新しい風ニュース 86号(通巻118号)
たかとみの環境とくらしを考える会
岐阜県山県郡高富町西深瀬208 TEL・FAX
0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の 寺町
ともまさ
発行 1997年5月31日
請願審議 今までで 最も活発な議会!
いつも、こんな活発な議論がされるような緊張関係を持った議会・執行部なら、
【絶対、汚職をしてはならない】 という自覚が高まる、と率直に思いました。 請願審議で《中村議員》は「条例第15条に【退職前に起訴されたら、退職金は支給しない】と書いてある」との意見。よく調べられています。
請願の代表の人達も、条例をよく知っており、退職金不支給を実現するカナメは『起訴日と辞職日の関係』がであることを、当初より理解していました。町長の辞職成立予定は6月2日、一方、検察庁の起訴は5月28日と見られ、請願者代表等が一番心配していたことは
「臨時議会が開かれ、突如『辞職承認』の動議が出され、町長の辞職が起訴の28日以前に成立してしまうこと」
でした。 そして現在、請願は不採択になったものの、退職金不支給の状況となりました。 先日会った、退職手当に詳しい人は「本当にヘタな辞職届けの出し方」との評。 辞職届の提出時期や議会対応など一連のことは、議会・役場幹部・本人・弁護士らが種々状況を検討しながら、秘密・慎重に進めておこなったことです。関係者らは、5月13日午前中に辞職届が提出されることを“確信を持って予想し”、12日の夕方に、【13日午後1時に全員協議会を開催】を公式に通知、加えて異例にも県庁の記者クラブに議長名で案内され、13日の全マスコミの来訪として演出されました。こうして粉飾された辞職手続きが進行していきます。
住民パワーの勝ち!!
この“ヘタな謀議”のおかげで《退職金支給停止になった》という、なんとも皮肉な結末。この背景には、実は、住民の怒りの力が大きく働いています。つまり、住民が議会に対して「退職金不支給のために町長不信任決議を」という行動を起こした事で、状況が複雑化、混乱し、「粛々と町長の辞職手続きを完了、もってみそぎとし、後は町長選挙に邁進する」という主流派の思惑が狂ったものです。
住民は、議会に請願不採択という“名”をとらせ、退職金不支給という“実”を取った訳です。まさに、住民パワーが退職金不支給を実現したものです。
町長選挙への 議員懇談 と 思惑
今回の高富町長選挙、巷(ちまた)では候補者のサヤ当てが話題になり、事件で、議会主流派への強い批判も聞きます。批判は、女性に、より強い傾向です。
起訴の28日夜、緊急に議員の招集通知が来ました。指定の29日11時、議員控室に行くと、議長が「複数の議員が町長選挙に出るとの話も聞き、3人以上の欠員が出ると補欠選挙等も。そこで、ざっくばらんに、今名前が出ている人達は、どう考えているか、教えていただきたい」との提案。ある人は「今突然で、どう答えていいか分からないが、自分は“前向きに考えている”」とのこと。私(寺町)は答える必要もないが、集会等で相談している事を率直に話しておくことが町政を変えていくことにつながると判断し「昨日の集会で確認されたが、3つの基本姿勢を受け入れることに、私を含めて、町内、町外広く候補者を探している」と話しました。3つの基本姿勢とは、
【汚職体質の根絶をはかるために @行政・議会を対象とする「知る権利」をうたった情報公開条例を制定する
A罰則を伴う公務員倫理条例を制定する
B入札制度を改革する】 です。
結構興味を示した人もあったようです。それを察してか「例えば東海環状とか、意見の全然違うことは、どうするのか?」との質問が来ました。私は「もともと、まちづくりについての考え方は、一人一人違っている。今回のような突然の町長選挙では、“汚職の根絶”ということを最優先していくことが大事」と。
さらに、議長から数人に、出馬の確認がありましたが、誰もが、「全然」「イヤイヤ」と首を横に振りました。(本音は・・・・?)
県職員のOBを候補者に??
10日程前に、私のところに県職員のOBの方から、「今、県が、県職員のOBを候補者にしようと必死になっている。OBの間でも(悪い意味で)話題になっている。気をつけなさい」と“警告”がありました。高富町の汚職体質の根絶は、
“流れを引き継がざるを得ない”県直系候補
では不可能です。
先の29日の議員の会合の事実を、私がこうして公にすることは、他の議員から強く批判されるでしょうが、密室政治とは縁を切り、住民の皆さんにも、町長選挙への動向を共有してもらうことが、信頼回復の一つの方法だと思います。
今回の事件に伴って、鷲見町長を支持した多くの議員が頻繁に呼ばれ、中には徹底的に事情を聞かれ「自分も、危ない!?」とうろたえた議員が複数いるようです。捜査当局に対しては、「この際、ウミを全て出して欲しい」という住民の素朴な声を正面から受け止めてくれるのでは、との期待が高まっています。