣中見舞として候補者等に飲食物を持って行くことは違反なのです。もらった方も、違反なのです。「飲食物提供禁止」に該当するほか、場合によっては「買収」とみられることも。
 当然に、事務所に届けられた、酒やビールなどを選挙事務所あるいは一連と認識される建物で提供することは一切禁止されています。

     では、陣中見舞いとは何か

 「陣中見舞い」は、個人から候補者への選挙運動に関する寄附とみなされます。 一個人から一候補者への選挙運動に関する寄附は、年間150万円以内で、 【物品または金銭・有価証券】 でもできます。
 なお、選挙運動に関するものとして、飲食物(料理、弁当、サンドイッチ、お酒、ビール、ジュースなど)を持って行くこと(出すことも)は禁止されています。
ただし
【湯茶に伴い通常用いられる程度の菓子(せんべい、まんじゅう、みかん、りんご程度の果物など)】 を持って行くこと(出すこと)はできます。
 もちろん、候補者は、これら陣中見舞いをもらったときは、すべて、選挙の収支として報告する義務が生じます。

        酒や食べ物の提供禁止

◆《選挙事務所そのもの、あるいは明らかに関連する別棟において、法定数の運動員等以外に食事を提供することあるいは、提供を受けること》
  (弁当は、法定の)運動員と労務者に対して、選挙事務所で渡すものだけ提供できます。陣中見舞いに来た有権者等には提供できません。
◆《運動員と労務者に対して提供する弁当について、どこで提供できるか。
  選挙事務所においてのみ提供できる。》
◆《運動員が飲食物材料を持込んで加工し、第三者に提供しても差し支えないか。
  違反となる。》
◆《(候補者が)もらった酒や他の物品等を、選挙後に、自治会等の役員や各戸に配布することは、禁止です。》
 
◆《飲食物の提供が禁止されるのは、選挙人に限らずすべての人についてである》 このように、「有権者でないからいいだろう」、ではありません。

【寺町のコメント】 投票を依頼する目的の有無に関係なく、事務所で食事を運動員以外に出すことは選挙違反です。事務所を離れた別宅とか、飲食店がいけないのは、当然です。また、限定された人数の運動員に対してだけできる食事数には上限がありますから、選挙中においては、俗に連日、毎食の「炊き出し」、というような態様は絶対に許されません。
 このような光景を見た方は、ご連絡ください。

            寄付の制限

◆《候補者等が、町内のお祭りに酒を差し入れたり、町内会のスポーツ大会に際してカップや記念品を贈ったりすることは、罰則をもって禁止》 されています。
◆《候補者等は選挙区内にあるものに対して、いかなる名義をもってするを問わず寄付をしてはならない。その寄付が選挙に関係すると否とを問わず、また、時期のいかんを問わず禁止される。》

【寺町のコメント】 寄付の対象について、
「選挙区内にある者」とは、区域内に住所を有する者だけでなく、一時的な滞在者をも含み、かつ、人、法人だけでなく、人格のない社団(例・自治会やPTA) も含むとされています。
さらに、候補者等が、 ◆いかなる名義をもってするを問わず とされ、つまり、有権者やそれらの団体に対して、適当に名義を変えてもいけない、ということです。
◆《以上のどれかに該当した行為者及び提供・供与を受けた者はどうなるか?》
違反行為が発覚したらどうなるか・・・・いうまでもありません。

[寺町のコメント】 実際に、「酒等の陣中見舞い、提供はご遠慮願います」などと選挙管理委員会名の入った大きな看板を作って、各候補者の選挙事務所に掲げさせている自治体もあります。これも「公正選挙」を実行しようとの意気込み。 新市の山県市の選挙管理委員会はどうするのでしょう?
 古い習慣を改める絶好のタイミングだと思うのですが・・・・

    政治家の法令を守る責任 と 倫理

【寺町のコメント】物を配ったり、食事を提供したりなどについて、市民の皆さん、候補者の周辺の動きや選管の監視体制をしっかり監視しましょう。
 市町村議員といえど、政治家はすべて、選挙投票日の翌日から、次の選挙の候補者として位置付けられています。現職の政治家及び立候補の意志のある人の行為は、選挙翌日から4年間ずっと公職選挙法の対象です。今、このニュースに記したいろいろなことも、選挙のときと同様に選挙の前でも厳しく禁止されます。
 裏で、誰かに依頼しようと同じです。
 選挙後のお礼状さえも禁止なのです。

 私は、過去に、「選挙はこう」といわれて、そうかと思った事柄もありましたが、今は、いろいろと勉強して随分と方向が見えてきました。
 将来の山県市を考えたとき、買収、供応や自治会がらみ選挙、そして誹謗中傷チラシのばらまきなど、新しい市でありながら、古い体質をいつまでも続けることは、やめにしましょう。
 皆さん、何か変な情報があったら、県警でも、こちらでもお知らせください。

  1月8日にホームページを自分で立ち上げました。このニュースの過去の分や、旧高富町や旧山県郡のこと、議会の記録、行政のことなど掲載しています。
  ご覧ください。アドレスは、 http://gifu.kenmin.net/teramachi/ です。

  議員の公私混同=しかし、議場外の行為

 議員の公私混同は、元高富町長が自分の後援会の仕事を公民館の事務室でさせていたのと何ら変わらず、容認できることではありません。
 しかし、だからといって、議会が数の論理で「違法な議決をする」「違法に懲罰を科す」というようなことは、民主主義を議会みずから否定することです。

   市の回答は“検討中”?!

 先号(1月19朝刊入り)で紹介した、学校で個人チラシを印刷した議員への懲罰を科したという議会の違法な議決に対する「市長への再議請求書」は、1月20日までに回答を、としていました。
 これに対して、20日、市から電話で、「現在、どうするか検討中であり、しばらく待ってほしい」との旨の連絡がありました。
 議決のやり直しはしない、との拒否回答ではないので、しばらく、待つことを了解しました。
 平野市長は、旧高富町では、《汚職事件の反省から制定された倫理条例で規定する「倫理審査会」の委員に就任》、との記録があります。倫理とは、「ある社会で、成員相互間の行為の善悪を判断する基準として、一般に承認されている規範の総体」(広辞苑)とされています。倫理観が高いからこそ委員の指名を受けたはず。倫理云々の前の法律違反には、厳しく対応してもらえると期待します。 同時に、そもそも発端となった議員の倫理問題にも、適確な対応が期待されています。集落排水などの地域の私的な会合の資料を役所でコピーしていたとか、その他・・・、何人もやっていた、では済まないこと。

 再議請求書を提出した後、ある議員からこんな話が伝わってきました。
 「政治には、温かみが必要。温かい政治こそ必要だ。この件では、本人は、既に社会的制裁を受けているし、もう、ぶり返す必要はない。」と。
 私の考えは違います。政治に必要な温かみとは、住民、納税者、有権者の皆さんに対しての温かみです。ひとりひとりの市民に対して温かい政治が必要。それを、同僚議員に対して「温かみ」とは、すじ違いもはなはだしい。
 別の人からは、「本人と話したが、本人はほとんど気にしていない様子。これが校長や教員のモラルなのか、と思うしかなかった」との声も届きました。

 あまりにも市民の感覚とかけ離れています。
 皆さん、どう思いますか。
ご意見をお寄せください。