新しい風ニュース  92号(通巻124号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ
           発行 1997年9月6日

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    災害は 忘れたころ やってくる !
 今年は7月に思わぬ大雨が何度かあり、水害を心配した人達が随分ありました。
 富岡の新川の中下流域は、高富小学校や岐北病院のあたりより、数メートル低い地形で、ここの水害を防止するため鳥羽川・扇橋の北に「排水機」があります。1980年(昭和55年)工事費7億4300万円で設置、2機のポンプで、計画排水量は毎秒16立方メートル。役場職員2人と、富岡3地区から2人ずつの6人の人達が、半ばボランティアで、緊急出動に対応して、操作運転しています。本当に、ご苦労様です。草など普通のゴミに加え、バケツ、トタン、タイヤ、中には自転車(!)などのゴミを、ポンプに入る前に除去するのが一番大変とか。 この排水機、今年の7月12日午前9時からと7月28日午後5時半から、緊急に運転されました。12日は、急増水して、排水機周辺の道路が20センチ以上冠水。地区の人は、強い危険を感じながら待ったけれど排水機が動かず、たまりかねて役場に運転を求めました。すぐに、排水機が動き、この地区の水はグングン引いていきました。しかし、私が11時ごろ、上流の法務局の東、本郷南のあたりに行くと、まだ、道路が冠水したままでした。排水機周辺の水が引かれていく勢いに驚くと同時に、上流の方に排水機の効果が及ぶには何と時間のかかることか、と実感しました。7月28日は、午後に集中的に降り、道路に10センチ程冠水してから、排水機が動きました。
 この2回、排水機の運転開始の時期と各地の河川の水位や道路の冠水の程度、限界などを注意深く見比べてみて、幾つものことが分かりました。
 端的に、この2回は、運転開始時期が遅すぎました。富岡排水機管理規定を調べると、 《水位25,3メートル以上で運転開始》 となっています。しかし、今回の実際の開始の水位は、下表のように、 「排水機東の住宅地前の道路面が25,6メートル」 そこに、10〜20センチ水が乗ってからです。つまり、基準より、40〜50センチも深く滞水してから初めて動いた訳です。あと、さらに10センチ余分に滞水してからだったら、高木東、鴻ケ池、本郷南、西深瀬など、かなり広い範囲の道路や水田が水没していたでしょう。
 管理規定にいう運転開始の 《水位25,3メートル》 というのは、調べてみると、 『排水機東の住宅地前の新川の西側堤防の高さ』と同じ位 でした。高木東地区の人達は、この目安を覚えておかれることです。この水位で、運転が開始されれば、旧役場前の北町や高木東をはじめ、東・西深瀬でも、冠水・浸水することはほとんどなくなります(上流での大規模な開発もない場合)。
 それでも、この地域で水がつく時というのは、排水機の能力以上の集中豪雨とか、大雨が長時間続いたときです。こんなときは、鳥羽川上流の桜尾・焼橋周辺や赤尾・柳団地などでも水害がおきます。


   上流は水があふれ 下流は排水機を運転??
 『伊佐美の鳥羽川と椎倉川の合流点の三角の水田横の堤防の高さ』が28,0メートル、 一方、先の 「富岡排水機の運転中止の水位」が28,2メートル とされています。
 ・・・エッ!・・・ 上流では既に鳥羽川や椎倉川から水があふれているのに、下流では、鳥羽川に排水機で水を流し込んでいることになります。 水害について、富岡と桜尾の両地区の利害は、全く逆の関係なので、この問題に触れるのは注意した方がいい、と忠告を受けています。が、水害を無くすのは、誰もの願いで、役所の重要な仕事です。
 今年の排水機の運転開始のタイミングについて、担当課は不適切を認めており、前向きに、運用について見直すことも検討していくようです。
 ただ、排水機設置・管理の変更の一番の大元は、岐阜土地改良事務所長なので、そこのOKがないと規定改正も不可能という関係。次の台風が来る前に、新しい町長の水害防止の熱意で、大至急、所長を動かしてほしいと思います。

     新川 鳥羽川 下流 上流 住宅地 堤防
     標高 運転開始水位 運転中止水位
        などの図は省略


◆議会 綱紀粛正特別委員会 9月18日(木)10時〜
テレビの放送はありません。傍聴にどうぞ