新しい風ニュース  83号(通巻115号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ
           発行 1997年5月10日

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  「えっ!」 「また!?」 ・・・
 5月8日(木)の新聞各紙の朝刊やテレビ・ラジオなどの伝える「高富町長逮捕」のニュース。町民の皆さんは「えっ」「また」・・・驚き、疑い、悲しみ、嘆き、怒り・・言葉に言い尽くせない思いを抱かれたことでしょう。
 7日の日中は、私はいろいろな事の調査やこのニュースに記す予定の事の確認などのために、高富町役場の各課を回っていました。が、町長こそ留守だったものの、特にそれらしいことは感じませんでした。そして、夜中の11時半過ぎに逮捕の第一報が・・・
 汚職がこんなに続くなんて、全国に3千余の市町村がある中で、こんな町を探すことは、とうていできません。
 今こそ、汚職を根絶するための決意、覚悟が、どうしても必要です。


     事件への議会の対応は?
 議会では、8日午後4時から緊急に全員協議会が開かれました。報道関係者や住民の方に、委員会と同様に傍聴を認め、公開したことは大いに評価されます。しかし、中身は、驚いたことに、私以外、他の議員は、ほとんど全く発言がありません。唯一それらしかったのは、「検討し、もしこれが体質によるものなら、しっかり考えなければいけない」という意見が出されたことぐらいです。後は、いろいろ求める私に“反論するための意見”がだされた程度です。例えば、私が  「再発防止のためにも、急に事業量が増えた業者とか、不自然なところがあったら、十分に調査する必要がある。今回の事件も、はっきりそのように金額の増加が結果として出ている。入札や事業の記録を調べ、整理して議会に出すべき」 「新聞などにも、入札に当たって、予定金額や内容などの事前通知の便宜をはかった疑い、とされている。入札指名委員会の委員や進め方を説明してほしい」 と提案すると、他の議員から【事業が増えたのは、営業努力の結果だ】【入札の事などを調査するのは、執行権の侵害に当たるから、議会がやることではない】・・・ 全体として 【今は、資料や情報がないから、何もできない。捜査の進展を待つ】 というもの。


 高富町は、6年前の汚職事件の後、町長や議員の倫理条例を作りました。まさに、これが初の適用になる、しかも、議会の多数が推薦したトップの逮捕という最たる事件です。調査会の設置もうたわれています。しかし、調査会の設置や100条委員会の設置を、という私の主張に、辛うじて議長から「調査会は念頭にある」との回答。ただ、この調査会は「有識者5人、議員1人、職員1人」という構成であり、調査権限の保証がないこともあり、どの程度の深まりが期待できるかは、疑問も残ります。
 やはり、ここで生きていくるのが、各地で不祥事や汚職事件の起きた際によく設置されるところの、俗に言う 「100条委員会」 というものです。この際、議員全員による特別委員会の設置が必要です。
  地方自治法第98条「議会は当該地方公共団体の事務又は長などに関する書類及び計算書(経理関係の支出命令書その他の証憑書類を含む)を検閲し、報告を請求してこれらの事務の管理、議決の執行及び出納を検査することができる」 (要旨)、 第99条「説明を求め、意見を述べることができる」 と。このように議会のチェック権限は絶大で、執行権の侵害などというのは完璧な誤りです。


     もはや だれもの責任!
 今回の原因は、個人的資質に加え、確実に、行政にも、議会にもあります。しかし、もはや、これらの人たちを選択し、現状を追認してきた住民自身の責任もあると言わざるを得ません。町民の皆さんも「ダメな町」「外に行ったら恥ずかしい」などと嘆くばかりでなく、時事分自身を変え、そして自分たちが変えていくしかないと考え、行動する時ではないでしょうか。
 ここで黙っていたら、じっとしていたら、完全にダメになってしまいます。
 ニュースを復活させたからか、このところ、いろいろな方からご意見を頂いています。今回、乗せる予定だったことは、町長の事件で先送りにしました。
 今後も、皆さんのご意見をお寄せ下さい。


 議長の、5月末に予定していた九州研修旅行(町長も同行予定だった)は、議長判断で延期する、との表明もありました。
 6年前の汚職に関係もしくは当時在籍した議員も多く、今回の町長の支持をして中心的に活動した議員は大多数です。


   《町長あれこれ》
◆ 職員としての退職金(2年前の3月31日、町長選挙のために退職、すでに受給済)公務員の退職手当組合の規定から推算した退職金    2千数百万円(推定)
◆町長としての給与等年間支給総額  約1300万円  
◆町長としての退職金 77万円×5= 385万円(推定)
◆町長の辞職願を議長が受理した場合
  議会承認なら→正式に辞職届。辞職成立= 退職金支給  
  議会不承認→辞職願から20日で辞職が成立= 退職金支給  
  何らかの理由で《失職》 しない限り、退職金は 支給される とみられる  

 ◎有罪確定なら自動的に失職する。それまでは逮捕や起訴されても、 町長の職に留まるか辞めるかは、本人の意思次第。

 ◎議会が不信任(解職)決議などをすれば 自動に失職する と考えられる。
  ただし、町長が議会解散権を行使しなければですが。