県営北方住宅建設費のうち
 31億円の支出差止の住民監査請求

                      11月9日


    
   県営北方住宅の前期の建替計画である「南ブロック」の工事(430戸・95億円)が昨年終わりました(00年3月30日/県政記者クラブ発表資料参照)。総事業費は約95億円。
 この北方県営住宅の建て替えは、磯崎新という建築家と梶原拓知事とが合意して90年過頃から進められて来たものです。

 南ブロックの特徴は4棟それぞれの特異な構造と外観。
 建築家たちにはそれなりの評価がありますが、「公営住宅でこのようにしたこと」には大勢が疑問を呈しています。建築業界以外は、それ以上に疑問視。

 01年1月、南ブロック入居者の全戸アンケートを実施、その結果を後期の建替計画に反映させる、としていました(アンケート委託料は5万円)。
 しかし、実質的にアンケートを放置しました。住民からあまりの強い不評にアンケートの集計をしなかった、と考えるのが合理的です。

 今年、「中北ブロック(仮称)」(620戸・総事業費は約130億円)の基本設計をするとして、当初予算を組みました。そして8月28日、「(株)磯崎新アトリエ」と県内設計会社(「大建設計」「岬建築事務所」「金華建築事務所」)とのJVに、基本設計を委託しました。(アンケートは、この委託業務の中でも集計する、ということにされたから前年度支出に係る委託ではアンケート集計を実施しなかったことが明白になった)。

 このまま放っておくと、南ブロック同様に建設費用は異常に高く、逆に、非常に住みにくい、ということになる恐れが強い。「県民生活の安定と福祉の増進を図るため、低額所得者(月収20万円以下との制限)のために低廉な家賃で賃貸する」という目的の公営住宅の基本を忘れ、知事らの遊びというしかありません。
 県民の貴重な税金で、公営住宅建設の責務(居住性と経済性重視)を逸脱して、知事と磯崎新氏がその個人的な趣味や価値観をアピール・実現することは、許されません。趣味の表現や実現は、公共事業においてではなく、民間事業においてすべきであることは明白。

 そこで、次の2つの住民監査請求を行います。
◆【@本体工事費のうち、民間分譲マンションの通常の建設費を上回ると推定さ  れる30億円の支出を差し止める、Aどういう建築にするかや高額となるか  は設計次第で決まるから、設計方針を変えさせるために、本年度の基本設計  委託料1億1550万円の支出を差し止める】
◆【アンケート委託費用はカラであるとして5万円の返還請求することで、アン  ケートをきちっと反映させる】

 と言うことで、11月9日に住民監査請求しました。
     以 上