新しい風ニュース  NO142

やまがたの環境とくらしを考える会 (通巻175)
  岐阜県山県市西深瀬208  TEL/FAX 0581-22−4989
なんでも相談   どの政党とも無関係の 寺町 ともまさ
    E-mail tera-t@ktroad.ne.jp    2004年2月28日

 市議が学校でチラシを印刷したことについて、「議会が再議可決」との報道はよくわからない、教えて、といくつもの問い合わせ。市民の皆さんの関心の高さと同時に分かりにくさも伝わってきます。分かりやすくしました。
    

懲罰と再議の問題の全体の流れ

@ 12月18日 倫理違反事件  個人チラシを学校職員に印刷させた
A 12月19日 懲罰議決    議員らは全会一致で「出席停止1日」
B 1月13日 要望書     正規の運営を求めて市長にやり直しを要望
C 2月18日 再議請求    市長は議決は違法なので審議し直しを請求
  2月24日 10時〜    臨時議会開会(まず、予算関係審議)
D 10時半〜12時 議員全員協議会 懲罰議案否決、辞職勧告可決方針全員合意
E 昼食の間に 旧町村議員協議 美山、伊自良の議員が内緒で方針転換した
F 1時15分 本会議再開   市長が12月19日の議決は違法と再議を提案
  すぐ採決 質疑討論もなく意外な採決結果に驚きの声
G 今後の対応→市長は知事に審査を申立てることができる。どうなる?
H 市長と議会の問題ではないのに、当の本人は地元の意向で次の選挙準備?

ニュースはけい線入りの表ですので、webページでも表ものせます。


 

上記の番号順に それぞれを説明します

@,《発端》 昨年12月18日、杉山市議が元学校長だった高富小学校で、「支持者に配る手紙、議会質問のTV放送日程など」のチラシを学校職員に印刷させました。これが翌日議会に知れました。代金は、問題になって、後で負担。

A,《懲罰とは》 そこで、議員らは全会一致で、「出席停止1日」という懲罰を議決。懲罰とは、一般社会で刑事事件を犯して罪になることとはまったく別の、議会独特の制度です。議員が 【本会議と委員会】 において 【言動に関しての品位の欠如や侮辱等】 に該当した場合に、他の議員らが 【議決で制裁】 (除名、出席停止など)を科すことができる(地方自治法第134条)、とするもの。

※《今回、何が違法なのか》 杉山市議の公私混同は絶対許されません。しかし、それは、議員個人の出処進退として対処すべきことです。議会は“辞職勧告”をすべきだったのです(今からでも可能)。しかし、議会は、12月19日この法第134条に違反して「議場外の行為」について懲罰をかけてしまったのです。

B,《「議会ファシズム」は放置できない》 公私混同の行為の問題とは関係なく、正規のルールで運営するのが議会です。今回のように、「数」で、法律を越えたり、無視したり、権利侵害をすることは許されません。しかも「全会一致で可決」。ふだん「権利」をいう政党や議員らは一体何をしていたのか、大きな疑問。こういうことを堂々とやってしまうのは「議会ファシズム」というしかない、異常なことです。そこで、私は、市民として、市長にやり直しを要望しました。

C,《再議請求》 いったん、議会が議決したら、どうしようもないのか?
 地方自治法はちゃんと、市長に対して、議会が違法な議決をした場合には「再議に付さなければならない」との義務を課しています(同法第176条4項)。
 そこで、市長は、2月18日、議会にもう一度審議し直すことを求めました。

D,《臨時議会と裏の流れ》 2月24日の臨時議会。本会議を中断して別室で開かれた議員の全員協議会で、約1時間の相談で「出席停止1日との懲罰の議案は否決する」、次に「杉山議員の辞職勧告決議を可決する」とまとまりました。

E,《一転して》 ところが、その直後に、美山、伊自良の議員がそれぞれ集まっ
て、有力議員の提案で、美山、伊自良の議員全員は全員一致して、12月と同じで「可決」の方針に急きょ転換(一部は事前に予定との声も)。

F,《本会議再開》 議題の要点は、「12月19日に審議し可決した『懲罰として出席停止1日』という議決は違法なので、もう一度、審議していただきたい」というもの。しかし、結果は、賛成多数で、再度の可決。つまり、「12月19日に審議し可決したままでよい」ということ。完全に市長の再議の要求が否定されました。再議を決断した市長の無念さは、当然です。

※《賛成議員の主張》 美山の長屋孝議員(議会運営委員長)は、「違法性は認識している。しかし、全会一致の議決は重い」という。「一度可決した議決を覆せば議員としての品位を失う」との議員のコメントも。

※《反対議員の主張》 高富の藤垣邦成議員(文教厚生委員長)は、「違法な議決が繰り返されたことは遺憾。議員として大変恥ずかしい。市民に申し訳ない」。
2月25日 中日
2月25日 中日 webページだけ

G,《今後》 再議してなお違法な議決の場合、「市長は知事に21日以内に審査を申し立てることができる」(同法第176条5項)とし、「申立てがあった場合、知事は違反すると認めるときは、当該議決を取り消す旨の裁定をすることができる」(同6項)とされています。
 つまり、市長が知事に審査を申し立てると、知事は必ず「違法か違法でないかの結論を出す」ことになります。賛成した議員ですら「違法性は認識している」のだから、結論は見えています。

H,《本人は》 議会の辞職勧告の予定も流れてしまって、いま、まるで市長と議会の問題かのように見えてしまう。本当は、倫理違反した本人が進退を沈黙しているから(それどころか、地元の意向で次の選挙準備を進めている、という)。

【寺町のコメント−1】 まるで議会が旧町村の縄張り争いの場。市民不在。このままでは、町村合併で新しい議会ができたのでなく、古い体質に逆戻り。間違いは誰でもあるけれど、気がついた時は改める、責任をとる、これは人の基本。

【寺町のコメント−2】 市長や議会、そして市民をさんざん悩ませた当人でも、選挙に出ることは自由。が、仮に当選しても、まともに仕事ができない、させてもらえないのは、学歴詐称の古賀代議士をみればわかる。それが政治の世界。

【寺町のコメント−3】 議員の任期満了で時間切れ廃案、うやむや、なんて事態は絶対に許されません。市長はかつて知事室長兼総務部次長、助役は県職員なのですから、早急に県と調整し、この問題の結論を出して欲しい。
 選挙では「知事室長」を宣伝したのだから、それを利用してでも知事に「速やかな判断を」と要請する位は、政治家が経歴を表明した責任の一つのはず。

【寺町のコメント−4】 私は、市長の再議請求の決断に拍手しています。
 個々の政策については、行政と議会と判断が異なることはよくあります。しかし、今回は、法律判断だから、判断が異なることは考えられません。
 もう時間はないし、市長、はっきりして欲しい」との声も。すみやかに知事への審査申し立てがなければ、市長と知事に要望書などを出そうと思います。
 市民の皆さんのご意見を、お寄せください。
2月25日 岐阜
2月25日 岐阜 webページだけ


       まちづくりアンケート

 アンケートを始めています。ご意見をおよせいただければ、うれしいです。
◎このアンケートと回答用紙は、 http://gifu.kenmin.net/teramachi/ にも。
     《アンケート項目の一部を紹介します》
 ◆11◆政治家の倫理、汚職や不正には?
 ア,しかたがない イ,有権者が再選すべきでない ウ,もっと厳しくすべき


 合併して、税金の確定申告はどうなったか

 町村合併して、各地区公民館での税金の確定申告ができなくなったので遠くなって不便、との意見がいくつかありました。そこで、税務課に聞いてみました。

申告会場は、合併前は「短期間ずつ各所を移動、最後に全地区合同でする方式 で合計22会場」、合併後の今年は「3ケ所を一週間ずつ移動、市役所本庁は 全期間とする方式で合計4会場」。税務課の職員は24人から18人に。

合併に際して、どうするのが最も良いのか、いろいろと検討した結果、申告支 援システムとして、コンピューターのソフト15組、プリンター3台、(情報 の安全のために)サーバー1基を400万円で購入して対応することにした。

【よい効果】 申告支援システムの導入で、給与所得、国保、年金などのデータが台帳がなくても、どこでも共有でき、パソコンの画面に瞬時に表示される。
 4会場なら、市民の誰がいつどこの会場にいっても対応できるようになった。
 申告書に手書きをせず、計算も画面上で自動的に計算される、数字の修正も画面上ですぐできるなどで、 一人ずつの申告時間が短くなった。
 その場でデータが県の処理センターに送られ、データの訂正もすぐにできる。

【申告がまだの人は】 少なくても、会場に車などで行ける人は、3月中旬の最後の合同の3日に限られずに日を選択でき、どこにでも行けるので、それだけでも混まないでしょう。3月の中旬より前に資料の整理ができた人は、便利に。
 申告会場での待ち時間は、2月16日の初日だけは開始時間に殺到して、長時間かかりましたが、それ以後は、せいぜい20〜30分。待ち時間なしの場合もあります。また、毎日、午前より午後の方がお客様が少なく、すいています。

【寺町のコメント】 ここまでは、いいことづくめ?
 確定申告者のうち、約2割が営業収入や源泉徴収されていない給与所得の人で、8割の人は医療費や住宅ローンなどの還付請求。このことを考えると、車を使わず=遠出のできない人などには、問題発生(!)なのかも知れません。
「遠くなってしまったから、還付請求はあきらめた」、という人がいたら大変。
また、美山、伊自良の人は、地域の支所等の日をはずすと、高富まで行かなければいけない。
 市は、合併して、まだ試行錯誤の段階で、どんどん改善していきたいとの姿勢。
 あなたのご希望や今年の改善点は?