岐阜市長選挙違反市職員給与
返還住民監査請求書
第1 請求の要旨
1 2001年1月28日投票の岐阜市長選挙に関して、市の職員の「地位利用による選挙(事前)運動」禁止等違反が発覚し、幹部ら8人が逮捕若しくは送検された。助役一人と収入役は、早々と辞任した。市長室長を筆頭に、勤務時間中に庁舎内で入会カードを配布・提出する等、組織的背景が歴然としている。
2 岐阜県警は、この紹介者カードをもとに合計約290人の職員から事情聴取した。
3 公務員は全体の奉仕者として、職務や行為の公正、職務専念義務は厳しく求められ、政治的行為の制限も厳格である。
4 少なくても、紹介者カードを提出した市職員にあっては、市長選挙の前後、頭の中が選挙で一杯で、到底、「市職員としての公務」に専念していたとはいえない。
5 紹介者カードを提出した職員を特定した上で、県警が事情聴取したから、違法行為の当事者としての事情聴取であり、これが市の公務に当たらないのは明らかである。
6 関係した職員は、選挙後も自らの行為、呼び出しや逮捕への不安、他の職員らへの心配や話題等で、かなりな部分、職務専念義務に違反していたとみるのが合理的である。
7 職員の給与は、その勤務しない1時間につき、給与を減額支給する、とされている。
8 前記4、5、6につて、職員が勤務していない若しくは職務専念義務に反する時間に対して給与を支出できないのは当然であって、その支出の都度、その金額の損害が岐阜市に発生し、現在も損害は継続している。
市長や一部職員らの減給したことで、市の損害が補填されたと考えることはできない。
9 岐阜市長は、前記支出権限を有する職員若しくは不当利得した職員に損害賠償請求すべきところ、これを行っていないことは、財産の管理を怠る事実として違法である。
10 給与支出に権限を有する市長、収入役、人事課長、各所属長及び当該職員らは、いずれも個人として、賠償・返還義務がある。
11 請求人の特定する違法な給与支出額としての市の損害額は、給与分3764万1024円と期末手当分640万円の総合計である金4404万1024円である。
12 監査委員は、民訴法248条の趣旨目的にならい、損害を認定をすべきである。
13 事情聴取時間について、最近、有給休暇を取得させたというが、給与の減額義務はその時点で発生しているから、金員としての返還措置でしか市の損害は補填されない。
14 よって、@岐阜市長の怠る事実の違法を確認し、A関係職員個人に前記11の市の損害を回復する措置を講ずることを監査委員に求める。
第2 請求者 くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク 別処雅樹 他39名
以上、法第242条第1項により、事実証明書を添えて、必要な措置を請求します。
2001年9月5日
岐阜市監査委員 各位
別紙事実証明書目録
第1号証 請求人らの市長への申入書
以 上
住民監査請求書 請求人目録 2001年9月5日
《略》