新しい風ニュース  NO154

やまがたの環境とくらしを考える会 (通巻185)
  岐阜県山県市西深瀬208   ├FAX 0581-22−4989
なんでも相談   どの政党とも無関係の 寺町ともまさ
http://gifu.kenmin.net/teramachi/
  tera-t@ktroad.ne.jp 2004年7月11日

有線テレビと防災無線で住民監査請求!

 最近、各地の自治体で、地域情報化や行政防災無線が目玉になることが多いようです。公共事業がかつての土木・建設重視からIT(情報通信)重視に移っていくといわれます。合併をきっかけに、市民の税金を食い物にされてはいけないと、二つの計画を見直し修正するように、市民有志で住民監査請求しました。
 7月16日入札予定。計画が入札段階まで進んだとき、行政はなかなか「ゼロ」=「白紙」までには戻りませんから、私たちは、もっと少ない予算で、より効果的、より機能的、加えて将来対応型の方法を対案として提案しています。

【住民監査請求とは】地方自治法242条に定めるもので、良くない支出を改めるための方法で、市民のだれもできます。私たちは、旧高富町では、95年に汚職で逮捕された町長への退職金支給停止、97年の火葬場用地手付金返還、99年の議員や町長らの宴会費の税金負担分一部返還、01年の町長逮捕拘留中の給与返還、など幾つもの成果があります。以下に、今回の請求の要点を紹介します。

◆ テレビ(34億円)防災無線(11億円)

 山県市は、町村合併の目玉事業として、有線テレビ事業を、美山・伊自良地域に拡大し、さらにインターネット、IP電話を実施する地域情報化事業を計画している。34億円の予算。入札は、7月16日に実施予定。
 別に、防災無線整備を計画している。11億円の予算。入札は、8月〜9月。

◆ 基本姿勢・事業方式選択における誤り

 昨年、計画策定をコンサルタントに委託、業者から提案が示された。市は、事業の意志決定のときは、最も経済的かつ効果的な方法を選ぶべきなのに、業者の示すままの計画にした。
 しかも、二つの事業を同時に進めることは極めて無駄が多い。例えば、CATV事業ではインターネット接続・IP電話のためのモデムを市内全戸に無料配布し、防災無線では受信機を全戸配布するなど、その不合理はいうまでもない。送信側の機器についても、共用であれば合理的かつ機能的である。
 また、国は、今年、市町村防災行政無線のデジタル化のために、アナログに対する補助金を廃止した。が、市は相変わらず、アナログで計画している。
 別々なら合計45億円の予算のところ、両事業を統合して行った場合は25億円との試算ができる。

◆ テレビ、インターネットの外部委託

 市は、6月3日付けで、ジャパンケーブルネット鰍ニ仮契約し、 @nifty が位置付けられている。しかし、業務の提供ができる業者はこれ以外にもたくさんある。入札に付さず随契したことは、違法である。
 今、インターネット業界は利用者の獲得に奔走している。市の公営事業なのに特定の民間企業のための利用者(=市民)の確保に加担することは許されない。

◆ ユビキタス環境

 数年後には、「ユビキタス」と言う概念は日本の人たちに日常的に触れるものとなるとは間違いない。山県市民として、莫大な税金を使った事業の数年後が、結局、時代遅れで、しかも10数年は切り換えが効かない、ということになる状況を一番心配する。市長や職員は、引き返し、見直す勇気を持つべきである。

◆ 二つの計画の統合、修正の検討を

 財政が厳しいから合併するとされた。安易に高額な方式を選択することは、その原点に反する。合併特例法の趣旨にも反する。市は、地域情報化計画と防災行政無線設備設置計画をミックスしても目的達成は可能である。延期しても支障はないから、とりあえず、検討のために7月16日の入札は延期すべき。



住民監査請求の報道

7月9日 岐阜 中日

◆ 実際に他の方式でできる事実は重い!

 私が視察した東濃の岩村町は、光ケーブルと無線を組み合わせて、同様のサービス提供を実現する。各家庭に無料で受信設備を置くことも含めて4億円程度だった(岩村は人口5400人1700世帯→山県は約6倍の規模=約24億円?)。 岩村方式では、テレビ、インターネット、防災無線に加えて、現在の山県市の計画では全く不可能であるユビキタス環境の構築もでき、これが約20億円。
 さらに山県市のように各戸無料配布分も加えたときの私たちの独自の試算も加えると約25億円である。
 山県市には、これら各種の方式を比較検討して事業遂行すべき義務がある。

山県市民のあなたなら、どうしますか?

    実現できることと費用の比較

  山県市の方式          岩村町方式
デジタル放送対応          デジタル放送対応
自主放送・文字放送も可     自主放送・文字放送も可
インターネット            インターネット
高速・常時接続・安価       高速・常時接続・安価
IP電話も可              IP電話も可
公用防災無線、全世帯防災無線  インターネットで一斉同報・双方向
  ・・・・・・・・・・・・・・・・      【ユビキタス環境構築】
     約45億円           約25億円



山県市の方式と岩村町の方式の比較


◆ なぜ、無料の光ケーブルを使わないのか?

 絶対におかしいこと→→岐阜県が県内に張り巡らした「情報スーパーハイウェイ」という光ケーブルは、県内の自治体や企業なら無料で使える。しかし、山県市はこれを「使わない」という前提条件で計画立案し、業者を選定している。「極めて有利になる」岐阜県という状況をあえて放棄し、大手企業に任せる方法は、税金で行う公共事業とはいえない。東京の大手企業ありきというしかない。


※これら監査請求の全文や資料は、私のHP(アドレスは表)に載せています。
※私の議会の一般質問のテレビ放送は7月16日。図書館ではテープ貸出しも。

【次号のニュース】 ご意見をお寄せください。7月3日の153号で、「次号は、7月17日(土)発行」としていましたが、このように緊急の事態なので、急きょ、発行しました。次は7月20日(火)の朝刊入の予定です。

【ユビキタスとは】「いたるところにある」という意味のラテン語。総務省のとりまとめでは、各種IT(情報通信技術)を駆使して、さまざまな機器や人がネットワークを通じて相互接続され、それを利用して、いままでにないサービスや機能が実現できる、とされている。国は来年からさらに全国展開、という。

岩村の資料から




岩村の資料



◆ 美山も高速通信開始

 美山町のNTTの51局、52局では7月26日から フレッツ 40 という高速通信サービスがスタートします。
各社が競い始める??