高富町長退職金支給差止め住民監査請求

結果決定 → 勧告の実施  について
                         1997年7月17日
記者クラブの皆様
              《もうガマンできない高富町民の集まり》

 高富町長汚職に関連して、「不祥事を起こした町長に退職金支給は納得できない」として、住民監査請求を行ってきました。今般、住民の請求を容認するという、画期的な監査結果が出され、昨日その通知が請求者に到着しました。請求後、監査結果について、報道関係の皆さんから問い合わせが続いておりましたので、以下、ご案内致します。

     住民監査請求の経緯
◆請求日 1997年5月30日

◆請求者 高富町民 74名

◆請求先 「岐阜県市町村職員退職手当組合」の監査委員
 ※「岐阜県市町村職員退職手当組合」(岐阜県町村会内・組合長職務代行者・副組合長吉田三郎羽島市長)は、高富町を含む岐阜県内、八市八五町村(その他事務組合等)の常勤職員に対する退職手当の支給に関する事務を共同処理する一部事務組合で、市町村からの負担金で運営されている。
 1961年の設立以来、退職手当組合への監査請求は初めて。組合事務局は「県民ふれあい会館内・町村長会」にある。

◆請求の動機
 組合条例第一五条において「職員が刑事事件に関して起訴された場合において、その判決の確定前に退職したときは、一般の退職手当等は支給しない。ただし、禁固以上の刑に処せられなかったときは、この限りでない」とされている。しかし、高富町や高富町議会及び退職手当組合には「容疑事実は、一般職時代の事なので、条例第一五条は該当せず、町長の辞職になれば、速やかに町長職の退職金が支給されることになる」との判断があった。そこで、支給行為を差し止めるために、住民監査請求をおこなった。

◆事件後の流れ
 5月7日町長逮捕、5月28日起訴、6月2日退職成立、6月27日初公判、7月25日論告求刑

◆請求書の本文(別紙)

◆監査結果の通知、勧告文書(別紙)

《監査結果について、請求者のコメント》
@まず、一般論として、「岐阜県」ないし本件のように県内の大部分の市町村の加入している「全県的な公共団体」において、住民の請求が容認されて、執行者に対する勧告に至った例は、少なくても、この10数年来無かったとされている。極めて画期的な監査結果だと考える。

A汚職者に退職金の支給は納得できないという住民の素朴な思いから監査請求を行ったことに対して、監査委員は自治省との協議などを経て、請求を容認するという結論、そして、勧告に至ったことを、大いに評価したい。

B但し、今後、「起訴前に退職すれば、退職金はもらえる」という風潮・常識になっては、県民としては、また、納得できない事態となる。
 先般、国家公務員について【不祥事発覚時点で、即、ボーナス及び退職金の支給を停止する】と改正するという法案が先の国会を通過した。当該組合においても、早急に条例改正を行い、「不祥事発覚時点での支給停止」を明文化することを、強く願う。

C県民としては、今回の高富町長への退職金支給停止の勧告が、広く県内の公職者への警鐘・歯止めとなり、また公務員倫理の確立に資することを期待している。県内の公職者はしっかりと自覚してほしい。                                               以 上