住民監査請求書(岐阜県高富町職員措置請求書)
1,請求の趣旨
 高富町は99年度、「議会の本会議や委員会協議会後等の懇親会」4回に議会費用ら22万4654円・総務費から22万8413円・教育費から3万4595円を、「新旧監査委員の歓送迎会」に総務費から3万9010円を、「都市計画審議会の会議後の懇親会」に都市計画費から9万5760円を、「財産区の予算及び決算の説明・審議後の懇親会」2回に財産区特別会計から13万9120円を支出した。懇親会実施回数は合計8回で延ベ113人が参加し、その支出金額は、合計で76万1552円、参加者一人一夜当たり平均6739円である。
 懇親会はいずれも、日中に日当(費用弁償)を支給した(議会委員会のみ別)会議を行い、会議経了後の夜に、日当とは別に町の公費(食糧費)を用いて、町内の飲食店において飲酒を伴って実施されたものであり、参加者は、町議会議員、町三役、課長、一部課員及び監査委員、教育委員、都市計画審議会委員、財産区管理会委員であり、全て地方自治法(以下、法という)に定める高富町の職員である。
 町議会議員や各種委員らは、職務上、日常的に、町職員、特に管理職らと意見交換、交流をする関係にあり、特に議会は行政のチェック機関とされている。よってこれら議員や委員が公費を用いて酒食を共にすることは社会通念上、到底許容されない。その財源が町民が額に汗して納めた税金にあることに思いを致すと一層である。
 また、敢えて夜に酒食を伴った懇談を企画して情報交換をしなければ滞るような町政の課題、懸案は皆無であり、しかも職員同士でのものであるから、本件懇親会費用は、法の定めた食糧費の定義を逸脱した目的外の違法な支出である。
 このように、自治体の事務を処理するために必要な経費を支弁するものであるから(法第二三二条一項)、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならず(法第二三二条一項)、経費はその達成するために必要且つ最小の限度をこえて支出してはならない(地方財政法第四条一項)とされていることにも違反している.
 判例も自治体の公費支出、特に食糧費に関してはこれを厳しく戒めるものが相次いでいる。
 よって、本来的かつ健全な行政と議会等の在り方の実現を願って本件住民監査請求を行うもので、本件懇親会に参加した者及び支出関係者は高富町の損害を補填すべくこれを返還する責任がある。

二 請求者 別紙 もうガマンできない高富町民の集まり 代表 林武 他高富町民8名 
 以上、地方自治法第242条1項により、事実証明書を添えて、必要な措置を請求します。
2000年11月13日
 高富町監査委員 武山和行様 山田晃稔様

    別紙事実証明書目録
第1号証 本件支出についての集計表
第2号証 秋田県議会の常任委員会と教育委員会関係者らとの懇親会費用の全額の返還を命じた平成9年(行ウ)第8号/99年6月25日言渡/秋田地方裁判所判決の全文の写し