新しい風ニュース  90号(通巻122号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ
           発行1997年6月28日

           役所の仕事
 全国の市町村には、許認可や保健、医療、戸籍事務など国の仕事を代行して行う部分が、ずいぶんたくさんあります。同時に、その地方自治体に住み、滞在する住民に対していろいろな仕事をしたり、地域の将来の発展や充実させるための仕事は一番大事なことです。これらを合わせて全ての役所の仕事のうち、おおむね80%位は、日本中、どこでやっても、誰がやっても必要なこととされています。残りの20%位が、その自治体の独自の政策によって変わり得る部分です。 “変わり得る”といっても、20%すべてがガラッと変わるのではなく、この20%の中でどういうことに重きを置いて使うかということです。この中で、福祉に重点をおいていく町、教育に重点をおいていく町、スポーツに重点をおいていく町、道路整備に重点をおいていく町などと、わかれていくわけです。
 映画にもなった東北の秋田県・鷹巣(たかのす)町は、公共事業のほんの一部を見直し、その分を福祉に回しただけで、全国でも評判の“福祉の町”となりました。町全体の予算で言えば、ほんの数%の方向転換で町が変わります。 
 高富町でも、町予算をほんの少し、配分を見直すだけで、随分たくさんの新しいことができます。それがトップの判断次第で、決められるのです。
 トップの力量の発揮されるのは、このほんのわずかの部分です。


     御嵩町 住民投票 大成功
 産廃処分場計画の賛否を問う御嵩町住民投票は、全国注目の中で、約80%という高投票率のうちに終わりました。結果は、80%が計画反対、実数でも、全有権者の70%が産廃ノーの票をいれました。今後、国や県の廃棄物政策に与える影響は、はかり知れません。同時に、御嵩町の住民にとっては、自分自身で判断し、行動したという、画期的な民主主義の歴史がつくられました。
 自分たちの町を、自分たちの手で決めていく、そのことを住民投票を成功させる運動の中で経験してきました。これからの御嵩町が楽しみです。
 次は、高富町の住民の選択の番ですよ、と御嵩町からメッセージが届きました。さあ、あたらしい一歩をふみだしましょう。


   前町長嘆願書・その後
 先号でふれた、前町長の嘆願書について、大きな反響がありました。地区の「役員が回っている」「議員が回っている」「家族が役員で、上から頼まれて、不本意ながら集めて回っている。私たち家族も恥ずかしい」という意見から、「自分のうちにきたら絶対に断る」「ハッキリいうから、いまだに自分のところには来ないのかな」という確固とした意見まであります。
 「嘆願署名」=自分の気持ちにそぐわないのであれば、お断りしましょう。
 今回、人の弱みをつかれながら、結構、拒否する人がいます。おかしいことはおかしいと自分で表明する人たちが、年ごとに増え、名前を表明して発言し、行動する人が増えてきたことは、この町の明るい未来を物語っています。


     まちの 次への展望
 事件以来この1カ月半、不祥事再発を防ぐための活動をしながら、町の在り方について、いろいろな人と話し合い、意見を聞く中で、《どうしても実際にやっていくこと》が必要だと考えていること。それは、先号でも少しふれましたが、町内各地の現状を客観的に調べる「まちの評価委員会」であり、その活動の延長上に、全体的な“まちづくり”を展望することです。
 町の客観的評価は、新しい発想であり、出直し選挙で、“女性町長が誕生”なら、行政が率先して進めることが期待できます。私も議員として積極的にサポートする覚悟です。権力構造的な、上から下への一方通行の行政の仕事ではなく、住民の声の反映される、つまり住民と行政が意志の疎通のはかれる関係をつくりましょう。これは言い換えると、まちのいろいろなことについて、住民の素朴な願いが実現するということです。


   町長選挙の資金集めが動機!?
 6月27日の初公判で、町長選挙運動の資金稼ぎが、汚職の動機とされました。課長時代の事件だとの意見がありましたが、限りなく町長職に準ずる動機。あちこちで工面し、当選のために接待し、終わったらほとんど使い果たした(額は?)。 町長時代に次の選挙の資金稼ぎをするような人物は、もう絶対にゴメンです。
 県も条例に罰則を検討中(空き缶ポイ捨て)
 住民の皆さんが請願している中に、「罰則を伴う公務員の倫理条例」があります。これに対して、罰則をつけることに慎重な雰囲気が議会や行政にあります。現在、県は罰則をともなう空き缶ポイ捨て条例を検討しており、県内で既に実施している市町村もあります。罰則は、公務員の倫理問題にこそ、当然なものです。


前町長刑事事件6月27日初公判を傍聴して
◆特定業者の指名ランクを「D」から「C」に上げ、翌年その業者の事業量は倍になった。さらに、「C」から「B」に上げた。
◆入札の元になる、設計価格を頻繁に教えていた。
 その他、生々しいことが、検事の口から淡々と読み上げられていきます。その内容には、驚くことが多々あります。
 現行の入札制度の問題点や公務員の倫理の問題など考えさせられた。詳しくは、次の機会にお知らせします。みんなで、考えていきましょう。