旧高富町長の退職金未返還請求に
関する住民監査請求の提出のご案内
2004年12月8日
報道機関の皆様
山県市西深瀬208 寺町知正
TEL・FAX 0581−22−4989
いつもお世話になります。
下記のとおりの趣旨で住民監査請求をしますでお知らせいたします。
《提出先》 12月10日金曜日 12時
「岐阜県市町村退職手当組合監査委員」
県民ふれあい会館13階 岐阜県町村会(277−1123)同の組合事務局
同フロアーで資料一式をお渡しします(組合も市も同じ請求文を提出します)。
「山県市監査委員」に対しては、その後、移動して提出します。
《状況の概略》
旧高富町長が2002年5月1日、高富町の公共事業(児童館「子どもげんきはうす」建設事業)に絡んだ収賄容疑で逮捕され、04年2月6日に岐阜地裁で「禁固1年半、執行猶予5年、追徴金100万円」の判決をうけ、有罪が確定しました(贈賄側業者は、起訴事実を全て認めて有罪が確定)。
山県市ほか県内の多くの市町村が加入している岐阜県市町村退職手当組合の退職手当条例第15条の3の1項は、【退職した者に対し一般の退職手当等の支給をした後において、その者が在職期間中の行為に係る刑事事件に関して禁固以上の刑に処せられたときは、組合長はその支給した一般の退職手当等の額のうち次に掲げる額を返納させることができる】とされています。これは自由裁量でなく羈則裁量です。
本年10月2日の市議会一般質問で私がこの問題をとりあげたところ、市は退職金支給額は1540万円であること、返還請求は組合と協議し検討する、と答えました。
《公判で明らかにされた事件の経過》
「元町長は2001年3月から贈賄側業者と接触を始めた。元町長は、同年4月に担当課が選定した指名業者のうちの大手建設業者一社を外して贈賄側業者を加えるように助役に強制した。同年5月の入札直前、予定価格を教え、5月の入札において実際に贈賄側業者が落札した。その直後の6月上旬に100万円を町長室で受け取った。
6月中旬に町長選挙が告示されたが、元町長は無投票で再選された。同年7月から次の町長の任期が開始されたところ、7月の議会で同入札の状況が質疑されたことなどから不安を感じ、100万円のわいろをいったん返却した。が、改めて欲しくなり同年8月上旬に自分の後援会に分けて振り込むよう求め、口座番号のメモを町長室で渡した。実際に、同年8月21日に100万円が振り込まれた。」
《返還請求しないとの組合と市の方針》
返還請求すべきか否かに関して、判決文などにある事案の経過などから判断して、争点となるのはのは01年8月であって、その時期は2期目であるから1期目の退職金を返還請求すべき場合には当たらないから返還請求しないと決定し、山県市に通知しました(10月20日岐阜新聞報道)。山県市は、組合の判断に追随するとの考えです。
《本件請求人の考え》
本件条例は「その者が在職期間中の行為に係る刑事事件に関して」としています。この事件は、町長の1期目の任期(2001年7月)の終了前になされた行為を原因として逮捕され、有罪が確定したものです。犯罪は一連の所作の結果です。本件事実経過からすれば、01年3月から同年8月の再受領までの行為は一連かつ不可分なものです。
仮に、分断して考えるとしても、当初の金銭授受は6月なのですから、1期目の任期中です。その後にいったん返したとか再度要求したとかは後続の事情です。
よって、退職金は返還請求されねばなりません。
《住民監査請求を組合と市の両方に請求する理由》
一部事務組合の財務に関して、構成自治体の住民は当該組合監査委員に対して住民監査請求できることは確定しています。ですから、本件の場合、住民が山県市監査委員に監査請求した場合、住民訴訟においては、そもそも退職金を支給した組合に監査請求すべきであると却下される可能性があります。
他方、退職金は全て高富町から組合に納められたお金なので、「損害は高富町である」との判決があり得ますから、この場合は山県市に監査請求しなければ勝訴しません。
結局、山県市の住民は、本件の場合は、組合と山県市の両方に対して、ほぼ同じような内容で同時に監査請求しておくしかありません。
《住民監査請求で組合の監査委員に求めること》
◆怠る事実の認定
組合長が元高富町長の1期目の退職金1540万円の返還請求権の行使をしないことは、財産の管理を怠る違法なことであると認定し、組合長に、直ちに返還請求する よう勧告することを求める。もし、組合長が返還請求権を行使しない場合は、組合長 自ら組合に補填するよう勧告することを求める。
◆遅延利息の扱い
1540万円に係って2004年4月21日以降、完済の日までの遅延利息(年5%)につき、組合長は組合に支払えと勧告することを求める。
《住民監査請求で山県市の監査委員に求めること》
◆怠る事実の認定
山県市長が、組合長もしくは元町長に賠償請求権を行使しないことは財産の管理を怠り違法であることを認定し、山県市長に、組合長もしくは元町長に、直ちに、賠償 請求するよう勧告することを求める。もし、山県市長が賠償請求権を行使しない場合 は、山県市長自ら山県市あるいは組合に補填するよう勧告することを求める。
◆遅延利息の扱い
1540万円に係って2004年4月21日以降、完済の日まで遅延利息(年5%)につき、山県市長は山県市あるいは組合に支払えと勧告することを求める。
以 上