新しい風ニュース  97号(通巻129号)
 たかとみの環境とくらしを考える会
  岐阜県山県郡高富町西深瀬208  TEL・FAX 0581-22-4989
《なんでも相談》 どの政党とも無関係の  寺町 ともまさ
           発行 1998年1月31日

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 97年12月議会一般質問の報告をします。
全国的に、市民オンブズマンの活動が、行政の在り方を揺り動かしています。オンブズマン的視点から、以下の五項目について「今後どのようにするのか」をお尋ねします。


  議員へ補助金=調査研究費について
◆《質問》 高富町議会では、議会の各会派に対して、町長から町政調査研究費として補助金が出されている。議員一人当たり、年間7万2千円に上る。(しかし、議員・特別職は、法律で「報酬、費用弁償、期末手当以外の給付は禁止」とされている。町政調査研究費の支給実態は、これに該当する違法支出である。)私も、今まで、町民の皆さんに発行するニュースの紙代、印刷費などの一部として支給を受けていた。しかし、今回、いろいろな国の見解を調べてみて、現状では、許されないない支出、との結論に至った。

《回答・助役》「公益上必要な場合、補助することができる」という規定によっ て支給している。議員個人でなく、「会派」に対して出しているものである。

◆ 《寺町》議員の調査研究費が全国的に疑問視されて久しいものです。「手続き」が公正で、実際に全て「調査、研究、研修」に使われていれば誰も疑問はもたないものですが、使途が非常に不明朗で、報告や記録も行政のようにきちっとはしてないのが実情だからです。
 高富町議会は、1月14日に開いた全員協議会で、財政がひっ迫している折りから、この補助金を辞退することを全会一致で決定しました。但し、町長に、『財政状況を考慮して議会も節減に努めるので、執行者(行政)も努力するよう』という主旨の要望を付すという前提で。辞退とは素晴らしい決定と思いませんか。


    議長名の弔電について
◆《質問》 高富町は、議長名の弔電を総務費の通信費で出している。議会費を総務費で流用することは、予算の議決に反し、法的に根拠のない違法支出である。

《回答・助役》総務費で支出していたのは適切を欠いており、深く反省してい る。来年度からは、議長交際費として支出するようにしたい。

◆《寺町》ところで、議長交際費(年間110万円)について、現議長は当然に公開していいと述べ、前向きです。ちなみに町長交際費は270万円です。


   議員の海外視察はやめるべき
◆《質問》 高富町の起債残高は95億円、町民一人当たり48万円もの借金がある。こんな財政事情の中、昨年今年と議員の海外視察に、議員10人分合計約700万円が支出された。今年は全国各地で「議員の海外視察は違法な支出」として、監査請求、住民訴訟がおこされている。やめるのに丁度よい時ではないか。

《回答・助役》平成8年度末での町の起債残高は、90億3664万円であり、町民一人当たり47万円である。国際化時代と言われている。議員が、広く海外の事情を知ることは、住民の利益につながるもの。来年も継続して行う。

◆《寺町》海外での姉妹都市提携のため、その町に行くというなら、理屈は通るでしょう。しかし、現在、議員が高富町の仕事をするのに、海外事情を公費で視察するべき理由はどこにもありません。また「必要ない」と述懐する他の議員も幾人もあり、「往復運賃だけ公費にすべき」という意見も聞きます。


  財産区から出す消防寄付金について
◆《質問》 高富財産区は、町の特別会計。ところが、高富財産区は、消防寄付金を協力金という名目で地域の消防分団に支出している。高富地区だけ公費で負担することは、何ら必要性がなく、違法で著しく不公平、不当な支出である。

《回答・助役》町村合併前の高富地区が持ていたものを、財産区としている。
 他地区との均衡は失していない。今後、財産区管理会において協議していただ き、不適切と思われる支出は改善して行きたい。

◆《寺町》その後、町の意に反して、財産区管理会関係者から「財産区は自分たちのもの。何だって構わない。出し続ける」との言葉を聞きました。他地区でも、財産を共同して運用しているから、との意見のようです。それならいっそ、高富財産区の財産は、高富地区に返還する方法を考えた方がよい時期なのでしょうね。


  財産区が出す道路分担金について
◆《質問》 高富地区だけは高富財産区の公費で道路分担金を肩代わりしていた。

《回答・助役》自治法296条の5項の3によって、財産区管理会の同意によ り、希望して公共事業に支出するために、一般会計に繰り入れている。

◆《寺町》答弁は、支出を正当化しているだけで 「★道路分担金を特定の『団体』に賦課することの禁止」「★他地区は個人へ賦課することの不公平」 この二点の問題の解決の視点は無いようです。町長が別の場で「8年度で分担金賦課をやめたのだから、もういちいち言わなくても、いいではないか」と答弁しています。私は、役所が「何についても、自主的、速やかに改める」習慣を持つために、問題点を明らかにしているのですが、どうも理解されていないようです。


      下水道計画の現状と今後  
◆《質問》 どこの市町村でも、下水道整備の事業が大きな課題なっている。しかし、下水道は非常に多くの費用と時間がかかる。
 赤尾や梅原で行っている農業集落排水事業の場合、下水処理施設は両地区とも「ジャルス3型」という処理方式。これは、汚泥が少ないことなどから選定されたが、汚泥管理そのものが大変で、窒素除去などにも大きな問題がある。 今後、長良川や鳥羽川流域でも、窒素やリンの除去が義務づけられることは確実。そうなると、赤尾、梅原の処理場は、施設の追加、改造が必要となり多額の経費がいる、と専門家が指摘している。ジャルス3型は、集落排水事業の先進県では、以前より取り入れていない型式。なぜ、高富町にこの方式がきたかというと、どうも、設計、調査委託をしている岐阜県土地改良事業団体連合会や日本集落排水事業協会が、“うるさくない自治体”に、これらを回しているらしい。つまり、厳しく注文をつける自治体には「それなりのもの」を斡旋する、ということだ。
 現在、計画策定中の大桑地区では、将来に大きな問題を残し、追加の経費支出が必要と見られる「ジャルス」という方式の採用はやめるべきではないか。

《回答・建設課長》それぞれの時点でより良いシステムを選んできた。開発も日進月歩。現在、富栄養化対策については、運転管理でクリアーするように県から指導を受けている。大桑地区の処理形式については、現在検討中である。

◆《再質問》どのように、計画を煮詰めて行くのか。

《回答・都市計画課長》4年度に、下水道基本構想を策定し、現在、基本計画作りの前。高富、富岡地区は町の73%の人口で、終末処理場の位置選定の段階。9年度に位置選定予定だったが、10年度にずれ込んでいる。10年度には、下水道懇話会を設置し、方式、完了時期、総事業費、所帯当負担額などを煮詰めて行く。桜尾地区については、大桑終了後、農業集落排水事業でいく。

◆ (再々質問)穂積町では、つい先日、下水道計画の見直しを発表した。
 穂積町の考えでは『公共下水道の場合、国は実際には年間20ヘクタール分以下しか予算をくれない、だから50年はかかる。しかも今後は、全国で下水道計画が競合するので、さらに減って10haと見込むのが現実的。だから、穂積町全体を完了するのに100年かかる。よって、公共下水ではダメだ』というもの。『そこで、コミュニティ・プラント方式にして、町内を5か6カ所に分けて実施。一カ所5年として、30年で完了、長い年月がかかる地域は、合併浄化槽でとりあえず進める、と言う方向に転換する』と発表した。これでも、総費用300億円が必要と試算している。
 今年度中に決定し、人口集中地域から着手していく、という。この考え方を高富・富岡地区に当てはめれば、3カ所位の地域に分けて進めるということになる。 本当に住民の暮らしを考えるなら、高富町の条件にあった早期実現可能な方法を、町独自で調査検討し、選択すべきである。

 (1)コンサルタントから「コミュニティ・プラント」ならどうか、「合併浄化槽中心」ならどうか、などのいろいろな想定でのデータを出させて、より早く、より少ない経費で実現できる下水道計画を検討していくべきではないのか。

 (2)町長は『終末処理場の予定位置が地域住民に知られると不安や混乱を起こす』という。しかし、こういう秘密主義の行政手法ではなく、広く町民も参加した形で、高富町にあった下水道計画を作り、実行していくべきではないか。

《回答・町長》(1)検討して行く。
(2)これからも住民の方々と接触して行く。行政の仕事は協議型であるべきだ。終末処理場などについて、隠しているというこはない。ただ、まだ、お話しできる段階ではない、と言うこと。

◆《寺町》大型の公共下水道の見直しが進められている時代。トイレ汚水処理だけの単独浄化槽は99年に製造中止に予定。


綱紀粛正特別委員会は2月6日(金)1時半〜
 国でも、罰則を含む公務員倫理法が急速に具体化しています。