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山県市の合併の目玉とされた地域情報化と
  行政防災無線の事業についての
     住民監査請求の提起のご案内
                     2004,7,6
報道機関各位
     寺町知正
   TEL・FAX 0581−22−4989

 いつもお世話になります。
 標記の件につき、市民有志が、下記の趣旨で、地方自治法第242条に定める住民監査請求を提起いたします。地域情報化事業(34億円)は、折しも、7月16日が一般競争入札の予定日であり、業界からは「あそこが落とす」とのうわさも伝わってきます。
 県内の他の合併の場合も、地域情報化と行政防災無線が目玉になることが多いようで、ITバブルがはじけた後、公共事業がかつての土木・建設重視からIT重視に移っていく過程にあるといわれる中で、税金をこれらの食い物にされては行けないと提起します。

  7月8日(木)午後2時半〜   

        山県市役所4階 議会棟

  山県市では、監査委員事務局は議会事務局が兼ねています。
  監査請求書の提出後に、関係資料の配布とレクチャーを同4階で行います。
           請求の論点の抜粋した要点は下記です。

第1 事業概要
1, CATV事業の概要
 2004(H16)年度から来年度にかけて、町村合併の目玉事業として、高富町が10年ほど前から実施していた公営の有線テレビ事業を、美山・伊自良地域に拡大し、さらにインターネット及びIP電話など実施する計画を34億円の経費を使って進めるという地域情報化事業を予定している。財源は、合併特例債と一部は美山地域の過疎債が中心である。6月1日に一般競争入札を告示、入札は、7月16日実施予定である。

2, 防災無線事業の概要
 2004(H16)年度から来年度にかけて、町村合併の目玉事業として、山県市は防災無線整備を計画している。公用車等の移動系のデジタル地域防災無線設備整備、親機やマスト整備のため同報系設備整備、高富地区の全世帯への受信機(約6000台)無償貸し出しなどに、約11億円である。
 財源は、主として合併特例債で、入札は8月ないし9月が予定されている。

第2 基本姿勢の誤り
 住民のコンセンサスがなく、住民ニーズの把握が欠如し、計画策定業者選択の誤りがある。山県市は、7年後のデジタル化対応を目的として強調したが、テレビ事業(自主放送を除く)は結局は市の直接管理から外す、つまりデジタル放送を扱う意志がない。
 現行の共聴組合を維持する、整備する、復活する、ということで大幅に自治体の負担が安くできることは、明白である。

第3 事業方式選択における誤り
 受託業者から提案が示された「山県市地域情報化計画」あるいは「防災無線整備計画」を受けて、市は、事業の意志決定においては、最小経費、最大効果を追求して手法を選択する義務を負うところ、市の主体性及びこの責務を放棄し、業者の示すままの計画を遂行しようとしている。本件事業の遂行には市の関係者に許された裁量を著しく逸脱する不当もしくは違法がある。

第4 現実に他の方式が存在していること
 両方の目的を達するためには、他の観点による場合など各種ある。
 例えば、岩村町は、光ケーブルと無線を組み合わせて、インターネットや防災無線その他ユビキタスネットワークシステムを確立し、平成16年10月からは地上波デジタル放送中継システムも開始する。各家庭の受信設備まで含めて4億円程度の経費である(人口5400人1600世帯)。
 例えば、岐阜県や国が出資して作った(株)VRテクノが山県市に提案する方式では、テレビ、インターネット、防災無線に加えて、現在の山県市の計画では全く不可能であるユビキタス環境の構築も可能となる方式では、かなり低額で可能との試算がでている。 山県市には、各種の方式を比較検討して事業遂行すべき義務がある。

第5 テレビ、インターネット業務の外部委託
1,市は、6月3日付けで、@niftyを前提とするジャパンケーブルネット梶iJCN)と仮契約したが、山県市の支出をともなう契約であるから、事業開始の前年度に契約することはできない。予算議決もない。よって、本件で市がいう仮契約は手続き上違法である。また、テレビやインターネットサービスの提供を可能とする業者は当該予定業者系列以外にもたくさんある。これを入札に付さず随契したことは、違法である。
 結局、本件契約は法第234条2項、同施行令第167条の2の第1項に違反する。

2, 契約の違法と無効
 法第2条16項「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。」、同17項「前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする」とされている。つまり「法令に違反してなされた行為は無効」であるから、本件契約は成立しないのも明白である。

3, 今、インターネット業界は、ユーザーの獲得に奔走している。今回は、地方公共団体である市が、市民の多額の税金を投資し設備を整える事業である。地方公共団体が、民間業者の市民の囲い込みに加担することは許されない。

第6 県内、市内事業者が存在する
 市民の多額の税金で実施するのだから、最小経費最大効果は最重要な判断基準。安易に高額な方式を選択することは、財政が厳しいから合併したとの原点に反する。

第7 両事業計画の統合、修正可能性の検討責務
 以上のことから、山県市は、「山県市地域情報化計画」と「山県市防災行政無線設備設置計画」をミックスしても目的達成は可能であるので両計画を統合もしくは修正するべく計画を変更すべきことが具体的に明らかである。双方ともH15年度に委託して計画ができ必要経費も試算された。何ら検討なく双方推進することは著しい誤りがある。 まず両者の統合あるいは修正の可能性の調査の委託をすべきで、その後に発注すべき。 再検討の結果、統合できないなら双方をより適切かつ低価格で進めるべきである。

第8 結論  よって、請求人は以下のことを監査委員に求める。
1, 両事業とに関して、2003年(H15年)に策定された計画の統合修正の検討のための調査及び計画策定の検討委託費相当額を越えた額を支出してはならない、と市長に勧告すること(差止請求)。

2, 両事業に関して、他の方式を選択していればもっと低額で実施可能との試算が成立するから、山県市は、仮に本件両事業を遂行する場合でも、相当額を越えて支出してはならない、と市長に勧告すること(差止請求)。

3, @niftyを前提とするジャパンケーブルネット鰍ヨの委託契約は違法であり、かつ無効であることを確認すること(無効確認)。 以上