新しい風ニュース  88号(通巻120号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ
           発行 1997年6月14日


     まちの声から 

   《職員採用は適正か?》
◆ 《声》 鷲見前町長が、4月に長良川沿いのホテルで開催された職員の歓送迎会で「今年は職員を入れ過ぎた」と漏らしていた、という。従来から、町長だけでなく、いろいろな縁故採用が役場人事で行われていて、おかしい。採用前から「町長に役場に入れてもらえる」と公言する例も。適正採用なければ、適正な職員配置も行えず、効率的な行政執行もできない。縁故採用はなくすべき。

 →(寺町) 活発さを求める自治体や首長は、最近「全国から公募」「学歴不問で募集」「企業経験者を募集」などユニークな採用方法を取り始めています。そのように採用された人物の存在は個別の政策・事務に対しては当然ですが、役所内部やその行政区の人達に前向きな反応、影響を及ぼしています。
 以前、町長に、縁故や情実採用をなくそうと話した時、その返事は「いろいろあって、難しいんやて」と。助役に、全国から募集したらどうかと問うた時の回答も否定的。公的機関における縁故・情実尊重の習慣は、“行政の私物化”に通ずる論理で、行政執行の各所に弊害やマイナスを生じさせています。このケジメの欠如は、不祥事の温床にもなることは当然で、いろいろな疑念を町民に生むもとにもなります。町の将来への責任者として、グッと力強く前を見てほしい。


      《何でも反対やからな》
◆《声》 「寺町は、人物はいいけど、何でも反対やからな」という声を聞きました。ご自分では、どう思いますか?

 →(寺町) 町のことで、おかしいことは改めるしかないと考えています。おかしいことがいっぱい残っているうちは、改めるための掃除役は仕方ないと思っています。また、案件ごとに、事情で正面から声を出せない、という少数者や弱者がたいていできて来ます。私は、「そんなこと放っとけ」とは言えません。ただ、「一部の人達に、(あなたの)無いことを大きな声で誹謗中傷して言って回っている人達がいる」と、時々、忠告を受けます。そういう人は、「こころ」「良心」を問うても通じないタイプの人達ですから、放っておくしかないのでしょう。


   議員から、さっそくの反論  
 先号について、議員諸氏から反論がありました。要旨と見解を紹介します。
 容疑事実のH4年の100万円授受は、自分たちの全く知らないこと。出入り業者への500万円の出資の件は、町長選挙(H7年)の直前に自分たちが知り、それは良くないので《鷲見氏にきれいな状態で選挙に臨ませたい》《選挙妨害をされたくない》と尽力し、200万円もお詫び料にさせたただけ。それが100万授受に関わったととられる表現で、心外。自分たちは金をもらった訳でもなく、悪いことはしていない。警察からも倫理観が高いと言われた。

 →(寺町)先号で、議員両氏が100万円授受にもかかわったと取れる点はお詫びし、「両氏は授受には関係ないこと」をここで補足訂正します。御免なさい。ただ私は「住民から見れば、公務員が関係業者に出資をすることは許されない。公職の候補者であるなら、後始末をしたからもういいというのは通用せず、政治的責任をとって立候補は辞退するのが当然」「その点の認識が関係者と一般町民とは全く違っている」と思います。皆さんは、どのようにお考えでしょう?
 今回の問題の本質や背景にあるのは 《不都合なことは速やかにケリをつけて、みんなで“赤信号”を渡ろう》 という根強く、古い考え方です。たとえ“孤立無援”となってもスジを通す、その気概をもたなければ、改革は不可能です。
  先回町長選で鷲見氏を押した12人の町議と、6年前の助役選任汚職で逮捕されながら2年前に復帰した議員の合計13人が、今回一致して、71歳の土井清前町議を擁立したことは、それ自体が何ら流れを変える気のないことの証しと写ります。以前の体質に逆戻りするとの懸念が、徐々に、町に広がっています。


     議会は変わる!
 住民の力が大きく議会を動かしています。6月議会で、綱紀粛正に関する特別委員会が設置され、その目的が  「@倫理 A情報公開 B入札制度」  と予定されています。これは、住民の皆さんが提出のための運動を始めたことで、それをそのまま取り入れたものです。汚職直後であることを考慮しても、住民の活発な動きが、議員や議会を動かし、それに応える、高富町議会は、この点では称賛に値する、との声が出始めています。私も大いに期待しています。
 退職金支給停止も含めて 住民の力がまちを変える ことが実感できるこの頃です。「私も名前を出して動く」「何でもしますから言って」「家でできることならやる」などの声を頂きます。振り返ると、“自分で出来る範囲でいいから動こう”という人が年毎に増えています。これは、町の風通しが良くなり、更に町が変わって行くための第一の基盤で、お互いに心強い事。