否認に転じた被告の言い分を「・・・だから、信用性がない」と、一つず丁寧に否定していく判決文の組み立ては、説得力がありました。要点は以下のようです。

【陣中見舞いでないこと】

@陣中見舞いというが、平成13年6月の町長選挙は無投票であり、かつその後の8月にもらったものだから、選挙としての必要性はない。 その後の選挙のため、とも考えられない。

 A酒や10万円以下は、手帳にメモしているのに、これは書いていない。政治資金規正法で定める選挙管理委員会への届け出もしていない。

 B経済クラブ(被告の後援会)は、被告も出席した会議で、どんな寄附を受けることも禁止することを決めていた。それにもかかわらず、被告は100万円の交付を受けた。

 C100万円は業者に返還する意志があったというが、受け取ってすぐに、他人に貸し付けている。

 以上から、陣中見舞いだというのは、不自然、不合理である。