新しい風ニュース  84号(通巻116号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ
           発行 1997年5月17日

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

汚職事件は早く忘れて 次のことを??
『高富町長の汚職のことは、もう仕方ないこと。本人から辞職届も出たし、ここらで区切りにして、新しい町長を誰にするか考えよう』という雰囲気が広がっているという話を聞きます。町長を推してきた議会関係者らは、連日連夜、「次の町長候補を探すこと」や「いかにしたら自分たち(議員)が、町民の批判を浴びることを最小限にくい止められるか」に腐心している、との風評です。また、自ら立候補のために奔走している人もいます。
 私は、そんな考え方に、強い疑問をもっています。

汚職は 個人の問題なのか 体質なのか  85年(S60年)の生コンクリート業界の汚職での地元県議の逮捕、91年(H3年)の助役選任に絡む現職町議3人の逮捕、そして今回の町長逮捕。
 町長の贈収賄容疑は、個人の問題であるという考えがあります。しかし、私は、これだけ続くのは、高富町周辺の行政や政治家に「汚職を生み、汚職を継承する土壌」があると考えざるを得ない、と断定します。
 事件のたびに、背景を明らかにし、対策を講じ、意識改革をはかることを怠って来たことが、こんな事態を招いたとしか考えられません。しかし、議会の大多数には事件の解明と再発防止への熱意は、全くありません。
 13日の議会全員協議会では、公明党の中村議員が「何らかの委員会の設置」を強く主張し、注目を集めました。ただ、その委員会の構成は、「現在ある火葬場建設特別委員会がほぼ役割を終えたので、この委員会が移行する」という案です。この委員会には、私(寺町)は入っていません。生意気かも知れませんが、究明と対策を唯一強く主張している私を委員にいれずに、どうするのでしょう? 私は議員全員による100条委員会の設置を、前回以上に主張しました。
 行政も、議会も、住民も、体質の根本的改善なくして“新町長”に「清潔」を期待しても、裏切られるおそれが強いでしょう。


 なぜ 退職金の支払い停止なのか!
 町長は、逮捕されて政治生命を失ったのだから、退職金(385万円)位は支給してもよい、という意見を聞きます。しかし、私は、汚職の続いた町だからこそ、絶対に退職金は支給してはいけないと思います。理由は  [議会に真相究明と再発防止策への責任を全うする気がないこと]  [町民の皆さんの中にも、今回の事件を「過去のことにしていい」という雰囲気があること] 【これらから、汚職を容認する土壌は、さらに厚く深くなると考えざるを得ないこと】  です。 汚職土壌の一掃、そして再発防止のために「もうこれからは、不祥事は絶対許さない」「住民は厳しく監視している」ということを明確にすることが必要です。公務員にも、業界関係者にも、肝に銘じてもらうしかないのです。

《退職金支給ストップ》は @素朴な視点では、汚職者に退職金を払わないルールの確立 A長い目では、汚職金権体質を許さない ということの象徴です。 尚、市民オンブズマンの弁護士も、当然にストップの可能性はあるといいます。


      汚職 金権体質
 汚職、金権体質の影響は他の公共事業にも出ている、と考えるのが自然です。 これは、時には事業の選択や、優先順位に影響し、内容に影響するのは当然のことです。また、行政が住民の方を向いていない、ということにもつながります。このような体質は、政策の意志決定にまで、影響を及ぼすこともあります。
 議会等に大きな前進を期待できない以上、不祥事・汚職は絶対許さないという住民意識の確立が大事です。
 恥ずかしい町、などと嘆いてばかりでなく、住民の意志表明と行動が再発防止の最善策です。「建設的な意見、行動をとること」に異論はないのですが、逮捕劇からまだ一週間、  「退職金だすな」  の意味を考えてほしいと思います。


5月15日(木)の緊急町民集会から・・
 私の知らない人達が随分参加されていました。意外だったことは、どうも、町長選挙の準備会のようにとられたらしいこと。町民の皆さんには、だからこそ参加したという方と、だから参加しなかった、という人もあったのかと思いました。 私は、今まで、この町でいろいろ動いてきましたが、今回の汚職の背景や周辺の反応に、今ほど根深さを感じたことはありません。だからこそ、これを放置していいとは決して思えません。怒りや反省を横においておくことはできません。 もちろん、新町長の資質と姿勢が重要であることに変わりはありませんが・・
 主催者は、今回の汚職に怒りやうっぷん、そして意見をもつ人達の集まりを開いて、今まで、何もして来なかった自分たちの反省も込めて、今後住民としてどうしていくか、を相談する最初の会合の予定でした。